ウォンテッドリーは今年で創業10年を迎えようとしていますが、まだまだ若い組織であるが故に解決すべき問題は山積み。そんな中で今回は、ウォンテッドリーの成長を支える守部直人に成長段階にあるウォンテッドリーで働く醍醐味やその中での苦労、そしてこれからの展望について話を聞いてみました。
セールスチームで重要ポジションを歴任したのち、現在は有料領域のリーダーを務める守部は、日々何を想いながら課題に取り組んでいるのでしょうか?
守部 直人:大阪生まれ、大阪育ち。新卒で入社したカカクコムでは広告営業に携わる。
2016年にウォンテッドリーに入社後、インサイドセールス→アカウントセールス→パートナーセールスを経て現在は有料領域のリーダーに。継続して強めのパーマをあてている。
「外の世界を見てみたい」という好奇心がキャリアを突き動かした
ーー本日は普段あまり聞く機会のない守部さんの経歴から話を聞いていきたいと思います。
守部:こういった場でどこまで話して良いのか、難しいですね。実は僕、学生時代は就活を2回しています。中高から大学までずっとアメフト部に所属していたこともあり、一回目の就活はそれこそ大手の金融会社など、部の先輩方も多く所属している大企業を志望していました。しかし当初狙っていた企業の最終面接で落ちてしまい、もう一年就活をすることにしました。
就活をしている中で考え方が変わったのは、アメフト部の先輩の繋がりで内定をもらった大手メーカーの研修でバスに乗って製造現場に見学に行った時です。というのも、大勢の内定者に囲まれバスに乗っていると、強烈な「一括採用感」を感じてしまったんですよね。また、ずっと「アメフト」という括りの中で生きてきたこともあり、もっと今までに関わりのなかった世界にチャレンジしたいという想いがありました。
なので就活での方針を転換し、漠然と憧れを持っていたIT企業を中心に受けていきました。その中で自分が好きだった「食べログ」を運営しているカカクコムと出会い、入社することに決めました。
ーーそんな背景があったんですね。ではカカクコムではどういった業務をされていて、またなぜ転職しようと思われたのですか?
守部:元々入社の決め手は「自分の好きなプロダクトに携わりたい」という想いでした。仕事は広告の営業をしており、仕事を進めていく中で大手携帯キャリアの会社とのタイアップ企画など任せてもらえる仕事も着々大きくなり、やりがいを感じていました。
そのため、何か不満があって「転職したい」と思ったわけではなく、シンプルに「外の世界も見てみたい」と思ったのがきっかけでした。一方でスタートアップ企業に対しての憧れは漠然と持ち始めていたので、当時スタートアップ企業の情報メディアで取り上げられていたWantedly Visitを使ってまずは色々な企業に話を聞きに行っていました。その中で「ベンチャーって面白いな」と思い、段々と転職を意識し始めた、という感じですね。
ーー守部さんご自身がWantedly Visitのユーザーとしてウォンテッドリーにも話を聞きに行った、ということですか?
守部:そうです。実際によく使っていたこともありプロダクトに好感を持っていました。一番最初はキャリア座談会的な集まりに参加したんですが、当時の参加者が自分含めて4人いて、大学3年生と4年生、それに1年目の社会人の方、そして当時社会人5年目の僕だったんですよね。「学生と中途、一緒に座談会するんだ」って感じでしたね(笑)
ただこれはネガティブな意味ではなく、「採用における最初の接点で自社のビジョンを伝えるのに新卒・中途は関係ない」というウォンテッドリーの姿勢を「面白いな」と思った記憶があります。そこで「もっと他の社員と会ってみたい」という気持ちで選考に進み、入社することになりました。
与えられたリーダーとしての役割。失敗の中で見えてきたもの
ーーちなみに入社当初は「こうなっていきたい」みたいなキャリア像はありましたか?
