2020年1月にSalesforceにインサイドセールスとして入社した船見悠作は、昨年3月まで東京オフィスに出勤し、業務にあたっていました。しかしコロナ禍の影響で出勤が難しくなると生活拠点を生まれ故郷のある新潟に移し、それ以来、新潟の地からEコマースビジネス領域を開拓するインサイドセールスとして活動を続けています。コロナ禍をきっかけに生活環境を大きく変えた船見は、フルリモート環境で地方就業することについてどのような感想を抱いているのでしょうか。Salesforceが推進する自由で柔軟な働き方を体現する立場から話を聞きました。
船見 悠作
セールスディベロップメント本部
コマース事業部
インサイドセールス
2017年、新卒で人材紹介会社に入社。化学業界専任の人材コンサルタントを経験後、インサイドセールスチームの立ち上げに従事。2020年、Salesforceへ入社し、関東エリアの中堅・中小企業を対象とするインサイドセールスチームに配属。その後、Eコマース専門チームに異動し、現在は大手や中堅・中小のB2C企業を担当している。
インサイドセールスの高みを目指しSalesforceへ
——前職はどのような仕事を?
人材紹介会社の化学メーカー専任チームに所属し、1年ほど求職者と募集企業をつなぐ人材コンサルタントを経験後、社内初の試みとなるインサイドセールスチームの立ち上げに参画しました。
——転職の経緯についても聞かせてください。
社内にインサイドセールスについての認識も知見もない状態から組織、業務プロセス、KPIなど全てゼロからつくり、1年半ほどでアポイント件数や成約金額などで一定の成果を出すことができました。そこで次のステップとして興味を持ったのがインサイドセールスで定評のあるSalesforceです。自分たちの取り組みと、書籍やセミナーなどで学んだSalesforceのインサイドセールスとの間にどれだけギャップがあるのか確かめたかったですし、お客様と長期的な信頼関係から紡がれるカスタマーサクセスの実態を体感してみたいという思いもありました。
——Salesforceに入るための転職だったわけですね?
そうですね。インサイドセールスチームの立ち上げに携わった貴重な経験を活かすとなると、やはりSalesforceは選択肢から外せません。さらに言うと人事領域に留まらず幅広く企業の課題解決に貢献したいという思いもあり、Salesforceへの転職を希望していた面もあります。
——企業の課題解決に携わりたいという思いはいつから?
大学のゼミ活動で、新潟の伝統工芸品を活用した経済の活性化というテーマで地元企業の皆さんと対話したことがありました。そこで地場産業が抱える経営課題の多くは人手不足に起因するものが少なくないと感じたことが、人材紹介会社に入ったきっかけです。しかし企業の経営課題は人材不足に限った話ではありませんでした。Salesforceがカバーするのはマーケティングや営業を含めたビジネス全般の課題の解決です。ここなら自分の能力を高められると思いSalesforceへの転職を決めました。
東京から新潟へ。地方に生活拠点を移した理由
——インサイドセールスに携わった感想を聞かせてください。
最初は関東圏の中堅・中小企業を対象とした反響型インサイドセールスに携わり、現在はアパレルや家電、化粧品や健康食品などを扱うECサイト運営をする企業に対して、電話やメールを駆使したEコマースソリューションの提案活動を行っています。
——新潟に生活拠点を移した経緯を聞かせてください。
2020年1月に入社して2カ月ほどは東京オフィスに出社をしていたものの、徐々に新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される事態になり、当時暮らしていたアパートで仕事をするようになりました。ただ自宅で働くことを想定していなかったため、仕事用のデスクもイスもありませんでした。むしろ新潟にある実家で仕事をした方が、効率良く仕事ができるだろうと思ったのが引越しを決めた動機です。ニュースを見ても1、2カ月で元に戻ることはなさそうだったので帰郷しました。
——周囲の反応はいかがでしたか?
上司や同僚も前向きに応援してくれましたね。「別にリモート環境があれば仕事はどこでもできるしいいと思うよ」という反応が大半でした。部門長からも「新潟で働くのは面白い選択だね」と太鼓判を押してもらえたので、まったく不安なく新潟に拠点を移すことができました。とは言え、すぐには東京の自宅を引き払わず、いつでも戻れる状態にはしていたんです。でも3カ月ほど経つとフルリモート環境での働き方にも慣れ、あえて東京に拠点を残しておく必要もないなと。それ以来、実家の居間が私のオフィスになっています。
——新潟での仕事ぶりを教えてください。
イベントなどで連絡先を頂戴したお客様にお電話やメールでアプローチしたり、パートナーを組む外勤営業とリモートで打ち合わせしたりと、1日の流れ自体は東京にいたころとほとんど変わりません。ただ通勤に時間を取られることもなくなり、衣食住が改善されたおかげで心にゆとりができました。朝の散歩が日課になりましたし、休日に少し足を伸ばして山登りやキャンプにもいけます。人混みを避けながらリフレッシュできる機会が格段に増えたのは大きなメリットです。
故郷で見つけた、どこにいても働けるという自信
——東京を離れたことによるデメリットはなかったのですか?
