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強いエンジニアになるために

はじめまして。アソビューCTOの江部です。

新卒の皆さん、ご入社おめでとうございます。

プログラミングのリテラシーとしての重要性が増している今、自分で選択したにせよそうでないにせよ、皆様がITエンジニアリングの世界に足を踏み入れたことは間違いなく今後の人生に幅広い選択肢を与えることと思います。

まずは自己紹介ですが、オーストラリアの大学でコンピューターサイエンスの学科を卒業後、2008年に新卒でSIerに入社し、SIエンジニアとしてキャリアをスタートしました。不動産、小売、金融、教育と、いろいろな業界のシステムを作っていました。

その後、自分でサービスを立ち上げたくなり、2012年5月から、当時創業メンバー2名+数名のアルバイトだけだったアソビュー株式会社(当時はカタリズムという社名でした)にCTOとして参画し、asoview!の事業をスタートしました。

今回は「CTOから新卒エンジニアに伝えたいこと」というお題をいただきましたので、これまでの経験や考えを踏まえ、強いエンジニアになるために、心に留め置いておくといいのではとおもうことを拙文ですが書いてみたいとおもいます。

手段に惑わされない

エンジニアをやっているといろいろな最新の技術だったり、流行りの開発手法だったりを聞いたり学んだりする機会があると思います。

それらを常にインプットし、自分の武器として手札に加えておくことはエンジニアとして成長するために必要な要素ですし、いざというときに役にたつことも多いです。

ただ、それらを使うことが目的になっている場面をよく見かけるのも事実です。

かくいう私も、asoview!の立ち上げで要素技術を検討していた際に、どうせ0から作りあげるのだから、流行りの物だったり、美しいあるべき姿でつくりたいと考えてました。

前職ではつかう技術を自分で考えることはほとんどありませんでしたし、そこに縛りを感じていた部分もあって自分でサービス立ち上げをしたいという思っていたため、そこを目的にしてしまっていたのです。

ですが、株式会社というビジネスを目的とした団体である以上、目的は利益創出にあり、そこが成り立たないと全部意味ないわけです。asoview!はレジャーや体験を取り扱うサービスのため、7,8月の夏休みのシーズンに間に合わせなければ、次のピークである翌年の5月の大型連休まで事業の手応えをつかむチャンスは訪れないと考え、まずは最短距離でサービスを開始するという目標を掲げて考えたときに、枯れていても実績があり、一番ハマらず作れるもので、と方向を改めた結果、なんとか夏までに間に合わせ、サービスをスタートすることができました。その後、様々な課題に対峙する中で、解決策としていろいろな手法や技術を取り入れ、成長を続けてきました。

まず「目的」があって、それを果たすための「手段」を冷静に見極めることで本質的な課題解決をすることが強いエンジニアの条件なのではと思います。

困難は絶好の成長チャンスととらえる

これはエンジニア以外にもいえることですが、大変なときほど成長も大きいものです。

エンジニアとしてよくある困難な状況として障害があります。

それは機器の故障だったり、作りこんでしまったバグだったり、保守・運用作業上のミスだったりと、いろいろと原因があり、事象も様々で、原因究明が非常に困難なケースもあるのですが、そこに立ち向かった数ほど強い技術者として成長できるのです。

原因調査の過程で、始めて目を向けることが多々あります。

たとえばJavaで開発されているプログラムのパフォーマンスが突如劣化した際に、メモリ空間でなにがおこっているのか、GCの動きがどうなっているか等を調査するでしょうし、SQLのロック待ちでトランザクションがうまく捌けない時、はじめてそのRDBのロックの仕組みを深掘って調査するでしょう。単純に運用上の不注意でやらかしてしまい、もっとこうすればよかったと思うこともあるでしょう。

その一つ一つが知識となり教訓となって、次はもっと良いものが作れたり、ミスを減らす努力ができたり、頼りになるエンジニアになれるのだと思います。

もちろん障害自体はユーザに悪い影響をあたえる、望ましくないものですし、ミッションクリティカルなものは目をあてられない状況ではありますが、そういった困難も絶好のチャンスととらえて積極的に学びましょう。

僕も新人時代に自分のミスでお客様の業務を止めてしまうという大失敗をやらかしたことがあります。お客様にも上司・先輩にもたくさんご迷惑をかけ、自身もそのときに辛かったことを覚えていますが、そこから多くを学んだからこそいまがあると考えています。

自分の領域を広げる努力をする

先述の手段と目的の話に近いですが、エンジニアリングは最終的にそれ自体が手段なので、その力をもってして自分が何ができるかを考えられるといいなと思います。

昨今ではとくにWebの領域で技術のコモディティ化がよく言われていますが、エンジニアリングだけでは自身の市場価値は上がっていかない、むしろ下がる時代になっていくでしょう。ちょっとした動的なWebサイトなんて少し勉強すれば今や誰でも作れますからね。

今後生き残っていく上で、自分の領域を広げていくことは重要だとおもいます。

それがマーケティングなのか、データサイエンスなのか、経営なのか、ひょっとしたらもっとコアな技術領域に深掘っていく方向もあるかもしれません。

物事は掛けあわせで大きな価値を生むことができるので、自分はここまでと線をひかずに、とくに若いうちはいろいろなことに興味をもち、領域を広げていければ、強いエンジニアとして活躍していけるのではと思います。

最後に

これから本格的に社会の荒波に漕ぎ出すみなさんにとって少しでも参考になるところがあれば幸いです。

いろいろと楽しいこともあれば辛いことあるかと思いますが、努力と運で最終的になんとかなるし、止まない雨はないもんだと気楽に構え、これからの社会人ライフを楽しんでください!

Bon voyage!

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