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未経験から経理を担当している澤野さんと、様々な経験をしてきて財務としてファンネルアドを支える鈴木さん。普段一緒に仕事をすることも多いお二人にお話を聞きました。
ーーではまずお互いの最初の印象と今の印象を教えてください。
澤野:最初は話すことがあまりなくて、印象がなかったんです。最初のころは鈴木さんとコミュニケーションを取る時間がなくて。でもそのころを思い出せないくらい今一緒にお仕事をしていて、本当に優しい方だなと思っています。たまにしか怒らないし、でもそれは私のイライラが移っているだけで(笑)
鈴木:僕は最初、忙しそうにしてんなって思ってました。それは今でも変わらなくて、良い意味で気風が良い姉御肌、ちゃんとリーダーシップをとれるし下の人の面倒も見れるし責任感も強いし、たまにキレるけど(笑)でも素晴らしいなって思います。管理部にいてくれてありがとうって思っています。
ーーそうなんですね!素敵!
どんな問題もひとつひとつ解決していけばいい
次にこれまでの経歴を教えてください。
鈴木:はい。大学卒業後、父の経営している食品会社に入社しました。パン工場と炊飯工場を持っていたり、パンを店舗で販売したり、乳製品の卸や不動産事業など幅広くジャンルに携わっている会社でした。最初の1年間は下積みとしてパン工場で朝5時に起きてパンを作っていました。…だから今でもパン作れるんですよ。
ーーえ〜!食べたい!(笑)
鈴木:その後に管理部で経理などお金関連のお仕事や、不動産関連の業務も経験しました。その会社のメインであるパン事業部では売り上げを50億ほど稼いでいたんですけど、後にそこの営業本部長として店舗管理の仕事をしていました。28歳頃まではその仕事をしていたんですが、自分で会社を立ち上げてみようと思い退職しました。
次のキャリアとして、友達とお粥屋さんを始めることにしました。お粥の勉強をしようと3ヶ月ほど本場の香港に行ったあとに、会社を立ち上げるために私募債を発行しました。地銀を始め、色々なところから社債としてお金を預かりました。
最初は恵比寿にお店を出して、王様のブランチにも取り上げてもらいました。事業はいい感じで進んでいたんだけど、事業資金として集めた2000万を全て出店に使ってしまっていて、後が続かないという状況になってしまって。そのタイミングで一緒にやっていた友達が代表取締役だったんですが失踪してしまったんですよ。
ーーえ…!
鈴木:それでもう店は畳むしかなくて残務整理をやりましたね。債権者が家に来るんですよ。代表でもなんでもないんだけど、当時僕の住んでいた家を会社の登記簿謄本に登録していたので債権者とかがみんな家に来るんです。
澤野:キツ…!
鈴木:キツイですよ〜。もう、拉致られたりもして。
ーーら、拉致…?
澤野:壮絶すぎる…。
鈴木:まぁそれは結局、僕に取り立てるものじゃないからね。その会社の残務整理とか、色々とキレイにして、酷い目にあったなぁと思いつつ。
鈴木:その後は父の紹介で食品卸の会社をM&Aするんですね。後継ぎがいない赤字だらけの会社でどうしよう、となっている会社だったんですけど。当時30歳のタイミングでやってみない?と言われて、チャレンジングな部分が自分にはあったので立て直しも面白いかなと思って挑戦しました。
でも僕のスタートの時点でその会社には3億5000万の借金があって。なんでやったんだろうと今では思うけど(笑)
ーーえぇ?!チャレンジングすぎる!
鈴木:まぁずっとやっていたら営業利益は出るようになったんだけど、キャッシュが回らないわけよ。結局、取引先に大手のメーカーがいたので、いくらか補填してもらっていたんだよね。それを当てにしているビジネスモデルになっていて。でもその取引先が合併することになった時に、うちの会社に補填として出している金額が莫大で問題になったんだよね。だからコンプライアンス的にアウトになったので、補填も打ち切りになって会社を辞めなくてはいけなくなって、その債務整理をしたのが結構大変だったね。会社の経営ができなくなってしまったので、拉致られた時なんかよりも全然大変だった。
ーーそれは相当大変ですよね…。ここまでの内容だけでも本が書けそう。
鈴木:ただ、自分でやってよかったなと思うのは、どんな赤字会社もちゃんと真面目にしっかりやりこめば黒字転換するんだってことがわかったから。問題がたくさんあってもひとつひとつ潰していけばいいんだって。だからやってよかったな。
ーーこれだけ経験していてその言葉が出るのはかっこいいですね。
自分が成長できる環境でやりがいを追い求める
では次に澤野さんもご経歴を教えてください。
澤野:私はウェディング業界にいて、ブライダルのプランナーとして入社したんですけど、中小企業だったので色々やらせてもらいました。お皿のサービスとか、結婚式の会場責任者としてお二人を誘導したりとか、本当になんでもやりました。
3年間くらい働いた頃、体力的にキツくてコロナにもかかって「辞めるなら今だ!」と思って辞めて、フリーターになりました。1年間くらいかな。その後にこの会社に来ました。
ーーフリーターの期間が結構長かったんですね!意外です。
