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リレーインタビュー企画第十弾は、カスタマーサクセスチームで活躍する中根 幸真が登場。エンタメオタク歴25年を越える彼が、12年にわたる都市銀行の勤務を経て、THECOOに入社した理由と、THECOOでの活躍を紹介します。エンタメ好きがTHECOOに出会ったとき、その化学反応は最大化します。
銀行員のまま死んだら後悔すると思った。人生初の挑戦
大学は経済学部に進学した中根。就職活動は目標を二つに定めて行いました。
中根 「あまり意欲的に『これをやりたいから、こういう勉強してきた!』というのはなく、特別なスキルも持ってなかったので、自分の好きなマスコミ・エンタメ業界、もしくは上場している大きい会社に入ることを目標にしていました」
就活エージェントに紹介された都市銀行にエントリーした中根は、見事に内定をもらい、入社を決意します。
中根 「内定式直前まで悩みましたが、大きい会社に就職するという目標は達成したので、納得しました。一部上場の会社だと親も安心するし、大は小を兼ねるのでいろいろ吸収できそうだなと。
また、転職したくなったときも、潰しが効くだろうと思いました。当時は、中小企業やベンチャーに就職する考えは頭にありませんでした」
都市銀行では主に法人業務に携わりました。
中根 「12年間で融資審査業務や法人営業、M&A業務などに従事してきました。社会人としての基礎はもちろん、責任ある仕事をたくさん任せてもらえたし、世の中のさまざまな分野の企業のことを知ることができました」
その反面、中根が仕事に充実感を感じることはなかったといいます。その原因はエンタメ業界への未練でした。
中根 「もともと音楽やスポーツなどエンタメが大好きなので、マスコミに入りたかったんです。誰かに楽しんでもらえたり、夢を与えたりできるものを作れたら最高だなと。しかし就職活動がうまく行かず……。
そんな気持ちのまま銀行員として働いていましたが、やっぱり心のどこかで納得できていませんでした。仕事への意欲は上がらず、資格の勉強の意欲も湧かず、指示されたことをこなすだけの日々を悶々と過ごしてきました。
しだいに平日は本当の自分を押し殺して銀行員を演じ、土日に遊ぶために働いていることに気がついてしまったんです。同時に休日にライブを観に行っても何故か“悔しさ”を感じることが増えてきました」
入社5年目には「転職」の二文字が脳裏をかすめていたものの、中根が本格的に転職活動を始めたのは12年目でした。
中根 「結局、日頃のルーティンにかまけて、自分の考えをまとめられないまま、気がついたら30代中盤になっていました。
そのころ、支店の管理職に昇進する話が出てきて、さすがにこの人事異動に応じたら辞められないなと考えました。そして『このまま死んだら確実に後悔する!』『やらない後悔よりやる後悔!』と思い、退路を断とうと転職先未定のまま銀行員を辞めたんです。人生で初めての博打でした」
人生はチャレンジだ、チャンスはつかめ。本音で臨んだ転職活動
銀行を辞め、転職活動を開始した中根。エンタメ業界に入り人生をやり直すため、エントリーを進めます。THECOOと出会ったのはそんなときでした。
中根 「30~40社くらいエントリーをした中の一社が、THECOOでした。名前を聞いたことがなくて調べてみたところ『Fanicon』の運営会社だと知ったんです。私は『Fanicon』のユーザーだったので縁を感じ、応募してみました」
その後、他社から書類審査の不合格が立て続けに届きました。
中根 「30代後半で業界未経験だという現実を突きつけられ、転職への不安が的中しました。そんな中でTHECOOだけは、『どうしてこの年齢で銀行からこの業界に転職したいの?』と興味を持っていただき、カジュアル面談を受けられることになったんです」
面接では、元銀行員ということを武器にするしかありませんでした。
中根 「芸能・音楽業界にいたわけではないし、イラストレーターや動画編集・配信のスキルもなかったので、自分の武器といえば『守秘義務守れます』『印鑑を綺麗に押せます』など、銀行員時代の経験しか思いつきませんでした(笑)。銀行員の転職が難しいといわれている理由がわかりました。
