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コロナ禍という厳しい状況の中、密に連携をとり、ベトナム法人立ち上げに携わったのが、今回ご紹介する横須賀心さんです。手探りのなか、Admin機能の整備といった法人機能の立ち上げをどう乗り切ったのかを語っていただきました。
ー 2018年5月に入社された横須賀さんですが、これまでのご経歴、現在ラクスルでされているお仕事を教えてください。
これまで、物流・アミューズメント・派遣会社・IT企業など複数業界で労務を担当し、2018年5月にラクスルにジョインしました。初めは総務を担当をしていたので、オフィスレイアウトの変更から社内イベントまで対応してました。その後は総務に加え労務マネージャーとして、現在に至ります。
労務の主な業務は、労務管理(給与計算、社会保険、労働時間管理)を通じて社員のみなさんが安心して働けるようにするための組織作りだと思っています。現在はそれらの管理・チェックをすることがメインの業務で、実務部分はメンバーが担ってくれています。
ー 今年はコロナの影響で働き方が大きく変わったと思いますが、コロナ禍ではどんな対応をされていましたか?
ラクスルはコロナ禍以前までは出社をベースとした勤務体制でした。
そこから新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、社員の安全が担保できない課題に直面して、新しい勤務体制を整える必要がでてきました。これまでは、生産性向上を目的とした環境整備を中心にに取り組んでいましたが、今回はラクスルとして「社員が安心して働ける環境」を作り上げることが最大のミッションでした。
制度をほぼ全てゼロから作り直すゲームチェンジと捉えて、まずは勤務体制を、全社リモート勤務へ移行することに取り組みました。リモート勤務を行うために、備品が必要な職種の社員の自宅にPC等の関連品を手配する必要があったり、無事業務ができるか社員と協力してテストも実施しました。
また、安全な時間帯に勤務ができるように、全社員フレックスの導入も行いました。元々当社の就業規則では柔軟に対応出来るものだったため、これは契約を巻いて手続きするだけで完了できました。
移行後は、急なリモート勤務で自宅の環境が整っていないという声も多かったので、リモート勤務に必要な備品購入の一部補助も取り入れました。非常にスピードが重視される対応でしたが、皆さんのおかげでスムーズにリモート勤務へ移行することができました。現在は社員との対面のコミュニケーション量を増やすことも目的として、週に1回出社するルールを設けて、新しいワークスタイルを開始しています。
ベトナム法人立ち上げで見えてきた、日本との文化の違い
ー 日々の業務以外で担当していたベトナム法人立ち上げの案件についても教えてください。
日々の労務業務と並行して、開発力強化の観点から、ベトナム社会主義共和国に開発拠点を立ち上げるプロジェクトに参加しました。自分が参加した時には、まだ会社登記が完了しておらず、2か月後には新しい社員を雇用していきたいという段階で、ほぼゼロに近い状態でした…。
2ヶ月というタイトなスケジュールの中で人を雇用でできるように制度を創り上げ、社員が働ける環境を整備する必要がありました。3月頃から立ち上げが始まったので、コロナ対策の真っ只中でしたね…。
ー ベトナム法人設立はどう進められたのですか?
具体的には、ベトナムメンバーの転籍・人事制度設計・Admin機能の整備といった部分の立ち上げを行いました。
ベトナムメンバーの方が、元々あった会社から安心してラクスルに転籍をしてくれ、かつ安心して業務に打ち込んでもらえる環境を作るために、そのベースとなる働く条件や環境を整備して明示していく必要がありました。就業規則をはじめ給与テーブル、オファーレター、雇用契約書などを作成しましたが、ベトナムの法令に沿って作る必要があるので、ベトナムの法律に関する資料を読んだり、外部のパートナーに確認したりなど丁寧に作成しました。きちんと労働条件を明示することが、働いてくれる社員の安心につながると思いますので、法律に違反しているところはないか、納得できる労働条件になっているかなど、細部にわたって気を配りました。
また、ベトナムに入社が決まっている社員のPCを日本から郵送したのですが、リチウム電池は飛行機で運ぶことが出来ず、PCの用意が出来ずに奔走ました(笑)結果、現地にいるセンターヘッドのポケットマネーで一時的に購入することに。
6月に無事法人設立ができたので、現在は、自分と日本メンバーの中澤さんで日本とベトナムの調整、労務を担当しています。ベトナムAdminと中澤さんが週に3回MTGを行うことで、密なコミュニケーションを取っています。具体的には給与計算、勤怠チェックなどですね。他には日本とベトナムの業務委託契約内容の確認もします。
ー ベトナムと日本との違いで苦労したことは?
