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「異動」というキーワードが意味するところは大きく、社員にとっては新しい挑戦の始まりであり、様々な見えない壁が立ちはだかることも少なくありません。今回は、そんな壁を乗り越え事業企画課で活躍する、佐々木愛衣(ササキ メイ)さんにお話を伺いました。異動に至った背景や現在の業務内容について話してくださった彼女の言葉から、キャリアチェンジの秘訣に迫ります。
「やりたいこと」と「なりたい自分」を追求した就職活動
小栗:本日はよろしくお願いいたします。早速ですが自己紹介をお願いいたします。
佐々木:エージェント事業本部 事業推進統括部 事業推進部 事業企画課の佐々木愛衣と申します。2年間HR事業部で営業を経験したのち、社内で異動希望を出して昨年の4月から事業企画に異動させていただきました。異動後1年目はバイトルPRO事業部を、2年目になる現在はエージェント事業本部を担当しています。
小栗:ありがとうございます。まず、ディップ入社までの経緯について伺いたいのですが、そもそも就職活動はどのように進めていましたか?
佐々木:就職活動では、「やりたいこと」と「なりたい自分」を実現できるかどうかを軸に進めていました。1週間のうち5日間という長い時間を使うからには、その時間をなりたい自分に近づくために使わなければもったいないと思ったからです。
小栗:「やりたいこと」についてまず聞かせてください。社会人としてどのような仕事をしたいと考えていましたか?
佐々木:関わる人のことを徹底的に考え抜く仕事がしたいと思っていました。学生の時に学園祭の実行委員で子ども向けの企画を担当していたのですが、その時に子ども達のリアルな反応を見るのが楽しくて。これは楽しい、これはつまらない、という感情がそのまま表情に出るんですよ。彼らの反応を見て、本当に求められていることを探りながら企画を作っていくのがとても楽しかったんです。それをきっかけに、社会人になっても、誰かについて考え抜いて、その人が本当に必要としているものを提供する仕事がしたいと思うようになりました。
小栗:「なりたい自分」についてはどんな社会人像をイメージされていたのでしょうか?
佐々木:「商品の良さを自分自身の言葉や人柄で誠実に伝えられる人」になりたいと考えていました。そのため、商品の特徴を誠実に伝えることでお客様の課題を解決することができる営業職、中でも無形商材を扱う営業職に興味を持っていました。有形商材ではなく無形商材に惹かれていたのは、物理的な形がなく価値や利便性を自分の言葉で伝える力が試される商材だと考えていたからです。
「新たな環境で新しい視点を身につけたくて」事業企画へのキャリアチェンジ
小栗:ここからは、入社後から現在にいたるまでのお仕事についてお聞きしたいと思います。現在は事業企画のお仕事をされているんですよね。
佐々木:はい、2年間HR事業部で営業を経験し、昨年の4月から事業企画に異動してきました。異動後1年目はバイトルPRO事業部を、2年目になる現在はエージェント事業本部を担当しています。
小栗:HR事業部とはどのような部署で、そこではどのようなお客さんに何を提案していたのでしょうか?
佐々木:HR事業部は、主に人材派遣会社を担当し、派遣スタッフの採用支援をする部署です。私は神奈川課の配属だったので、主に横浜〜川崎エリアの派遣会社やビルメンテナンスの会社、警備会社などを担当していました。メディアは種類問わず、DX商材も含めてニーズに合わせて提案していましたね。
小栗:一方、現在の事業企画では、どのような業務をされているのですか?
佐々木:売上拡大や掲載顧客増加推進に取り組みながら、事業部の戦略作りから業務フローやスケジュールの作成、データ集計・分析、他部署との連携など、縦にも横にも幅広く業務を行っています。中でも、先期担当させていただいていたバイトルPRO事業部は、バイトルPROサイト自体が立ち上がって間もないこともあり、特に変化が激しい領域で、その変化の早さに追いつくので精一杯という場面も多々ありました。ですが、その分とてもやりがいがあり、貴重な経験を積ませていただいているという充実感は大きかったですね。事業企画という仕事は、クリエイティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には、柔軟なアイデア力に加えてデータに基づいた論理的な思考力や地道な作業が必要な仕事だと感じます。
小栗:どのようなきっかけで、HR事業部から事業企画に異動したのでしょうか?
