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【社員紹介】原点はバングラデシュとシリコンバレーで見た風景。焦燥感を力に変え、日本のために尽くす

「日本を何とかしなければ」―。常安平(Tsuneyasu Taira)の原点は、学生時代に海外で抱いた焦燥感だ。「このままでは世界に置いていかれる」という危機感に駆られ、今、自分のなすべきことを考えてきた。最初のステージは株式会社フロムスクラッチ。その後、若干の迷走を経て、出会うべくして出会ったのがfor Startupsだ。常安の「日本」への強い思いは、for Startupsのビジョンそのもの。かつての焦燥感を力に変え、日本の未来を創造する。

バングラデシュの若者から受けた衝撃とシリコンバレーで抱いた周回遅れ感

「日本の学生はもっと素敵な人達だと思ってたよ」。この少々ショッキングな言葉は、バングラデシュの若者が発したもの。大学院時代、研究活動の一環で同国を訪れた際、現地で一緒に活動した同年代の若者が、常安らに言ったのだ。「マジか、と思いました」。常安は当時のショックを思い出す。言葉の真意はこうだ。親日国であるバングラデシュにとって、戦後、目覚ましい発展を遂げ、数々の世界的ブランドとなったメーカーを生み出した日本は、羨望する存在だった。「日本人はすごい」という半ば幻想を持っていた彼らにとって、実際に会った常安らが想像とは違っていた。日本の有名大学の大学院生たちなのに、「この程度か」と失望したのだろう。

インフラや経済の発展が著しいバングラデシュは、ポテンシャルがあり、若手の労働人口が多い。英語も話せる。しかも「彼らは、何より思いが強いです。愛国心が強く家族が大事。家族のために出稼ぎに行ってお金を稼ぐ。なぜ働くかがクリアだから、推進力が強いのです」と常安は言う。そのパワーを目の当たりにし、日本への危機感を抱いた。

その4カ月後、常安はシリコンバレーにいた。バングラデシュとはまったく異なる世界。当時、噂には聞いていた『Uber』や『Airbnb』を現地で実際に見た。「アプリが、社会のインフラを変えている事実に衝撃を受けました。そこで感じたのは、『すごい』より『くやしい』。日本はいい技術を持っているのに、インフラを変えるほどのものを生み出せていない。アメリカでは次々生まれているのに。同じ『先進国』とは言えない差を体感しました」。常安は振り返る。

両国での出来事は、常安に少なからぬショックを与えた。バングラデシュには、その圧倒的なポテンシャルの前にパワー負けし、アメリカには、もはや周回遅れの状態にある。「日本はやばい」。常安の焦りは強まるばかりだった。

当時「日本再生」を掲げていたフロムスクラッチに新卒入社。偶然for Startupsに出会う。

ちょうど就職活動のタイミングでもあった。この経験から、自分の今後のキャリアを考える上で、常安は自然と「日本をどうするべきか」という視点を持つようになった。「そこに対して何らかの課題意識を持ち、解決するための圧倒的に高い目標を掲げ、組織として実現しようとしているチームに身を置きたいと思いました」。その常安の目にとまったのが、当時「日本再生」というビジョンを掲げていた、データ×マーケティングカンパニーの株式会社フロムスクラッチだった。

「ビジネスは、『作る』と『売る』で成り立っています。作ることに関して日本はすごい。例えばiPhoneの部品の多くを、日本の町工場が作っています。でも時価総額ではApple社とは雲泥の差。その差が生まれるのは、売るのが下手だから。マーケティングで日本企業を成功させようと取り組んでいたのが、フロムスクラッチでした」。常安は大いに共感し、ジョインした。

フロムスクラッチでは人事採用担当に。常安は、よく働いた。進化を止めないスタートアップ企業での多忙ながら充実した毎日。ところが、ある時ふと、半ば気の迷いで転職を考え始める。「今思うとフワっとしているんですが、ずっと採用担当だったからか、その時は、新しいビジネスサイドの職種に挑戦したいと思ったのです。マーケティングあたりはどうかな、と」。