文化の違いですね。
日本では当たり前ではないものが、ベトナムでは当たり前だったんです。ベトナムのAdminスタッフを採用して、一番はじめに相談を受けたことは「社員旅行どうしましょう?」で驚きました。調べてみると、社員旅行がないと福利厚生が充実していないということで、社員が辞めてしまう文化とのこと。季節のイベントを重要視するため、そのタイミングで社員への労いとしてお菓子を配ったりします。ある意味国をあげてベンチャー気質。日本との違いに最初戸惑いはあったのですが、日本の文化を押し付けるのは違うので、しっかりとベトナム社員の話を聞いて尊重出来る部分はしていきたいと考えて進めていきました。
ー ベトナムと日本の労務、規則の違いについてはどうですか?
規則のレベルが違いました。
ベトナムは社会主義国家のため、労働者を守る文化が規則に表れています。例えば、給与テーブルの昇格比率が国で決まっているので、法律に反しないようにする必要があります。加えてベトナムの物価もあがりつつあり、社員が不満に思わないようにテーブルを設計する必要がありました。
またこれは今回の立ち上げで初めて知ったのですが、日本の就業規則作成の場合、書き上げたものを労働基準監督署に届けを行って完成する届出制ですが、ベトナムの場合、労働基準監督署と労働組合両方に許可をもらうシステムになっていました。何度も直しが入るので、日本より作成に時間がかかりました。
ー 今後ベトナム法人をどうしていきたいですか?
ベトナム開発拠点の設立に携わっている皆さんのおかげで、ようやくスタートラインが引けました。 まだ開発拠点のバックオフィスとしては万全な体制ではないので、これからベトナムの皆さんがもっと働きやすく、自立した組織にしていきたいです。今は日本でほぼ全ての規則を整備していますが日本に合わせるだけでなく、ベトナムの法律や文化に沿った制度になる必要があると考えています。最終的にはベトナム法人のみで文化・ルールも決めていける自立した組織になってもらいたいです。
ー 具体的には?
ワークフローのような会社としての基礎的なルール化が必要だと思っています。今は就業規則しかできていないので、ここから更に統制を効かせる必要があります。不正が起こらない環境をどうフローを作って整えるか。日本のチェックが常にフローではなく、ベトナム内で権限をもってしっかり管理が出来るようにしていきたいですね。
ラクスルにとってより良い制度をつくっていくために
ー ベトナムに限らず、今後チャレンジしていきたいことは?
会社にとっても社員にとってもよい制度を作っていくことですね。生活が安定しているからこそ仕事に集中出来るものだと感じています。今回のように世の中の状況が変わったときには、速やかに社員が働きやすいように環境を整えることもそうですし、社員が全力で力を発揮出来る状態を整えていきたいと思っています。
ー どんな人がこれからのラクスルのコーポレートメンバーにフィットすると思いますか?
保守的な考えではなく、社員のためにしなやかに対応が変えられる人ですね。ラクスルは日々成長する会社です。その中で、同じことをやり続けるだけでなく、常にアンテナ高く、重要なものをキャッチし、変化を楽しめる方は合うと思いますし、自主的に社員のための新しい仕組み作りを担っていただきたいです。