佐々木:2つ理由があります。1つ目は、自分自身で何かを作り上げることが好きで、「作る側」の仕事に興味があったことです。2つ目は、物事を俯瞰的に見て、様々な角度から考えられる人に憧れていたことです。仕事でもプライベートでも、話の引き出しが多かったり、普通思いつかないような視点から意見を言えたりする人はすごく素敵だなと思っていて。そんな頭の使い方ができるような仕事に挑戦してみたくなりました。
そこで当時の上司に相談したところ、「事業企画どう?」と勧めてくださったんです。それから事業企画主催のミーティングに参加したり、先輩に話を聞いたりしているうちに、自分が憧れる姿を体現している人がたくさんいることに気づきました。「この人たちと働きたい」という思いが強くなり、異動届を出すことに決めました。
小栗:事業企画の仕事のどのような部分に、自分の憧れる姿を実現できそうだと思えましたか?
佐々木:事業企画の仕事には、担当している事業部のプロジェクトがうまくいっているかをデータをもとに分析し、改善策を考えるという重要な役割があります。たとえば、KPIのデータを出す場合には、どのような視点でデータを見たいのか、何を可視化したいのかを考えなければなりません。その上で、データの粒度や比較対象などの選択肢を慎重に検討する必要があるんです。この過程で常に新しい発見があるため、自分にない視点を学び、自分の引き出しを増やせるのではないかと思いました。
小栗:実際に働いてみて、イメージ通りの働き方はできていますか?
佐々木:そうですね。異動前に部署の雰囲気や業務内容を知っていたおかげで、大きなギャップは感じませんでした。ただ、思っていた以上に自分が担当する作業やプロジェクトの影響範囲や責任が大きいですね。関わる人も多いので、ひとつひとつの作業を本当に大切に取り組まないといけないな、と身が引き締まる思いです。最初はサポート業務が中心だと思っていましたが、自分が主導でやらせていただける仕事も多くて、とてもやりがいを感じています。
チャレンジは自分の伸びしろを生み出してくれる
小栗:今回、事業企画課でFAX DMを改善した取り組みが評価され、敢闘賞を受賞されたとお聞きしたのですが、その企画について詳しくお話しいただけますか?
佐々木:PRO事業部として、FAXを使って営業DMを送るFAXDMの改善プロジェクトを実施しました。それ以前もFAXDMの配信は行っていたものの、不定期で数カ月に一度サイト紹介の文面やウェビナーのご案内を配信する程度にとどまっていました。人員リソースも限られていたため、FAXDMを活用してインバウンド型の集客ができれば、効率的にバイトルPRO顧客が増やせるのではないかと考え、プロジェクトがスタートしました。具体的には、週に2〜3回、1回あたり約20万通のFAXDMを配信してバイトルPROの契約に繋げるために、業務フローの整備と体制作りを行いました。
小栗:プロジェクトにおいて、佐々木さんはどのような役割を担っていましたか?
佐々木:戦略作りから実際に配信するFAXDMの資料作成、配信設定まで幅広く行っていました。私と営業課の課長の2人で仮説をもとに戦略を立てて、DMを配信して、効果を検証をして、というサイクルをひたすら繰り返しましたね。
小栗:仮説を検証し、成果につながったものや印象に残るものはありましたか?
佐々木:直接料金表を載せて、やり取りの工数を減らす施策は効果がありました。以前は、採用が決まるまで料金が発生しないことをアピールすることに紙面を割いていたために採用後の料金が分かりにくく、結果やり取りが増えて途中で離脱するお客様が多かったんです。そこで、料金表も掲載することで、お客様に採用後の料金が明確に伝わるようにしました。この施策が上手くいきましたね。やり取りの手間が減り、お客様からの連絡数が増え、契約率も2.5倍にまで上がりました。(以下参照)
小栗:載せる情報一つでそんなに変わるんですね!
