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ディップの商品開発本部は分析や検証を繰り返しながら「バイトル」「はたらこねっと」「バイトルPRO」などの求人サービスの成長を担っています。 今回はクリエイティブ統括部 統括部長であり、広告制作職の最終面接官も務める森田 亮(モリタ リョウ)さんに部署の風土や魅力、求める人物像についてお話を伺いました。
- 制限があるからこそ、生まれるアイデアがある|求人広告制作の醍醐味
- クリエイティブの枠を超えた人材育成を|組織の風土と魅力
- 大切なのは「どんな会社か」ではなく「その会社で活躍できるか」|求める人材と選考のポイント
- 人と機械、お互いが成長のエンジンとなる未来に向けて|今後のミッションと展望
制限があるからこそ、生まれるアイデアがある|求人広告制作の醍醐味
清水: 本日はよろしくお願いします!早速ですが、簡単に自己紹介をお願いいたします。
森田:森田亮です。ディップには2004年に入社し、もうすぐ20年経ちます。入社した当初は大阪の制作部で商品の改善提案など幅広い業務に携わっていました。2010年頃にメディアプロデュース部に異動して上京。バイトルの商品企画・開発に携わることになり、新機能の実装や機能改善の提案を同時に行っていました。バイトル編集長職を経て、2017年に当時の広告制作部上長の退職に伴いポジションを引き継ぐ形で制作側に戻りました。その時に「クリエイティブ統括部」という部署を改めて立ち上げ、現在まで統括部長をしています。
清水:森田さんがディップに入ろうと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
森田:新卒の時は東京の会社に就職しましたが、結婚して大阪に戻ることになったんです。ディップに出会ったのはそんなタイミングでした。当時はネットベンチャー企業が勢力を増していた時代で、ネットで面白いことを仕掛けていこうとしている会社が沢山あって。その中でも、今まで紙媒体が主流だった求人広告のサービスをネット上で実現するディップの取り組みは、当時はまだ他社がどこもやっていなかったんですよね。そういった、業界の常識をくつがえすようなビジネスモデルが面白そうだなと思い入社を決めました。
清水:入社後、印象に残っているお仕事はありますか?
森田:たくさんありますが、バイトルの動画サービスの開始に携わったことは特に印象に残っていますね。当時は動画撮影や編集のやり方を整えている段階で、撮影から公開までの一連の流れのノウハウが確立されていない中、広告制作部として色々なアイデアを出し合っていました。この時私がメインで携わっていたのは、動画をアップロードして公開する過程を効率化する仕組みづくりの部分でした。
清水:今のバイトルでは当たり前になっている動画サービスの基盤作りをされたということですね。
森田:はい。すでに何万件もある求人広告に全部動画をつけるなんて、初めは想像もつかなくて。当初は特別コンテンツのような感じで、10〜20個くらいの求人に動画をつける形にしようかなと思っていましたが、冨田社長は全件つける意向でした。ディップのフィロソフィーにある「ピンチはチャンス」じゃないですけど、0から何万件もの求人に動画をつけるという想定外の状況を乗り越えるにはどんなアプローチができるかと日々試行錯誤して、今のバイトルを支える仕組みができ上がっていった感じですね。
清水:何万件もの求人全てに動画をつけるというのも、思い切った発想ですよね。
森田:そうですね。でも、社長の言うことはもっともで。バイトルなら動画を見ながら求人を探せると思って使ってみたら、限られた求人にしか動画がついていなかったのではがっかりするじゃないですか。社長は「ユーザーはこんなものを求めているんじゃないか」というアイデアをたくさん出して、その実現のために新しいことにどんどん取り組んでいきます。こうして、世の中に新しい変化を加えるようなサービスを創っていく。こんな、ユーザーにかける情熱とスピード感がディップの魅力だと思っています。
清水:これまで沢山の経験を積まれてきた森田さんですが、ディップの広告制作という仕事に対して感じるやりがいや面白さはどのようなものでしょうか?
