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インサイドセールスを司令塔に!成長を牽引するカオナビのセールス戦略に迫る

こんにちは、カオナビでカスタマーエンゲージメント本部長を勤めております最上あす美です。私は2015年に、“カオナビ初”のインサイドセールス担当として入社し、現在はインサイドセールスとカスタマーサクセスまでを統括する立場となりました。

インサイドセールスという職種は、まだまだその役割や定義が多くの会社で異なるため、「新人営業の鍛錬の場」や「アポ取り部隊」と思っている人も多いかもしれません。

一方、日頃様々なSaaS企業の方とお話しする中で、カオナビにおけるインサイドセールスの裁量の大きさによく驚かれることがあります。

カオナビはインサイドセールスを立ち上げた当初から、「セールス活動の真ん中に位置するインサイドセールスが司令塔であるべきだ」と定義し、累計導入社数が1,800社を超える今日までこの体制を強化してきました。

インサイドセールスを司令塔と定義した理由は、見込み顧客を獲得するマーケティングと、商談で受注を獲得するフィールドセールスの間に位置するインサイドセールスこそに、最も多くの情報が集まり、そのため顧客の流れを俯瞰できる立場であると考えたからです。

今回はそのナレッジを少しご紹介していきたいと思います。

突き詰めるべきは、ニーズを顕在化させるヒアリングとセールス全行程の可視化

インサイドセールスのチームは少数精鋭で、見込み顧客からの電話やWebサイトからの問い合わせを受けて商談化していくことをミッションの1つとしています。しかしこの「商談化」は単純なアポイント獲得を指しているわけではなく、商談化するためのリードナーチャリングも私たちが主体となって行っています。

日々業務をするうえで大切にしているポイントが2つあります。

①見込み顧客の真のニーズを捉え、導入後の世界観をイメージさせること
②セールス全行程の状況を可視化し、マーケティングと営業の橋渡しをすること

1つ目のポイントで重要なことは見込み顧客が必ずしも自社の本当のニーズを理解していない、という前提に立つことです。やりたいことが明確でも、なぜそれをやりたいのかをヒアリングしていくと、本当に効果的な打ち手は変わってくる場合があります。お問い合わせをいただく段階で、見込み顧客の抱える課題と解決策が合致しているケースはそう多くないと考えています。

そのため、

「サービスに関心を持ったきっかけは何か?」→何がやりたいのか
「なぜ、このタイミングで導入したいのか?」→求めるスピード感とその理由は何か
「そもそもなぜシステムを導入しようと思ったのか?」→課題点と打ち手のギャップは何か

というように、ヒアリングを重ねる中で、あらためて見込み顧客に本来のご自身のニーズを認識してもらい、そのニーズがカオナビで解決できるイメージを持ってもらうことが私たちの最も重要な仕事だと考えています。

また、顕在化したニーズを正確にフィールドセールスへパスすることも注力しており、パスの精度をあげるためのコミュニケーションも重要視しています。例をあげると見込み顧客が発している言葉をインサイドセールスが社内用語に置き換えてしまっていないかまで確認します。社内用語に要約してしまうことで、本来のニーズを見失ってしまうことがあるからです。その粒度で正確性を求めることが、単なるスケジュール調整やアポ取り部隊と一線を画していると自負しています。

2つ目のポイントは根拠ある数値をもとに語ることと、定性情報をデータベース化することです。

まず、マーケティングが獲得したお問い合わせは、どの広告経路からコンバージョンし、さらに何件商談に繋がったかのかなど、日々商談化率の遷移を算出しています。またそれが受注に繋がっているかをマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスが日々確認できる状態をつくっています。

このように細分化された情報を常にアップデートしていくことで、市場の変化を受けやすいマーケティング状況から、商談数への影響度を捉え、いち早くフィールドセールスに共有することができます。感覚論ではなく、日々の数値の変化を根拠にコミュニケーションを取るため、連携も非常にスムーズです。

また、商談になったものの、なかなか受注に繋がらない見込み顧客はどの広告経路から来ているのか、極端に商談化率が低いのはどこかを洗い出し、数字と定性情報をもとにマーケティングへフィードバックします。そうすることで、質の高い見込み顧客の獲得に近づくことができます。

見込み顧客とのファーストタッチを専門にしているからこそ、見込み顧客が広告を見て得る期待値とのギャップにも真っ先に気づくことができ、それをデータベースで記録することで要因特定も容易くなります。

こうしたフローを繰り返し、日々答え合わせし、グループ横ぐしでの改善を繰り返しています。

この2つの動きこそが、カオナビのインサイドセールスの役割であり、まさしく司令塔といえる所以だと思いますね。

MA(マーケティングオートメーション)を駆使した高度なアプローチ

カオナビのインサイドセールスを語る上で、特に珍しいのはMA(マーケティングオートメーション)をインサイドセールスのメインツールとしている点です。獲得した見込み顧客をマーケティングファネルに当て込み、想定される見込み顧客の検討状況に適した方法でアプローチを行っています。

見込み顧客の業種や規模といった属性情報とサービスサイトの閲覧やメール開封などアクションを掛け合わせて優先順位を立て、一定の基準に達した企業1社1社にに対して仮説を建て、それに基づいた提案内容を準備していきます。見込み顧客の導線や潜在的なニーズを把握し、先方のアクションに対してその場でアプローチできるのはインバウンドならではです。

もちろんアプローチに対する反応は、社内状況やサービスを必要としている度合いによって異なりますが、メンバー同士で細かい情報共有を行い、試行錯誤を重ねながら、「カオナビとしての正解」をすり合わせています。

MAを駆使することで、コンバージョン時点で検討状況が進んでいない場合でも、中長期的に状況に応じたコンタクトを取り続けることが可能です。従業員規模や所在地、業種など、あらゆる情報でセグメントをわけ、そのセグメント毎に仮説を立ててナーチャリングをすることで年単位の時間をかけて商談に繋げることもあります。毎月フィールドセールスに提供している商談の3~4割はこういった手法で獲得しています。

インサイドセールスにMAツールを置くことで、仮説検証はかなり高速化していると思っています。「よいと思ったことはとりあえずやってみる」、「正解はやってみないとわからない」、これは私たちのモットーですね。こうして実践したことで得られた数値や定性情報はデータベースとして蓄積し、それを各所にフィードバックするといった枠組みができています。

インサイドセールスがカオナビの未来をアップデートする

ここまでカオナビならではのインサイドセールスの役割やその具体的なアクションについてお話してきました。

もちろんお客様とコミュニケーションを取りながら商品をご案内するということでは営業的側面も多分にありますが、MAによる顧客データの収集や、仮説を建て効果検証を行う工程ではマーケティング的視点や全体を俯瞰する視点も必要不可欠です。

顔が見えない状態から見込み顧客の潜在的なニーズをイメージし、戦略的にアプローチを行い、PDCAを回し続けることで、工程全体をアップデートしていくのはインサイドセールスならではのミッションであり、だからこそそこに、私は大きなやりがいを感じています。

次回は、現在の体制を構築するまでの過程をふり返っていきたいと思います。

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