こんにちは!Wantedly でインフラエンジニアをしている田中です。
2023年9月29日に九段会館テラスで開催された、SRE トピックを扱う国内のカンファレンスである SRE NEXT 2023 に参加しました。
SRE NEXT 2022 に引き続きオンライン配信もされましたが、久々にオンサイトでも実施されたということで現地の様子も踏まえてイベントの様子について紹介します。
SRE NEXT 2023 については他のメンバーが書いた スポンサーと登壇決定についての記事 と 参加レポート vol.1 と 登壇レポート の記事もあるのでこちらもあわせてご覧ください!
会場の雰囲気
会場にはたくさんの人が来場しており、セッションによっては立ち見が発生するだけでなく部屋に入れないというものあるほどでした。セッションに対する質疑応答の時間は設けられていませんでしたが、懇親会ではスピーカーの方と話すこともできました。
懇親会ではスピーカー以外の方とも「どのくらい SRE を実践していますか?」や「今の SRE の課題はどこですか?」というお話をさせていただきましたが、このようなやりとりができるのもオンサイトイベントならではだなと実感しました。
またスポンサーブースには SRE の取り組みをサポートしてくれる企業さんから各サービスについての紹介や、実際に SRE の取り組みをされている企業の SRE の方々からお話を聞けるブースがありました。面白いお話が聞けたので昼休みについ長居してしまいましたが、ご対応いただきありがとうございました!
印象に残ったセッション
ここからは私が聴講したセッションの中から印象に残ったものについていくつか紹介します。
セッションのアーカイブ動画も公開されているので、こちらも合わせてご覧ください!
個人的に組織にSREの文化を入れる方法が気になっていたので、他チームとのコミュニケーションに関するセッションが多くなりました。
LINEスタンプのSREing事例集:大量のスパイクアクセスを捌くためのSREing
LINE株式会社 SRE maru さん (@maruloop) の発表です。
スライド: LINEスタンプのSREing事例集:大きなスパイクアクセスを捌くためのSREing - Speaker Deck
あけおめLINEの負荷対策について、今から3ヶ月でやるべきことを会場にいる人全員で追体験するという内容のセッションでした。LINEスタンプはユーザーとして利用しているので大変さがイメージしやすかったです。秒間1万リクエスト以上のアクセスが来る環境はやりがいがありそうだなと感じました。
特にカオスエンジニアリングによる高負荷試験や安全マージンによるピークアクセス数の予測の取り組みは面白いなと感じました。弊社でも取り入れてみたいです。
QAと共に築く、機能性を通じた信頼性担保への取り組み
MIXI 井上さん (@syossan27) の発表です。
スライド: QAと共に築く、機能性を通じた信頼性担保への取り組み - Speaker Deck
対話が大事という話と PRE (Practical Reliability Engineering) について詳しく解説されていたのが印象的でした。対話については私自身も普段から意識しているので同意しかないという感じでした。PREについてはSRE本の中で言及されていたことは知っていたのですが、内容は知らなかったのでSREの考え方のベースが工業製品の品質保証から来ているということが知れて勉強になりました。
SLOを組織文化にするための挑戦 〜 Biz/Dev/SREが一丸で進めるSLOジャーニー 〜
グロービス 金城さん (@_yukin01) の発表です。
スライド: SLOを組織文化にするための挑戦 - Speaker Deck
どうやって組織にSLOを導入したかという発表でした。
発表の中で紹介されていた「どうしたらSLOに対して当事者意識を持ってもらえるか?」という悩みは私も同じ課題を抱えていたので印象に残りました。地道にSREのプラクティスに沿って導入されていてすごいと感じました。特に「小さく運用を始める」という進め方については私も普段から意識していきたいです。
開発者とともに作る Site Reliability Engineering
リクルート 近藤さん (@chaspy_) の発表です。
スライド: 開発者とともに作る Site Reliability Engineering / SREing with Developers - Speaker Deck
SREを組織に定着させるための取り組みについての発表でした。
弊社では実施できていない取り組みについての紹介が盛りだくさんで、ぜひ真似をしてみたいと感じる内容でした。導入はしたがそれより先に繋げられていないという課題感があったため、フィードバックを得るためのサーベイ実施や月間SREの取り組みについてはとても新鮮でした。SREを推し進めるための組織文化についても考えさせられる発表でした。
おわりに
SRE NEXT 2023 に現地参加したことで新しい学びあったのはもちろんですが、SRE を興味があり実践している仲間がたくさんいることを実感して日々の業務のモチベーションに繋がりました。
このような機会を提供してくださった運営の方々、最高のプレゼンをしてくださったスピーカーの方々、会場でお話してくださった参加者の方々ありがとうございました!