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アドバイザーや出資者として創業期からTHECOOを陰で支えてきた野澤 俊通。2022年5月現在、人事管理部門管掌役員を務め、採用・人事部門を率いています。黎明期からインターネット業界に携わり、挫折と成功を味わってきた彼は、常に人と真剣に向き合う姿勢を貫いてきました。その半生とキャリアの変遷を語ります。
思うがまま導かれるまま。夢追う少年がビジネスパーソンになるまで
好きなことにはとことんのめり込む。やるからには徹底的に──今と変わらぬ気質を子どもの頃から持っていた野澤。幼少期から学生時代にかけて、向こう見ずに夢を追いかけては挫折を繰り返していたといいます。
野澤 「初めに夢中になったのは野球で、ポジションはキャッチャー。でも、チームに誘った友だちが僕より肩が強くて、こいつには勝てないなと。サードにコンバートしたけどうまく行かず、ひとりでサッカーを始めたんです。
当時はみんな野球をやっていた時代。一緒にプレーする人がいないから、ひとりでサッカーボールを蹴っていました。協調性がないわけじゃないんだけど、凝り性でね。小遣いでサッカー雑誌を買って読みふけったり、大人が見るようなサッカー番組に見入ったりしていましたね」
高校卒業後は、静岡県にある自動車メーカーで期間従業員として働きながら、F1レーサーを目指したことも。大学時代にはゴルフに夢中になり、練習場に入り浸っていたと振り返ります。
野澤 「僕は第二次ベビーブームの72年生まれ。就職難の時代だった上に大学の就職課と折り合いが悪く、就職しないと決め込んで小さなゴルフショップでアルバイトを始めたんです。
しばらく働いた頃、店長が『ここにずっといてはダメだ。どんな仕事でもいいからきちんと就職しなさい』と言ってくれて。バイトをしながら就職活動を始めて、偶然に見つけたのがリクルートの契約社員の仕事でした」
こうして、契約社員としてリクルートに入社した野澤。採用時にかけられた言葉が、ビジネスパーソンとしての原点になったといいます。
野澤 「面接官(結果的には最初の上司)から『3年後はどうなりたいか』と聞かれて、『いい鞄、いい靴、いいスーツを身につけて、この銀座の街を颯爽と歩きたいです』と答えました。面接官は、そんな言葉がリクルートらしかったのかも知れませんが、『ここに3年いれば、必ず次の道が見えてくる。リクルートは良い会社だからその気になれば何年でもいられるが、3年で卒業することを目指して学べ』と。その言葉が当時、すごく刺さってね。
リクルートに育ててもらったという気持ちは、今もあるんです。その後に広がったネットワークも含め、今こうして自分があるのはリクルートでの3年間のおかげだと思っています」
挫折と成功。運命にいざなわれるように、黎明期のインターネットビジネスへ
リクルートでは、広告営業として活躍した野澤。3年の経験を積んだ後、採用時の約束どおり新たな活躍の場を求めて転職活動を始めます。内定していた外資系保険会社の入社書類にまさに判を押そうとしたとき、運命を変える一本の電話が鳴りました。
野澤 「電話の相手は、インターネット広告などを手掛けるダブルクリックで働いていた先輩で、うちの会社に来ないかと誘われたんです。彼のようになりたいとずっと追いかけていた人だったから、『この人と一緒なら』という想いで、インターネットの世界に飛び込みました。99年10月のことです」
当時はインターネット黎明期。まだ誰も知らないこと、まだ誰もやったことがないことに挑戦できる世界に、野澤は強く惹かれたといいます。
野澤 「ダブルクリックでは営業という立ち位置でしたが、広告が配信される技術的な仕組みにもすごく興味があって。エンジニアも交えて、新しい企画のことばかり考えていたように記憶しています。自分でコードを書くことはなかったけれど、インターネットビジネスをする上で必要なことは、徹底的に聞いたり調べたりしましたね」
ダブルクリックでおよそ3年の経験を積み、インターネットビジネスの基礎を学んだ野澤。その後、Googleで広告営業組織の立ち上げなどに関わり、ゴルフ雑誌を発行する出版社を経て、再びGoogleへ。
野澤 「出版社では、インターネットビジネスの立ち上げとマネジメントに携わりました。前者の方はうまくいったかもしれませんが、後者はまるで思うようにいかなくて。平たく言えば、挫折です。誰が見ても大失敗と言える状況の中、仕切り直すつもりでGoogleに戻りました」
古巣に帰った野澤には、取り組みたい仕事に対するクリアなイメージがあったといいます。
野澤 「リクルートでは、小さい求人から大きな求人まで、いろんな広告をかき集めてビジネスが成り立っていました。小さなビジネスをやっている人はどんな想いを持っているのか、どんな新しいビジネスが生まれているのか、検索結果や広告に表れたらおもしろいと思ったんです。それで、以前いた代理店事業部ではなく、SMB(Small and Medium Business)という事業部でスモールビジネスや中堅企業に携わることにしました」
