会社と個人それぞれの事業開発経験を活かし、hokanへ
――毎床さんのこれまでのキャリアを教えてください。
高校卒業後、大学の教務部で複数経験したのち、大手生命保険会社に転職しました。当初は契約サービス部で団体扱いに関する管理や保全を担当していましたが、通常業務以外にもチャレンジしたいと当時の上司に掛け合った結果、社内にある公募型のプロジェクトなどに参画させていただけることになりました。
1つはグループ会社のDX人材育成組織での新規事業開発、もう1つは所属する部内のDXを推進するプロジェクトです。ご契約者様の名義変更やお引越しなどに伴う変更などを担当する「保全」と呼ばれる領域で、お客様とのタッチポイントをどう作っていくかを考えるプロジェクト、もう1つは保険という広い領域で、どんなビジネスが考えられるかをゼロベースから開発するプロジェクトでした。
会社でのプロジェクトとは別に個人でも事業開発に取り組み、「機能不全家族を未然に防ぐためのマッチングアルゴリズム」の定義・開発企画案でTokyoStartupGateway2021のファイナリストに選出されたり、ウーマンズビジネスグランプリ2023で、立正大学経営学部賞の受賞したりと貴重な経験もさせていただきました。
当時勤めていた大手保険会社では、自社のプロジェクトはもちろん、社外での働きも評価され、社長賞をいただいたことが印象に残っています。
ーーすごいです。毎床さんご自身でも新規事業に挑戦されていたのですね!そこからなぜ転職をすることにしたのですか??
大手生命保険会社では、新しい取り組みへの支援はあるものの、プロジェクトの実現までに時間がかかることが多く、スピード感を持って業務を行うことができませんでした。また、個人的に行っていた事業開発により深く関わりたいと思ったため、それを軸に転職先を探し始めました。
ーーその中でもなぜhokanへの入社を決めたのですか?
入社の決め手は大きく分けて2点あります。
まず1点目は、「組織のスピード感・機動力」があることに魅力を感じました。従業員数は少ないが、CRMという大きな基盤を持っており、業界でも信頼を獲得しているという点で、外から見てもスタートアップならではのスピード感を持っているという印象を抱きました。
2点目は、保険会社ではない第三者機関であるため、業界の革新を推し進めやすい立場にあることに魅力を感じました。
大手生命保険会社では仕組みが複雑でブラックスボックス化しており、思うように物事を進めることができませんでしたが、hokanでは自身の意見を反映しながらスピード感を持って実行に移せると感じたため、ジョインを決めました。
次の時代を創るために、私たちが議論する場を創出する
――事業開発室全体として、どのような業務をおこなっていますか??
事業開発室では、主に2つのことを行っています。1つは他社への協業のご提案、もう1つは新しい時代を創るために必要な情報提供をしていく、hokan soken(総合研究所)の運営をしています。
ーーその中でも、毎床さんはどのような取り組みをしていますか?
他社に協業のご提案をするほか、sokenでの調査結果を基にしたセミナーの実施、論文執筆、イベントへの登壇をおこなっています。また、hokanで行っているPodcastのパーソナリティとして、業界についての発信や、保険業界向けの情報提供サイトでの記事執筆なども行っています。
ーー『hokan soken』とはどのような機関なのですか?
hokan sokenは、大手保険会社各社が担っている総合研究所と同様で、独自で保険に関連する動向調査を行う機関として活動しています。
動向調査に関して発表するだけではなく、調査結果についてどう感じたかを業界に携わっている方々へ投げかけることによって会話を生み、保険業界全体で新しいことを考えるきっかけを創っていきたいと考えています。
保険領域ではまだ見えていない動向があると考えているため、次の事業開発に進める材料を集めるためにも、新しい目線・着眼点での調査を心がけています。
ーー新しい取り組みを次々と実施しているのですね!セミナーでは100名近く集客し大好評ですが、どのような内容を取り上げているのですか?
