市古 空のプロフィール - Wantedly
ウォンテッドリー株式会社, Platform & Enabling
https://www.wantedly.com/id/igsr5
こんにちは!ウォンテッドリー株式会社の市古 (@igsr5_) と申します。
私は2023年4月にウォンテッドリーに新卒エンジニアとして入社し、もうすぐ1年が経ちます。
ウォンテッドリーは究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやしたい会社です。
そして世界で最も「シゴトでココロオドル」を体現している会社でもあります。
本記事では新卒1年目のエンジニアが「どんな仕事に没頭したのか」を振り返ります。
現在転職を考えているエンジニアや学生エンジニアの方の参考になれば幸いです。
タイトルにある DevOps チームの話は『どんな仕事に没頭したのか』の最後の章で言及しています。気になる方はスクロールしてください。
市古 空 (いちご そら) と言います。
Web 開発を始めたのは高校 3 年生の春 (2020) でした。初めはブラウザで動作するコードを書くのが楽しくてただただ HTML, CSS, JavaScript (生) を書き殴って遊んでいました。その後、縁があって高校3年生の夏 (2020) から都内のスタートアップ企業に参画しバックエンド開発を行うようになりました。
さらに大学1年生の夏 (2021) からウォンテッドリー株式会社に長期インターンとして参画し、1年半後に正社員になるまで基盤開発を行いました。
現在 (2024) はウォンテッドリー株式会社のバックエンドエンジニア兼 DevOps エンジニアとして新規プロダクト開発を行なっています。
ちなみに高専出身です。
ウォンテッドリーは自身のミッションに含まれる "シゴトでココロオドル" を次のように定義しています。
没頭することで成果を出し、成果によって成長を実感すること
私はこの定義が好きです。特に没頭というキーワードは私の生きる意味とも言える言葉でした。
幼い頃から「何かに没頭すること」が好きだった自分にとって "シゴトでココロオドル" という言語化はなんとも心地の良いものでした。
Wantedly, Inc. 会社説明資料/Wantedly Recruitment Brochure p.7 より
ミッション以外の入社理由としてはウォンテッドリー社員の人柄の良さがありました。
正直なところ入社前のウォンテッドリーのイメージについては「傭兵みたいに強い人たちがしのぎを削りながら開発している」と思っていましたが、実際に入ってみると予想に反して人の温かさを感じました。
特に印象に残っているのは長期インターン時代のメンターの方との 1on1 です。あの頃の私はまだ何もできない学生エンジニアだったので色々と伸び代だらけでしたが (今もですが)そんな私に対して粘り強くコミュニケーションを取ってくれたことをよく覚えています。基本30分の 1on1 が延長して1時間、2時間になることもあり目の前のタスクに限らない相談がとても学びになりました。ちなみに話した内容としては技術に関する雑談やおすすめの本、ド直球の改善フィードバック (これは自分が要求していた) が多かったです。
長期インターン時代の私の活動については以下の2記事で発信しているのでよろしければご覧ください。
私が新卒1年目に没頭した仕事は主に以下の4つです。
実際にはもう少しあったのですが、ちゃんと数えてみると想像以上に色々と活動していたことに自分でも驚いています。
私が新卒として初めに配属されたのは Developer eXperience Squad (略して DX Squad) です。DX Squad については 速度と安全性を極めた先に見える最高の Developer eXperience をご覧ください。
このチームには長期インターン時代から在籍していましたが、特に印象に残っている活動は自動テスト改善プロジェクトです。このプロジェクトについては以下の登壇スライドに詳しくまとめてあります。
詳細は割愛しますが、このプロジェクトは単なる「自動テストを増やしましょう」という活動ではなく「どうすれば自動テストがプロダクト開発において価値を発揮するのか?」を探す旅でした。解きたい問題をトップダウンに俯瞰して整理する力やチーム内の認識合わせの重要性、自動テストに関する知識はこのプロジェクトで得た気がします。
またこのプロジェクトは自分にとって DevOps に興味を持つきっかけになり、後の DevOps Enabling 活動に繋がっています。
2023年5月の GW 明けからリファクタリングプロジェクトに参画しました。
セキュリティ的な観点で詳しくは話せませんが、プロジェクトの性質としては「サービス最初期から存在する根幹的な仕様を覆すために、全プロダクト横断の仕様変更を行う」というものです。
ここでは私はバックエンド開発とプロジェクトマネジメントを主に担当しました。プロジェクトマネジメントの担当は予想外でしたが、当時のチームの課題感や不安を解消するために行動していたらいつの間にかプロジェクトマネジメントをやっていました。良いプロジェクトマネジメントだったかはさておいて、結果的にはプロジェクトを予定日通りにリリースすることができたので安心しました (もちろんこれは優秀なチームメンバーのおかげでもあります)。
また当時のプロジェクトマネジメントでやったことを後の外部登壇で発信したりしました。詳しくは以下の登壇スライドをご覧ください。
もちろんバックエンドエンジニアとしても仕事をしていました。主に10年来の Rails リポジトリと戦うのが仕事でしたが、リファクタリングというある種特殊な開発形式をここで経験できたのはとても幸運でした。
またエンジニアリング的に面白い話がいくつかあったので以下のような小ネタブログも生えたりしました。
2023年12月からは Visit Growth Squad に移籍し、新規プロダクト開発を行なっています。
これは現在進行形で進んでいる未公開のプロジェクトでまだ書けることが少ないですが、私はバックエンド開発のラインを任せてもらっています。具体的には対象プロダクトのアーキテクチャ設計やバックエンド設計、実装です。このプロジェクトも自分にとっては責任の範囲が広がったこともあり中々に面白いチャレンジができています。時が来たらまた発信する予定です。
ちなみに先日、公開できる範囲でこのプロジェクト関連の LT をしてきました。詳しくは以下の登壇スライドをご覧ください。
『開発者体験の改善』の章でも触れましたが新卒入社してすぐ、私は DevOps に興味を持ち始めました。
そしてすぐに複数 Squad 合同の『Lean と DevOps の科学』輪読会を主催したり、社内で DevOps に関する LT をしたりと草の根的な活動を開始しました。
以下は輪読会を実施する際に立てた issue です。
そして転換期とも言える 2023年8月、DevOps Guild という専門のチームの立ち上げを行いました。立ち上げに関する話は以下の登壇スライドで詳しく紹介しているので是非ご覧ください。
立ち上げの意図などは上記スライドで触れているので割愛しますが、チーム立ち上げ当時の私の気持ちとして純粋にとても嬉しかったです。というのも当時、チーム立ち上げの決定的なきっかけとなる社内 LT を行なったのですが、私はそこで以下のような提案をしました。※ 一般公開に際して一部修正済み
すると驚くことに、この LT が終わった数分後にチームが爆誕してしまったのです。
当時の Slack の会話をそのまま抜粋
1:04 PM: @Sora Ichigo ここ改名して #devops-guild にする?