しかし背伸びすることもできないので、Zoomの面接からスーツを着て、元銀行員ということを押し出してアピールしたところ、12年続けたことを『真面目だね』『しっかりしてるね』と評価してもらえたんです。自分では当たり前にこなしていた社会人としてのスキルを認めてもらえたのは嬉しかったですね」
順調に面接は進み、平良(代表取締役CEO:平良 真人)との最終面接に進みます。そこでエンタメ業界を志望した理由と自分のパーソナリティをしっかりと伝えました。
中根 「まず、このままだと死ぬときに後悔するから、エンタメ業界にチャレンジして活躍したいという想いを熱く語りました。
話の流れでアイドルのオタクであること、24年間西川 貴教さんのファンクラブの会員であること、音楽フェスでは昼休憩なしで動き回っていること、『Fanicon』に感じた次世代のファンコミュニティの可能性などを話しました。とにかく“熱意”と“情熱”は伝えたつもりです」
肝に銘じていたのは、全日本プロレスで活躍した、三冠ヘビー級王座の初代王者のジャンボ鶴田さんの『人生はチャレンジだ。チャンスはつかめ』という言葉。プロレスオタクでもある中根は憧れのプロレスラーの言葉を胸に転職活動に挑んでいたのです。
中根 「入社後、平良に『僕はおもしろい人と仕事したい。中根さんはおもしろかった』と言われました。今までの銀行員としての経験値だけでなく、オタクであることをしっかりとアピールして面接に臨んで良かったなと思いました」
胸を張って続けてきたオタク活動が大きな武器に
2021年11月にTHECOOへ入社した中根。Fanicon事業部のカスタマーサクセスチームに配属され、翌年には、責任のある仕事を多く任されることになりました。
中根 「大きいファンコミュニティから学ぶべく、主に1,000人前後のファンコミュニティの運営サポートを任されました。
業務内容は、アイコン(Faniconでコミュニティ開設をしているアーティストやタレントなど)の所属する事務所のマネージャーと相談しながらの企画・立案、イベントのサポート、現場でのスチール撮影など、各コミュニティによって多種多様です。うまくいっているところはそのまま形を継続し、課題のあるところはいろいろと施策を考えました。
2022年9月現在は、アイドル・バンド・俳優・アーティストなどのファンコミュニティを担当しています」
課題のあるファンコミュニティに対して施策を打つとき、中根には意識していることがあります。
中根 「アイコンや所属事務所のマネージャーから信頼を得るために、当たり前のことを全力でやるように心がけました。メールはすぐに返す、要望にはすぐに応える、実現が難しいことに対してはアイデアや代案を出す、などです。銀行員時代に培ったリレーションを構築する能力を活かそうと思いました。
3カ月ほど経ったある日、マネージャーの方から『中根さん、ちゃんとやってくれているね』と名指しで褒められたんです。それからようやく、いろいろな提案ができるようになりました。
銀行員時代の営業の経験を活かして、私という人間を知ってもらうこと、基本的な『報・連・相』を丁寧に行うようにしています。また上司も私を『元銀行マン』として紹介してくれたので、良い意味で真面目キャラがすぐに定着し、相手の安心感につながったのだと思います(笑)」
中根は施策を考える中で、気づいたことがあります。
中根 「アイコンや所属事務所の意見を尊重することを前提としつつ、ファンは実際こう考えている、本当に求めているものはこれだ、だからこういうのを試してみたいと、ファンコミュニティを自分の力で変えていけることに感動しました。
そこで私には、長年培ってきた“ファン目線”という武器があることに気がついたんです。過去24年の長きにわたる趣味は、この仕事をするためのインプットの時間だったんだとさえ思います。胸を張って続けてきたオタク活動を、やっとアウトプットできるようになったんです。
また『Fanicon』の仕様に関してもいちファン、いちユーザーとして、イベントやユーザビリティについて、社内に生の声を届けることができるようになりました。現在は、今ある機能をどう活かすか、どうユーザーに説明し、使い方を覚えてもらうかという点を自ら考え、アイコンやユーザーにアナウンスすることを心がけています」
中根はTHECOOで自分をさらけ出せる喜びを噛み締めています。前職では休日や仕事後の過ごし方を追及され、絶対プライベートを話すのを止めようと誓って心を閉ざしていた一方、THECOOは前職の雰囲気とは真逆で、パーソナリティを出した方が武器になり、仕事にもつながっています。
