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総務省の「労働力調査」によれば、国内で働く人のうち約12%が「営業職(販売従事者)」だとされています。この記事をご覧いただいている方の中にも、営業職に従事している方は少なくないでしょう。企業あるいは個人のニーズを満たし、その成長や成功、あるいは人生に伴走するその仕事には、大きなやりがいがあります。しかし「私はずっと営業をしていくのだろうか」と考えたことがある人もいるのではないかと思います。
本記事では、ワンキャリア社員へのインタビューを通して、営業職の「その後」を考えます。お話を伺ったのは、ワンキャリアでコンサルティングセールス事業部HRBP/人事部新卒採用チームマネジャーを務める、三浦知成さんです。営業職からキャリアをスタートさせ、現在は人事として活躍する三浦さんに、営業から人事へと転じた経緯やコンサルティングセールス事業部における「営業」の仕事内容と、そこから得られる経験などについて聞きました。
コロナ禍で生じた「不安」が、キャリアの転換点
— まず、これまでのキャリアを教えてください。
三浦:2014年4月、新卒でリクルートジョブズ(現・リクルート)に入社し、求人広告の営業を1年間ほど担当した後、営業組織内における育成制度などの企画・実行を経験しました。
— 営業を1年経験した後に、人事部門に異動したわけですね。その後はどのようなことを経験したのでしょう?
三浦:1年半ほど人事を経験した後、再度営業に戻り、その後、代理店渉外の部署に所属し、東海エリアの代理店に所属する1〜3年目のメンバーの育成を担当していました。
そんな中でコロナ禍が巻き起こりました。コロナ前のような働き方ができなくなり自宅で1日の大半を過ごす中で、「ビジネスパーソンとしてこのままでいいのだろうか」と不安を感じたことを機に転職を決意。さまざまな企業を比較検討し、結果的には医療機関を対象としたコンサルティングサービスなどを提供している企業に、人事として入社することになりました。
自身の「これまで」を生かせるHRBPという職種にひかれ、ワンキャリアを選択
— リクルートでの経験を鑑みれば、営業として次のステージに進む選択肢もあったのではないかと思うのですが、なぜ人事を選んだのでしょう?
三浦:リクルート時代、自分ではなく、自分が育成に携わったメンバーが成果を挙げたときに大きな喜びを感じたからです。代理店渉外を担当する中で、自分が育成に携わった代理店のメンバーがMVPを受賞することがあり、そのときに「三浦さんがいたから受賞できました」と言われたんです。そのとき、自分が壇上でスポットライトを浴びるよりもはるかに大きな喜びを感じたんですよね。
そういった経験から、育成や組織づくりに関わり、すべてのメンバーがその力を発揮する支援ができる人になりたいと思うようになりました。いいチーム、いい組織をつくるための力を身につけるならば、営業ではなく人事だろうと考え、人事として次のステージに進むことを決めたんです。
—前職では、どのような業務を担当していたのでしょうか。
三浦:新卒採用グループのマネジャーと、中途採用のリクルーターを務めていました。採用業務は初めてのことだったので苦労はありましたが、先輩たちの指導もあり、なんとか成果を出せたと思っています。
— その後、ワンキャリアに入社することに?
三浦:そうですね。ワンキャリアを知ったきっかけは、前職で人事をやっていた頃、ワンキャリアが主催していた採用イベントに何度か参加したことです。僕は誰かの成長をサポートしたり、キャリアを支援したりすることが好きなので、ワンキャリアが掲げている「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションに強くひかれ、受けてみようと。
ただ、ミッションへの共感だけではなく、最終的な決め手になったのはオファーしてもらったポジションです。最終面接の際、宮下さん(代表取締役社長 執行役員CEO)から「HR領域での営業経験があり、人事経験もある三浦さんにしかできないポジションがある」と、HRBPというポジションで入社することをオファーしてもらいました。
当時の僕は、5年半ほどの営業経験と3年ほどの人事経験を積んでいたので、普通に考えれば営業職としての期待の方が大きいと思うんですよね。実際、僕としても5年半の営業経験は無駄にしたくなかった。ワンキャリアは当時社内に存在していなかった営業組織のHRBPという、僕のキャリアをフルに生かせるポジションを用意してまでオファーをくれたんです。そのことに心意気を感じて、入社を決断しました。
事業部からの信頼がなければ、HRBPとしての業務はできない
— HRBPとはどのようなポジションなのでしょうか?
