※2022.08.04 なにしろ5年も前の記事で、さすがに今のBAMVではかなり違う育成手法になっています。
当時は完全にSES市場のプレイヤーで、営業力と、技術選択方針の正しさで勝負してた感じ。
現在のSES市場とは事情も変わっていると思うけど、今でも通じる部分とかあるかもだし、加筆修正しつつ、一応残しておきます。
近年のBAMVの育成に関しては、こちらの方をご覧下さい。
SESから2次請けソフトハウスに変化した会社の、未経験プログラマー育成の戦術の変化 2022.03.29
(事業所も、蒲田から秋葉原電気街へ移転しております。)
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なんでこんなところに観覧車が・・・。
さすがは蒲田。
見えない誰かににケンカ売りながら歩いてるおっさんも印象的だ。(ちなみに、危険はないようだ)
いや、オサレゾーンも増えてきてます。
SESの場合の、効率のいいSEの成長させ方ね。
最初の1年間くらいで想像以上にスキルが伸びることが判明し、2~3年目くらいは、模倣を恐れ、うちの会社の強力な強みを外に明かしてはいけないと考えていたものの4期目に入って、すでに他社には模倣が難しいと言うか、『やらんだろこれ』言う事がわかってきて。
まあいいか。と、フィードのネタにしてみたやつ。
いちおう成功したやり方であるのと、ヒトカネコネ無しで開発会社をやろうとした場合、ふつうはまずSESからのスタートになると思うので、似たような境遇の方は参考にして頂ければと。まあ、2017年の記事なので、当時と現在で市場の変化はあると思いますが。
はいこれ。
1.まずスキルシートに市場価値を得る(0~2年)
スキルの市場価値=『実スキル』ではく、『経歴書上の出来そうな感じ』
いきなり実スキル狙ってなんとかなる人もいるけど、ふつう、認めてももらえない。
それだけ市場に『ニセ技術者』や、『ウソつき営業』が多すぎる。
この業界の市場はすでに、悪貨が良貨を駆逐した状態である事を前提に考えよう。
(グレシャムの法則)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
なので、ただ『出来ます』とお客さんに言っても、まず聞いてもらえない。最重要で見られるのが、スキルシートの内容というか、【経験年数】(※1)また、信用ができないので面談が必要になる。(逆に言うと、面談が無いと請ける側としても怖かったりする。炎上案件の見分けがつかんし。)
※1.年数主義 経験3年で詳細設計者 5年で基本設計者と言う暗黙の了解。
これをマトモに相手にすると、スキルなんて伸びない。
ある程度無視していく為に、まずは需要の高い言語をメインにすえる必要あり。
経験年数の代わりに『経歴書上の出来そうな感じ』を得るには、今(※2017年)だとJavaの製造経験が手っ取り早い。いきなりOJTだと製造に絡ませてもらえなかったりしがちなので否定的。まずOff-JT。待機しようが、営業が大変だろうが、投資回収までに時間かかろうが、やる。実務で製造を経験させる。どうせ異業種の普通の会社と比べたら、たいした回収期間でもない。やれない理由はない。ただ、儲からないけど。(だから模倣はない)
また、この際には先輩エンジニアとの【バーター】(※2)が実に効果的。そもそも未経験者やそれに近い状態の人間が一名で開発現場に入ったとして、できる事はテストくらいだろう。(プログラムの後工程のテストは前工程を理解するのに有利ではある)新人がミスったときにケツを持ってくれる先輩がいるからプログラムの仕事を渡してもらえるワケで、そもそもその前提が無ければ未経験者のプログラム実業務アサイン自体が困難である。研修を行っているウチでもだ。
先輩サイドは、『部下を抱えた経験』や、『教える事によって気づく事』等を得るメリットがある。
しかし、やっぱり大変なので、『複数名の完全未経験を抱える』は無理。また、若手の市場価値や担当できる工程などに引っ張られて、参画プロジェクトの質が落ちがちな傾向もある。やっぱインセンなどで補填はされるべきだと思う。
※2.バーター
商流が深いほど、単体の需要が強く、チーム(バーター)での参画が難しくなります。
また、発注者がゲーム系やWebサービス会社の場合も、『管理が不要なレベルで自走できる経験者』と言った派遣っぽい希望になりがちで、決まりづらいです。
2次か3次の、それも中小のソフトハウス(チーム戦の開発会社)
この辺りの会社の『準委任案件にチームで参画、配下に3名くらいPG~SEくらいの人が必要』とか、『請負取ったけど製造チームが足りん』みたいな需要で決まる印象です。
2次・3次のしかも中小のソフトハウスですから、常に仕事がある訳でもなく、継続的に付き合っても再度のチャンスがあるかはわかりません。ですので毎回新規でぶつかるしかなく。たまたまで引く感じ。奇跡みたいなもん。
