TBMの海外営業のトップであるグローバルアライアンス部 部長兼LIMEX事業本部 本部長補佐の中村さん(写真中央)、LIMEX事業本部 グローバル・ビジネスディベロップメントチームの石井さん(写真左)、LIMEX事業本部 グローバル・セールスチームの佐藤さん(写真右)の3名にインタビューを行いました。
海外事業に携わるようになった原体験や、実際に直面した世界の現状を踏まえて、TBMのこれからのビジョンについてお話ししています!
※所属や業務内容は、インタビュー当時のものです。
#1. 自分の時間とエネルギーを費やすなら、世の中に必要とされているものに充てたい
ーTBMへの入社前はどんなことをされていたのでしょうか? あと、子供の頃になりたかったものも教えてもらえますか。
中村:前職は、コンサルティングファームのアクセンチュアで、国内の製造業クライアントを中心に海外進出や営業改革、コスト削減、DX(デジタルトランスフォーメーション)などのコンサルタントをしていました。
子供の頃、特になりたかったものありませんが、強いていうなら学者ですかね。サラリーマンになろうとはこれっぽっちも思っていませんでした。幸運なことに父親の仕事の都合で小学生時代に2年間アメリカに住んだ経験から英語が得意になり、学者としても海外でも活躍したいとの思いはありました。
石井:私は中学生のときに父がアメリカに単身赴任したのをきっかけに、将来は自分も海外で働きたいと考えるようになり、留学や海外勤務をしてきました。前職はリクルートです。人材紹介事業のグローバル部門で、当時20拠点くらいあった海外関連会社の経営支援の仕事をしていました。営業企画や戦略企画、人事制度、経理・財務のオペレーション改革などなど、時には現地まで行って実行するんです。幅広い分野に携わることができて、海外で事業をする面白さと厳しさを学ぶことができました。
佐藤:私は新卒入社なので学生時代の話になりますが、実は中学高校時代から美容師になりたかったんです。親の勧めで大学に進んでもしばらくは美容師の夢を捨てきれずにいたのですが、2年生になって「英語を話せるようになりたい」と思うようになり、留学を考えました。私の大学から留学するには最低でもTOEIC 400点が必要だったのですが、私は当時350点しかなかったので半年間必死で勉強しました。そして大学2年の後期にぎりぎりハードルをクリアし、1年間のカナダ留学の機会をいただきました。留学先でも、授業の後は毎日図書館にこもって勉強した後に筋トレをするというルーティンを1年間続けていました。
大自然に囲まれ多くの生態系に恵まれたカナダの1年は、大阪の大都会で育った私にとって貴重な経験でした。小さい頃から温暖化とか環境汚染という言葉は耳にはしてきましたが、この豊かな自然と動物が脅かされるのかと初めて関心を持ち、環境問題にコミットしていきたいという気持ちが芽生えました。
ー皆さん、これまでの道はバラバラですが、結果的に同じ場所にたどり着いたのがわかって面白いですね。TBMに惹かれた理由やジョインの決め手を教えてください。
中村:コンサルティングファームで働いていて、ここを“終の棲家”と思っている人は9割いないんじゃないでしょうか。2008年の入社から9年が経ち、私もそろそろ転職を考えたときに、エージェントの方からTBMのことを教えてもらいました。
そもそも、自分の時間とエネルギーを費やすなら、世の中に必要とされているものに充てたいという思いは強かった。だから、例えばコンサルタントとして目の前のクライアントの課題に向き合いながらも、アフリカには衣食住もままならない子どもたちがいるのに…と考えてしまう自分がいて、その度に「世の中全体のリソース配分って、これでいいのかな」と悶々としていました。その点TBMの事業は、まさに世の中にとってプライオリティが高いことをやっているというのが第一印象でした。
石井:リクルートの7年間でいろいろな体験ができ、私も転職を考えるようになりました。サステナビリティの領域が社会的にも経済的にもニーズが高まっていることに事業としての興味を持っており、サステナビリティ業界について調べていく中でTBMに出会いました。
ずっと大手企業にいたので、スタートアップに飛び込んでみたいというのと、特定の仕事だけをやるスペシャリストでなく幅広いことに携われそうなところに惹かれましたね。また、TBMは本気で「グローバル規模で革命を起こす!」と言い切っちゃうところにも、ロマンを感じました。
佐藤:よく「5年後、10年後どうなっていたいですか?」って聞かれますけど、私は子どもの頃から「5年後、10年後、またその先を全く想像できないような人生」に憧れていました。TBMは就活中に知りましたが、地球規模で大きな変化を起こせるんじゃないかという予感と、TBMでは個人としての10年後の姿も全く想像できないようなものになると確信しました。さらに言うと、ITよりものづくりに興味があったし、環境問題にコミットしたいという考えもあったし、海外と関わる仕事もしたかった。応募段階で海外事業の部門配属になるチャンスがあったのはTBMくらいで、もうここしかない!って感じでしたね。
ーちなみに現在TOEICは何点ですか?
佐藤:900点ちょっとです。
石井:めちゃめちゃ伸びてる!
中村:人はやっぱり努力すれば伸びるんだね。
#2. 今やっていることが無限大の可能性の中で、どんどん未来につながっていくというワクワク感
ーLIMEX事業本部の海外展開を担うグローバルセールスチームとグローバル・ビジネスディベロップメントチームですが、それぞれどんな役割を持っているのでしょうか?
