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コロナ禍で自宅から半径数キロメートル内の生活が続くなか、自分の住む地域とのつながりを強く感じるようになった人も多いのではないでしょうか?
デジタルエージェンシーTAMのデザイナー、和佐阿佑美さんもその一人。コロナ以前から地域の活動には関心を抱いてきたそうですが、最近になって会社の仕事とは別に、地域誌の制作に参加するようになりました。
地元の仲間との交流で、「今まで知り得なかった世界が広がっている」という和佐さんにお話を伺いました。
半分デザイナー、半分ディレクター
―TAMへの入社時期と役割は?
TAMに入社したのは2013年で、前職も今もWebデザイナーをやっています。前職は新卒で入った印刷会社のWeb事業部で、プレゼン企画から参加し、デザインから実装のコーディングまで担当することもありました。その仕事を通じてTAMを知り、面接を受けました。
TAMでは2年ぐらいディレクターをやっていて、大手企業のEC案件を主に担当していましたが、その後デザイナーに転向しました。会社の中でディレクターからデザイナーになるというのはめずらしいですね。逆は結構あるんですけど。
現在はデザインを担当しながら、ディレクターと一緒に上流の企画提案、UX設計のところから参加していて、デザインとディレクションを半分ずつ担当しているような形です。
―ディレクターからデザイナーに転向したきっかけは?
ディレクションが好きではあったのですが、デザインもしたくなったというのがありまして。モノづくりがもともと好きで、チームリーダーと相談してデザイナーに転向しました。今はお客さまに提案もしながら、作る工程も楽しんでいて、本当に好きなことをさせてもらっています。
プライベートではちょうどデザイナーに転向したあたりで結婚して、その後すぐに出産しました。そうした流れでも、お客さまと密接に付きっきりで進行管理する仕事より、今のほうが自分のバランスとしては合っているかな、と思っています。
出産まではフルタイムで働いていましたが、子どもが生まれてからは2年間育休を取りました。今、子どもは3歳で私は時短で働いています。子どもはまだ手がかかりますけど、好きな仕事なので毎日楽しいですね。
―モノづくりが好きというのは、昔からあったんですか?
私はデザイン系専門学校のWeb専攻を出てまして、そのときからWebサイトやアプリケーションの制作に携わりたいというのがありました。
その学校では、最後に「卒業プレゼン」というので、企業の方などもお招きして自分の考えたサービスや販促物をプレゼンして、みんなで優勝や副賞などを決めていました。結構、商業寄りだったので、そのときから企画とモノづくりと半々の楽しさを感じていましたね。
その前に通っていた商業高校でも、「商業研究部」という少し変わった部活で、地域の企業の方といろいろ活動して、それをプレゼン形式で発表するというのをやっていました。全国大会まであるんですよ。その当時から地域活動に関心を持っていて、専門学生のときには、和歌山の地域誌の編集アルバイトをしていました。
熱量ある地域誌の編集部にジョイン
―最近、TAMのお仕事をやりながら、社外で地元の地域活動を始めたとか?
地域誌の制作に数カ月前から参加しています。今住んでいる大阪・堺市の「泉北ニュータウン」という地域の住民に向けた『RE EDIT(リ・エディット)』という情報誌で、年1回発行しています。
泉北ニュータウンに引っ越してきたのが4~5年前。「新婚補助」が出るというのと、地域活動が盛んだということで、結婚を機にこの地域を選びました。それで、引っ越して役所に手続きに行った際にチラシをもらい、この情報誌のことを知りました。
まずは読者としてクラウドファンディングに参加して応援していましたが、子どもが3歳を迎えるにあたってそろそろ自分の活動もできるんじゃないかということで、メールで編集部に連絡を取り、3冊目の校正作業から編集部に参加しています。
―年に1回発行の『RE EDIT』というのは、どんな雑誌なんですか?
地元の魅力を伝える市民活動団体「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」から2018年に生まれたプロジェクトで、SDGs(持続可能な開発目標)を軸に、泉北ニュータウンの「ひと」にフォーカスした雑誌です。
今は情報過多で、出しては消えていく情報が多いなかで、バックナンバーをずっと残していただけるようなものを目指しています。なので、地域の店舗とかイベントとか単発のものを特集するよりは、そこで活動されている人であったり、なぜそれを行ったかという企画の背景に焦点を当てています。
発行部数は毎年検討していますが、創刊号は2,000部、2冊目が1,000部、3冊目はコロナ禍で取材が厳しくなったことなどで、番外編としてミニブックを発行しました。1~2冊目のページ数は約90ページです。
運営のほとんどはクラウドファンディングとかボランティアで、皆さんのご支援で動いています。毎号、堺市の図書館にも置いてもらってます。
―編集部はどんな制作体制でやっているんですか?
