アントレプレナーシップ学部(EMC) / 武蔵野大学
シリコンバレー海外研修
一週間のシリコンバレーへの海外研修に参加しました。シリコンバレーで活躍された起業家や投資家の約20人の方からお話しを伺い、英語で質問をしました。また、Googleやスタンフォード大学などの視察を行いました。私は今回が人生初の海外渡航だったので、文化の違いや風土の違いなども含め、数多くの刺激を受けました。 その中で、最も自己成長に繋がったなと思うのは、私たち生徒側が現地の人たちに行った、最終日の英語でのプレゼンの時間です。プレゼンは、この七日間で学んだことを発表するというもので、準備する時間もかなり限られている中で、多くの人が手元のスマートフォンに台本を書いて、それを読みながら臨んでいました。私も、このシリコンバレーでの学びができるだけ正確に伝わるようにと、台本を書きました。しかし、プレゼンをするまさに直前で、それまでの発表者を見て、台本を読みながら話すことが「クールじゃないな」「シリコンバレースタイルじゃないな」と思いました。そして何を血迷ったのか、急遽スマホを置いて舞台に立ちました。 はじめこそうまく話せました。しかし、途中で突然緊張が限界に達し、急に自分でも今何を言っているのか分からなくなり、単語も文法も何も思い浮かばなくなってしまいました。そんな中、数少ない口にできる単語をつないで伝えたいことを必死で言葉にして、気まずい雰囲気の中、涙目になりながら、スライドを送り、たどたどしい英語を口にし続けました。 発表している間とその後は、恥ずかしさ、惨めさ、気まずさ、失望されているんだろうなという悔しさなど、どす黒い紫色のマーブル模様が僕の心を染めていました。 プレゼン自体はまさに「失敗」でした。 --- しかし、2人の友達がプレゼン後、質疑応答の際に、激励のコメントしてくれました。正直、最初は慰めの言葉に聞こえましたが、しかし彼らの言葉には強い思いがこもっていたのを感じましたし、そのうちの一人は普段は寡黙な人だったのですが挙手をして感想を述べてくださいました。 また、4人の友達が、その後僕の行動を理解して褒めてくれました。それは慰めとは違う、強い意志がこもっていました。 僕のひどいプレゼンが、どうやらこの6人の聴衆の心を動かしたんだと理解するには、僕には少し時間が必要でした。 僕は、プレゼンの直前「失敗をしに行った」のだと思います。より正確に言うと、失敗を恐れる自分と戦いに行ったのだと思います。それは、臆病で完璧主義な僕が、コンフォートゾーンから出て、そんな自分との決別を決めた瞬間でした。 死ぬこと以外はかすり傷、とは言いません。 少なくとも僕はそこで、かすり傷とは言えない、かなり大きな傷を確かに負いました。しかし、その傷には成長という意味がありました。確実に自分の足を引っ張ってきた、臆病さや同調といったものと決別を果たし、一歩進んだと実感しています。そして、私の決死のプレゼンで心を動かせて、行動してくれる人がいました。 私には何のスキルも経験もありません。しかし、このプレゼンを通して、パッションで人を動かすことができて、もしかすると、そこに価値を生み出したのかもしれません。 確かにプレゼンは失敗でした。しかし、この「挑戦」は成功だったと確信しています。 今後も、時には挑戦を前に失敗を恐れてしまう事はあるかもしれません。しかし、むしろ「失敗をして、真の成功を掴みに行こう!」という気概で挑戦していきます。