Googleの人工知能部門DeepMindがイギリスの電力コストをインフラ整備なしで10%もカットする
Googleに500億円以上の巨額で買収された後、人工知能技術を磨き上げ、囲碁の世界チャンピオンを破るAI「AlphaGo」や自分で学習できるAI「DQN」などを次々と開発し世界を驚かせる「Dee
http://gigazine.net/news/20170315-deepmind-cut-electric-bill/
英ケンブリッジ大学で行われたイベントにおいて、弊社共同創業者の城口とGoogleに4億ポンド(750億円)で買収されたAI企業「Deep Mind」のCEOデミス・ハサビス氏がAIと電力ビッグデータの未来について議論を交わした。
デミス氏と言えば、2016年に世界最強の棋士と呼ばれるイ・セドル9段を4勝1敗で破った「AlphaGo」を開発した天才エンジニア、といえばイメージしやすい方も多いのではないだろうか。
Deep Mind社ではすでに機械学習によってGoogleの電力を15%削減し、数億ドル(数百億円)のコスト削減を見込んでいるが、先日新たにAIを用いてイギリス全体を最適化することでインフラ投資を必要とせずに電力コストを10%カットする取り組みに挑戦している。それ以外にも、イギリスのNational Grid(送電網会社)と提携し、電力コストを削減する取り組みも発表し、積極的に電力データ分野で機械学習を活用する姿勢を強めている。
かたや、城口はForbes誌が選ぶ「30 Under 30 Enrupre(30歳以下の重要人物30名:欧州版)」に日本人として初めて選出されている。
ケンブリッジ大学と協同でAI技術によるスマートメーター解析サービス(Smart Meter Analytics Platform)を開発し、電力ビッグデータの分析から発電コストに見合った適切な顧客層の抽出を実現するなど、AIを活用した電力インフラの効率化を先導している実績が評価された形だ。
スマートメーターから30分単位で提供される電力使用データを統計的に解析し、時間帯別の消費者行動やそれに応じた電力の必要量、更にはコストメリットによる消費者の行動変容(電気代節約とそれに見合う労力のバランス)の予測まで実現し、電力事業社の経営判断やマーケティングに活用している。
太陽光、風力、水力といった再生可能エネルギーへのシフトが進むことは、同時に電源の複雑化も招いている。それだけではなく、消費者のライフスタイルや価値観の多様化によって電力消費者行動もパターンの複雑さを増しているのが実態だ。発電・消費者がともに複雑さを増す一方で、よりエコで効率的な発電をしなければならない、という相反する問題に社会は直面している。
こうした複雑化が加速度的に進み、人間による分析が不可能とも思える状況の中で、答えを導ける可能性を秘めた解決策こそが「AI」であるといえるだろう。
城口・デミス氏ともにAI技術を活用して「エネルギーインフラを最適化し、より良い未来を実現したい」という志は同じだ。次はDeepMindのオフィスでより深い議論を交わそうと約束し、熱気の残るイベント会場を後にした。
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