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マネーフォワードに入社して、もうすぐ2年半が経とうとしています。
あまりに濃厚な2年半だったため、もう5年は働いている感覚です。この2年半のうち約2年間は、ヒトリで採用に向き合ってきました。200名以上の方に仲間に加わっていただき、会社は自分が入社した時から数倍の規模にまで成長しました。(実はもともとは採用担当として入社したわけではないという話は、ややこしくなるのと、自分では結果的によかったと思っているのでここでは割愛しますw)
誤解のないように補足をしておくと、正確には「1人」ではありましたが、決して「独り」ではありませんでした。むしろ、自分だけでは何もできませんでした。アシスタントをはじめとした人事内メンバーの協力、経営メンバーの協力、社員の協力があってはじめて今の結果に結びついています。
採用グループのメンバーも増え、グループのMVVを定めた今だからこそ、自身の振り返りと共に、少しでも自分と同じようにヒトリで採用と向き合っているスタートアップ、ベンチャーの採用担当の方々の参考になればと思い、このブログを書くことにしました。年代によっては、タイトルがピンとこないかもしれませんが、そこはご容赦を。
採用担当になってまず何をしたか
最近は大変ありがたいことに、平均して月に10名超ずつ新たな素晴らしい仲間がジョインしてくれる状態になっていますが、そこに到るまでの過程についてご紹介します。
最初は無力だった
今考えると最初の数ヶ月は本当に無力で、前任者が創った土台の上で自分ではない誰かがやっても同じような結果になるようなアウトプットしか出せていなかったと思います。
自分に何ができるのかを整理した
採用に対する大き過ぎるニーズ・期待というプレッシャーを感じながら、それでも急がば回れ、まずは自分のスキル・経験の棚卸しから始めました。やったことがないこと・できないことは、経験してできるようになればいいのです。重要なのはその経験の仕方だと思いました。
自分自身のこれまでの経験はと言うと、こんなところ
・人事 (採用、研修、採用ブランディング)
・マス+Webのブランドプロモーション (営業、企画、マーケティング、企業ブランディング)
・人材紹介 (キャリアコンサルティング、人材アプローチ、IT企業に関する高い情報感度)
ということは…圧倒的な採用経験とノウハウがあるわけでもないし、100名に満たないベンチャー企業勤務もはじめてで、結論、お世辞にも採用担当としては強そうには思えないわけです(爆)。
それでも、自分自身がビジョンに共感して入社したマネーフォワードの事業を圧倒的に成長させるため、マネーフォワードが描く世界を実現させるために自分がやらなくてはならない、というこれまでの社会人人生の中でも最も高い当事者意識を持って、「自分だからこそできること」を探しました。
そして、
・自分のように多くの企業をクライアントに持ったことがあり
・多くのヒトと向き合った経験を持っている人材も稀有なのではないか
・その経験を活かした取り組みをしよう (しないと意味がない)
という考えに到りました。
自分の得意なやり方でやればいい
幸い、広告代理店時代にプロモーションの企画をする際に使っていた理論やフレームワークがいくつかあり、そこから考えを整理していきました。(ちなみにフレームワークは今回のようにキッカケや共通言語として使うくらいで、普段はあまり使いません)
3C分析
何のことはない、多くの人が知っているフレームワークです。
Cをどのように捉えるかですが、今回は「自社」「市場・顧客」「他社」を設定しました。ちなみに、「市場・顧客」については、転職潜在層と顕在層でさらに細分化されるのですが、その話はまた今度。
「他社」を「競合」としていないのは、僕達が見ているのが常に顧客だからです。サービスであればそれがユーザーであり、採用の場合は、採用候補者ということになります。競合がやっているから当社もやるではなく、全ての企業の成功体験、失敗体験を基に、当社が仲間になってもらいたい採用候補者にとって何をすべきかを考えるようにしていました。
3つそれぞれの観点で、具体的にどんな取り組みをしたのか、詳細は割愛しますが、「自社」については、代表を含む経営メンバーとのコミュニケーション、募集ごとのキーマンへのヒアリング、面接への同席、全社員への1on1 (僕の後に入社をしてくれた人事の仲間が実施してくれて、非常に助けられた)、後ほど出てくるフレームワークを用いた分析などです。
