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未経験からTechリードへ!ガイアックスweb3事業本部 荒巻氏のキャリアを振り返る

本記事は株式会社ガイアックス開発部所属の荒巻陽佑さんへのインタビューをまとめたものです。

荒巻さんプロフィール

2019年3月からブロックチェーン研究開発インターンとしてガイアックスに入社。2020年4月新卒入社。エンジニア未経験ながらもブロックチェーンのOSS開発。2020年2月からはガイアックスの出資先であるADDressのマーケティングツール導入支援を行う。2021年12月よりJPYC社のCTOに就任。現在はイーサリアムのミドルレイヤー開発と東南アジアで教育と寄付を絡めた新プロジェクトにも携わっている。

インタビュー、ライティング:荻野祐里香


荒巻さんが現在携わっている業務を教えてください。

ガイアックスでは、美しい村DAOのプロジェクトに携わっています。あとはインターン生のメンタリングと、ガイアックスが運営しているブロックチェーンコミュニティ「Blockchain Biz」の運営ですね。ここで運営しているWebメディアの記事選定も行っています。そのほかでは、社内でブロックチェーン関連の開発業務が発生すればスポットで対応しています。

荒巻さんはガイアックスに入社する時点ではブロックチェーンは未経験だったと伺いました。入社前からプログラミングの勉強はどの程度されていたのでしょうか?

ガイアックスに入社する前は自分でプログラミングの勉強をしていた程度でした。いわゆるWebエンジニアとしてRailsを触っていました。

そこからどんなきっかけでガイアックスに入社することになったのですか?

当時は実務経験を積むためにインターン先を探していたのですが、開発経験のない僕は選考に落ちまくっていたんです。その中の1社としてガイアックスを受けたら運よく受かりまして…。そのままインターンとして入社しました。

ただ当時は、ブロックチェーンエンジニアを志望していたわけではなかったんです。どちらかというと、エンジニアだったらなんでもいいやと思っていました(笑)そんな状況で、たまたまガイアックスがこれからブロックチェーンに力を入れてやっていこうというフェーズだったんですよね。そこでガイアックスのカルチャーにフィットするだろうと採用いただいて、ブロックチェーンの道に進むことが決まりました。

入社後はガイアックスではどのようにブロックチェーンの勉強を進めていったのでしょうか?

主なステップは2つでした。

まずは書籍での勉強です。とある書籍※を渡されまして、それを読めばブロックチェーンの開発ができるような書籍でした。初めは知識がないところからのスタートでしたので、その書籍を読んでブロックチェーンアプリケーションの開発方法をざっくり学びました。

それが終わったら2ステップ目として実際の開発に移りました。当時のブロックチェーンは、ガイアックスが求めているアプリケーションが出ていなかったので「ブロックチェーンはこういう使い方ができるんじゃないか」と思うものをどんどん作っていきました。

勉強時間としては、インターン時はガイアックス業務としての勉強以外に月100時間程度はブロックチェーンの勉強をしていたと思います。ライブコーディングをするYouTubeで自主学習していました。

※参考書籍:加嵜 長門 ・篠原 航 ・ 金 志京 ・河西 紀明 ・田中 克典 ・佐々木 亮彰 ・ 平野 浩司 (2019)『試して学ぶ スマートコントラクト開発』マイナビ出版

その後はどんなプロジェクトにアサインされて今に至るのでしょうか?

まず僕の経歴はインターンから始まります。最初の1年間はインターン生だったのですが、まずは書籍を読みながらアプリを作り、それと並行してBlockchain Biz Communityで出版する本の編集作業を行っていました。その後はある程度ブロックチェーンの知識がついたところでアプリケーション開発にステップアップしました。

このくらいのタイミングでガイアックスに新卒入社します。正式入社後もアプリ開発を進めて全部で4つ作りました。

1つは大学の授業の評価アプリです。僕は留学経験があるのですが、海外大学だとRate my Proffessorといって学生が教授を評価するサイトがあるんですよね。これがとても便利だったので、日本でもこのサービスを使えたらと思い自分で作りました。

2つめはタスク管理アプリです。Trelloを参考にし、Torelloに時間を付与できる機能を追加したアプリを開発しました。これまでのタスク管理アプリだとタスクごとにどのくらいの時間をかけたかの入力ができなかったんですよね。僕的には所要時間をきちんと把握したいと思っていたので欲しいものを自分で開発したという感じですね。

最後3つ目と4つ目は同じ機能でWebアプリとスマホアプリを開発しました。具体的にはGoogle Chromeのエクステンションを使って開いているURLのリンクを保存できるサービスです。

このアプリはどうして開発しようと思ったのでしょうか?