Googleで中小企業向け広告営業チームを立ち上げ、成功へと導いた野澤は、その後新規顧客開発本部の統括本部長に。SMBの新規広告主の獲得を目指す組織を発足させ、16四半期連続で事業目標を達成するなど異例の好成績を収めたのです。
スモールビジネスに携われる環境を求めて、新天地・freeeへ
新規広告開拓チームを率い、華々しい成果を上げていった野澤。しかし次第に、よりスモールビジネスを支援することに特化した、新たなフィールドを求めるようになります。
野澤 「そのとき頭の中にあった新しい仕事のイメージは、“スモールビジネスであること”“インターネットに関連する事業であること”、そして“組織を作れること”の3つ。それができる場所をGoogle社内と社外のどちらで探すかを考えていました」
そんな矢先、野澤のもとにある人から一通のメールが届きます。送り主は、Googleの元同僚で、SaaS型クラウドサービスを手がけるfreeeのCEO・佐々木 大輔氏でした。
野澤 「メールをもらった時点でほぼ心は決めていましたが、誘われて飲みに出かけた時、freeeがやっている事業や求められていることが、まさに当時の僕が考えていた3つの軸に合致するものと確信していたので。『来てくれないか』の言葉に、ふたつ返事で引き受けました」
こうして創業3年目のfreeeに参画し、30人目の社員となった野澤。セールス組織の立ち上げを経て、採用担当役員という新たなポジションに就任します。
野澤 「これまでも『自分の組織のメンバーは自分で決める』という姿勢で、多くの人材の採用に携わってきました。もちろん優秀なリクルーターの頑張りがあってこそですが、最終決定は自分で下すというか。
そこを経営陣が見てくれていて、組織をもっともっと大きくするために採用責任者を任せてもらったという流れですね。freee在籍中には、およそ2800人の面接を担当しました」
Googleで前代未聞の偉業を達成し、採用部門の責任者としてfreeeの急成長を支え、マザーズ上場(現グロース市場)に貢献した野澤。実績を残せた要因について、こう話します。
野澤 「ずっと真剣なんだと思います。真剣に仕事に取り組むのは皆同じだと思いますが、僕の場合、何に真剣かといったらマーケットでなく、おそらく“人”に対してなんです。だから、ときに怒ることもあれば、一緒になって涙を流すこともある。そうやって人と真剣勝負で向き合い続けたことで、いいメンバーがいい結果を出してくれた。
昔はただがむしゃらに、今はもう少し冷静に、という違いはあっても、人とガチンコで向き合ってきたからこそ、成果をあげられたのかもしれません」
若い人材がさらに活躍できる会社へ、人事組織からイノベーションを
2022年5月現在、THECOOの人事管理部門管掌役員として、人事領域を任されている野澤。THECOOへの参画理由は、意外なものでした。
野澤 「本当は仕事から一旦離れてみよう、自由に生きてみようと。すると、自分の行く先にふと、おぼろげながら死の存在が見えてきて……。仕事や人との付き合いがあったおかげで、これまで感じずに済んでいた死という概念がおぼろげに見えて、それを迎えるだけの人生って楽しいのかな?と疑問に思ったんです。
そんなことを考えるくらいなら、何かぶつかっていけるものをもう一度作ろう。そうすれば、また人生が楽しくなるんじゃないかと。そこで、ビジネスをもう少し続けてみようと、平良(代表取締役CEO:平良 真人)に相談を持ち掛けたところ、『人事のテコ入れを手伝ってほしい』と言ってくれたんです」
そんな野澤がTHECOOで目指すのは、「僕がいなくてもいい」採用・人事チームを作ること。
野澤 「どんな人を採用したいかは、その時代により変わりますが、そこにしっかりリーチでき、入社する人が心躍ってジョインできるような採用を心掛けたいと思っています。THECOOの成長度合いで求める人材の要件は違っても、それに対して常にアラインできる採用組織を作りたい。
そして、人事に携わるメンバー一人ひとりが自ら決断し、僕を説き伏せてでもやりたいことを実現していけるような、そんなチームが理想です。若い人材がますます活躍して、僕のような古参社員が『さて、自分で仕事を見つけるか』と思うような組織ですね。
そうやって人事や採用を後進に預けた後は、自分の心が踊るようなビジネスの一端をTHECOOの中で担えたらと思っています」
最後に、THECOOが必要とする人材像について、こう語ります。
野澤 「THECOOは上場したとはいえ、まだまだいろんなことが起こるフェーズ。そこに必要なのは、自分の得意領域を決めつけず、新しいことにどんどんチャレンジできる人、チャンスを見つけたら飛び込む勇気を持っている人です。この‟挑み続けるマインド” ‟チャレンジマインド”を持つ人に、ぜひ入社してほしいですね」