守部:これが、特になかったんですよ。前職のカカクコムと同様、プロダクトが好き、という気持ちとウォンテッドリーの場合はビジョンにも共感して入社していたので特に自身のキャリアについては考えていませんでした。
ーーそうなんですね!では、働きはじめた当初(2016年)のウォンテッドリーはどんな環境でしたか?
守部:最初はインサイドセールスからスタートしたのですが、今も当時もウォンテッドリーで大事にされている「自律」という考え方が浸透しており、マイクロマネジメントもないのですごく仕事をしていてやりやすかったです。ただ最初は自分のペースが掴めず、成果を上げるまでに苦労しました。
どうにかインサイドセールスでコツを掴んだあとは、フィールドセールス、パートナーセールスと異動して視野を広げていきました。
ーー守部さんはフィールドセールス時代にリーダーになられていますが、当時はどんな状況でしたか?確かマネジメントになるのはその時はじめてだったと聞いています。
守部:正直全然うまくいきませんでした。本当に。プレイヤーだったころはとにかく数字を上げるということしか関心がなく、それで実際問題はなかったのですがリーダーになるともちろんそうはいきませんよね。「営業で数字を作ること」しかできていなかったんですよ。それでリーダーとして思うような成果を出すことが出来なかったんです。
例えば、「チームで何を目指すのか?」といったコンセプトも言語化出来ていなかったし、メンバーが困っていることを取り除いてあげることもできませんでした。そもそも、取り除く実力がなかったということもありますが、メンバーとの対話が不十分で困っていることにも気付いてあげられていなかったと思います。
そういった経験から、自分が数字を作ることだけではなくて、違った視点で物事を考える必要に迫られ、その中で「事業を立ち上げること」だったり「前に進めること」に取り組める環境として新規事業(パートナーセールス)立ち上げに手を上げました。
パートナーセールス立ち上げの際の特集記事。
日々の発言や行動にメッセージを込める
ーー最初のリーダー経験は失敗に終わったと…。それから再度リーダーをやられていますが、2回目で特に意識したことはなんですか?
守部:2回目はちょうど前回から1年ほどたった頃で、セールスチーム全体のリーダーを任されました。前回より大きいチームだったので様々なことを意識してマネジメントに取り組みました。その中で特に意識したこと、大事にしていたことは、「目指す姿を言語化してシンプルに伝え、その姿になるために実行する」ということです。
その中で一つ挙げるとすれば「振り返り」です。具体的な取り組みでいうと、毎朝前日までの商談の録画を視聴し議論し合うフィードバック会を毎日続けました。任意参加で、僕自身からも強制は全くしていませんが最終的には毎朝メンバーが集まるようになりました。
ーー毎日ですか!最初は一人からスタートしたということですがどういった想いがあったのでしょうか?
守部:いきなり大きく何かを変えることはできないと考えていたので、まずは自分からはじめて、継続して、段々と大きな輪にしていけば良い、と考えていました。「言う」や「考え」だけでは何も醸成されない、文化やチームを作るのは「行動」である、というメッセージを自分の「行動」をもって伝えたかったんですよね。
ーーなるほど、確かに自分が実践して伝える、ということ自体大事ですもんね。
守部:そうですね。自分が実際にやってみせて初めてメンバーもついてくる、と思っています。
ーー1つのメッセージというところでは、ミーティングや面談の場で守部さんがメンバーに対して「意思決定の数だけ人は成長する」と発信することが多いなと感じます。これはどういった意図からですか?
守部:先ほどお話ししたパートナーセールスを担当していた時に、様々な決断に迫られることが僕自身多かったんです。意思決定をするということは「後悔しないように準備をすること」と「意思決定を正解にするために実行し続けること」の両輪で成り立つことなので、そこでかなり悩み、個人として成長できた実感がありました。なのでメンバーにも意思決定の繰り返しの中で成長してほしいという思いからの発信ですね。
ーーでは今までのリーダー経験を振り返ってみて、「上手くいった意思決定」、「上手くいかなかった意思決定」を挙げるとどういったものになりますか?