ブロックチェーン関連の調べ物をしていると、どうしてもタブが溜まりがちなんですよね。後で調べようと思って、タブをずっと開いたままにしておくと膨大な量になってしまって。あとで確認したいページのURLをボタンひとつで保存して、あとで確認ができるようにしてみました。

そのあとは、ガイアックス内のaini事業部のスマホアプリ開発に2ヶ月ほどジョインしました。そこでチーム開発やスマホアプリ開発を学んだのですが…

なにかあったんですか…?

いや、スマホアプリ開発に携わったことで、ブロックチェーンをもっとやりたいと思うようになったんです。

そこで上司に「Webアプリ開発を辞めて、ブロックチェーン開発にリソースを全振りしたい」と伝えました。そしたらその提案を受け入れてもらえたのでaini事業部での開発は2ヶ月ほどで終えました。それ以降はブロックチェーンにほぼ全部の時間を使っています。

ブロックチェーン開発に振り切ってから具体的にどんな業務を経験してきましたか?

そうですね。Blockchain Bizでブロックチェーン記事の執筆やディレクションを行いました。そのほかには、JBAというブロックチェーン協会と一緒にビジコンを開催したり、自分でプロダクトを開発したりですね。社内でブロックチェーンに関連することはほぼすべてやりました。

そこからCTOを務めていたJPYC社にジョインするのはどんな流れだったんですか?

僕がガイアックスに入社したのはちょうどコロナが流行したときで、その当時から実はJPYCと関わりがありまして…。当時はロックダウンで外出ができず、時間が空いていたので同社の開発を手伝っていました。1日1時間とかその程度だったのですが。

その後JPYC社側で、きちんとC職を立て社内体制を整えようという話が出たタイミングで、CTO職のご提案をいただきました。CTOなんて簡単になれるものではないですし、自分の挑戦もかねて受けることに決めました。




ブロックチェーンについて

荒巻さん目線で感じるブロックチェーンのとっつきやすさや難しさはありますか?

ブロックチェーンのやりやすさは、インフラ側のメンテナンスが楽な点でしょうか。通常Webアプリケーションはフロントエンドとバックエンドが存在していて、これを繋ぎ合わせてアプリケーションが成り立っています。ブロックチェーンアプリケーションの場合、バックエンド部分、特にデータベースとAPIの部分がブロックチェーンに置き換わります。

通常のWebアプリケーションの場合、アプリが完成してもデータベースをメンテナンスする必要があります。ですが、ブロックチェーンの場合だと、これらの部分をブロックチェーンに任せることができるので、バックエンドのメンテナンスコストが浮くことが、今までのweb開発と比較した際のメリットだと感じています。

デメリットをお伝えすると、ブロックチェーン自体がまだ発展途上であるゆえに未知な部分があることです。うまくエラー文を拾ってくれなかったり、動作しなかったり、そもそもまだ動かなかったりといったこともあります。

ブロックチェーンが発展途上であるからこそ、自分自身で思考錯誤しなくてはいけないんですね。

そうですね。そもそも情報がない場合が一番大変ですね。HTMLやCSSのように歴史が長い言語であれば、インターネット上に「こうやればいいですよ」って情報もたくさんあるんです。

しかしブロックチェーンの歴史はまだ浅いので、そういった情報が都合よく転がっている訳ではないんですよね。何かしらつまづいたり、具合的に何かを実装したいときでも、そもそも情報がない場合が一番難しいです。

情報がない中で荒巻さんはどのように不明点を解消しながら開発を進めてきたのでしょうか?

開発元に直接コンタクトをとって確認していました。具体的には、ブロックチェーンには言語があるのでその言語を開発した人や、ライブラリの開発者に直接聞いていました。分からないなりに、どこまで理解していて、何を試して、どこでつまづいているのかを明確にして質問をすると、ちゃんと答えてくれるんです。このように社外の人と繋がって解決することを心がけていました。

ちなみに以前と比べると現在のブロックチェーン関連の情報量はやはり増えているのでしょうか?

そうですね。情報量でいえば、僕がブロックチェーンに携わりはじめた2019年時点と比べると多くなっていて、情報自体は揃い始めている印象です。

ただブロックチェーン業界自体が次々に新しいサービスを生み出して進化しているので、その情報がすぐに古くなってしまいます。発展途上であるがゆえに、情報の更新速度が早く、自分から情報を取りに行かないと追いつけませんね。

ブロックチェーンの開発に携わるエンジニアの皆さんは最新の情報をどこで得て、どうやって自分のものにしているんですか?