先日は「マッチングアプリ成婚者の保険加入動向調査結果解説セミナー」を行いました。マッチングアプリ成婚者は保険に興味がないのではと思われているなかで、通常成婚者よりもマッチングアプリ成婚者の保険加入率が5ptも高いという結果が出ました。
このセミナーは保険募集人、保険会社・保険関連の会社にお勤めの方、保険ビジネスに携わる方が対象でした。セミナーに参加されるまではマッチングアプリ成婚者についてあまり知らない方が多かったですが、セミナー後には新たな切り口に興味関心をもったという感想が多く見られました。
こうした切り口のご提案もそうですが、事業開発に携わる者として社内外の方へ自分自身の存在を広報していく活動も重視しています。例えば、今回セミナーでは、「マッチングアプリ成婚者」という切り口を作ったことにより、婚活やマッチングアプリに関連する登壇のお声がけも増加しました。事業開発担当のキャラクター広報ができたという点でも、意味のある取り組みだったと感じます。
これまでは個人に焦点を当てて「マッチング」に取り組んできましたが、今後は保険募集人の方とお客様という組み合わせに変えた相性マッチングを試みたいと考えています。マッチングの課題解決策を保険募集人の営業努力だけにせず、過去の相性と結果の相関データを調査し、分析する必要があるため、研究開発で取り組みたいものの1つです。
期間・機会の多さ、重要度の高さが事業開発の可能性を拡張している
――hokanの事業開発として働く魅力はどんなところにありますか?
hokanの事業開発として働く魅力は、大きく分けて2点あると考えています。1点目は、事業としてのビジョンが明確にあり、同じ志を持つメンバーが多い環境の中で挑戦ができることです。既存のCRMプロダクトを大きくしていくだけでなく、そして2点目は、タッチポイントが多い特性を持った保険の領域で価値提供ができる点だと考えています。保険加入者も人口全体の約8割と多く、顧客管理を軸としているためプロダクトの重要度が極めて高いです。
第三者だからこそ、客観的に保険の入口、契約後の保全領域など新たな切り口でのご提案ができたり、フラットな目線で業界に提供できると思っています。事業開発室が中心となり、保険業界にムーブメントを作っていきたいと考えています。
――より良い事業開発をするために意識していることがあれば教えてください。
協業を生み出すためのアプローチを常に続けることを意識しています。hokanと繋がりを持っている企業と、課題やビジネス目標を話し合った上で「hokanとシナジーを生むには?」「こんなことを実施すれば保険業界がより良くなるのでは?」「こんなビジネスが検討できるのではないか」などのご提案やアイデアを生み出す動きを絶やさないことが重要だと思っています。
そうしたアイデアを継続的に生み出すために、メディアやSNSからはもちろん、社内外からの実際の声をインプットすることを心がけています。特にhokanのなかには代表の小坂を始め、保険業界を長く経験してきた方も多く、CRMを持っていることで保険代理店から細かなご意見もいただけるため、事業開発にとっても強みになっていると感じます。
チームとしてのシナジーを、保険業界に波及させたい
――事業開発室でこれから目指している目標があれば教えてください。
今は各自が個別の案件で動いていますが、チームとしてアイデアをアウトプットし合って議論する場を今後は増やしていきたいと考えています。積極的な議論を重ねることで、企業との協業、その他事業のアイデアの幅も広がっていくと考えているからです。
また、新たなメンバーがジョインした暁には、それぞれの得意分野を共有しあってシナジーを生むチームづくりをしていきたいと考えています。
――hokanの事業開発に興味を持ってくださった方に一言お願いします。
世の中の約8割の方が加入している保険を扱う業界であるため、事業開発として関わることができる領域が非常に広いのが魅力です。保険業界に対して課題を感じたことのある方や業界のアップデートに興味を持たれた方はぜひ一緒にチャレンジしましょう!