1
/
5

会社に「ママ」なんて肩書きはない。性別じゃなく一人ひとりに向き合う、女性が活躍するTAMの組織づくり

大学卒業後、就職せずに結婚、子育てという道を選んだ私は、自分のやりたいに向き合えないまま、社会との接点が減っていくうちに、自信を失っていきました。

「働いたことすらないただのママが、自分の興味がある仕事に就きたいだなんて贅沢」「ママとしてもっと子どもといてあげたほうがいいのでは」「ママだから職場に迷惑をかけることがあるんじゃないか」――そんな言葉でいつしか自分を縛っていたんです。

でも、TAMに入り、社会というより大きな世界に出てみると、全然そんなことはなかった。自分と向き合い、何をしたいのかを発信し続ける。そうすれば、できないことなんてない。そこに「ママ」だとか「女性」という肩書きなんてないと気づきました。


異様な就活に疲弊。そして旦那に”就職”を決めた

私は、大学3回生の冬から就活を始めたのですが、当時「自分のやりたいこと」がはっきりとは決まっていませんでした。

それまで、受験もそう、友達や同級生と「競争する」のが当たり前で、そのうち「誰かに勝つこと」が目的になってしまい、自分がなぜ、どこに向かって突っ走っているのか・・・ 分からなくなった。自分の「ほんとうの」目標や成し遂げたいことを考えたことすらなかったことにそのとき初めて気がついたんです。

だけど、気づいたからといって、「自分のやりたいこと」は急には湧き出てきません。それに、自分だけが立ち止まったまま、就活はどんどんと進んでいく・・・。まわりには大手企業を目指す友達が多かったので、「とりあえず」説明会なんかには行っていました。そのときも、ただ「他人に負けたくなかった」んだと思います。

やっぱり、長続きはしませんでした。みんな似たような黒いスーツと髪型で、盛りに盛ったエントリーシート・・・ 果たしてこんなことで、ほんとうに「なりたい自分」なんて見つけられるのか、そんな違和感ばかりが膨らんでいきました。

一方、当時付き合っていた彼氏で、今の夫は、10代のころに親から家業である飲食店を継ぎ、頑張っていました。かたや小さい事業ながらも経営者、かたや就活生。友達やまわりの人とはまったく違う、誰かに敷かれたレールを走るのではない、彼の生き方に衝撃を受けました。

「彼を応援したい。私も彼のようになりたい」・・・そんな思いから、就活は辞めました。私もついに「競争」に疲れてしまったのかもしれません。大学卒業後、彼と結婚。私は彼の家業に就職することに決めました。


「子持ち 就職 未経験」で検索も・・・失われていく自信

だけどやっぱり、自分と向き合わないかぎり、いつまでも悩みは尽きないことに、私は後々気づかされます。

自分のやりたいことって――。自分で決めた道にも関わらず、その答えが出ないまま、私は子どもを授かり、次第に子育てに追われるように。気づけば、その問いに向き合うこともなくなり、ただ「こなすだけ」の毎日を過ごしていました。

家業を手伝っているとはいえ、生活は専業主婦のようなもの。24時間子育てをする中で、忙しいけれど満たされはしない。こうして子どもといられるのは幸せなこと、なのに満たされないだなんて・・・。けれども、その焦りは日に日に大きくなっていました。

「何か行動を起こさないと」、そう思い、子どもが1歳になる手前で仕事を探し始めました。が、良さそうな仕事はスキルがある人向けばかり。

「子持ち 就職 未経験」で調べても、落ち込む毎日で、「こんな子持ちの母親がのびのびと働ける会社なんてあるんだろうか」「自分が興味の持てる仕事を探すこと自体、そもそも贅沢なこと、私が欲張りなだけなんだ」と、自分に言い聞かせるようになりました。


TAM社長から突然のメッセージ「なぜ、私に・・・?」

半ば諦めかけていた時、たまたまプロフィールだけは入力していたWantedlyに「通知」が来ました。TAMの代表、爲廣さんからのメッセージでした。

自分の目を疑いました。プロフィールには、「職歴なしで1歳児を育てていますが、”Never too late” の言葉のとおり、今からでも遅くない!と勇気を出して就職活動を始めました」という一文しか書いていなかったんです。「なぜ私に・・・?」、と。

だけど、もしかしたら働けるかもしれない――。就職したことがない私にとって、「働く」という未知との出会いは、久しぶりにワクワクしました。そのワクワクにはもちろん、緊張や、家庭と仕事とを両立できるかという不安、子どもともっと一緒にいてあげるべきではないかという葛藤も含まれていたと思います。

爲廣さんは面接で、私にメッセージをくれた理由を教えてくれました。

「池田さんに声がけしたのは、大学ではなく高校時代に1年間アメリカ留学していたこと。体育会ラクロス部で、神戸大学で、就職せずにママになって、”Never too late.”。こんなオモロイ人生を歩む子はそうそういない。自分で自分の人生を切り拓く感が伝わってきた。放っておいても、勝手に幸せになりそうじゃないですか?」。

そしてTAMから内定をもらい、1カ月間、週3日の体験入社を経て、正社員として入社。仕事は会社の広報担当。与えられたミッションは採用を促進すること。今では採用も一部まかせてもらい、TAMの土台を支える重要な仕事をしていることを日々実感しています。