森田:一般的にクリエイティブって華やかというか、クリエイティブディレクターも結構人気の職種じゃないですか。ただ、僕らの作っている求人広告は、「仕事」そのものを表現するという点で、一般的な広告代理店とは異なるクリエイティビティを求められます。一般的な広告は、ターゲットを惹きつけるようなデザイン性やインパクト性を追い求めることが多く、表現の幅も広いです。その一方で、求人広告は「ユーザーがより良い仕事に出会うこと」を目的としているので、一つひとつの職場や仕事の魅力をいかにわかりやすく伝えるかという制限の中で表現を考えることが必要とされます。また、仕事という重要な事柄を扱う為に様々な法的規制もあります。ただ、そういった制約条件がある中でのクリエイティブでもユーザーへの影響力は着実にあります。具体的には、ユーザーの多くが求人広告から感じるイメージに心を動かされたことが起点となり、仕事に応募します。そうした、入口をつくる役目を求人広告のクリエイティブは担わなきゃいけない。ある決まった商品ではなくて、「仕事」そのものをクリエイティブで表現するのは難しいことですが、その分やりがいも大きいと感じますね。
清水:求職者と仕事のマッチングを生み出すために、クリエイティブという手段をどのように使うかを試行錯誤する面白さということですね。
森田:そう。世の中の物事には制約が絶対あります。でも、あるからこそアイデアが生まれるんですよね。こんな条件があるけど、それを乗り越えるためにどうするかって。逆になんでもありにしちゃうと、それ以上のものは生まれないので。制限された中で、課題を一つひとつクリアしていくために考え続ける、そこに面白さがあると思います。
クリエイティブの枠を超えた人材育成を|組織の風土と魅力
清水:続いて、クリエイティブ統括部についてお伺いしたいのですが、クリエイティブ統括部はどのような組織になっているのでしょうか?
森田:広告制作部・広告コンサルティング部・制作戦略推進部・広告審査室の4つの部で構成されています。広告制作部は求人広告の原稿作成やデザインを主に担当しているチームです。制作戦略推進部は、広告制作の仕組みづくりやシステム開発を担う制作企画課と、データを用いて広告を売っていくための施策をプランニングするデータプランニング課の2つ。最後の広告審査室は、品質の審査を行っている部署です。求人広告には誤字がないかなど、広告として最低限クリアしておかなければならない一次品質という段階と、より仕事を面白いと思ってもらえるかといったクリエイティブ性の高さである二次品質という段階があります。広告審査室では前者のチェックを行っていて、後者は制作部の方で担っています。異なる分野に特化した部隊があり、それぞれのチームの力を合わせて最終的に求人広告という1つのクリエイティブを完成させていくイメージです。
清水:以前のインタビューの際に、「”クリエイティブ一神教”ではなく“八百万(やおよろず)の神”な組織にしたい」というお話をされていましたが、ここ数年組織の変化はありましたか?
森田:そうですね。この考え方は当時から変わっていなくて、チームのメンバーにはクリエイティブの分野に限らず、ビジネスパーソンとしての可能性を広げてあげたいと思っています。そのために、基本的なビジネススキルからデータの分析力、プレゼン力や商品企画力など、クリエイティブに関わる様々なスキルを身につけて市場価値を上げてほしいと思っています。こうした想いで、この2年の間にも色々と組織の中で新しい取り組みを行ってきました。最近では「チームセリング」といって、広告制作、営業、データアナリスト、原稿運用担当らでチームを組み、それぞれの強みを生かしながらクライアントの課題解決に取り組む体制を構築しました。このようにチーム一体となってミッションに向き合うことで、広告制作にとどまらずデータ活用や企画など多方面からクリエイティブをビジネスに活かせる能力を身につけられるんじゃないかと思います。
清水:一人ひとりの育成を熱心にされているんですね!
森田:教育熱心なところはクリエイティブ統括部の大きな特徴だと思います。その点でもう一つ特徴的なのが、クリエイティブ統括部の社員の評価項目を細かく段階分けしていることです。例えば、デザインやプランニングなどそれぞれに求められるスキルを10段階で定義しています。また、一概にデザインといっても求められる能力は様々なので、そこを細分化したスキルを一覧にしています。半年ごとに課長陣が集まって一人ひとりを丁寧に評価し、フィードバックをします。ここまで細かく行っている部署は社内でもあまり見たことがないですが、それくらいメンバーに一人前に成長してほしいという想いが強いんだと思います。営業のように売上高など評価される数値がある職種に比べて自分の市場価値が見えづらい部門なので、細かく定義することによって業界のクリエイティブ職の中でどのくらいのポジションにいるのかを明確にしてあげたいですね。
清水:他にもチームの雰囲気や風土の特徴がありましたら、教えていただきたいです!
森田:先ほどお話したように育成に軸足をおいている組織なので、メンバーがアウトプットしたものに対して「ここが良かったね」「このポイントを改善しよう」などと手厚くフィードバックする風土がありますね。あとはやっぱり、みんな優しいですね。
清水:森田さんから見て、クリエイティブ統括部ではどのような人が活躍されていると思いますか?