澤野:そう。その頃はEC事業というか、オンライン薬局の会社でアルバイトしていました。当時は何をしているかわからなかったんだけど、今思えばあれってLP作ってたんだなとか思いますね。あとは薬を郵送したりとか。
で、その時はめちゃ暇でした!その前は3年間ブライダル業界にいてめっちゃ忙しくて体力的にもキツくて、だけどやりがいはすごくあったんですよ。
でもフリーターになって自分の時間はあるんだけど、何で生きてるんだろうって考えるようになってしまって。やりがいもないし、責任感もないしこのまま人生過ごしたら腐るなと思って、転職活動してこの会社を選んだの。
ーー真逆の環境を両方経験して、やっぱり自分はキツくてもやりがいがいいって思われたんですね。
澤野:そう。やりがいとか、自分が成長できる環境かどうかとか。その中で好きなことを見つけられたら1番いいなと思って。
フリーターは暇すぎて性根が腐るなって思ったし、何も考えられない人間になっていってしまってるなと焦って、就活を始めました。
鈴木:楽だしこのままでもいいや〜って思ってしまう人もいるわけでしょ。
ーー確かにそうですよね。やっぱり一回落ちたところから上がっていくのが人生1番難しいと思いますし、根が真面目なんですねきっと。
澤野:そう!根は真面目なの!こんなキャラだけど(笑)
暇って1番辛いなって当時感じていて、趣味があるわけでもないから、何をやればいいかわからないし。
ーーそういう考えの人、この会社に多そうですよね。暇が嫌いとか、成長したいとか考えている人がこの会社に多いし会っている気がしますね。
では次に現在のお仕事についてお伺いしたいです。
澤野:今は管理部で経理を担当しています。内容としては経費や請求書の処理とか、あとは経理じゃないこともやっていますね。(笑)
鈴木:誰も触らないから、じゃあ管理部!みたいになっている部分も多いよね。
澤野:そうですね。あとは仕訳をしたりしなかったり。
ーー会計の分野にも携わっているんですね!幅広い…!
澤野:まぁ、どの仕事にも共通して言えるのは使ったお金を処理するっていう仕事をしていますね。
ーーなるほど!
経理の仕事を飛び出して幅広くお仕事している状況の中で、フリーター時代にやりがいと責任感を求めて入ったけど、その2つがちょっと重すぎるなって思うことはないですか?
澤野:え〜、めちゃくちゃあります。(笑)
私未経験で入っていますし、今月で2年目になるんですけど元々は総務と経理補助で入社していたので自分が経理やると思ってなかったんですよ。
会社内で色々あって、4人いた経理が私だけになっちゃって。自分もよく辞めなかったなって感じなんですけど。その時に「経理やってほしい」と言われて「じゃあやります」って何もわからないままやって。
ーーそこで「やります」って言えるのすごいです…!
澤野:自分が辞めてしまって経理がいない状態になるってことは、お給料が支払われないまま辞めるってことになるのかと思って、それが怖かったんです(笑)こんだけやってきたのに払われなかったらいやだと思って、自分が自分の給料を振り込んだことを確認してから辞めようって思ってたんだけど、そのままズルズルいるっていう感じ。
当時はワンフロアに数人だけの小さい会社だったし、誰も経理のこと知らないからやりたがらないし。自分でやるしかないかなって。
ーー確かに経理って経験者とか資格を持ってる人がやるものなのかなって思ってました。
澤野:私も思ってた。
鈴木:でもすごいよね。実際未経験だったとしてもやってるし、できてるしさ。
ーーやりながら覚えていく感じなんですか?
澤野:うん。簿記がすごい必要かって言われたらそうでもなくて。会社の歴史もこれだけ長くいればわかるし、「何年の何月のこの費用、何?」とかもその時もこの会社で過ごしていたからこそ「これは何の費用です」とかって答えられるし。簿記の知識よりは会社の流れとかお金の流れとかを理解して答えられるようにしようっていうのは考えて働いています。
逆に知識はまだまだだなと思いますね、鈴木さんに聞いたりするし。下の子に聞かれてもわからないことも全然あるし。
ーーそうなんですか!確かにこの会社には専門家みたいなポジションの人少ないですもんね。
澤野:そうですね。でもやっぱり鈴木さんは長年の経験とか知識をたくさん持ってますから、聞いたら答えてくれますよ。
ーー鈴木さんはいかがですか?
鈴木:僕は本当は細かいのは本当は苦手なんですけど。会社のお金をしっかり管理して今後の事業資金を準備するっていうのが1番大きな役割かなと思っています。あとは会社のリスクをどれだけ減らして管理できるかっていうところですね。つい最近までバックオフィスが脆弱な会社ではありましたし、0→1だったり、1から広げていこうみたいなフェーズなので会社が安全に運営できるように頑張りたいところではありますね。
澤野:毎月のように銀行から融資を引っ張ってきてくれているのも鈴木さんで、うちの会社のスキームって結構複雑なのでそこを整理して説明して借り入れするって本当にすごいことなので…もっとみんなに言って!って(笑)
ーー確かに、経験からくる深みみたいなものがないと、説得するのは難しそうですね…。
では次に、以前の経験が今役立っているなと思うことは何かありますか?
