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Wantedlyのオフィス設計を支える思想

最近、Wantedlyのオフィスが話題になって嬉しいです。移転後、累計30件ほどの記事となりました。このオフィス設計は、私がかなり細かく入ってディレクションをしたのですが、今日はオフィス設計にどういう思想があるのか書こうと思います。

ZARAの店舗戦略

ZARAは世界最大規模の売上を誇るインディテックスのアパレルブランドですが、彼らは宣伝広告費を使わないことで有名です。代わりに、ファストファッションにしては異例なほどの予算を店舗にかけ、旗艦店舗を各地域のメジャーな街に出展させることで、口コミでのブランド構築をしてきました。特に、現代人が「広告」を無意識に見分ける力を備えた今、広告ではなく、空間やリアルな体験こそが「どきどきわくわく」を生み出しSNSで拡散されています。2015年3月、Wantedlyが移転するならそういうオフィスにしようと思っていました。

思想

また、Wantedlyは「ゆるやかな革新」で世の中の文化そのものを変えるミッションを掲げていることもあり、西海岸の「破壊と再生」を繰り返す、シンプル、モダンで直線やコンクリート、ポップな色を多用した雰囲気とも一線を画したいなと思い始めていました。

すなわち、シゴトでココロオドルひとをふやす。

リサーチ

その頃たまたま訪問して「文化を作る」という思想の体現に近いと思ったのが「TRANSIT」さんのシェアオフィスです。当時流行り始めていた、西海岸ぽいシンプルでモダンな雰囲気の対局にあり、より時間がゆっくり流れ、落ち着き、カルチャーが生まれるような感覚を持ちました。そこで、それに近いイメージをクリップしまくり、幾つかのデザイン事務所や建築家の方などに伝えていく中で、とある建築家の方から「それはNew YorkのNeueHouseに近いね」というアドバイスをいただきました。

NeueHouseはNew Yorkにあるコワーキングスペースで、西海岸の雰囲気とはまた違う、「伝統と革新」が混ざり合ったようなテイストでした。このデザインに大きく影響を受け、これをベースにオフィスのディレクションを進めていきました。

シンボル

また、「文化をつくっていく企業」というコンセプトと同じぐらいこだわったのは、訪問者が写真を撮ったときに、とにかく脳に焼き付いて、その写真をみたら「あ、ここね」とすぐにわかる印象的なオフィス = シンボルを作るとうことで、NeueuHouseを参考に階段を大胆に大きく作ることにしました。

機能性 > デザイン

とはいえ、いくらオシャレだからといって、機能性を損なったら元も子もないと思います。それぞれのデザインには意味付けがしっかりあります。例えばシンボルの階段。ここは人数が150人になっても皆が集まって全社集会ができるように、階段教室のように椅子になっています。

特注の卓球台は、ネット部分を外すとテーブルとしても機能します。Wantedlyはエンジニアが多い組織なので、超絶集中して疲れた頭を切り替える卓球テーブルは必須アイテムです。とはいえ、オフィス全体の雰囲気を汚す既成品の青いモノは許せず、つくりました。

各ミーティングルームに備え付けられたipadは、社内のハッカソンで若手がつくった内製カレンダアプリが入っており、誰がその会議室を予約しているのか一目瞭然です(Googleカレンダと連携して利用できます)

セミナーや勉強会に使えるAuditoriumと呼んでいるスペースも、可動式の壁を開くと大きなフロアとしてイベントで使えるようにしました。

イベントは毎回こんな感じ。

ヨガ部でも大活躍です。

偶然の会話を生む設計

それから、Steve Jobsが深く関与したと言われるPixarのオフィスにもかなり影響を受けています。偶然の会話が生まれる空間作りをかなり意識して作りました。特にそれは、コーヒーや水、ドリンクを取りに行ったりお菓子を買いに集まる場所だと思い、パントリーをその交流の場と位置づけました。それまでのオフィスでは利便性を重視して点在させていたウォーターサーバも全てパントリーに集約させることにより、隣でコーヒーを入れている同僚と偶然会話が生まれる機会が増えたと実感します。

誰がいったかよりも何をいったか

Wantedlyではなるべく組織のフラット感を保ちたいと思っているため、会議室も誰もが同じだけ露出できる円卓にしたいと思っていました。誰の発言かより、どんな発言かが大事ということです。円卓も既成品でいいものがなかったので作りました。

実はそんなに費用がかかっていない

「凄い高そうですね」とよく言われるんですが、そんなことないです。家具も自分で全部セレクトし、プロジェクタなどに至ってはなんとカカクコムで私が選定までしました爆 それからオフィスも選択と集中を実施し、盛るところとシンプルに作るところをかなり強く意識しました。

100年続く文化が生い茂っていくオフィス

Wantedlyは、1-2年の流行り廃りですぐに消えてなくなるウェブサービス構築に興味はありません。人々の行動様式を変え、マインドセットを変えていく、すなわち「はたらく」という言葉がネガティブワードではなく、「面白い」と思ってもらえるような、「はたらくは面白い」がスタンダードな世の中になるために、少しずつ世の中を変革していければと思っています。Wantedlyが存在することによって、100年後の世界がより面白い世の中になるために。

他にも色々と語り出すとキリはないのですが、ざっくりこの辺にとどめておきます。今のオフィスは機能性とデザイン性が上手くバランスをとった働き易い空間になっていると思います。是非、オフィスにも遊びにきてください。

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他にも全方位で募集中です!

それから!この記事を書いているブログ機能は先週リリースされたばかりです。仕事に関連する情報をここで発信して、Wantedly上のプロフィールとひも付けてためていってください🙆

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