最初は転職活動のパートナーとして、常安はfor Startupsと出会った。しかし、フワッとしている常安を見かねて、担当のヒューマンキャピタリストは、for Startupsメンバーと話す機会を設定した。そこで常安は、自分の原点である「日本」への思いに立ち返った。さらに、代表の志水雄一郎と話したことが、行く先を決定づけた。「志水は日本のこれまで、今、これからを『人』と『産業』の観点で話してくれました。個人の成長と産業の発展、国の発展が線でつながり、しっくり来ましたし、for Startupsの方向性が、自分の思いとピタリと合うことに感動しました」。for Startupsへ。常安に迷いはなかった。

目の前に落ちているボールを拾い、縦横無尽に活動の幅を広げるfor Startupsでの毎日

当初は思いもよらなかった転職劇となったが、約1年経った今、「楽しいです」と常安は笑顔で言う。何より楽しいのは、for Startupsでは、自分で自由に仕事の幅を広げられることだ。常安は常に、積極的に様々なプロジェクトに関わりに行く。「媒体のKPI改善や、人材採用後の迎え入れや助走期間の短縮を図るエンプロイエクスペリエンスの取り組み、フォースタ感謝祭(※半期に一度開催する、起業家や投資家との交流イベント)の企画運営、新しいマネタイズモデルの研究…みたいな感じで、いろいろな人と組んで、かなり多方面に首を突っ込んでいます」と、笑顔で話す。

for Startups自体もスタートアップだ。このフェーズの会社らしく、誰がやるかは決まっていないが、会社として「やったほうがいいこと」が、そこら中に転がっている。「至るところにボールが落ちているような状態です。拾うかどうかはその人次第。僕は、タレントエージェンシーという通常業務はありながら、ことごとく落ちているボールを拾い続けています。おかげで会社全体のことがわかり、局所的ではないものの見方もできるようになったと思います」。常安は言う。

ボールは、見える人と見えない人がいるのだろう。前職もスタートアップで、そして常に「日本を何とかしたい」と考え続ける常安には、人より余計にボールが見える。しかも、拾った先から次々と新しいボールが表れる(ように見える)。「あんまり拾っていると通常業務が…」と苦笑ながら、だがこれからも、どんどん活動の幅を広げていくつもりだ。

さて、基幹であるタレントエージェンシー業務はどうか。1年余り経つが、「まだまだです」と常安は言う。新しい産業を生み、育て、日本のGDPを上げるには、やはり「いかに、企業をドライブさせる人材を支援できるか」が重要だと、常安はこの一年余りで実感した。それができたかと問われれば、まだまだ不十分だ。いずれ、その会社を、産業を、さらには日本を大きく変えるようなインパクトある人材の支援をすることが目標だ。

世界の産業を変えるほどの会社を、日本から生み出したい。それができる人間になる

常安が個人的に応援したいと思っているのは、ディープテック領域だ。「バイオ、ライフサイエンス、宇宙、アグリ、ロボティクス」と常安は列挙する。工学部を卒業し、大学院にまで進んだ常安。ものづくりのバックグラウンドを持ち、ディープテックには親近感もある。

「何らかの課題を解決するために、研究開発成果を活かすのがディープテック。その課題とは、例えば人の寿命を延ばす、世界の食糧問題を解決するなど、壮大なものが多い。『ちょっと便利になる』といったレベルではなく、より根源的な価値を追求し、それを技術の力で本当に実現できる点に魅力を感じます。今は波も来ています。世の中の関心もお金も集まり、社会的な意義も十分にある」。常安は、この領域に大きな期待を寄せる。

大学院時代、バングラデシュとシリコンバレーで感じた焦り。常安は、その焦りに向き合い、自分にできることを探してきた。その答えの一つがfor Startupsにあった。「世界の産業を変え得るような会社を、日本から生み出したいです。それができる、事業と企業を作れる人間にならなくてはと思います」。

加えて「for Startupsという会社も、メンバーも好き」と常安。「いろいろなバックグラウンドの人がいて、みんなで、良い方向に行こうと話している。プロフェッショナリティも哲学も人それぞれなのに、同じ方向を向いています。それがいい」。この良き環境で、自分の目指すことに真っ直ぐに取り組める。こんな素晴らしいことはないだろう。常安はこれからも、盛大にボールを拾い続ける。

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