三浦:一言で言えば、「事業部門の人事」です。現在、僕はコンサルティングセールス事業部のHRBPとして、事業部の採用と育成を担当しています。コンサルティングセールス事業部には僕を含めて2名のHRBPがおり、もう一人のHRBPが中長期的な組織戦略の立案を、僕が短期的な事業インパクトを生み出すための育成・採用戦略の考案と実行を管掌しているイメージですね。
— HRBPの業務を遂行する中で、営業経験が役に立っていると感じる場面はありますか?
三浦:HRBPには、担当する部署の事業内容への深い理解が求められます。事業内容がわかっていなければ、事業の未来をつくる人材像を想定することはできませんし、その事業に必要なスキルの解像度も上げられませんからね。
そういった意味では、リクルート時代に営業経験を積んだことは、いまに大きく生きていると思います。それに、事業部目線で言えば、事業のことがわかっていないHRBPに育成や採用を任せられませんよね。営業のこと、ワンキャリアのコンサルティングセールス事業部のことがわかっているからこそ、事業部と一体になって組織づくりができます。
ワンキャリアのセールス部門での経験が、キャリアの幅を広げる
— 人事や採用、そして営業経験も豊富な三浦さんは、ワンキャリアのセールス部門がクライアントのみなさまに提供している価値とはどのようなものだと捉えていますか?
三浦:直接的な価値で言えば、「採用成功」でしょう。新卒採用にどのようなことを求めているかは、企業によって千差万別です。時にはクライアント自身も気付いていない潜在的なニーズをひも解き、必ずしも一義的ではない「採用成功」という価値を提供するのが、ワンキャリアのセールスです。
また、ワンキャリアのセールスは主にメディアを通じた情報発信によって、クライアントを採用成功に導きます。つまり「セールス」と言っても、クライアントに伴走する中で求められるのは、マーケティングやブランディングのスキルです。クライアントのどういった要素をどのように見せれば、ターゲットとする学生が振り向いてくれるのか。あるいは、3〜5年後の採用を見据えたとき、どのようなブランドをつくり上げていくべきなのか。ワンキャリアのセールスには、そういった視点も求められますし、マーケティングやブランディングに関して示唆を提供することも、ワンキャリアのセールスが提供する価値だと思っています。
— 一口に「セールス」と言っても、幅広いスキルが求められるのですね。
三浦:だからこそ、ワンキャリアでセールスの経験を積めば、キャリア選択の幅が大きく広がると思っています。もちろん、セールスとしてキャリアを積んでいく道も考えられますし、マーケターに転身することも十分可能でしょう。これはワンキャリア内でのキャリアパスということに限らず、今後中長期に展開できるキャリアの資産になりうると考えています。例えば、ワンキャリアでセールス経験を積めば、新卒採用に関する深い知見が手に入りますから、僕のようにセールスから人事という道もあり得ますよね。
— 幅広いスキルが手に入るということは、かなり難易度が高い業務だとも言えると思うのですが……。
三浦:簡単な仕事ではありませんし、すぐに独り立ちしてもらおうとは思っていません。ですが、入社時点のスキルにかかわらず、やがてはさまざまな企業を採用成功に導ける人材になれる環境があると自負しています。
というのも、入社後の育成プログラムの設計にはかなり力を入れており、その充実度はどんな企業にも引けを取らないはずです。まずはワンキャリアの社員としてインプットすべきことを学び、その次には配属部署、たとえばコンサルティングセールス事業部のメンバーとしての研修があり、さらに職種ごとの研修も用意しています。
実際、HR領域以外からの転職者でもすぐに業務をキャッチアップし、成果を挙げている例は数多く存在するので、安心して飛び込んで来てもらいたいですね。
自らの業績向上ではなく、「お客様のため」がモチベーション
— これまでワンキャリア以外に2つの企業を経験してきた三浦さんから見て、コンサルティングセールス部門のカルチャーの特徴はどのような点にありますか?