守部:上手くいった意思決定だと、セールスチームのリーダーになってすぐにチームで目指す重要指標を決めて、それまでの体制を変化させたことです。具体的には、当時重点目標だった新規契約企業数の増加を達成するために、限られたリソースの中で新規顧客にアプローチする人数を増やしたり、メンバーごとの適性を見てどの顧客を担当してもらうかを決めたりしました。既存のやり方を大きく変化させる意思決定だったのですごく不安に感じましたね。
なので「チームの成果に絶対に繋がるはずだ」と強い気持ちを持って意思決定しました。成果を出すためにはメンバーが納得して取り組むことが必要なので、「なぜやるのか」「なにを目指すのか」を丁寧に、何度も伝えていました。そんな中でメンバーが振り返りミーティングの実施など自発的に動いてくれていたのはすごく嬉しかったですね。そうした日々の取り組みの結果、目標としていた新規契約企業数の増加を達成することができました。
上手くいかなかった意思決定と言われると、正直上手くいっていないことだらけです。(笑)中でもチームやメンバーの目標設計や評価についてはやはり毎回悩んでいます。会社のビジョンである「シゴトでココロオドル」体制を作るためにはやはり継続的な意思決定が大事だなと思っています。
インタビュー時は一部在宅勤務が推奨されていたのもあり、リモートでの取材となりました。
ーー長くリーダーをされている守部さんですが、ウォンテッドリーでリーダーをする醍醐味はどういった所でしょうか?
守部:まずシンプルにメンバーひとりひとり良い奴が多いんですよね。また、成長意欲が強くみんなスポンジのように吸収して成長していきます。そして、何よりWantedlyというプラットフォーム自体がビジョン共感を重視していることもあり、自分がリーダーとして定めた目標がきちんとビジョンに沿うものであれば、その時の爆発力は他の企業にはあまりないものだと思っています。
そういった中でメンバーの成長、チームの成長、事業の成長、全てを肌で感じることができることが醍醐味ではないでしょうか。
チームメンバーがどんな想いで働いているかに迫った座談会の記事。
チームメンバーの成長、そして自分の成長
ーーそんな守部さんご自身が成長したな、と思う部分はどういったところでしょうか?
守部:メンバーだったころは自分がよければ、という考え方で良かったですがリーダーになるとやはりそうはいきません。誰かが発信した内容も自分がどう受け取るかだけではなく、その発信をメンバーがどう受け取るか?を意識して自分で考え伝えるようにもしています。
また、売上だけでなく会社のビジョンの実現を強く考えるようになったのも大きな変化です。以前より自分の信念を貫くことの大事さに気づきました。
ーーそして現在もまた有料領域のリーダーとして今後新たな一歩を踏み出していくことについて、どういったビジョンを描いていますか?
守部:カスタマーサクセス、つまりいかにして顧客の成功を実現するか、という視点が強くなっています。さらに今回は一セールスではなくリーダーとしてそこに取り組むので、そのためにどういった組織や体制がベストなのかを追求していくことになります。そのためにまずそもそそも顧客にとっての理想がどういった状態なのかを議論し考えることからスタートですね。
弊社執行役員の川口が常々言っている言葉で、「売上=顧客の期待である」という言葉があります。僕はそれに加えて「顧客の感謝」も大事だと思います。なので顧客からの期待+感謝の総和を大きくしていき、さらにWantedlyのビジョンを世の中に広げていきたいと思います。
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ウォンテッドリーの社員が一体どんな想いで働いているのかが伝わっていると嬉しいです。
文中でも言われていますが、現在ウォンテッドリーは事業拡大中であり、かつその中で組織を引っ張るリーダーとなる人物を強く求めています。
今まで培った経験を「シゴトでココロオドルひとをふやす」というビジョンの下、存分に発揮しませんか? もしウォンテッドリーという組織にご興味があればぜひ一度オンラインでお話しましょう!