どこにいようともインターネット環境さえあればヒアリングも提案もミーティングもできます。東京を離れ新潟にいるからといって、とくに困った事態になったことはありません。かえってお客様からリモートワークに関する話題を振られたとき「実は私、新潟からこの会議に参加しているんです」とお話すると話も弾みますし、具体的な質問に広がっていくこともよくあります。メリットこそあれデメリットはとくに感じないというのが正直な気持ちですね。
——フルリモート環境で働くにあたって気を付けていることや工夫していることを教えてください。
チーム内のコミュニケーションはなるべく密に取るようにしています。新潟に帰ったばかりのころは仕事に没頭するあまり、いつの間にか定期連絡以外でチームメンバーと連絡を取らなくなっていたんです。その結果、出社時と比較し周りからナレッジを得る機会が減り、みるみるチームの一員である意識が薄れていくことに気が付きました。それからは行動を改め、それ以降はとくに議題を決めずに同僚とWeb会議をつないで話したり、相談したりする時間をあえてつくるようにしています。おかげでチーム内でのコミュニケーション量はかなり増え、何気ない会話からの気付きや新しい知識を得ることもできるようになりました。何気ない会話や雑談って大事なんだなと思いましたね。
——ほかにも工夫されていることはありますか?
何をいつまでにやるか、事後の振り返りも含めてカレンダーに落とし込んだり、今日やるべきTo-Doを整理したりするのは、以前と変わらず続けています。生活スタイルにも慣れ時間的にも余裕ができたせいか、1つひとつの仕事に集中できるようになりました。気持ち的にも安定している気がします。
——仕事が効率的に回っているんですね。
そう思います。最近ではマーケティングチームと連携し、業界特化型のウェビナーを企画したり、新たなリードを獲得するための方策について相談を持ちかけたりするなど、インサイドセールス業務以外の取り組みにも力を割く余裕が出てきました。
これからも柔軟な働き方を模索したい
——インサイドセールスに携わる上で大切にされていることは何ですか?
大事にしているのは提案する際、こちらの都合や売る側のエゴを押しつけていないか、本当にお客様のためになっているのか、常に考えながら取り組むようにしています。あとは本質的な議論を疎かにしないこと、また行き詰まりを感じたり、成果が出せなかったりするときは、1度立ち止まって情報のインプット量、アウトプット量が減っていないか冷静に振り返るようにしています。
——インサイドセールスで経験を積んだあとのキャリアについてはどのように考えていますか?
インサイドセールスでの経験を活かして、外勤営業としてお客様をご支援するのが直近の目標です。様々な業界のお客様を担当させていただけるくらいの実力を育んで、1社でも多くのお客様をご支援したいと思っています。中長期的にはマネージャーとして自分のチームを率いるか、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門でのキャリアを積むのも面白そうだなと思っています。いずれにしても多くの部署を巻き込みながら、お客様のビジネスの成長に貢献できる存在になれたらと思っています。
——外勤営業になったら新潟を離れることになるのでしょうか?
そうかも知れません。ただいま私が新潟に住んでいるのは、いまの状況に合っているから。状況が変われば対応が変わるのは当然のことだと思っているので、住む場所にこだわりはありません。新潟から東京に戻ってもいいですし、東京と新潟の2拠点生活も案外面白いかも知れませんね。その時々で最適な働き方が選べたらいいですし、Salesforceにはその選択を受け入れてくれる懐の深さもあります。お客様の満足度が高まり、かつ自分にとっても快適な道を選べたらと思っています。
——最後に将来の目標を聞かせてください。
急速なビジネス成長に必要な基盤が整っていない業界や、より会社を前進させたいという思いを持った企業はたくさんあります。そうした皆さんに手を差し伸べ、1社でも多くご支援したいという気持ちは、今後もおそらく変わることはないでしょう。しかし、お客様の成長を後押しするには自分自身の成長も不可欠です。これからもさまざまなことに挑戦し、知見を高め経験の幅を広げていければと思っています。
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