常に幅広く多くのソフトハウスとの連携を確保し続け、『たまたま』の発生確率を上げ、奇跡を狙って引くのが、営業です。
ただ、現実的に未経験者が新規のプログラムをスラスラ書けるわけもなかったりする。
取れる体制やメンバーのスキルによっては、単体テストや修正の工程でソースをたくさん読み、直していくところからのスタートが無難だろう。コレでも、製造は製造。経験として評価はされる。
また、メンバーのスキル感・学習量によっては、結合テスト打鍵などから入り、システム開発の全体の流れを把握しつつ、学習期間を稼ぐと言うのも有効な手ではあったりする。それを半年以上やっても意味は薄いと思うが。
なお、そもそも学習しない人と言うのは、ほとんどの場合、会社や同僚が何をやってもダメ。スーパー素質のある一部の人以外は、業界を去っていく事になる。サッカーを練習しないサッカー選手が、プロになった。と言う状態に近い。少なくとも会社が悪いとかではないので、変に考えすぎないように。まあ、採用が悪いというのはあるけど。
2.仕事を選ぶ。とにかく選ぶ。(満1~3年)
スキルシートに市場価値を得てしまえば、次は実スキル。
『スキルを伸ばす方向』で、選ぶ。長期でふるーいシステムのおもりとか、している場合じゃない。できるだけ新規で、できるだけ新しい環境で、コーディングを含むもので。
会社が特定の大手との取引関係を重視していると、ココが難しくなる。また、売上よりもスキル向上率を重視する戦略に従ってくれる営業マン(と、会社の方針)が必須。かつ、営業が少なくとも自社の守備範囲の技術に明るい必要がある。
※この辺も模倣が少なくなる理由。営業マンは技術のトレンドを理解でき、育成効率も考えて案件受注できる。しかも業界構造を理解しており、どう行動すれば未経験を決められるか考えられる。そして行動量が多い。営業軽視でその辺の新卒に営業やらせてる会社では、高い成長速度は実現できないだろう。
なお、選べる仕事の『質』(環境・取得技術・通勤や、単価面など)は、案件の数に依存する。
提示単価が高すぎるケース・営業力が弱すぎるケースなどは有効案件数を減らしてしまうし『技術者の経験年数が短い』『技術者の実スキルが低い』場合も、案件の質に直接影響する事は知っていたほうがいい。これを読んでいる貴方の現在の所属会社は、実はかなり良くやっているほうなのかもしれない。
3.実スキルついたら、次は商流を作る。(満3年~)
ここからが、SES領域の会社にとって不利な領域になってきます。
そもそも要件定義工程は、SIerの仕事です。
要件定義が終了し、プロジェクト全体の人員計画が見えてきて、外部に募集がかかります。
『基本設計者募集』的な案件が商流間を飛び、情報が流れてきて面談して、アサインまでになんだかんだあって、参画タイミングは内部設計以降とか。そう言う事が増えてきます。スキル伸長は停滞します。
(すべてそういう案件になるかっつうとならんけど、育成効率は目に見えて落ちる)
要件定義や方式設計・外部設計などをふつうに経験していくには、人員募集の前のタイミングに参画する必要がありますが、ここは、2次くらいのソフトハウスがリーダーを立てて、チーム化前提で参画しています。(その先の募集も実際はSIreのものではなく、この2次ソフトハウスのチームへの増員の調達。)
とはいえ、SIer直の商流がないからSESやってる訳ですし、あってもリーダー格は10年くらいの経験年数要求だったり、周りを5年以上の中堅でかためる必要があったり。みたいな、それができたら苦労しねーよみたいな事になっています。若い会社ですと、ちと歯が立ちません。
というわけで、大きめの2次ソフトハウスを新規開拓して、3次PGチームで参画したり、チーム参画OKなエンドを開拓したりと言う苦しい時期が続きます。チーム戦の実績を積んでおくというか、自分達がチーム戦やってくうえで何が必要か、どんな立ち回りをしなくてはいけないかを知るときでもあり。会社が次のフェーズに移行すれば主力になるはずなのに、その主力候補の経験4年目以降のエンジニアの離職率が高くなったりして、経営的にはけっこう耐える時期です。
また、2次ソフトハウスの配下とは言え、スキルを腐らせてはいけません。その先の展開がなくなります。
その先では自分達が2次・3次側。すなわちチーム戦になりますので、自社の技術選択方針は必要です。社員の自由度を重視し、社員のスキルセットがバラバラと言う状態では、チャンスがあってもチームが組めないので、チャンスをつかめません。
しっかりと育成していればメンバーにはスキルがありますので引き抜かれますし、自由度を制限する為採用面の難易度も上がります。採用力と営業力で正面突破していくしかありません。ここでひよって学習しない、成果に興味がないテイカーなエンジニアなども、後々の不良資産化が見えていますので、採用できません。採用力と営業力はそれなりのものを要求される事になります。(とはいえIT業界、営業軽視の業界なので営業弱い会社が多い。マーケティングもわからないから採用も弱い。みたいな市場ではある)