三浦:売上至上主義「ではない」ことですね。もちろん、与えられた目標を達成し、事業に貢献しようとする気持ちはすべてのメンバーが持っていると思います。「目標の達成」は最低ラインです。ただ、一般論として「とにかく売上を上げて、目標額をはるかに超える数字を出すこと」をモチベーションに営業活動をしている方は存在しますが、ワンキャリアにはそういったモチベーションで業務に臨んでいるメンバーはいないと思っています。
ワンキャリアに集まっているのは、「お客様のためになること」をモチベーションにしているメンバーたちです。この「お客様」には企業、つまりはクライアントも含まれますし、その向こうにいる就活生や転職者のみなさんも含まれます。そして、お客様のためになるのであれば、ある程度自由なアクションが許されていることがワンキャリアのカルチャーだと言えるでしょう。
— 自由なアクション?
三浦:たとえば、既存のサービスではどうしても解決できない課題を抱えているクライアントがいたとしましょう。そのとき、ワンキャリアのセールスパーソンには「諦める」「それでも売ろうとする」以外の提案を行うことができます。これは、ワンキャリアという企業や『ONE CAREER』というサービスがまだまだ発展途上だからです。
サービスが完成され、組織が縦割りになっている大企業においては、セールス起点で既存の機能やサービスを飛び越えた提案をするのはなかなか難しい。もちろん、他部門がその主体になることもありますが、セールス部門が事業開発にコミットできる環境があることは、ワンキャリアの特徴だと思います。
さらに言えば、セールスのメンバーがクライアントはもちろんのこと、就活生や転職者といったカスタマーのために行動することも、ワンキャリアならではでしょう。『ONE CAREER』や『ONE CAREER PLUS』は、ユーザーのみなさんの声によってつくられるCGM(Consumer Generated Media)です。価値を提供すべき対象であると同時に、共にメディアをつくっている存在だからこそ、ユーザーのみなさんを何よりも大切にする文化が根付いています。だからこそ、セールス部門からもユーザーのための行動が生まれるんです。
— 一般的に、セールス部門のメンバーが向き合うのはクライアントですよね?
三浦:そうですね。もちろん、ワンキャリアのコンサルティングセールス事業部のメンバーも基本的にはクライアントに相対しながら、採用成功に向けて伴走しています。しかしあるとき、当時入社2年目のメンバーがユーザーである体育会学生たちの課題を起点に、企業とのマッチングイベントを企画し、実行したんです。
体育会の学生たちは部活動に忙しいこともあり、限られた時間で就活に取り組むことから、1社目の選択を後悔している人も多いそうです。そんな体育会学生たちのキャリア選択をサポートしたいという思いからマッチングイベントは生まれました。「セールス部門のメンバーが、ユーザー起点でサービスをつくり出した」という点に、ワンキャリアらしさが表れていると言えるでしょう。
求めるのは、「青臭さ」と「腹黒さ」を兼ね備えた人
— 三浦さんは、ワンキャリアでどのような方と一緒に働きたいと思っていますか?
三浦:「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションへの共感と、コアバリューである「エンドユーザーファースト」「本質的・長期的思考」「個の強みの模索」「挑戦と応援」「誠実さ」を体現する人物であることは、ワンキャリアで働く上で最低限必要とされる要素です。そこに付け加えるならば、“青黒い”こと、ですかね。
— “青黒い”?
三浦:はい。端から見れば「青臭い」と言われるようなことであっても、常に高い理想を掲げながら事業を推進していきたいと思っています。しかし、青臭いだけでは理想の未来は実現できません。青臭い理想を形にするためには、緻密な戦略を練り、時には清濁併せのみながら行動しなければならないと思っています。言い換えるならば、「腹黒さ」を求められる局面もある。「青臭い」理想を掲げ、「腹黒く」突き進んでいく。その二つを併せ持った“青黒い”人と一緒に働きたいと思っています。
コンサルティングセールス事業部のHRBPとして重ねさせてもらうならば、「チームとして戦える人」を求めています。先ほども申し上げたように、ワンキャリアのセールス組織には「自分の業績が上がればいい」と考えている人は一人もいません。常に「チームとしてどのようなことを成し遂げるか」を思考し、チームの一員としてアクションできる方と一緒に働きたいですね。
— 本日は三浦さんのキャリアから始まり、ワンキャリアにおける営業やその後のキャリア選択など、幅広くお話を聞かせていただきました。現在、営業職に就いている方、特に次のステップを考えている方にとって、大変示唆に富むお話だったように思います。
三浦:本日はありがとうございました!
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取材・執筆:鷲尾諒太郎
編集・撮影:山下麻未