中村:グローバルセールスはフロントの営業。売り上げの数字責任を持ち、現地パートナーの開拓を含め世界中にLIMEXを販売するチームです。
グローバルビジネスディベロップメントチームは、社内の開発・生産部門と連携して、海外での製造体制や営業活動の基盤と仕組みを組み立てていく役割を担っています。
ー佐藤さんはグローバル・セールスチーム、石井さんはグローバル・ビジネスディベロップメントチームですね。どんなところにやりがいを感じますか?
佐藤:TBMは、サステナビリティ革命を起こすという未来意思を掲げています。サステナブル領域でトッププレイヤーになるためには、海外展開を担っている私たちが今後の核になると自負しています。日本国内でいくらLIMEXのプレゼンスを上げても、それだけでは足りません。残りの国に対しては私たちで開拓していかなければならない。グローバル・セールスチームは、その海外展開の最前線に立ち異なる文化を持つ現地のお客さまやローカルスタッフ、パートナーと直接対話して、本当に「ゼロイチ」でビジネスをつくっていく。それが一番のやりがいですし、逆に私がサボればTBMの海外展開は停滞し、我々のビジョンも遠のいていく。そこに強い責任とチャレンジングな部分を同時に感じています。
石井: LIMEXという名前は、英語のLimestone(石灰石)と「無限の可能性」を意味するXの組み合わせが由来なんですが、海外の市場もいわば無限大なので、LIMEXを海外展開することの可能性は「無限大×無限大」だなと思っています。
リアルな悩みとしては、「市場が大きいから手広くいきたい」と、逆に「取捨選択して狙いを絞っていきたい」という、その両立の難しさはあるんですけど、どちらにしても今やっていることが無限大の可能性の中で、どんどん未来につながっていくというワクワク感があります。
ーコロナ禍で制限はありましたが、実際、海外に行って営業することも増えているとか。
佐藤:2022年は、新卒2年目ながらタイとインドネシアに単独で出張に行かせてもらいました。現地ではローカルメディアのインタビューを受けたり、イベントで登壇したり、多くのチャンスをいただきました。タイ出張では、現地のパートナーが展示会でLIMEXのブースを出してくれていたので、そこに参加させていただいたんですけど、会場では明らかに私たちのブースに一番人が集まっていましたね。
インドネシアでは、Kemasという化粧品容器の最大手メーカーと、2021年の秋からLIMEX製の化粧品容器を開発しています。非常に強力なパートナーですね。すでに一部量産化した製品もありますし、某有名ラグジュアリーブランドに提案している段階のものもあります。
#3. 世界50ヶ国で地産地消の新たなビジネスを生み出すという挑戦
ーTBMのグローバル展開の今後の展望や、挑戦していきたいことを教えてください。
中村:LIMEXはプラスチックの代替として石油由来プラスチックの使用量を減らし、製品のライフサイクル全体でCO2の排出量を減らせます。それと私は、投資家の方とお話しするときには必ず水リスクの問題を説明するんです。水資源が豊かな日本に暮らしているとあまり意識しないでしょうけれど、WWFのレポート*1では2050年には世界人口の51%が水ストレスに直面することになるといわれていますし、IPCCの第6次報告書*2では、気温が2度上がることで、最大で30億人が水ストレスに苦しむと報告されています。
*1 WWF「Water Risk Filter Brief」(https://waterriskfilter.org/)
*2 IPCC第6次評価報告書(https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-ii/)
紙を作るには大量の水が必要なのですが、LIMEXの製造に水をほとんど使用しません。水や木がないアフリカなどの砂漠の真ん中でもLIMEXの工場を建てて、紙の代替品をつくることができる。世界各地に雇用や産業を生み出せます。私はもともと、こうした事業のインパクトの大きさに魅力と可能性を感じてTBMにジョインしたというのがあります。2030年までには、アフリカにLIMEXの工場を建てたいという思いはありますね。
石井:LIMEXは現在、ベトナムと日本の2ヶ国で生産していますが、もっと多くの国でつくれる体制にしたいですね。それによって、海外のお客様に販売するときも、製造から納品までの時間を短縮できますし、輸送時のCO2排出も抑えられます。
ー最後に、新たな仲間としてどんな人と一緒に挑戦していきたいですか?
石井:TBMは、無限大の可能性を追求していくことが求められる会社なので、多角的に物ごとを考えられる方。非常識な挑戦とか、TBMのバリューを体現できるような方と一緒に働きたいです。
佐藤:海外ビジネスと聞くとキラキラしたイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、海外で新しい商材をゼロイチで販売するというのは、本当に難しく、泥臭い仕事です。そういったシチュエーションを耐え忍び、海外展開をもう一段ステップアップさせたいという強いパッションを持っている方は大歓迎ですね。
中村:TBMは、2030年までに100万トンのLIMEXとプラスチックを50ヵ国で循環させるという目標「TBM Pledge 2030」を掲げています。これは言い換えれば、世界50ヶ国で地産地消の新たなビジネスを生み出すということ。それこそが、私たちのチームが目指すべき挑戦です。
TBMは部門ごとにミッション、ビジョンを定めているのですが、私たちの部門ミッションは「ボーダレスな世界を作る翼となる」、ビジョンは「世界で最も尊敬され影響力を与え、関わった人を幸せにし続けるファミリーになる」です。大げさに聞こえるかもしれませんが、TBM Pledgeの実現をはじめ、「この会社ならどんな挑戦でも成し遂げるんだろうな」と誰からも思われる状態を志していきたいですね。
明るくて前向きに挑戦したい方、そんなマインドセットのある方なら大歓迎です。もちろん最低限の語学力は必要ですけど、TOEIC350点からのスタートだった佐藤さんのように、一緒に努力をして挑戦していただける方を求めています!
ーありがとうございました!