2021年9月から正式リリースをした新規事業である Engagement Suite の事業責任者、執行役員として新規事業をリードしてきた恩田さん。2022年11月から取締役COOに就任して、Engagement 事業だけではなく、ウォンテッドリー全体を担う立場になった今、改めて Wantedly の未来に馳せるご自身の想いについて伺いました。
登場人物
ウォンテッドリー株式会社 取締役 COO / 恩田 将司
慶應義塾大学経済学部卒業後、リクルートスタッフィングに入社し、営業や経営企画、新規事業開発を経験。その後リクルートテクノロジーズ(現リクルート)での開発マネジメントを経て、2019年4月にウォンテッドリーに入社。Visit事業での営業企画、Engagement事業の事業責任者を経て、2022年9月執行役員 Engagement 担当に就任、2022年12月より現職。
スキルと経験を得たリクルートと縁を感じたウォンテッドリーとの出会い
—本日はよろしくお願いします。早速ですが、恩田さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
まず、2009年卒でリクルートスタッフィングに新卒入社しました。最初のキャリアにリクルートを選んだ理由は、「20代でリクルートにいるとめっちゃ成長できるらしい」 という風の噂と当時の人事の人が、自分のことを数回の面接や面談の中でとても理解してくれたと感じたからでした。業務としては、新規開拓の飛び込み営業からスタートして、営業を3年半、経営企画を1年半、新規事業開発を3年経験しました。
そして、新規事業をやったときに「このままITがわからないとこの先、生きていけないな」と強く感じたことをきっかけに、社内転職制度のようなもので、リクルートテクノロジーズに入社しました。開発は未経験でしたが、オフショア開発をやっているチームに2年間在籍させてもらい、育ててもらいました。
リクルートには丸10年いましたが、本当に様々な経験をさせてもらい、総合力をつけてもらったと思っています。2019年4月にウォンテッドリーに転職してからは、営業企画や Engagement 領域の事業責任者を経験してきました。
—ありがとうございます。続けて、ウォンテッドリーへ転職したきっかけを教えてください。
ウォンテッドリーに入社した直接的なきっかけは、スカウトをもらったことです。スカウトをもらったのは Wantedly Visit ではなくて Green だったけど(笑)。
ただ、Green でスカウトをもらうちょうど1年前に Wantedly Visit でスカウトをもらっていました。当時は転職を考えていなかったので、スカウトをスルーしていたのですが、なんか頭の片隅に残っていたんですよね。当時は、気軽に話に行けるという理由で Wantedly Visit はよく使っていましたし、自社サービスを自社採用に使っていることに興味を持っていたのかもしれません。そして1年越しに改めてスカウトをもらい、「何か縁があるのかな、話くらい聞いてみるか」という軽いノリで話を聞きに行ったら、そのまま選考フローに乗って、2ヶ月くらいで転職が決まっていました。
▼恩田さんの入社時のストーリー
—縁を感じて、話を聞きに行ったところから転職を決めた理由は何だったのでしょうか?
