はじめに
はじめまして!
Wantedly Visit のプロダクトマネジメント責任者をやってる杉本です
この記事では、自分が思うプロダクトマネジメントのコツ、ウォンテッドリーの PdM がやってるお仕事の内容を書いてみたいと思います。興味がある方、ぜひ読んでみてください🙋♂️
これはなにか
プロダクトマネジメントでは「課題の質」を見極めることが大事
そのためには、「構造」と「仮説」が必要ってことを書いた記事
誰のために書いているか
Wantedly Visit のプロダクトマネジメントに興味がある人
プロダクトマネジメントの知見を求めている人
どう役に立つのか
Wantedly PdM に求められる役割や働き方をイメージできる
プロダクトマネジメントのコツがわかる(かも)
Wantedly PdM の役割 とは
プロダクトマネジメントは「やる・やらない」を決めること
そんな風に言われることが多いのかなと思います
ウォンテッドリーでは「やる・やらない」の判断を、よりスムーズにするため「課題の質 × 解決の質」という考えを採用しています。
そして、プロダクト成長につながる「解くべき課題」を見つけることを、プロダクトマネージャー最大の役割と定義しています。
課題の質 × 解決の質
課題と解決とは
ウォンテッドリーではこんな風に整理しています
- 課題の質:顧客やビジネスへの影響度の大きさ
- 解決の質:問題を根本的に解決する手法の適切さ
なぜ、課題の質が大事なのか
どれだけ高品質でも、誰も欲しがってないプロダクトは利用されないから。
また、
顧客が必要としてる機能を高頻度でリリースしてるプロダクト vs そうじゃないプロダクト では、成長スピードに差が開きます。プロダクトの競争優位を守り切ろうとした場合、「本当に価値ある体験をリリースし続けているのか?」という視点は必須だと考えています。
課題の質はどう見極める?
ウォンテッドリーでは大きく 3 つのステップで考えてます
① 構造を理解する
構造とは、プロダクト成長に関連する要素や因果関係のことです。
構造を正しく理解していないと「プロダクトマネージャーの妄想」で施策が進み、「誰にも使われないプロダクト」が生まれやすくなります。
ちなみに、構造は大きく 2 つで捉えます。
要素分解
KPI ツリー、B = MAT のように構成要素を MECE に分解する考え方。
大きなモノゴトでも細かく分解することで、一つ一つ、深く考えやすくなります。
因果関係
モノゴトが発生する順序や原因に着目する考え方。
一見、小さなコトに見えても、多くのモノゴトへ影響する要素があります。
因果関係を知ることで「プロダクト成長の重心」を把握しやすくなります
② 仮説を立てる
構造で把握した、要素分解や因果関係をもとに、問題に優先度をつけます。
よい仮説を作るポイントは「分岐の見える化」です。
分岐の見える化
よい仮説には、「今後の方向性(戦略)」に大きく影響を与える示唆が含まれます。
😭 イマイチな仮説
「A という問題は解消すべき」
YES だった場合、何と比較して優先度を判断したのか曖昧
NO だった場合、次のアクションがわからない(学びがない)
👍 よい仮説
「A と B では、A を優先的に解消すべき」
どちらの結論になった場合でも「A と B の優先度をわける分岐点はなにか?」という学びがある。
このような意思決定を繰り返すことで「何がプロダクト成長の分岐点になり得るのか」という知見が増え、組織の生産性が向上します。
③ 仮説を検証する
仮説は必ず正しいわけではありません。
検証し、根拠となるデータをもって判断することが重要です。
もし、関連するデータがあるなら集計・分析を。
データがないのであれば、必要最低限の機能を作り、クイックにリリース。
実際のユーザー行動をみて判断するのがオススメです。
Wantedly Visit での実践例
ここまでの考え方の実践例として、Wantedly Visit で実施した「スカウト改善の事例」をご紹介します。
前提. スカウト改善 とは
Wantedly Visit には、企業が魅力に感じた候補者をスカウトできる機能があります。
本施策では「採用担当におけるスカウト体験のボトルネックを解消し、返信率を向上させる」をゴールに取り組みました。
構造理解
まずは、「スカウト返信に影響する要素」を「誰に」と「何を」を軸に要素分解
仮説を立てる
前述の要素分解をもとに「だれに:転職意欲 x 競争率」に着目し、「スカウトターゲットの 4 事象」というマトリクスを作りました。
このマトリクスをもとに「同じくらい魅力的な候補者がいれば、 転職意欲が高く・他社がまだスカウトしてない候補者から優先的にスカウトすると返信をもらいやすい」という仮説を立て、調査しました。
その結果
- 右上エリアは、他エリアと比較して、スカウト返信率が高いこと
- 右上エリアにも、他エリアと同じくらい魅力的な候補者が存在すること
- 左上の「転職意欲高い × 競争率高い」エリアへのスカウトが集中がボトルネックになっていること
ということがわかりました。
仮説検証
前述の調査結果等から、「採用担当がスカウト検索するとき、条件を満たす候補者が複数いれば、返信率が高いエリアの候補者から見つかるようにする」という施策をクイックにリリース。
結果、スカウト返信率は大きく向上しました🎉
さらに、
成果につながった「スカウトターゲットの 4 事象」という考え方は、スカウト改善の戦略コンセプトとして様々な施策に展開され、その後もプロダクト成長を支えています。
おわりに
今回は、Wantedly PdM の役割として「課題の質の見極め方」を書いてみました。
拙い記事ですが、誰かのお役に立てるとうれしいです!
ウォンテッドリーに興味をもってくれた方へ
もし本記事を読んで「ウォンテッドリー面白そう」「構造理解 → 仮説 を実践してみたい」と思ってくれた方がいれば、「話を聞きに行きたい」から気軽にカジュアル面談へご応募ください。より具体的なプロセスや Wantedly Vsit のプロダクト戦略など、もっと深掘りトークしましょう!
もう少し知見が知りたいぞ と思ってくれた方へ
note でプロダクトマネジメントやデザインの知見を個人発信してます。興味あればこちらも読んでみてください。