最新情報はTwitterやメルマガなど受動的に取れる情報からとることが多く、その情報の詳細を知るために開発元が公式に出している一次情報を取りにいくことが多いですね。

これはガイアックスメンバーにもよく言うのですが、一次情報と二次情報の使い分けをするように伝えています。SNSやメルマガなどで流れてくる二次情報は誰かが加工してわかりやすく発信してくれているので受け身でも情報が入ってきやすいです。ただ、その2次情報だけだと本質的な理解を得られない場合があるので、その中で特に興味がある情報は、サービスのソースコードやホワイトペーパーなどの一次情報を確認してさらに深く理解しようとしています。

荒巻さんが思うブロックチェーンの面白さを教えてください。

僕がブロックチェーンを面白いと思う点は2つあります。1つは純粋に技術として面白いこと、2つ目はブロックチェーンに関わっている人が面白いことです。

1つ目の技術の面白さですが、ブロックチェーンが分散性を志向した技術であることはもちろん、ブロックチェーン自体をよくするためのプロダクトも出てきていたり、技術的に進化し続けている分野であることが魅力です。

2つ目のブロックチェーンに関わる人が面白い点については、言葉を選ばずにいうと、ねじが外れた天才みたいな人たちがめっちゃいっぱいるんです!そういう人たちが本気で考えたプロダクトがあり、狭い業界であるがゆえに、そういった優秀な人たちと繋がろうと思えば繋がれるんです。繋がることで、天才たちの日々の行動が見えるのが勉強になってとても面白いです。

どんな面白い人たちがいるんですか?気になるので教えて欲しいです。

言葉で表しづらいのですが…たとえば僕がプロダクトを作ったとして、そのプロダクトをマーケティングして欲しいって頼んだとするじゃないですか。そしたら天才たちはソースコード見せてと言ってくるんです。そしてプログラムのコードを見せると中身を一瞬で読んで「ここが問題だよね」とか「ここハッキングされちゃうかもよ」などプロダクトを見て一瞬で課題を突っ込んでくる人とかですかね。

他にはブロックチェーンを用いて色んなアプリケーションと組み合わせて変なプロダクトを作る人がいたり、ブロックチェーンが好きでいろんな人にアドバイスしている人がいたり。キャリアアップにおいて、こういうことって大切だと思うんですよね。

お話し伺っていると、皆さん少年みたいですね!好きだから色々やっちゃうみたいな。

そうですね。本当にみんな知的好奇心のおもくままに活動していて面白いなと思います。

これからブロックチェーン領域にキャリアチェンジするエンジニアに向けて、荒巻さんが感じるブロックチェーンキャリアのメリット、デメリットを教えてください。

はい。僕自身はブロックチェーンのキャリア形成という点においては、マイナスな面は一つもないと感じています。

ブロックチェーンは業界自体が伸びていて、新しい概念や技術が現在進行形で発展しています。これから伸びていくことは確実ですが、ブロックチェーン自体がまだ何に使えるのかがはっきりしていない状況です。そのようなフェーズに立ち合うことができ、これから新しいものを先人を切って開発できることは非常に面白いのではないかと考えています。

あとブロックチェーンって、単純に一側面から切り取れるものじゃないんですよね。暗号学などの様々な知識が必要で、エンジニアリングとかプログラミング以外の分野も必要です。そういう意味で、幅広い側面で物事を捉えられるようになります。エンジニア以外の面でも生きる知識は身につくんじゃないかと思います。

ガイアックスでブロックチェーン技術を磨きたい人のために、フォロー体制についても教えてもらえますか?

ガイアックスのフォロー体制としては、インターン生でも中途入社者でも1名メンターがつきます。そのメンターとは、中長期的にガイアックスで何をしたいか、業務で困っていることはないかを話したり、成長していくためにいつまでに何をやるかを決めたりします。「できている状態とはどんな状態か」の認識をすり合わせながら進めていて、フォロー体制はしっかりしていると思います。

その後はプロジェクトがあれば、随時アサインされ開発に携わってもらいます。今動いている美しい村DAOのプロジェクトは5人程度のチームを組んでいます。

そこでは得意分野の異なるメンバーがアサインされていて、お互いの技術を補完し合いながら開発しています。ブロックチェーン領域が強いメンバーとaini事業でWeb開発経験が豊富なメンバーを組ませてお互いに教え合うみたいな感じです。

これからガイアックスに入社してブロックチェーンを学ぶ人に向けて何かメッセージはありますか?

まずガイアックスのカルチャーにフィットする人に入社してほしいと思っています。具体的には「主体的に自責の念で動ける人」ですね。

そこさえマッチしていればブロックチェーン未経験で入社し活躍しているメンバーが複数いるので、安心して飛び込んできてください。ガイアックスにはプロフェッショナルと学ぶ環境が整っています。あとはこの環境をあなたがどう生かすか、です。一緒に頑張りましょう!

ガイアックスではブロックチェーンエンジニアの採用を強化中。ブロックチェーン未経験からキャリアチェンジを検討している方も歓迎しています。少しでも興味のある方は下記の求人の「話を聞きに行きたい」ボタンからのエントリーをお待ちしています!

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