「市場・顧客」については、直近まで人材紹介ビジネスを行っていたこともあり、既知のことが多く、その確認のためにお会いする候補者や既存社員にヒアリングを実施しました。
「他社」については、最も時間をかけたかもしれません。マーク・グラノヴェッターさんが提唱されている、いわゆる「弱い紐帯」を最大限活用 (良い表現が浮かびませんが、悪気はありません) し、多くの当事者に現状の課題、成功体験、失敗体験をヒアリングしました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
自社の現状把握と課題の整理について
AISAS
一気に広告代理店っぽくなりますが、やはりこのフレームワークが一番慣れているので使いました。プロセスごとに何がタッチポイントになっていて、適切な情報提供やアプローチができているかを整理しました。
さらに、何せ実行するのは自分ヒトリなので、課題が明確になっていても、できることは限られます。「緊急度」と「重要度」のマトリクスで整理すると、やはり「緊急だが重要ではないこと」の多さに気付き、重要だが緊急ではないものが何かを認識し、着手することに繋がりました。
重要だが緊急ではないものの代表的なものに「ブランディング」があると思っています。採用に限った話ではないですが、人事としては既存の社員には「マネーフォワードの一員で良かった」と、これから出会う方には「マネーフォワードの一員になりたい」と思ってもらえることがミッションです。フルタイムRubyコミッターを採用することに到ったのも、この整理があったからだと思っています。
大事なのは、できないことを認めることと、やりきることを決めること
「やらない」という勇気ある選択
言い訳でも他責にするわけでもなく、全てを理想通りのスケジュール・クオリティで遂行できるわけではありません。それがヒトリでやるということだと思っています。リソース不足でできないことは、メンバーを増やすか、「やらない」という選択をする必要があります。
「なんでヒトリで回せているんですか?」と質問をよくいただいて、「いや、回せてないです」と回答していたのですが、これは建前ではありません。おそらく、他社が常識的にやっていることを当社がやっていないということはたくさんあると思います。
当たり前ですが、時間は有限です。どんなに会社の成長にコミットしても、ヒトリでやれることには限界があります。さらに、チャレンジをすることはとても価値のある素晴らしいことですが、失敗することは貴重な時間を費やしてしまうリスクであり、「試しにやってみる」ことのハードルは常に高く持っていました。つまり、意図的に失敗を恐れていました。ベンダーの方々、色んな提案をくれるのに、滅多に採用しない面倒くさい担当者でごめんなさい。
一方、絶対ということはありませんが、高い確度で成果が出る施策にリソースを割く。つまり、「柱」となる施策を各職種で持つようにしていました。それでも、その柱はいつか崩れてしまうか、休みが必要になるものなので、常に「新たな柱」も常に探すようにしていました。感覚的には、9割を既存の柱の運用に、残りの1割を次の柱を探すことに費やしていたかと思います。そうすれば仮に失敗をしたとしても、最小限の痛手で済みます。
自身の都合だけに言及しましたが、それらを遂行するためには、社内のメンバー、メディアベンダー、紹介会社、候補者といった多くのステークホルダーが存在し、全ての方とコミュニケーションを取るわけですが、そこでも緊急度や重要度で優先順位を決めなければならず、コミュニケーション不足で社内メンバーからは「小川さんから返信がこない」、候補者や紹介会社からは「選考のFBが遅い」といったお声をいただくこともしばしばありました。
それでも採用活動に愛想をつかせずに、快く力を貸し続けてくれた社内メンバーには感謝しかありません。一方で、社外の方にとっては私の都合は関係のない話です、言い訳にしかなりません。これについてはお詫びの気持ちしかありません。
私が担当だったことによって、機会損失になってしまったケースもあったことでしょう。それでも、自分なりの意思決定をしながら採用を前に進めてきました。勝手なことを申し上げると、「小川のことは嫌いになっても、マネーフォワードのことは嫌いにならないでほしい」という気持ちでいます。(もちろん、採用担当が会社を代表してステークホルダーと接している自覚がある上での話です)
