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ラクスルの“メシア”になる男

ラクスル株式会社に入る前

大学での専攻は生化学で、分かりやすく伝えるなら光合成の研究をしていました。「21世紀はバイオの時代だ!」と思って化学の道に入ったものの、試験管を振っては小さな変化を探す日々・・・研究職ってものすごく地道で、すぐに結果に繋がるわけではなく、失敗の連続。一方、WEBの世界は研究職とは違い、つくったらすぐに動くし、成果物が誰でも「見て」わかる。部活のHPを作るのがきっかけでWEBサイトをつくっていたのですが、初心者でもちょっと勉強して動くものができたら周りに「凄い!!」って喜んでもらえる(笑)。そのうち化学の勉強よりそっちのほうがずっと面白くなっちゃって、就職する時には絶対にWEBエンジニアになろうと決めました。

2009年に新卒でWEB制作会社に入社し、その後は半ばフリーランスに近いかたちで独立したりもしましたが、紆余曲折を経て、前職であるソーシャルマーケティングを手がける会社に転職したのが2013年。PHPやスタートアップ界隈では相当有名な会社で、一緒に働いていた人たちも本当に優秀な人たちばかり。今でもすごくいいチームだったなと思いますし、技術に長けた人が多くて勉強にもなり、毎日充実していました。でも、Facebookというプラットフォームに乗っかったビジネスだったのでFacebookの利用規約が変わったことでビジネス継続ができなくなりサービスを閉じることになりました。その時は各種メディアでも話題になっていたのですが、ニュースが発表された日の深夜に利根川(ラクスルの共同創業者)から連絡があり、いろんな話をしたのが2014年の夏。その時、彼の話ぶりからラクスルのコードは相当ひどいだろうなという印象を受けました。ほとんどエンジニア経験がないメンバーがそれでも事業を立ち上げるためになんとかつくったサイトだったので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、その話を聞いて真っ先に「そんなめんどくさそうなところには絶対行きたくないな」と思ったことは今でも覚えています。

ところが同じ頃、エンジニアの集まりで聞いたFacebookに著名なスーパーエンジニアが参画した経緯の話がものすごく印象的だったんです。今でこそ巨大ビジネスになっているFacebookも、できた当初はかなりひどいコードだったそうですが、それでも著名なエンジニアがジョインした。要するにビジネスがうまくいくかどうかにコードの良し悪しは関係ない。「信じられないようなひどいシステムでも巨額のお金を生んでいる」ということです。その人に「システムというのは動くことがまず大事。後から“出来るエンジニア”がそれをきっちり直していけばいい」と言われて、「そうか!だったら俺も“出来るエンジニア”だから、ラクスルにいけばいいんじゃないか!」って(笑)。既存のイケてないシステムをきちんと直せるのが「プロ」。自分にとってはひとつの挑戦ですが、そういう考えもあるんだなと思ったら、急に「自分がラクスルの救世主になろう」って、すっかりその気になっていました。

現在

ラクスルでは開発基盤グループに所属して主にサーバーサイドのシステム全般を見ています。とはいえ、フロントは学生時代から手がけていましたし、デザイン以外はだいたいできますよ。残念なことに美術的センスだけは壊滅的になくて・・・でも、プログラミングは一種の芸術だと思っています。例えば、世界中で公開されているオープンソースを見ると、そこには先人の知恵が結集されている。そういうソースを見ると「凄い」って思います。結局、コードがきれいかきたないかというのは、過去の経験に基づいて世界中のプログラマーの経験則から導かれた書き方が生き残っているということであって、プログラマーの経験値がそのままコードの美しさに現れます。サービスをつくることも大事ですが、持続可能なちゃんとしたシステム美しいシステムをつくるというのも同じくらい大事。それをプロのエンジニアとしてやっています。私は自分のことをアーキテクトだと思っているのですが、アーキテクトの面白みって、そんなシステムを考えるところにあると思うんです。

ラクスルには沢山の業務フローがあるのですが、その業務フローを整理して、きっちりシステムに落とし込むところをやりきりたいですね。自分以外のエンジニアが見たときにもぱっと理解しやすい、もっと言えば非エンジニアの人が見ても機械語ではなく可視化された分かりやすい状態にすること、それも“美しい設計”できちんと動くものをつくることに俄然興味が沸いています。目下、ラクスルが受注した注文を委託先の印刷会社へ発注する際のシステムをきれいに書き換えようとしています。ラクスルでは受注した印刷を刷版にして委託先に渡すのですが、その付け合せなどはまだ一部アナログなところがあり、それも可能な限り自動化したいな、と。

ラクスル株式会社について

ビジネス的な側面だと、面白いところに目をつけたなと思っています。付け合せなど業界のことに詳しくないと知り得ない特殊なことをして業務を効率化してたり、うまくビジネスにしているな、と。あとは、前職ではネットだけを相手にしていましたが、今はリアルを相手にしているというのがなにより違います。EC事業だからといって、やはりネットだけではすべては完結しない。今のシステムとリアルな部分をどうつなげていくかを考えるのはすごく面白い。

一方、組織的な側面では、いろんな人がいますね。前職とはカルチャーが全然違う。前はもっとギークな人達の集まりで、エンジニアの権力もかなり強く、エンジニアが働きやすいように仕事を進めてくれるという感じでした。それはそれでよかったんですね(笑)。

できればラクスルも社外の人から「ギークな会社だな」って思ってもらいたいです。もっともっとエンジニアドリブンの会社であってほしいですね。あとは、優秀なエンジニアにどんどん入ってきてほしい!事業が急成長していく中で、人手不足が否めず・・・今のシステムをきちんとリファクタリングして直してくれる人、きっちり設計し直して作り変えてくれる人がほしい。業務の流れをきちんと理解・把握できれば、改善できる余地はたくさんあります。

今後どういうことをしていきたいか

目標は印刷APIを公開すること。「このAPIを使ってもらえれば誰でも簡単に印刷できますよ」というAPIをつくって「印刷のプラットホーム=ラクスル」という世界観をつくりたい。例えば個人の開発者が開発したアプリで使ってもらって全然いい。そのためにまずは基盤を整えることに取り組んでいます。あとはラクスル内の管理画面も作り直したいですね。操作が面倒だったり分かりづらいと、新しい人が入った時にそれだけで教育も大変だし、そう考えると管理画面を作り直すことが教育コストの削減につながるかもしれない。使いやすさ、わかりやすさを考えた仕組みにできれば、業務効率だって格段にアップしますよね。業務整理、デザイン設計、システム設計・・・やりたいことは山ほどあります。業務整理だけなら非エンジニアでもできますが、エンジニアがその観点を持つのは大事だと思います。システムを直すことにモチベーションがあり自主的にどんどん直していける人と働きたいです!

業務量もかなり増えて大変なことはたくさんありますが、「努力は報われる」と信じています。もちろんがんばっても結果が出るとは限りませんが、それでもがんばったことには意味があるし、自分の経験として生きてくる。だから、いつか報われるだろうと思ってやっています。実は辞めようかなんて考えた時期もあったんですけど、昨年の秋頃、私の師匠から「ラクスルのシステムをよくするのを期待しているよ」って言われて、救世主として、途中で投げ出すわけにいかなくなっちゃったんです(笑)。もともと勉強するのは楽しいですし、知識を増やしていくのはわりと好きです。新しい考え方を身につけて仕事で生かし、自分が成長していくのって面白いですよね。だからがんばろうとは思うんですが・・・とにかく今はなにより、一緒に救世主になりたいギークなエンジニア、Wanted!!

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