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これからの働き方は「パーソナライズ」。半分社員、半分フリーランスを叶える特異すぎる契約形態とは?

半分会社員で半分フリーランス――副業を解禁する会社が増えてきて、こんな生活も夢ではなくなりましたが、副業は週末や夜にやるものと思っている人がほとんどではないでしょうか?

そんな中、デジタルエージェンシーTAMのデザイナー萩原恭子さんは、本当の意味で会社と個人の仕事をバランスよく行き来する「二足のわらじ」生活を送っています。それを可能にしたのが、TAMのフレキシブルな契約形態。

充実した毎日を送る萩原さんが「感謝しかない」と断言するフレキシブルな契約とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

会社とフリーランスは「7対3」

―今は半分TAMの会社員で半分フリーランスですが、どういう生活を送っていますか?

正確にはTAMのほうが割合が多くて、7対3ぐらいになっています。

仕事をしていると、どうしてもこの月はTAMが多いけれど、この月はフリーランスの仕事が多いという偏りが出てくるので、そのあたりは自分で調整して、1年でトータルして7対3になるぐらいの、ざっくりとした感じで進めています。

今は勤務時間でも収入でも7対3ぐらいだと思います。

TAMではWebデザインを主に担当しています。クライアントへのヒアリングやコンセプトメイク、クオリティ管理のようなAD(アートディレクター)的な動きもしています。

最近力を入れているのは、「UIデザイン」です。ユーザーがいかにストレスなく簡単に操作できるかとか、どういうところにどういうものがあったらユーザーは迷わず次のステップに進めるかとか、そういう設計を考えるのが面白くなってきました。

フリーランスのほうも仕事の内容的にはデザインという括りなので、同じなんですよ。だからはっきり分かれているわけではありません。

―フリーランスになったのはどういうきっかけがあったのですか?

もともと私は完全フリーランスになる気はまったくないんです。

会社員でやっていきたいなとは思っていたんですけど、私が2010年に入社した当時から、TAMでは「100スタープロジェクト」というのをやっていて、「とにかくこれからは個の時代だから、個人がエッジを立てて、会社がなくても生きていけるぐらいの人になりなさい」と言われていたんです。

私も一つの会社だけに所属するってリスクもあるなと感じていましたし、心配性なので会社以外に収入源があるというのはすごく憧れていました。

それにTAMでは副業も支持されていたのですが、きっかけがないと「ヨイショ」ってなかなか始められなくて。

そんな時期が結構長かったんですけど、たまたま最初に勤めていた会社からお声がけがあったので、「じゃあちょっとやってみようかな」という感じで、2016年ぐらいからフリーランスを始めました。

ストレスがない「二足のわらじ」生活

―2016年からフリーのお仕事も始められて、お客さんの数などはどのように推移しましたか?

仕事は完全に自己完結していて、個人のほうの仕事は2~3つの小さめのプロジェクトが動いている感じです。

TAMで一緒に働いていた元同僚の方に声をかけていただいたり、ご紹介してもらうことが多いです。別の会社に行かれても、また一緒にお仕事できるのは本当にありがたいですね。

―実際に3割フリーランスを始めてみて、1社だけで勤めていたときの危機感とか将来への不安には変化がありましたか。

不安はちょっと緩和された気がしますね。

会社の1歩外に出ると自分はまったく使えない人間なんじゃないかと思って不安な時期があったんですけど、実際にやってみるとうまくやっていけたので、今までやってきたことが間違っていなかったんだな、という確認ができました。必要としてくれる人がいるんだ、というのは発見でしたね。

デザイナーの作業範囲って、会社によって全然違うんです。TAMでは分業しているため、お客さまとのコミュニケーションは主にディレクター、コーディングはフロントエンドエンジニアと・・・ チームメンバーに助けられて自分ではやれていない部分も多い気がしていたんですよ。

―フリーランスになって、スキルの幅は広がりましたか?

できることが増えた感覚はあります。TAMだと大企業のお客さまが多くて、案件もWebサイトのフルリニューアルや新サービスのUIなど大規模なものですが、フリーランスの仕事は規模が小さめなので、自分が全部入っていけるのは結構面白いですね。

例えば、最近は飲食店のECサイトの立ち上げをフリーランスのほうで手伝っているんですが、開発中の商品レビューをしたり、商品の写真撮影やロゴ作成など、ゼロベースからお手伝いできるのは貴重な経験になりました。

ほかにもフリーではイラストを描いたり、紙媒体をやったり、ディレクションもやらざるを得なくなったりとか。当然、経理・総務的なことも自分でやらなければいけません。新たなトライはしやすいかもしれないです。

―そんななかでTAMとの関係性は変わりましたか?

会社ってありがたいな、と思いました。

人がいるのがまずありがたいですよね。会社だとデザイナー同士で相談ができたりとか、体調を壊したときに助けてくれる人がいたりとか。常に一緒にやっているプロジェクトメンバーとは信頼関係が築かれるので、すごくやりやすいなと気づいたり。

あとは、定期的に仕事があるという、今までは普通に感じていた状態が実はすごいことだと実感しました。

会社員にもフリーランスにもメリットとデメリットがあると思うんですけど、両方合わさると、安心感と刺激(ときに苦痛)のバランスが私的にはちょうど良くなって、ストレスもかなり減ったんじゃないですかね。

常識ではあり得ないフレキシブルな契約形態

―フリーランスになって時間の使い方は変わりましたか?