データ分析について
AISAS理論を使って整理はしましたが、実はファネル分析はあまり力を入れてやっていません。それは、当社の採用は、マスマーケティングではなく、パーソナルマーケティングだと思っており、どのチャネルでも〇名母集団を集めたら△名内定が出るというものではなく、100名応募があっても1人も入社に到らないチャネルもあれば、10名しか応募がなくても3名決まるチャネルもあり、ファネルの分析をするならチャネルを細分化して分析する必要があり、採用担当がヒトリの今のリソースの中では、やるべきではないと判断したからです。
「柱」の見つけ方
「やりきること」=既存の柱の運用、新たな柱を見つけることですが、新たな柱を見つける方法は、やはり答えはありません。取り組んでいることといえば、最新情報と生の情報の収集と、自社でやる場合を想定したほんの少しのアレンジの創造力かと思っています。
もちろん0から企画することもありますが、多くは既に多くの成功・失敗体験をしている他社の事例を参考に、なんで成功したのか、自社でやるなら何をすればそれ以上の成果につながるのか、なんで失敗したのか、自社でやるなら何とか成功できないか、をほんの少しの創造力で思いを巡らすわけです。
また、気になる最新のサービスがあってもInnovatorsではなくEarly Adoptersになることが多いです。先行者利益<失敗のリスクだと考えているからと、どんなサービスでも重要なのは使い方と相性だと思っており、そのサービスの重要性が上がってきた時に利用すればいいと考えているからです。
「生の情報」を収集すると前述しましたが、これは本当に重要だと思っています。アレンジを創造する際にも必要不可欠な情報となります。私がヒアリングをさせていただく企業の人事の方々は、いつも快く教えてくれて本当に感謝しています。
もちろん、私も尋ねられればほとんどのことをお答えしているのですが、その理由を考えてみると、採用の施策は真似されることにリスクは少ない (採用ターゲットも違えば、企業としてのメッセージはまったく異なるものになるはずだから) ということと、OSSのように、それを生み出した方には最大限の敬意を払いながら、自社のアレンジを加えて実施をした結果を公開することを続けることで、業界全体の底上げになると思っているからなのではないかと考えています。
これからどうするか
前回のブログに記載の通り、採用グループにも待望の仲間が増えたことにより、これまでよりもより高い成果を目指せると思っています。
具体的には、
・AISASで整理した情報を、よりペルソナやUXを意識したカスタマージャーニーマップへ昇華させる
・データ分析にリソースを割く
・ロイヤルティ、企業選択の意向を上げる施策を企画する
という取り組みを考えています。
データ分析については、当社の採用がマスマーケティングではなく、パーソナルマーケティングであるという考えに変わりはありませんので、採用ステップのファネル分析をするというよりは、活躍人材を分析し、そういった人材により多くアプローチし応募してもらえる機会を増やすためのデータ分析に取り組みたいと考えています。
既存社員のロイヤルティ、候補者の企業選択の意向を上げる施策については、前述のブランディングのためのアクションになるかと思います。これを、採用グループ主導で企画し、形にしていきたいと考えています。ブランディングについては、とても優秀な広報が採用に関する広報を担ってくれていることで、以前とは比較にならないくらい多くの方に当社に関する情報をリーチできるようになってきています。
やるべきことをやりきる、伝えたい人にしっかりと伝える、これに尽きるかと思います。
そして、会社のフェーズが変わり、規模が大きくなって、アプローチの仕方が変わったとしても、ビジョンの実現を共に目指す仲間を集めることには変わりません。今と変わらず、むしろより誠意を持って取り組んでいきたいと思っています。
最後に
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
採用担当の方に限らず、採用に関わるすべての方の少しでも参考になったのであれば嬉しく思います。より詳細の内容が気になる方は、個別にお問い合わせくださいm(_ _)m
また、一緒にこれからのマネーフォワードの採用を担ってくれる方も、絶賛募集しています。