自由と責任。会社で「ママ」という肩書きは関係なかった

前任の方から引き継ぐ形で入社したため、当時、広報は私一人。しかし、これこそまさに「自分で道を切り拓いていく」、私が理想としていた働き方でした。

が、実際にやってみると想像以上にハード。会社のことを知れば知るほど、広報・採用の課題が見えてくる。だけど経験がないから、どこから手をつけたらいいかが分からない。始めのころは孤独に感じる日も多かったです。

それでいて、TAMの社風は「自由」。メンバーに社風について聞くと、そう答えが返ってきます。たしかに、こんな私が広報と採用をまかされるなんて、自由。

だけど、自由って厳しい。自分がこの仕事で何を成し遂げたいか、どうありたいか――。きちんと向き合わないと、やることがなくなり、会社に居場所がなくなってしまう。今ようやく、就活のときには向き合えなかった自分と、真剣に向き合っているように思います。

働く前は、「ママだから◯◯はできない」「職場に迷惑をかけてしまう」「ママなら家事も育児も手を抜くべきではない・・・」といった不安をたくさん抱えていました。

しかし、TAMで働いてみると、良い意味でママとして気づかってくれることは多々あるものの、後ろ向きな意味で「ママ」であることを引き合いに出されたり、遠慮されたり、ということはまったくありません

子どもが体調を崩したときは出社はできませんが、そんなときも自宅勤務に切り替えられたり、「Slack」などツールを使って遠隔でもスムーズに社内のやりとりができたり、ママであることが足かせにならない環境はほんとうにありがたい。

とはいえ、自宅勤務のときは子どもが起きている日中の間はまとまった時間は取れないので、夜に集中して作業することになるのですが、それは「あくまで子ども優先」「自分で自分を管理して働く」というカルチャーが会社に根づいているからこそ、できることだと思います。

社内にいる「ロールモデル」の存在も大きいです。自分のスキルを他の人にも教えようと、自主的に勉強会を主催しているママ社員もいます。男性でも、東京の菅家さんというエンジニアは、今後、地元・仙台から完全リモートワークをしようと挑戦しています。そんな先輩たちの姿が、「TAMは新しい働き方を提案して、それが受け入れられる職場なんだ」という安心感につながっています。

良い意味で、女性を特別視しない。だからこそ、「私も挑戦していいんだ」と思えます。今いろんなところで、よかれと思って「ママのため、女性のため」と叫ばれているような気がして、だけど、私はあんまり自分を「ママ」だとか「女性」というくくられ方だけでは考えていません。

ママ、女性は、あくまで自分を構成する要素の一つ。もちろん、会社として、ママや女性が不利にならないよう、環境や制度を整えるのは当たり前だと思いますが、そこから先、挑戦する気持ちについては、そういう “肩書き” は関係ないと思います。

ほんとうに「ママのため、女性のため」を思うなら、経営者、マネジャーは、「一人の人間として」その人が何をしたいのかに耳を傾ける、その過程でつまづく障害があれば取り除く姿勢が大事ではないでしょうか。

「昔の自分のように、キャリアや人生に迷っている人の助けに」

子どもができ、家族が増えると、どうしても時間や場所に制約ができてしまうことはあるでしょう。そうなると、理想の働き方、生き方を、全部実現するのは無理・・・ 私はそう決めつけていました。

しかし、TAMに入って、働き方や生き方を選択するのに、性別なんて関係ない。結局、「自分がどうありたいか」を発信することが大事。TAMでは、誰かに何かを指示されたり、強制されたりすることはありません。

だけど、「やりたい」と言ったことを後押しするカルチャーはあります。爲廣さんがよく口にする「勝手に幸せになりなはれ。」にも表れているように。

一方で、誰もがみんな、何かやりたいことがあったり、それを発信できるだけの勇気を持っていたりするわけではないと思うんです。むしろ、そういう人は少ないのでは? 私だって、まだはっきりと仕事や人生を通じて、成し遂げたいことが見つかったわけではありません。

だけど、この3年間で、「専業ママから社会人になる過程」「やりたいことがなかった人がそれを探していく過程」の両方を経験したからこそ、今なら、昔の自分と同じようにキャリアや人生に迷っている人の助けになれるように思います。私は、そんな人の気持ちに寄り添える心の優しさだったり、前向きさだったりを、自分の「エッジ」にしていきたいです。

自分の人生に向き合ううえで、「ママだから」「女性だから」というのは関係ない、そんなふうに自分を特別視する必要もないと思っています。「自分も挑戦していいんだ」「子育てもキャリアも両立なんて無理かな? でも、口にしてみたら何か変わるかも」――そう思ってもらえるように、広報として、そして一人の人間として、TAMらしさを伝えていきたいです。

TAM 広報・採用担当 池田礼
1992年大阪府生まれ。高校時代に1年間アメリカへ留学。神戸大学農学部に進学し、体育会女子ラクロス部で4年間を過ごす。卒業後、結婚、出産を経て子どもが1歳になったことをきっかけに就職活動を開始。2018年9月一人広報・採用チームとしてTAMに入社。現在は子育ての傍ら、TAMのカルチャーを発信するオウンドメディア『TAM made by people』の運営をはじめ、採用広報活動で活躍中。
[執筆協力] 岡徳之 [撮影] 藤山誠
If this story triggered your interest, why don't you come and visit us?
新しい働き方、自由と義務、これからのキャリアづくり、などの話を聞きに来て!
株式会社TAM's job postings
16 Likes
16 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Aya Ikeda's Story
Let Aya Ikeda's company know you're interested in their content