当時考えていたことにウォンテッドリーがちょうどフィットしていたこととミッションへの共感が転職を決めた理由です。当時考えていたことは大きく2つあって、「事業作りをやっていきたい」「リクルートの外に出てみたい」ということでした。
事業作りということに関しては、入社時のストーリーでも話したのですが、自分がいたから存在したものを遺していきたいという気持ちがあり、新しいものを作り出していくことや広めていくことがやりたかったんですよね。ウォンテッドリーはまだまだそういうことができるというか、やらなければならない環境だったので、飛び込んだら楽しそうだと思えました。
リクルートの外に出てみたいということに関しては、あるあるですが隣の芝生は青く見えるみたいなものと自分は世の中に出て通用するだけの存在なんだろうかということが気になったということがあります。実際に、リクルートより小規模の会社に行っても自分はやっていけるのか力試しをしてみたかったという感じです。
そしてミッションへの共感についてですが、まず自分は「多くの人が楽しく人生を過ごせるようになればいいな」と思っています。その上で、やっぱり仕事が人生の多くの時間を占めるし、楽しい仕事を見つけられることは、充実した人生を送るための大きな要素だと思っていましたし、今も思っています。そういう意味でウォンテッドリーの「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションは自分にとってとても共感できるものでした。
あと、自分で Wantedly Visit を使っていたときの、話をフラットに聞いてくれた体験が自分のことを企業にちゃんと理解してもらえた感じがして、プロダクトとしてとてもいい体験を提供している会社だと感じたことや当時話したウォンテッドリーの人たち全員が仕事を楽しそうにしていたので、なんか大丈夫そうだなって思ったことなどもありましたね。
—リクルートで得た経験とスキルを引っさげ、ウォンテッドリーに入社。Sales、CS、新規事業と担当する中で感じたことを教えてください。
「どこに向かうのかを決めること」の重要性を感じました。
ひとりでやるよりチームでひとつのゴールに向かった方が、早くゴールに到達できるし、インパクトも出ると思っていて、そのためには、ゴールを決めて、みんなに理解してもらって、一緒に走ってもらうことが大切だと感じました。ざっくりいうとそれはリーダーシップという言葉になるのかもしれませんが、具体的には、「やりたいことではなく、やらなければならないこと」にコミットすることや「何をするのかではなく、なぜやるのか」をメッセージにして、定期的に伝えていくことの積み重ねで組織をリードしていくことだと考えています。
ただ正直に言うと、個人的には苦手な分野で、まだ克服もできてないし解決もしてないところです。なので、これからも 1on1 やキックオフ MTG といった場で意識的に発信することなど、自分にできることはひたすら続けていこうと思っています。
—これまで仕事をしていてしんどいと思ったことはありますか?
しんどかったことはあまりなかったです。時間がない!どうやったらうまくいくのかわからない!みたいなことはたくさんありましたが、謎解きみたいな感覚で仕事していたので、全然しんどいという感じではなかったです。それこそシゴトでココロオドル状態だったのでは、と思っています。
なんでシゴトでココロオドル状態でいられているか、を考えてみると「自律」の部分が大きいです。実際にこの前あった話なのですが、とある金額設定をどうするかということを話し合っていて、「この価格帯がなんかわかりにくい」ということがあった時に、営業メンバーが「こんな感じに変えよ!」って話し合って、すぐその場で変えたんですよね。自分の頭で考えて、自分で納得して、意思決定をする。この一連の流れが、ものの5分で決まる。このような環境だと、自分が仕事をやってる意味を実感できるし、楽しいなと思いますよね。
自分たちがシゴトでココロオドルひとになるために
—入社してから早期にマネジメントをする立場になり、長らくメンバーのマネジメントをしてきたかと思いますが、メイン事業で頑張るメンバー、新規事業で頑張るメンバー、それぞれで気にかける部分に違いはありますか?
個人的には、Wantedly Visit も新規事業みたいなものかと思っています(笑)。まだまだ成長の余地はあると思っているし、Engagement のちょっと先にいってるなくらいの感覚です。そのため、マネジメント面で気にすることはあまりないですが、強いて言うなら、Engagement のメンバーに向けては、事業が生きるか死ぬかは自分たちにかかっているということを伝えています。自分はリクルート時代に担当していた新規事業がなくなった経験があります。その実体験を交えながら、「こういうことって、全然あるよ」という話はよくしていますね。
—メンバーがシゴトでココロオドルために意識していることはありますか?