鈴木:僕は全部だね。これまでの経験も笑い話になるし、楽しかったな。
ーーそれだけの経験をしてらして、楽しかったって言えるの本当にかっこいいです…!
澤野:本当そうですよね。
私は2つあって、1つはコミュニケーション。接客業をやっていたから、コミュニケーション取れないと話にならなかった。普通の管理部の人たちって黙々と仕事をするイメージがあったんだけど、この会社だとそれじゃやってられないなって思うし、他部署と関わることも多い。情報は自分で取りに行かないと降りてこないなってわかってるからこそコミュニケーションは大事にしています。
もう1つは線で仕事をすることを意識しています。ブライダル事業は新郎新婦が結婚式を挙げるまでを逆算して仕事をしていて、ドレス決めて花決めて料理決めてみたいな線になっていて当日を迎えて、当日の進行も滞りなく進めて、終わりっていう線になるんですけど、経理の仕事も線になるなと思っていて。使ったお金を処理する、ってことではあるんですけど、その部署がどうしてその業者を選んだのか、それに対していくら支払ってどういうサイクルなのかを網羅しないと、なんでこのお金が出ていくのかっていうところに繋がらない。ただお金を支払うだけの作業になっちゃうから、これはどの部署が管轄しているなんのお金なのか、どうして払うのかはできるだけちゃんと認識しようと心がけてます。
全部繋がっているんだよ、というのを他の部署にも伝えたいし私自身も気をつけないといけないところだなと思っています。
鈴木:素晴らしい!
会社のことを想うからこそ、管理部は嫌われ役でいい
ーー確かに、自分で払っているわけではないからそういうことを意識できていない人も多いのかなと思います。
澤野:経理としてその意識は私が1番持っていなくちゃいけないと思うし、ぜんぶ繋がってるんだと思ってほしい。これを買うにもお金はかかってるし、買っていいけど「買うよ」って言ってね、っていうのは言い続けなくちゃいけないなと思っています。
ーーなんか…良いお母さんになりそう。
鈴木:本当だよね!しっかり者のお母さんになりそう!ちょっとうるさいけど。
澤野:(笑)
でも嫌われ役でいいと思ってますね、管理部は。うるさく言い続けないと浸透していかないし、うるさいと思われてもちゃんとやってくれるんであればそれでいいし。会社の中では管理部はそういう役割として必要なのかなと思います。
ーーなんか1番会社のことを考えてる感じがしてかっこいいです、お2人とも。
鈴木:それはね、数字見てるからね。
ーー管理部特有かもしれないですけど、やっぱり他の部署は自分の業務とかでいっぱいいっぱいになってしまうことの方が多いのかなと思うので、こんなに視野広くみんなのことを思っている部は管理部しかないと思います!
では次はキャリアについて思うことや、しんどい時の乗り越え方みたいなものがあれば教えてください。
鈴木:そうですね。結局、もう結果として出ちゃったことってもう変わらないので、解決をするしかないんですよね。もう巻き戻せないので、あとは明るく解決していこうねって僕は今までずっとやってきました。
ーー重みが違いますね…!
鈴木:あとはやっぱり、周りの人が助けてくれることがあるので。人間関係は大事だと思います。澤野さんが言っていたことも勉強になりますし、人から吸収しながら助けてもらいながら前向きにやっていくのがいいかと思います。
澤野:なんだろう…綺麗事に聞こえたら嫌なんですけど、私この会社の人のこと好きで、辞めたいなって思うこともあるけど、やっぱりこの会社の人って前からいる人も新しく入ってきた人もそうだけど、いるおかげで私は続けられてるなって思います。
なんでかっていうと、みんなやっぱり意識高いし目に見えてサボってるなって人いないじゃないですか。そういうのを見ると、私も頑張らなきゃな、置いてかれないようにしなきゃなとか。この気持ちの厚さでみんなと一緒にいたいなっていうのがあって、それが糧になってる。それが本音ですね。
ーーなんだかグッときますね。
では最後に、これからやりたいことはありますか?
澤野:仕事では、数字の分析です。管理会計ですね。
鈴木:そうだね。予実管理をちゃんとして、数字でちゃんと経営陣や全体に説明するってことをしたいですね。数字は経営者であろうと誰だろうと言い逃れできない真実なので。
澤野:社長が言ってたけど、今って攻めから守りのフェーズに入ってきていると思っていて、守りたいけど守れないところがある。守るって言っているんであればここもちゃんとやらなきゃだよねってところがバーッとあるので、そういう部分の体制を整えたいなと思います。
鈴木:経理とか管理としての在り方ってそこだと思っていて、ずっとなんとかしなきゃいけないと思っているけどずっと日常に追われてて手をつけられていないっていうところがあると思います。そういうところをなんとかしていきたいですね。