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今回は、カオナビが実践する「全社スプリントレビュー」について、推進者である菅原さん、大倉さんに話を伺いました。まだまだチャレンジングな手法である全社スプリントレビューをどのように工夫して実施しているのか? 当事者だからこそわかるリアルな話を教えてもらいました。
カスタマーエンゲージメント本部 カスタマーサポート部
菅原 裕貴
大手物流会社のサービスセンターでお客様対応、情報システム部門にて業務システムの設計・運用構築を担当。その後、企業信用調査会社での中小企業支援の経験を経て、2018年1月にカオナビに入社。100社以上の導入支援サポートを経験した後、2019年よりサポートデスク運営および専任サポートサービスのマネジメントを担当。2021年10月よりカスタマーサポート部長に就任。
企画推進本部
大倉 悠輝
大手メディア系サイトのシステム開発・PjMを担当。その後、スタートアップ企業で広告・開発・運用までサービス運営の全行程を担当。動画配信サービスの開発でプロダクトマネジメントを知り、コミュニティ活動にも従事。2019年3月にカオナビに入社。現在はシステム連携関連プロダクトのPdMを主に担当しつつ、PdM同士のコラボレーション促進活動にも力を入れている。
HRTechに可能性を感じてカオナビへと入社した二人
──お二人のご経歴を教えてください。
大倉:前職は、テレビ局のIT系子会社で、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートしました。その後、システムエンジニアを経て、一時的にスタートアップ企業に転職しました。その後、元の会社に戻り、動画配信サービスのプロダクト開発に深く関わるなかで、プロダクトマネジメントについて学んでいきました。
また、一度はチームマネジャーを担っていたことから、この経験を生かしつつ、プロダクト開発に貢献できる業界やプロダクトを求めるようになりました。HRTechのカオナビであれば、プロダクトにそのノウハウを適用することができ、より多くの企業や人々に貢献できると考え、入社を決めました。
菅原:新卒で入社したのは大手の物流会社で、最初の2年間は現場とコールセンターの対応を担当していました。その後、本社の情報システム部に異動し、ドライバーが使用する端末の新機能の検討や、社内業務システムの設計、運用構築などを行っていました。
次に、企業信用調査の会社で、中小企業向けのコンサルティング商品の提案などを担当していました。そして、5年半前にカオナビに入社しました。
前職では中小企業の社長との接点が多く、そこで、人事に関連する課題が非常に多いことに気付きました。後継者がいない、社員が成長しない、人材が辞めるなどの問題です。そこで人事課題を幅広く解決できるHRTechに興味を持ったことがきっかけで、カオナビに入社することを決めました。
──お二人ともHRTechに可能性を感じて入社されたんですね。次に、現在の業務内容について教えてください。
菅原:現在の私の業務は主にマネジメントです。特にサポート部門を担当しており、それは大きく2つの管轄に分かれています。
1つ目はサポートデスクで、お客様からの問い合わせに対し、メールや電話、オンラインMTGなど様々な方法で対応しています。2つ目は有償サポートサービスです。基本的にお客様自身で設定を行うことが前提ですが、別途契約をいただくと、私たちの部門から1人が担当者となり、お客様のニーズに合わせた設定や、評価シートの再現、操作方法のレクチャーなど、専任のサポートを提供します。これら2つの管轄を私がマネジメントしています。
さらに、お客様からの要望やVoC(Voice Of Customer)が多数寄せられるため、その声をプロダクト改善に反映させるための取り組みも行っています。これはカスタマーエンゲージメント本部全体、そして私たちの部門だけではなく、全体的なプロジェクトとして進行しています。
──お客様から得た情報やニーズを、他の部門に展開していく役割を担っているんですね。
菅原:はい、その通りです。以前は、お客様からの機能改善の要望が社内になかなか届かない状況があり、自分自身も課題に感じていました。私たちはお客様の代弁者であるべきです。得た情報やニーズを積極的に発信することをメンバーにも意識してもらっています。開発サイドのメンバーは直接お客様と接することがないため、情報を伝えるのは我々しかいないという意識があります。
──大倉さんの業務を教えてください。
大倉:私が主に取り組んでいる業務は、システム連携のプロダクト・マネジメントです。