佐々木:そうなんですよ。他にも、今までは案内をFAXで送って、それを見たお客さんに電話やFAXで返信してもらっていたのですが、実際に契約を取る時はそれを見て再度こちらから連絡をしていたんですね。でも、記入していただいた電話番号が会社の番号だと、その人がいる時に電話をかけられないことも多くて。メールアドレスを再度聞くなどの時間がかかり、その間にお客さんが離脱してしまう、ということが多々あったんです。なので、途中からは携帯番号を書いてもらう、携帯かPCのどちらかのアドレスを書いてもらうなど、こぼれ落ちる契約を減らすために努力しました。
小栗:仮説検証の繰り返しは、かなりの根気強さが必要とされると思いますが、その中でモチベーションを維持するために何か工夫されていましたか?
佐々木:そうですね、すごく地道な作業なんですよね。でも、今話したような課題は全部つながっていると思っています。たとえば、掲載社数や案件数を増やせばバイトルPROのサイトとしての魅力になるし、営業課の実績にもなります。また、多くの案件があると、応募者が増えて採用率が上がり、カスタマーサクセス課の業績が向上、専門職の採用も増えます。その結果、サイトの評判も上がり、より多くの応募者が集まる好循環が生まれるんです。目の前の小さな作業にこだわってしまうとどうしてもやる気が上がらないけれど、全体を見ると、「この作業が上手くいったらポジティブな変化がたくさんある」と思えて頑張れます。
小栗:今回の企画をやってみて、 自分の中でどのような変化や成長がありましたか?
佐々木:実は、自分が主導でプロジェクトを回すという経験はこのFAXDMが初めてでした。最初は、PDCAという言葉は知っていても、実際にどうやるのかが全く分からないという状態でしたね。でも、実践する中で、様々な角度からデータを見て、何種類もの引き出しを持って仮説を立てる必要があることを知り、そのような引き出しの作り方や、発想の仕方を学んでいきました。また、業務を繰り返すことが必要なので、ただ単に目の前の作業に没頭するだけではなく、各業務の中で効率化できる箇所を探したり、先のプロセスにどう繋がるかを意識しながら取り組むようになりましたね。
小栗:これからの目標はありますか?
佐々木:4月から旧バイトルPRO組織はエージェント事業本部付になり、PRO事業部とエージェントが協力して活動していく予定です。これまでの採用課金モデルに加えて人材紹介モデルにも関わることになるので、未知の領域が増える難しさがあると思います。でも、振り返ってみると、HR事業部から企画事業に異動してきた時も、思考法やデータの扱い方など一から学ぶことが大変だった半面、理解が進むにつれて自分の変化を感じられるのがすごく楽しかったんです。異動の経験が、以前よりもチャレンジを楽しめる自分にしてくれたんだと思います。今回も、様々な苦労はあるかもしれませんが、自分自身の成長を感じながら楽しく取り組みたいと考えています。自分の伸びしろには自信があるので、自分を信じて自分の価値を高めながら、事業企画として会社に貢献していけたらいいですよね。
やりたいことはどんどん声に出して
小栗:最後に学生の皆さんにメッセージをお願いいたします。
佐々木:私自身異動を経験したことで、働く中で見つけた、自分が本当にやりたいことに挑戦することができました。同じ会社内で新しいことに挑戦できる環境は、とてもありがたいことだと感じています。就活生の皆さんも、「自分がやりたいことは自分で決めることができる」ということを覚えておいて欲しいです。本当にやりたいと思ったことは、どんどん声に出して周りに伝えていくことが大切だと思います。ディップは社員に多くの選択肢を提供し、社員それぞれの夢を実現する環境を作ってくれる会社だと実感しています。皆さんのチャレンジを応援しています。