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【事例紹介#2】大手化学メーカーX社の経営方針浸透プロジェクト

 傍から見ると何でも解決できそうな大企業も、実は日々様々な課題に直面しています。JBAは、そのような企業の幅広い課題のご相談にのり、解決策の企画提案から実行までを支援します。

だけど「JBAは何屋さんなの?」と聞かれると、ちょっと答えづらい。お客さまの課題に応じてプロジェクトの内容が全然違ってくるため、一言で「○○する会社です」と言えないのです。

それでも、興味を持ってくださる求職者の方に、なんとか私たちの仕事の面白さを伝えたい…というわけで、事例紹介をしていくことにしました。

あるプロジェクトでコンサルタントが実際に何を考え、どう行動したのか。本人が感じた喜びや苦悩、個人的な仕事観までを赤裸々に語ります。

第1回はこちら

第2回は…
大手化学メーカーX社の経営方針浸透プロジェクト

 こんにちは、JBA入社4年目のコンサルタント山本です。実は、僕はJBAの中でも少し変わった経歴を持っています。子どもの頃からサッカーが好きで大学在学中にフットサルのプロに。卒業後はプロとして活躍。その後、諸事情があってビジネスの世界で生きていくことになり、最初の会社としてJBAに入りました。

2019年の夏。製薬のある領域で業界売上トップの基盤がある、社員7000人の大手化学メーカーのX社さまは、次年度からの中期経営計画の施行に伴い、社員に新しい経営方針をどうやって浸透させていくべきかを悩んでいました。そこで開催されたコンペの結果、JBAがコンサルティング会社として選ばれたのですが、今からご紹介するのは、私たちがどのようにX社さまの課題を捉え、提案を行ったのかという話です。私の好きなサッカーの場面の例えも交えながら、ご説明したいと思います。

と、その前に…。

「中期経営計画の浸透ってなに?どうしてそれが大切なの?」学生の皆様にはなじみの薄いその言葉から説明します。

経営方針は、企業が向かう方向を示す道標(みちしるべ)



 企業がどちらに向かって進むのかを明らかにした「目標」のことを経営方針といいます。

全ての企業が何かしらの経営方針を持っていますが、特に上場企業は、株主や社会に向けて「私たちはこちらに向かって行きます」ということや、それをどの程度実現できているかの進捗を定期的に公開することが法律で義務づけられています。

多くの場合、まず10年等の長いスパンの長期経営方針があって、その達成のためにより具体的な目前3年の動き方を定めた「中期経営計画」(以下、中計)などが策定されます。企業内の様々な部署でそれぞれ違う役割を担う社員たちは、その経営計画の大きな旗印のもとで、それぞれの業務を行っていきます。いわば、経営方針とは社会に対しての約束であるとともに、社員全員にとっての「道しるべ」のようなものなのです。

経営方針が社員に浸透していないと、何が問題なのでしょうか。

それは、監督不在のサッカーの試合のようなものです。監督が選手全員に「好きなようにやってくれ」と言ったら、攻めるのか守るのかの判断も人によってバラバラで選手は連携できません。それぞれの選手はポジションも定まらず、どう動いていいかが分かりません。こんな状態では、どれだけ個の力が優れていても勝つことはできません。

経営方針とは、サッカーでいう監督の指示のようなもの。監督の頭の中にあるだけではなく、選手に伝わり、適切に理解され実践されることで、はじめて力を発揮するのです。

企業で働く人たちは、日々、自分の仕事を進めるにあたって「A案をとるかB案をとるか」といった選択に迫られています。経営方針が浸透していれば、いざという局面でその大きな方向に沿って意思決定をすることができますが、経営方針が良く分かっていなければ、個々の社員は場当たり的に闇雲に何かを決めたり、下手すれば間違った方向に進んでしまうこともあります。だから、「経営方針の浸透」は、大きな企業にとっての最重要課題の一つなのです。

さて、X社さまは、2018年までの中計の進行状態は堅調で、グローバル展開も伸ばしており、全体の売上も成長していました。

そんな足元が好調なX社さまが次年度からの中計の経営方針の主題として選んだのは「社会課題の解決」でした。

SDGs(持続可能な開発目標)、ESG投資(環境・社会・内部統制を重視した投資)といった昨今の世界的なトレンド。それを背景として、X社様は、既に確立している競争優位性とグローバル展開力を基軸として、自社の存続だけではなく社会的な持続可能性をも追求すること、すなわち「社会課題の解決」を実践していくことが自分たちの次なるステップだと認識されていたのです。

しかし「社会課題の解決」というのは壮大なテーマです。経営陣は、その理念をどうやって従業員に説明し、どのような具体的な行動を求めていけばいいのかに頭を悩ませていました。そこで、社外のコンサルタントに知恵を求めるコンペを開催することになったのです。

知るだけではダメ。行動できるレベルまで浸透させる。



 私たちがまずコンペの提案に先立ってやること、それはヒアリングです。正解のないコミュニケーションに関わるプロジェクトでは、そこでどこまでお客さまの世界観に深く入り込み、課題の真髄を掴んで言葉に落とし込めるかがコンペの勝敗を決めると言ってもよいくらい「聞き出す力」は大切です。

