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ピアノを弾くようにコードを書く男~ラクスル・CTO~

ラクスル株式会社に入る前

子供の頃からピアノをやっており大学は海外の音大に進学し、卒業してからしばらく作曲家として仕事をしていたのですが、音楽と映像を合わせる仕事が多く、映像制作にも興味を持ち始め、Flashアニメーションも制作しながらウェブ技術に触れはじめました。

やがてサーバーサイドを連動させて動的にコンテンツを制御させるためにPHPに触れ、そのままデータベース、JavaScript、Java・・・と学び、その流れと勢いで受託開発の会社まで立ち上げ、いつの間にかエンジニアが本職になっていました。

その後、モルガン・スタンレーで主に債券商品のトレーディングシステムの開発に7年近く携わり、DeNAに入社。ゲームのプラットフォーム事業を経て新規事業の遺伝子検査サービス(MYCODE)の立ち上げに携わってきました。

ラクスルに出会ったのは、前職での新規事業が落ち着いたところでまたひとつ新しいことがしたいなと考え始めたタイミング。成長ベンチャーといわれる企業の中でも頭がひとつ抜けているなというのが最初の印象でした。にもかかわらず、エンジニアリングにはまだ改善の余地が多分に見えたところに興味を持ちました。

完成されきっていないシステムでもこれだけの成長を遂げており、もしそこを洗練させることができたらどれだけ成長を加速させることができるんだろう・・・そんなワクワク感に魅了されて、2015年10月にシステム部長という立場で入社しました。(現在は部長兼CTO)

現在

実際に中に入っていくと、表からは見えていなかった多くの課題が見えてきます。この1年、正直「ヤバイ!!」の連続でした(笑)。でもそこをひとつずつ解消していくことで少しずつではありますが、思い描いている理想のかたちに近づけているという実感があります。

入社してからどんなことをしてきたかなと振返ってみたのですが

・ヘルプデスク立ち上げ ・インフラ刷新、セキュリティ強化 ・各種障害対応 ・周辺サービスの撤廃やリライト ・エンジニアの評価制度設計 ・まつもとゆきひろ先生を技術顧問に招聘 ・Tech blogの再開やエンジニアミートアップの実施で発信力の強化 ・Pivotal Japanとの協業開始 ・たまにパートタイムでエンジニアが足りないチームのお手伝い

なかでも、インフラ構築、組織マネジメント、採用といった慣れないことも多々あり、手探り状態。周りに支えられながら、なんとかここまでやってきました。

インフラやヘルプデスクは、メンバーを採用するところから始めたり、もちろん既存サービスの改善なども行ってきて、組織としてもだいぶベターな状態になってきたかなと感じています。組織もこの一年で大分大きくなり、これからジョインしてくれるメンバーも含めて更にエンジニアが活躍できる組織にしていきたいですし、エンジニアチームが一体感を持って利用者と向き合い、より集中してサービスが作れるようにサポートするのが自分の役割だと思っています。

そして、印刷・物流をはじめ、昔からある産業を「プラットフォーム化」することで、新しい市場の姿を作ることがラクスルのエンジニアの挑戦であり楽しみでもあり、そのゴールを一緒に目指して欲しいと思っています。

ラクスル株式会社について

エンジニア目線でいうと、ラクスルが取り組んでいる技術的な挑戦は、印刷や物流それぞれ業界特有なチャレンジがあると感じます。

印刷ECでは様々な商材を扱っていますが、例えばチラシの場合だと紙のサイズ、紙種、厚さ、特殊加工(折加工・PP加工・ラミネート)等、これらの要素が一つでも変わると、当然値段も変わります。さらに納期と部数でも単価が変わってくるので、1品目の価格だけでも数百万レコードに及びます。商品価格を管理するチームがこれらを効率良く管理したり、生産チームがどの委託先にしたいか、原価も考慮したルールエンジンを開発したり、様々な技術チャレンジがあります。

一見地味に聞こえるドメインですが、様々な技術的な課題解決が必要とされています。特に注文数・売上が拡大する中、ちょっとしたミスでも大きな事故につながるので、ラクスルのビジョンでもある「仕組み化」は極めて重要です。

また、現在ラクスルでは「個々が才能を発揮できる仕組み・環境づくり」に特に力を入れており、定期的なミーティングやイベント開催を通して社外の知見を取り入れることで個人の能力や技術力向上、チームの開発プロセス改善などにも取り組んでいます。

例えば、毎月2回くらい、グーグルの現役エンジニアを招いてのグループレクチャーや1on1でのプログラミングをコーチしてもらうという時間を設けたり、他にも世界的プログラミング言語・Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろ先生を技術顧問にお迎えしたり、日本のベンチャー企業として初めてPivotal Labsとの共同プロジェクトを行い、ペアプログラミング、TDDなども体系的に取り入れるなど、エンジニアの成長につながる取り組みはエンジニアチームの状況から判断して積極的に行っています。

ラクスルでの開発はエンジニアが一人で担当することはなくて、必ずチームプレーです。規律とか周囲への気遣いとか、スポーツでいうところのチームワークに共通するポイントは、エンジニアにもとても重要だと考えているので、人に会わずに済むから、という考えのエンジニアはラクスルでは長続きしないでしょうし、実際、うちのメンバーはビジネスサイドとも積極的に意見交換したり、自主的に関係部署を巻き込むなど、コミュニケーション能力が高く積極的なメンバーが多いと思います。

今後どういうことをしていきたいか

エンジニア組織として次の数年でやりたいことを一言で言えば「プラットフォーム化」です。印刷でも物流でも、「需要」と「生産」の距離をもっと近づけられれば、より経済的にも効率的で、透明性の高いサービスが実現できるはずなんです。

例えば、印刷ECにおいては、利用者が「自分の注文した商品は、いつ刷り上がり、いつ出荷されますか?」といった質問にも即時に答えられるサービスにしたいと思いますが、それをするためには、工場のプロセスにもシステムが入り込み、工程の状態が見えるようにする必要があります。サービスのバリューチェーンが統一されたデータインタフェースやプロトコルでやり取りできるようになれば、利用者の手元のスマホで「あと45分で出荷されます」といった情報案内ができ、需要と生産をぐっと近づけることができるでしょう。

それだけでなく「工場Aでの生産ラインに障害が起こっている」「工場Bでまとまった注文がキャンセルになり空きが出た」といった生産者同士での調整や連携も可能になると思います。物理的に見えなかったり、直接担当者にコミュニケーションが取れなくても、なんとなく人やモノの動きが身近に感じる。そんなサービスをいずれ実現させたいですね。

一方個人的には、ピアノを弾いたり作曲をしたり、映像を制作したりと、もともとモノづくりが大好きなので、「オレもプロダクト作りたいしコードも書きたい!」というのが本音なのですが、それは自分より優れたエンジニアがたくさんいるので彼らに託しつつ、自分はみんなが働きやすい環境だったり教育に力を入れることにしばらくは専念したいと思います!

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