意識していることは3つほどあります。
1つ目は、先ほどの話と少し被るかもしれませんが、向かっている先をちゃんと伝える努力をすることです。「努力をする」ということが意外と大事かなと思ったりしています。もちろん伝え方がうまい方がいいのですが、伝え方はどんな形でも、まず向かっている先を伝えれば、そこから議論も生まれるし、結果としてメンバーも自分ごととして考えてくれるのかなと思います。
仕事を進める中で、本当はみんな何かしら思ってることや考えていることはあるはずだけど、発信しにくい・発信したことがない・発信の仕方がわからないといった壁があって発信できないことがあると思っていて、その壁を破るためにも最初の一歩として、まずは向かっている先を伝えるというのが、リーダーの役割だと考えています。
2つ目は、次につながるフィードバックをすることです。スキルの向上は、成長実感のためにとても大切な要素だと思っています。なぜこれが良いのか/悪いのか、ちゃんと話して、構造を理解できるようにフィードバックすることを意識しています。
目の前のアウトプットの良し悪しは究極どうでも良くて、あるべき考え方をしっかり蓄積することで、応用の効く能力を手に入れてもらい、成長を実感してもらうみたいなことを意識しています。
3つ目は、できる限り大胆にやってもらうことです。どっちか選択を迷ったら、どっちが大胆かで判断できるようにしたいと思っています。もちろん成果を出すことは大事なので、「面白そう」と「成果が出そう」のギリギリを攻めたいですよね。
失敗できる限界ラインは一応考えつつ、小さくやってもつまらないし、2択で迷うなら大胆な方を選んでやってみようって言ったりしています。その方が面白いだろうし、ベンチャー感あっていいじゃないですか。そのためには、やはり失敗が許容される雰囲気を作ることは大事だと思いますね。
取締役COOへの就任とウォンテッドリーのこれから
—取締役のオファーをされたときの心境を教えてください!
ようやくかって思いました。
というのは冗談です(笑)。
正直、既存の延長線で頑張るだけなので、特にやることは変わらないなと思いました。もとから会社や事業をどうやって成長させるのか、自分なりに何をするとベストなのかを考えて仕事をしてきたつもりです。そして、どんなポジション・役職だとしても、自分ができることをやりきるだけだと思っていて、そういう意味では今までと大差ないかなという感覚でした。
—取締役になる前となった後で、自分の中で何か大きく変わりましたか?また、何を大事にしていきたいと思っていますか?
今までと大差ないとは言ったけれど、なんだかんだで意識する範囲は広がったかなと思います。自分も担当領域はありますが、そこに留まらずに会社全体でどうあるべきかということを今まで以上に考えるようになったと感じています。あと、経営ということに対して、もっと自分がレベルアップしないといけないとも思うようになりました。事業視点だけでなく、ファイナンス視点や人事/組織視点など会社経営に関して、もっとレベルをあげなければいけないと思っていて、もっともっと力をつけないとなと思っています。
大事にしたいことは、メンバーが伸び伸び仕事ができている状況を作ることです。「会社 = ヒトの集合体」なので、ヒトが伸び伸び働いていれば、自ずと会社も良い方向に進んでいくと信じています。
—これから恩田さんが目指すウォンテッドリー(組織、プロダクト、サービス)について教えてください。
「働くすべての人のインフラになる」ことを目指しています。
今は Wantedly Visit が主力なので、採用の会社と見られることも多いと思いますが、Engagement や新規事業の開発も含めて、人が働いている間は Wantedly が共にある状態を作りたいと思っています。仕事中だけではなく、プライベートの時間も含めて、ヒトが働くことを前進させるようなインフラでありたいと思います。そんな中でも今は特に、早く採用領域が主力の時代から脱したいという想いが強いです。理想は「なんのサービスやってるのかわからない」って思われるくらいの状態だと思っています。
会社としては、「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションに繋がっていれば、どんな事業でもよいはずです。そう考えると、採用以外にもたくさん価値提供できる領域はあるので、どんどんチャレンジしていきたいです。
これからのウォンテッドリーをともに創る仲間へ
—恩田さんから見て、ウォンテッドリーにはどういうメンバーが多いと思いますか?
自分のビジョンを持ってる人が多いと思います。「共感採用」を掲げている会社なので、ビジョンを大事にする人が入ってきていると感じています。そしてビジョンを持っている人は、世の中に対して、こうなった方が良い、こうしてほしい、という想いを持っていて、自分で考えて、アクションを取ることができるので、戦闘力が高いと思います。
—最後に、もし恩田さん自身のような既に豊富な経験や実績のある方にウォンテッドリーを勧めるとしたら、どんなメッセージを贈りますか?
ウォンテッドリーは今、第二創業期みたいな状態だと思っていて、大変なことはいろいろあるけど、楽しめる要素はたくさんあります。事業、組織など自分次第でどうにでもできることが多く、会社の第2のスタンダードを作ることができると思います。
そんな機会はあまりないと思うので、「実際どんな状況なの!?」と気になる方や自分が新しいスタンダードを創ってやるという気概を持っている方は是非、気軽に話を聞きに来てほしいです!