1:06 PM: たしかに、良いかもしれないですね!
1:07 PM: とりあえずチャンネル名変えました
ちなみに会話している場所は前述した『Lean と DevOps の科学』輪読会の運営チャンネルです。
ウォンテッドリーには Move Fast(とにかく早く動く) という Value が存在しますが、この出来事はまさに Move Fast そのものでした。
そして現在 DevOps Guild は活動を開始して半年を迎えていますが、着実に改善を積み重ねています。組織のためになることを個人だけでなくチームで全力で取り組めるところは私がウォンテッドリーという組織を好いている一番の理由です。
長くなってしまったので個々の仕事に言及するのはここまでにしますが、上記以外にもこの1年で様々な経験を積むことが出来ました。
特にサマーインターンではウォンテッドリーに興味を持ってくれた学生のメンターを担当したり、GW 前後には Infra Squad が生産性高くシステムメンテナンスを実施するための補助ツールを開発したりしました。
詳細は割愛しますが、それぞれ以下の記事で詳しく紹介しているので是非ご覧ください。
余談ですが、ウォンテッドリーは先週 PostgreSQL のバージョンアップを行うためにダウンタイムを伴う計画メンテナンスを実施しました。補助ツールの開発以前では基本的にダウンタイムの発生は許容できなかったので私の過去の成果物が価値を発揮していてとても嬉しかったです。
ここまで新卒1年目の振り返りをしてきたので最後に今後の目標について触れようと思います。前提としては私は生涯何かに没頭し続けられる人間でありたいと思っています。
そこで新卒2年目は以下の3つの活動に没頭したいです。
個人的にはこれが一番の目標です。私は現在のウォンテッドリーの開発組織の課題は「チーム間で知見の伝播が生じにくいこと」だと考えています。そんな課題に対して DevOps Guild は組織のサービスメッシュとなることで組織内に点在する点と点を円滑に繋ぐ役目を果たしたいと考えています。
DevOps の社内浸透を目指してチームを立ち上げた話 / DevOps Guild p.30 より
我々はそれを「文化の浸透」と呼びますが、つい先日も Frontend Chapter のパッケージアップデートの課題について Infra Squad の K8s クラスタ運用の知見を横展開できた事例があったりと着実に改善を積み重ねています。
そして課題はいつしか移り変わります。DevOps はその性質上すぐに成果が出るような領域ではありません。しかし一歩ずつ改善を進め、定性・定量の両面から丁寧にフィードバックを集めながら改善のサイクルを回すことでウォンテッドリーの開発組織は次のステージに辿り着くはずです。
急ぐわけではありませんが、新卒2年目では DevOps Guild が新たな課題への移り変わりに向かえるよう努力するつもりです。
私は日頃のブログ発信や外部登壇では「バックエンドエンジニア兼 DevOps エンジニア」と名乗るようにしています。というのも私はバックエンドエンジニアと DevOps エンジニアの2つを軸とした π 型人材でありたいと考えているためです。
π 型人材を初めて聞いたという方のために補足しておくと π 型人材とは2つの専門分野に深い知識を持ちつつ、それらをつなぐ広い知識やスキルを有する人材を指します。
例えば自分の場合だと以下のような具合です。
ひとまずは現在進行中の新規プロダクト開発をスケジュール通りに品質高くリリースすることを目指し、その後はより自信を持って大きな設計判断を下せるような力を身につけていきたいです。
実はつい最近まで自分のプレゼンス力について全く関心がありませんでした。ブログ発信や外部登壇は行うものの、アウトプットの質にこだわるのみでその後の見せ方についてはあまり工夫できていませんでした。
しかし新卒2年目からは自身のアウトプットを世の中にどう見せていくか?をより意識したいです。これは会社の採用活動・ブランディングに貢献したいという思いもありますが、半分くらいは純粋な自分の興味です。
これは以前の社内LTイベントで『技術発信の効果を最大化するための取り組み』という話を聞いたのがきっかけなのです。発信を通して技術コミュニティへ貢献できている人や、逆に技術コミュニティから発信に対するフィードバックを受けて大きく成長している人を見ていると自分もそうなりたいと思うようになりました。
ひとまずは現在行っている月1~2本の外部登壇と月1~2本のブログ執筆を継続しつつ、それらの記事の中で最低3記事は 15000PV~ を達成したいです。
長くなってしまいましたが私の新卒入社エントリはこれで以上です。新卒2年目が楽しみです!