「カオナビ」というサービスを通して、お客様に社員の個性・才能を発掘し戦略人事を加速させて頂きたいと考えているものの「定常業務に追われてなかなかその時間を確保できない」という声も多く頂いています。
より多くの時間を従業員の皆さまに確保して頂くためには、人事の皆さまの定常業務を省力化することが重要であり、その問題解決の鍵は、より業務に特化した使いやすいシステムの利用と、そのシステム間の連携にあると考えており、その実現に向けて日々活動しております。
特に、他社からデータを取り込む際に、手作業でコピー&ペーストやCSVファイルのアップロードではなく、自動的にデータを取り込むようなシステムを開発しています。
また、リードプロダクトマネジャー(LPM)という肩書で、社内のプロダクトマネジャーを支援する役割も担っています。業務フローの改善、スキルの向上などを支える業務支援ですね。これらと並行して、全社スプリントレビューなどのアップデートも行っています。
全社スプリントレビューを機能させるさまざまな工夫
──先ほど話があった「全社スプリントレビュー」について詳しく教えてください。
大倉:基本的にスプリントレビューは、アジャイル開発のスクラムにおけるイベントで、スプリントと呼ばれる一定期間で達成した成果物を、そのプロダクトに関心を持つステークホルダーに披露し、フィードバックを得て次の開発に活かすものです。
カオナビの全社スプリントレビューは、それを全社に拡張したもので、より多くの関係者に成果物をみてもらい、フィードバックを得て次の開発に活かそうというものです。ここで言う成果物は、私たちが開発しているアプリケーションを指します。
具体的には、定期的に時間を設定し、「この機能に、こんなアップデートが予定されています。興味がある方はご覧ください」と全社に呼びかけます。各チームの代表者に必ず参加してもらいますが、そのほかのメンバーの参加は自由です。Zoom上で各チームが機能のデモを行い、デモを通じてフィードバックを得るという流れで、だいたい1時間で3つのテーマを扱う形式を取っています。
現在はリモート中心のためこの形式ですが、当初は出社中心でしたので、各機能ごとに特定の会議室やスペースでブースを開き、開発・サポート・営業のメンバー全員が参加して、「興味がある人はこの時間から参加してください」というバザール形式で行っていました。ただ、新たな機能が増えるにつれて、バザール形式で開催しにくくなったために、今の形に落ち着きました。
──なぜ全社向けに行うことになったのでしょうか。
大倉:そもそも始めたのは4年くらい前になるのですが、当時はリリース情報がサポートチームにリリース直後になってから伝わるようなことがありました。更に普段お客様接点のあるメンバーとの期待とズレたものであることがリリース後に発覚するようなこともあり、これは問題だと思い、開発の進捗をサポートや営業チームにも効率よく伝え、開発途中にフィードバックをもらえるよう、全社スプリントレビューを企画することになりました。
──全社スプリントレビューにおける、お二人の役割を教えてください。
大倉:全社スプリントレビューは、質の高いフィードバックを得ることで、ディレクター達が更に良質なプロダクトを作りやすくするための仕組みとなっています。そのため、その場がうまく機能しているかチェックし、このミーティングを改善していく役割を担っています。最近は複数人でファシリテーターを回し、ファシリテーター同士で改善についての意見交換をしています。
菅原:私の役割は、活発に議論が行われるようにすることです。ただの連絡役となると、動画を見て情報を共有するだけで済んでしまうかもしれません。しかし、開発段階の仕様を理解し、その情報がどのようにお客様に利益をもたらすのか、どのような話が有効なのか、どのようなお客様に対して響くのかを考え、それを元に情報を共有してほしいと伝えています。
これにより、ユースケースまでを考慮に入れた深い議論ができるようになり、重要なポイントも見つけやすくなります。そのため、運営側としては、フィードバックが本質的なものになるよう、そのような視点を持つことを強く意識しています。
自分たちの意見が反映される体験を通じて、開発側との距離が縮まった
──開催してみて、メンバーからの評判はいかがでしたか。
菅原:始める前は、「リリース後に知る」ということが多かったので、自分たちの要望が開発チームに伝わっていないと感じることがありました。完成した機能に対しても、「このボタンがなければ」「このダウンロードができれば」と、もやもやを抱えることもありましたね。また、新規の商談で強調される機能が必ずしも導入後のお客様のニーズに合致していないことを感じることもありました。