私は経営企画室の方々が、現中計でどのような課題を感じているのか、これからどうしていきたいのかということをじっくりと伺おうとしました。しかし、そこで明らかになったのは、お客さま自身も、新経営方針の解釈につまづいているということでした。

そこで私は一歩後戻りをして、お客さまが、社内コミュニケーションのどこが難しいと感じているかというところから、事細かにお悩みを伺っていきました。お客さまご自身でも言語化のできていないそのモヤモヤした感じを紐解きたい。その一心で、提案プレゼンを書き始める前に、ヒアリングの内容を自分なりに咀嚼して、イメージを固めることに時間をしっかりかけました。

提案は、新旧の中計のストーリーを紐解く分析からはじめました。

これまでの中計は、いわば「X社が社会にどう貢献したいか」を追求するもの。そして新たな中計は「社会が、私たちにどう貢献してもらいたいのか」を追求するもの。実は「主語」が入れ変わっています。それを、背景とともに分かりやすく社員に伝えていきたいのです。ありがちなのは、それを分かりやすい言葉に落とし込んだコンテンツを社内報や講演などを通して発信しましょう、という方策です。

でも、サッカーにおいては、選手がチームの戦略を理解しただけでは不十分で、その戦略に沿って動けなければなりません。同様に、企業活動における社員にも「経営方針を知ったうえで、それに基づいて具体的に行動できる」レベルになってもらわなければなりません。

そのために実行すべき具体策の提案と支援こそが、実はJBAの得意分野なのです。私たちは、役員の方から社員の一人一人の方に至るまで、全員が、業務の実践を通して「社会課題の解決」とは何かを自分事として学び意識をあわせていけるような仕掛けの具体案を、沢山考えました。

一部を紹介すると、例えば、新たなミーティング・ルールの導入です。どんな議題でも、必ず「社会課題の解決」に関連した質問を入れることで、会議参加者が中計の理念に触れる機会を増やします。また、浸透促進のための冊子は、バインダーのポケットに入るサイズにして社員がいつでも持ち運べるように工夫します。その冊子に記載する新理念の紹介は「中計のドラマ化」をコンセプトに、過去~現在~未来に至るストーリーで社員が興味を持って読めるような形式とし、あわせて社内のネットで視聴できる動画も提供します。

「主語が入れ替わっている」という新旧理念の分析を軸に、細かいところまで具体的な浸透策を提案したことが評価されて、見事、JBAは複数社のコンペを勝ち抜きました。

得られる情報はどこまでも



 徹底的にお客様と向き合い、情報収集を行ったうえで具体的な施策の提案をし尽した今回の受注は、私にとって、とても達成感のある体験でした。

実は、私は以前、別のお客さまから「本当に私たちのこと分かってる?」と叱責を受けた経験があるのです。当時は表向きに言われた課題の解決にばかり目がいってしまい、その会社がたどってきた歴史や現在抱えている悩みの深い部分まで考える余裕がなかったのです。

そのお叱りの言葉は苦い経験として今も心に残っていますが、それからはお客様のことを深く理解するための努力は惜しまず、得られる情報はすべて吸収して提案に生かそうとするようになりました。今回も、これまでの中計、統合報告書、IR情報や採用ページなど手に入る情報は徹底的に読みこみ、期待されている以上に社員の皆様に対するヒアリングを行ったり、業界全体のトレンドを下調べたりしました。お客さまとの打合せには、会議のテーマについて企業内担当者さまと対等に語れるレベルまで理解したと思えるところまで事前準備して臨みます。そういうことが、今回の受注につながったのだと思っています。

けれども、これは私だけの成果ではありません。JBAは多くの大手化学メーカー様とのお取引があり、私を含めて4人、この業界に詳しいコンサルタントがいるのです。X者様への提案にあたっても、その皆の力を借りました。それぞれのメンバーが得意分野を生かしながら一緒にプロジェクトを進めました。たとえば、Aさんは企画が得意。Bさんは化学の知識が豊富。そこで経営戦略が好きな私はその分析と解釈に集中することができ、安心してプレゼンを進めることができたのです。ともに駆け抜けてくれた仲間の存在に、心から感謝しています。

誰もやっていない。だからこそ目指す。


 サッカーチームでも会社組織でも、自分の特徴を考えていくことは大事です。どこか人と違う、何か特徴的な部分があることで、まわりから求められ、楽しい役割や居心地のいい場所を掴んでいけるのではないかと思っています。

私が目指しているのは「大手企業のメッセージの代弁者」となること。大企業の「経営戦略」を深堀りして、誰にでも伝わりやすい解釈を考え、社員の理解を深め、行動レベルまで落とし込んでけるようなコンサルティングができるのは、JBAの中では自分しかいない。日本中探しても、こんなコンサルタントは他にいない。そう思えるから、仕事が面白い。

今後も、僕は、「経営戦略」をとことん深く理解して分かりやすく言語化する努力を続けて、誰も気が付いていないような埋もれている価値を引き出し、周囲を巻き込んでいくような仕事をしていきたい。その分野で、色々なお客さまから「あなたでなくてはならない」と言われる存在になりたい、と考えています。

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【事例紹介#2】大手化学メーカーX社の経営方針浸透プロジェクト
園田勇也
日本ビジネスアート / 医療経営支援事業部リーダー
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