編集部は10~15人ですね。まだ参加して2カ月ほどですが、月に2回ほど編集会議を行っています。
編集長は編集経験があって、今もお仕事をされている方で、あとはデザイナーが私以外にも1~2名。みなさんボランティアで参加されていて、ほとんどが泉北ニュータウンに住んでいる女性です。
みんなが創作のお仕事をされているわけではなく、ヨガのインストラクターの方もいるし、福祉や飲食関連のお仕事をされている方もいるし、本当にバラバラです。
月2回の編集会議は、子育て中の女性が多いという事情もあり、平日ランチを兼ねて1回と、週末子どもも一緒に参加するのが1回。今はコロナ禍ということもありオンライン会議が中心ですが、人数が少ない場合はリアル会議もあります。
編集会議のあいだ、保育関係のお仕事をされているメンバーに子どもたちをまとめて連れ出していただいたりしていて、子どもたちの地域参加の場にもなっています。私は家族の協力を得られる週末を中心に活動しています。
―1年に1回の発行で月に2回の編集会議、すごい熱量ですね。和佐さんの役割は?
本当に熱量がすごいです。地域とか人に対する思いというか。私は圧倒されてばかりなんです(笑)。
私は今回(第4弾)が初めてですが、企画別でチームに分かれて取材・編集を行います。これとは別軸で、WebサイトやSNSの見直しも担当しています。ファン層を分析してみると、近辺の方にしか見られていないので、もう少し幅広くいろんな人に見てもらって認知度を上げるお手伝いができたら、と思っています。
多様な人にふれて、自分を客観視する機会
―コロナ禍でこんなに地域の結びつきの存在感が高まっている時代はなかったのかな、と思うんですが、今だからこそ地域活動に携わる意義はなんでしょう?
もともと子どもが生まれてから都会に行きづらくなったのもあるんですけど、コロナ禍で近隣で過ごさなくてはいけなくなった状況下で、地域の存在感はすごく感じていますね。
『RE EDIT』のプロジェクトに参加することで、私自身、会社や家族以外のコミュニティに参加できたのはよかったと思っています。デザイナーとしての自分やディレクターとしての自分を客観視するいい機会にもなったなと。
それから、子どもが保育園や家族以外の人たちと接点を持てるという点も大きいです。『RE EDIT』の活動はみなさん子ども連れで参加しているので、子ども部隊もあって、年齢がバラバラの子ども同士で遊んでいたりします。すごい賑やかな編集部なんですけど(笑)。子どもの地域参加にもなるというのがすごくいいなあ、と魅力を感じています。
―アナログだからこその仕事の面白さがあるのかもしれませんね。
私はデジタルにまみれた仕事をしていますけど、リアルの接点でしか知り得ない情報やつながりがあるのを痛感しています。編集部にはフリーランサーなど、いろんな働き方をされている人が集まっていまして、「こういう生き方があっていいんだなあ」というのをそこで感じていますね。
それに、本当に趣味趣向も働き方もバラバラなので、そこから得る情報も多種多様で、知らない世界がたくさん広がっていて、そういうものはやっぱりSNSとかでは得られない情報かなと感じています。
例えば、編集部には無農薬とかエコとか、サステイナブルに結構興味がある方が多いんですが、洗剤1つでもみなさん、すごくいろんなものをご存じで。SNSにも情報は転がっていますけど、探しに行かないといけないものが多い中で、こうしたリアルの場だからこそ知り得る情報にふれられます。
それに、福祉のお仕事をされている方が結構いらっしゃるんですが、コロナで介護施設の面会が遮断されているなかで、おばあちゃんたちが窓から差し込むかすかな光に集まってきて「ここがいちばんあったかいんだよ」と言っているという話を聞いたり。
フリーランサーの方からも今、どう集客が難しいかという話を聞いて、ニュースでは知り得ない現状を知ったり。リアルの声を聴いて「なるほど!」という気づきがあったりしますね。
―和佐さんの地域の活動に対して、TAMから後押しを得ることはありますか?
TAMはそもそも興味のあることをしている人が多い組織で、「エッジを立てる」ということをみんなが意識していると思うんですね。単純にデザイナーとしての自分だけじゃなくて、得意なこと、好きなことを立てていく、見つけていく、みたいな。
なので、会社にいるだけでいろんな人の実例を聞けます。多様な人がいるというのは、本当にありがたい環境ですね。TAMは新しく入社される方も含めて、面白い人ばっかりで。会社に行って話すだけで楽しかったりするんです。それがなによりエネルギーをもらう後押しだと感じています。
あと、働き方の自由度。自由だからこそ責任が伴うんですが、毎年自分のゴール設定をするとき、仕事以外のこと、私ですと『RE EDIT』での活動ですとか、自分の人生設計みたいなものを書くんですけど、その内容をチームリーダーと話せるんです。
「こうしたらもっと良くなるんじゃないか」とアドバイスをもらったり、「このゴール設定はここにつながらないんじゃないか」とか、みんなで話し合う機会があるので、そうやって自分のことを客観視するのを訓練づけられるのもすごくありがたいですね。
株式会社TAM UX・UIデザイナー 和佐阿佑美
2013年よりTAMに参加。ディレクター、デザイナーと経験し、UX設計からUIデザインまで幅広く担当。“よりよいユーザー体験を形に” を目指し、積極的に取り組んでいる。大阪ガス、京セラ、ワコールなど、B2B / B2C問わずプロジェクトに携わる。
[取材・編集] 岡徳之 [構成] 山本直子 [撮影] 藤山誠