しかし、スプリントレビューの導入により、「自分たちの意見を言っても良いのだ」という認識が広まりました。さらに、自分たちの意見が反映される体験を通じて、参加者が増え、フロントラインからの参加率も上がりました。この取り組みにより、我々と開発チームとの間にあった距離が大幅に縮まったと感じています。
──全社スプリントレビューに取り組んだときに困難はありましたか。
菅原:全社を巻き込むと、誰でも参加できるとは言うものの、意見がなかなか出てこないという問題がありました。自由に意見を述べてほしいと言っても、多人数の中での発言には緊張が伴いますし、特に質問は、自分が試されているかのような感覚になることもあると思います。そこで、「一度持ち帰って考えさせる」というアプローチをとってみました。
もし会議中に何も意見が出てこなかったとしても、持ち帰って議論してもらうことで、「そのときは気づかなかったけど、よく考えるとこれは気になる」、「これって、実は重大な問題じゃない?」など、様々な意見が出てくるようになりました。
──全社スプリントレビューにカオナビらしさは現れていますか。
大倉:カオナビは、組織の構造やルールの調整に寛容です。人事に関わる部分や組織構造は非常に重要と考えているため、それらを適切に検証し適用することで、事業運営が円滑に進むというのがカオナビの特徴だと思います。
“らしさ”を体現するところとして、全社が関わるイベントや仕組みにおいても、フランクに対応し、フィードバックを得るために、また、情報を効果的に伝えるために、取り組み方を頻繁に変更しています。このようなフットワークの軽さは、まさにカオナビらしい取り組みだと考えています。
菅原:この取り組みは元々プロダクトデベロップメント本部(旧プロダクト本部)の企画だったのですが、フロント側が参加しなければ、プロダクト本部だけが独自に進める形になってしまいます。私たちがここまでこの活動を続けられたのは、まず、私たちの意見をちゃんと聞き入れてくれるという点が大きいです。
もしも私たちの提案が受け入れられない場合でも、「今回はこういう理由で実施しない」という理由をしっかりと説明してくれます。このように、彼らが私たちの意見をちゃんと聞いてくれることが、この活動が続けられている重要な要素だと感じています。共にプロダクトを改善しようという意識が非常に高いです。
全社スプリントレビューをもっと社内へ広めていく
──お二人の今後の展望を教えてください。
大倉:挑戦してみたいと思っていることとして、リリース前の製品をお客様に見てもらえるような形を実現できたらと考えています。また、先ほど述べたように、お客様の声を聞く機会を増やすため、本部とのコミュニケーションの改善を通じて、そうした取り組みを進めていきたいと思っています。また、企業や団体などの人事部門がどのような問題に直面しているのかを、より高解像度で理解できるような取り組みができれば良いと考えています。
菅原:私たちはすでに全社スプリントレビューを行っていますが、全員が参加しているわけではありません。少なからず、エンジニアや他のメンバーがまだお客様を十分に理解していない可能性があります。これは、情報が適切に伝わっていないことが原因かもしれません。
ここにはまだ、コミュニケーションの壁が存在すると感じています。これを解消するために、現場でのコミュニケーションを強化したいと考えています。スプリントレビューだけでなく、お客様に関する情報を共有し、理解するための努力が必要です。
また、質問をしたいと思っているエンジニアもいるかもしれませんが、それを口に出すのが恥ずかしいと感じているかもしれません。実際、エンジニアから直接メッセージで質問を受けることもあります。そのため、オープンな環境で積極的に質問をするように奨励したいです。
全社スプリントレビューの改善を通じて、よりお客様への理解を深めていきたいです。回を重ねるごとに参加者が偏ってしまい、お客様に対する解像度にも差が出てしまっています。真の意味で、全員が参加を目指したいですね。
くわえて、活発なコミュニケーションも促進していきたいです。全社スプリントレビューの場でなくても、お客様の情報を伝える努力や理解しようとする姿勢はよく見られるようになってきました。ただ、たまにDMで質問をもらったりするんです。全員がオープンな場で質問や議論をするところまで高めていきたいです。
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kaonavi vivivi(カオナビの「人」と「組織」が見えるメディア)