4.チームで動くっていうこと。
権限を得ない事にはチーム戦のメリットはない。上流の工程も経験しづらい。人を増やすにも枠も作れない。(未経験やロースキル一名に対し、2~3名の経験者でカバーする体制が理想)
権限を得るにはまずその権限で果たすべきものに対して責任を負える必要があって(権限責任一致の原則)特に、その責任を回避しようとするプレイヤーの多いこのITピラミッドでは、顧客から『責任を果たす連中だ』と言う信用・信頼を得る事が必要で。その責任・信頼は、一人月くらいの分量では規模が不足。(顧客はある程度の規模の仕事をまるっと投げる事で、その分の管理工数から解放されることがメリット。1名がたくさんいるだけでは、管理は発生してしまうのである。)
と言う訳で、責任を負った先の権限(自社チーム内の管理、人の入れ替えや、プロジェクト内での発言力など)を得るためには、基本的にはチーム化していく事が必要になっていく。
ちゃんと育成する事。技術スタックを揃える事。人格に問題がある人を採用しない事。などがようやく活きてくるタイミングである。
なお、『商流に中間会社が挟まってないこと』は引き続き超重要だったりする。
『現場で自社リーダーが調整できる』状態や、『上位会社と目的を共有してお互いのエンジニア同士で協力・情報開示する。』状態にないと、中間会社の営業の作為・不作為の伝言ゲームによって、お互いの意図がゆがめられてしまい、自社チームもチームとして機能しづらい。
技術者サイドの現場での動きが良くても、組織的な動きを中間に阻止されることも多い。
5.コミュニケーションはとろう。
チーム戦ではとても重要に。同じ会社でもどこの誰かわからん人らと組むのでは、大きなプラスは得辛い。お互いがお互いの特徴や、できる事できない事を知っており、反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなくやり取りできるというのは、とくにシステム開発に置いては大きなこと。
自社メンバーの技術的方向性はみんな同じ。それらはすべてデータリンクされたレーダーであり、共有データベース。 その環境を活かすも殺すもコミュニケーションをとろうという意思次第。
言うのは易しなのだけど、『疎結合な組織ではシステム開発は不利』と言う話でもあって、所属エンジニア同士をなるべく絡ませない、接触回数を減らすと言った仕組みの会社では、超えるべきハードルが高くなってしまう。
※離職率への影響は、裏側のコミュニティで行われる悪口大会が最悪の効果を及ぼすので、実は悪口大会が発生しづらい、社員間が疎結合な組織の方が離職率は上がりづらい。近年のSES会社でよく見られる『帰社日廃止』『イベント廃止』『案件はバラバラで個別にアサイン』と言った疎結合な会社作りは、理にかなっていると言える。
しかしこれは営業面でも商流を上げていく野心は無しと言う事を意味し、ゆえに営業は外部の営業会社に営業を委託。自社は採用と雇用に専念し、余計なコストはかけない。所属エンジニア高齢化への対処も会社として捨てる。
儲かるだろうし実に理にかなってはいるのだけど、ホントに家畜みたいな扱いだなあと思うので、この手のモデルのSES会社を、私は『牧場型SES』と呼んでいる。
実際、これならフリーランスで手取り多くした方が、個人で投資運用するとかもしやすいので、将来の生存性が高くなる気もする。
6.社内開発『のみ』にはしない。
技術者が成長する為には、いろいろな現場や環境を経験する必要がある。また、自社の環境が理想的なものを実現できていたとしても、その環境に依存したスキルになってしまう。
その環境の価値がわからない。その環境も遠からず必ず古くなる。
わたしのここまでの経験で出会った、できる元アーキの人3人が同じこと言うので、ここは素直に信じている。SESの利点と言うよりは、SIや受託含む、『ベンダ側の利点』って言えるかなあ。
具体的にまとめると、学習量にもよりますが、『プログラム開発を含むプロジェクト』にて作業をさせるのがPGの第一歩です。この際の言語は、市場価値を得やすいものが良い。
市場価値をテコに実務能力を取りに行く。
そして、浅い商流が必要なステージに到達。
そこから先では仲間や商流、信用は、思ったより重要だからね。
これらが不要とする戦い方をするならば、少なくとも個人レベルではフリーランスを選んだほうがリターンが大きいかもだ。
会社としてのビジョン・戦略の話や、その重要性の話とかもほかにあるけど、SE育成の話に関しては、ひとまずここまで。
質問あれば、気軽に下の『話を聞きに行きたい』から、チャットでどうぞ。チャットの質問だけでも受け付けます。(むしろ時間調整不要なのでありがたい。その旨一言もらえればおk。)
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