中根 「前職時代は忙しいと辞めたいなと考えていましたが、今は自然とどうしたら効率良くなるだろう、お客さんがもっと喜んでくれるだろう?と考えるようになりました。本来社会人として当たり前のことなんですけどね(笑)。今は朝起きても憂鬱になることがなくなりました。仕事感が変わり、THECOOでは充実した汗を流すことができています」
より良いファンコミュニティを作るためのタクティクス
中根のこれからの目標は、「より良いファンコミュニティを作る」こと。その成果の可視化にあたって、二つの指標を定めています。
中根 「カスタマーサクセスとして、成功基準に“数字”と“ファンの声”を定めました。株式会社なので売上は大事だし、数字の伸びはコミュニティの質が向上している明確な裏付けになります。またファンの声が直接届くのは『Fanicon』の強みなので、運営に活かしたいと考えています。
あるイベントの後に『日本一のファンクラブですね!』と言葉をもらったことが、自信につながりました。もちろんネガティブな意見をもらうこともたくさんありますが、たった一つでもこのような言葉があると、テンションが上がりますし、どんどん攻めて、どんどんやってやろう!と気持ちが奮い立ってきます」
“数字”と“ファンの声”、そしてアイコンや所属事務所との信頼関係には密接な関係があるといいます。
中根 「数字は最終的についてくるものだと考えています。もちろんファンコミュニティの人数が増えると売上にはつながりますが、それだけでは既存のファンクラブと変わりません。私たちはさまざまな『Fanicon』限定の企画を通して、アイコンにもファンにも満足してほしい。
『Fanicon』内ではファン同士のやりとりもできますが、一番盛り上がるのはアイコン自身が登場したとき。そこで普段からアイコンや所属事務所との信頼関係を築くことで、頻繁にアイコンがコミュニティに参加してもらえる空間にしたいと考えています。
そのためには今まで培ってきたファン目線の提案と、銀行員時代に学んだ実直な仕事とお客様の喜びのために仕事をするんだという姿勢を活かして土壌づくりをし、『中根さんがいうなら、その施策OKです』と、人間力で仕事を進められるところまで持っていければと思います」
また、施策のクオリティを上げるため、中根は日々の勉強を大切にしています。
中根 「好きなことを仕事にできたことで、前職時代よりエンタメについて勉強しないと!という気持ちが強くなり、ライブに通う頻度は増えたかもしれません。エンタメ業界では、流行りやトレンドになり得るものは現場に落ちていることが多いので、常に享受しておかないと新しいものを発見できません。
とくにアイドルの現場は運営側の意向が色濃く反映されますし、楽曲、衣装もダンス、コンセプトどれも自由度が高く、日々さまざまな実験が行われていると感じます。私も毎度、今日はどんな出会いがあるだろうと楽しみに足を運んでいますが、そこで学んだものがTHECOOの業務と掛け合わさって、新たなアイデアとして生まれてくる経験もしました。
また売れそうだな、バズりそうだな、と感じるケースでは決まって、運営やアイドル自身に“愛”が見えてくるんです。そんな姿勢にも学ぶことは多いです」
THECOOへの転職を振り返って、心の底から「転職して良かった」と口にする中根。
中根 「5年~10年後はどうなるのか、どうなりたいかはまだわからないけれど、自分にとってエンタメ業界に入れたのは本当に大きなことで、やっとスタート地点に立てたと感じています。THECOOは仕事のやり方が自由なので、これからもファン目線と真面目さを武器に、自分を律しながら日々の業務に励んでいきます」
最後に、中根がリレー企画の次回インタビュイーとして紹介するのは、同期入社の元井です。
中根 「同じタイミングでカスタマーサクセスチームに入社した元井にバトンタッチします。転職して不安なとき、一緒にランチに行ったりして安心感を与えてくれた仲間です。入社から半年以上経った現在、元井も大小さまざまなコミュニティを運営しているので、どういう心境なのか、私も気になっています」
胸を張って25年もの月日をかけオタク活動に心血を注いできた中根。未経験でも諦めず、本音を語って掴み取ったTHECOOで、元銀行員時代の経験と開花したスキルを活かして、これからも進み続けます。