会社の仕事とフリーランスの仕事と、スケジュールをちゃんと考えているので、時間配分をきっちりやるようになりました。

それまではあまり意識してなかったんですけど、フリーランスになると売り上げにも直結するので、時間効率がよりリアルになってきます。自分がなににどれだけ時間を使っているかというのを把握するのは、結構大事だと思いますね。

フリーランスの仕事が忙しくなって、TAMのほうの仕事についてリーダーと相談することもよくあります。「この時期フリーのほうで詰まりそうなので、TAMの仕事をちょっと少なめにします」のような、主にスケジュールの調整をします。

ただ、会社の利益は重視しているので、他の月で挽回するなどしてバランスを取るようにしています。

―TAMのほうの仕事を減らすと、TAMとの契約の内容も変わったりするんですか?

契約は変わらないんですが、TAMの仕事が固定時間できなかったとしたら、その分給料から引かれることになっています。その逆に超える場合はプラスされる。かなり特殊な契約だと思います。

―すごくフレキシブルですね。例えば、大手企業から案件が来たとき、「これは個人じゃなくてTAMで受けたほうがいいかな」ということもあったりするんですか?

結局実現はしなかったんですけど、個人で受けるには規模が大きすぎる場合や、デザインの他にも、ディレクションやテクニカル部分も含めて「TAMさんとして受けてもらえませんか?」という相談があったこともありました。

―なんだかTAMにとっては競合みたいですね(笑)。「デジタルエージェンシーHAGIE」みたいな。

いえいえ、競合ではありません(苦笑)。でも、そういう流れもありだな、とは思っています。つまり、私は営業はできないんですけど、いちデザイナーとしてTAMに仕事を持ってこられるようになったらいいな、と。

会社都合ではなく、個人の思いを大切にする会社

―副業をやっている人も増えていますが、萩原さんの場合は会社との関係もその時々で調整可能で、一般的な副業とは違っていますよね。

会社で正社員としてフルで働いて、そのほかに土日とか夜とかに副業をする人が一般的には一番多いんじゃないかと思います。平日にも副業を入れた働き方は、意外とないのかもしれませんね。

実際、TAMの中でもそういう働き方をしている人は意外と少なくって。できるということを知っている人が少ないだけなのかもしれませんが・・・。こういう働き方はいいと思うんですけどね。

―実際にフリーランスをやってみようかな、と思ってTAMに相談したときの反応は?

特に反対されることもなく、「じゃあどういう風にやっていこうか」というすり合わせから入りました。契約もどういう内容にしようかとか。リーダーもそういう考えに賛同してくれる方だったので、すんなり話し合いの場を設けていただいて、割とすんなり決まりましたね。

―個人の働き方のニーズに合わせて、会社が調整していくという感じですね。

とても柔軟だと思います。TAMでは住む場所を変える人が増えていて、沖縄や仙台など地方に引っ越された方もいます。個々人の状況に応じて、働き方を変えられるというのはすごくいいですね。

私自身も、もしかしたら生まれの名古屋に戻るかもしれないし。なにがあるか分からないですが、その都度ベストな働き方、つまり「パーソナライズ」された働き方を自分で選べるんです。

「勝手に幸せになりなはれ」というTAMの理念から来ると思うんですけど、いい意味でも悪い意味でも、働き方は個人にまかされています。

「やりたければ自分でやりなさいよ」と少し突き放した感じもあるんですが、やりたいと言えば「どう実現しましょうか?」と話を持って行ってくれる感じ。会社都合ではなく、個人の思いを大事にしているからできることだと思います。

ただ、それが個人の成長につながって、個人の成長が会社の成長にもつながるというのは絶対条件だと思うんですけど。

―萩原さんはフリーランスの仕事をすることが会社の成長につながっていると実感されていますか?

TAMには機会をもらっているので、その恩を返したいと思いますね。フリーの仕事をして「こんないいやり方がある」とか、新しい発見もよくよくあるので、それをTAMのチームメンバーに還元して、より良くしていくというのはなるべく意識しています。

それから、TAMで一緒に仕事をした人からのご紹介で個人に仕事が来るパターンが多いので、外で自分が成長してTAMの中でいい仕事ができれば、またどこかでつながる・・・ のようないいサイクルも生まれつつある気がします。

―つまり、同僚であると同時に、メンバー間の関係も個人と個人の付き合いなんですね。後輩で萩原さんみたいな働き方をしたい人に相談を受けることはありますか?

あります、あります。「どうやっているんですか?」と聞かれるので話すと驚かれます。

アドバイスとしては、リーダーとまず話し合いの場を設けること。それから話の進め方としては、自分にとっても会社にとっても「Win-Win」となることを言えればいいのかな、と。それをすることによって自分がどう成長して、会社がよくなりますという、相乗効果を説明することですね。

TAMは自由な会社ですが、それをはき違えてなにをしてもいいかというとそうではない。お互いの信頼関係がないと、自由な働き方は成り立たないですね。

株式会社TAM デザイナー 萩原恭子
デジタルプロダクトのUIデザインから、クリエイティブ性の高いコンテンツまでジャンル問わず、多岐に渡るデザインを担当。機能的な使いやすさと「かわいい・たのしい」を両立させるビジュアル設計が得意。フリーランスとしても活動中。
[取材・編集] 岡徳之 [構成] 山本直子 [撮影] 石田バレット (Barrett Ishida)
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