森田:難しいですね…いろいろな人がいるので。というのも、クリエイティブ統括部って多様性を重視する部署なんですよ。総合力がある人も尖っている人も、様々なタイプの人が活躍できるフィールドでありたいと思っているので、画一的に「こういう人が」っていうのはないかもしれません。その中で強いて挙げるのであれば、「仕事に対する誠実さ」は共通項として持っていると思います。ありきたりではありますが、仕事一つひとつに対して嘘偽りなく、真正面からぶつかる姿勢は高いパフォーマンスにつながると思いますし、そういった人が集まっているなという印象がありますね。仕事に向き合うペースは多様であっても、誠実さや情熱は大切にしてほしいです。
大切なのは「どんな会社か」ではなく「その会社で活躍できるか」|求める人材と選考のポイント
清水:クリエイティブ統括部は新卒で広告制作職を採用していますよね。これって就活生からしてみれば珍しいことだと思うのですが、新卒で専門職採用を行う理由はどのようなものなのでしょうか?
森田:求人広告ってディップのサービスの中でも、最終的なアウトプットの部分ですよね。ユーザーが実際に触れるものであり、仕事選びの入り口になります。だからそれを作る広告制作職の役割はディップの中でとても重要になると考えていて。なので、1年目からそれをやりたい人たちを育てて、ディップならではのクリエイティブ文化をつくっていきたいという想いから新卒採用をスタートしました。
清水:森田さんが選考の中で重視しているポイントを教えてください。
森田:新卒で会社を選ぶ時には将来性とか安定性を重視する人も多いと思うのですが、「この会社で活躍できるかどうか」という軸も大切にしてほしいです。どんな会社かよりも、自分がどういう活躍ができるのかの方が大事だと思います。活躍することができれば、評価や仕事の充実度にもつながりますし、そういった個人の強みとの相性が一番大事なんじゃないかなと感じます。
清水:ディップのクリエイティブ統括部という組織で「どういう活躍ができそうか」とイメージを持てているかが重要なんですね。
森田:はい、そこは面接でしっかり見ていますね。ちゃんと活躍するぞという自信も、活躍していきたいという上昇志向も当然大事だと思うので。僕がディップを選んだ時はまだ小さな会社で、システムとかクリエイティブといった分野に長けている人がほとんどいなかったんです。だからこそ、自分はここで活躍できるなと思って入社しました。すでに活躍をしている人がいるから、入社後にその先輩を真似しようという考え方ももちろん大事だとは思いますが、「自分だからこそ」という視点ってそれ以上に大切です。「これが今ディップに足りていないから、自分の強みを活かしてこういうポイントを広げていけます」という想いを持っている学生さんがいたら、ぜひ入社していただきたいですね。
清水:森田さんは、どんな人と働きたいですか?
森田:先ほどお話しした「仕事に真摯に向き合える人」というのは前提としてあって、それ以外でいうと「物事の効率化を大事にする人」は一緒に働いていて楽しいなと思います。例えば、料理をする時って水で洗って食材を切って、火を通して味付けして、同時に洗い物もやりながらマルチで作業するじゃないですか。そこで仕上がりの時間から逆算して作業を効率良くこなす人と、順番通りに丁寧な作業をしないと納得いかない人がいますよね。個人的には、前者の方が一緒に仕事をしたいですね。
清水:いかに少ない手間で高いパフォーマンスを生み出せるかということですね。
森田:そう。もちろん過程も大事だけど、あくまで僕らの役目はユーザーに質の高い情報を素早く届けることです。クリエイティブって一生懸命納得いくまで表現を追求し続けることに陥りがちなのですが、いい仕事や経験との出会いを一つでも増やすためにはこのような思考を持っていることが必要になってくるんじゃないかなと思います。
人と機械、お互いが成長のエンジンとなる未来に向けて|今後のミッションと展望
清水:今後、森田さんがクリエイティブ統括部で挑戦していきたいことはありますか?
森田:「我々が生み出すクリエイティブで、ユーザー一人ひとりにいい仕事に出会ってもらいたい」という想いはずっと持っています。先ほどの料理の話にもつながりますが、ただ一人の人の幸せを実現するより、いい仕事との出会いをもっと広げてたくさんの人の幸せを実現することがこの組織の社会的な使命ですよね。そのために、これからはデータやAIといった機械の力をもっと上手く活用していきたいと考えています。
清水:その活用の先にあるビジョンとはどのようなものなのでしょうか?
森田:「人の心を動かす」という人にしかできないクリエイティブを磨き続けて、そうじゃない部分は機械化を進めたいですよね。これってお互いにも相互作用があると思うんです。人にしかできないことを突き詰めると逆にこれ人じゃなくてもいいよねというところも見えてくるし、機械化できるよねというところを突き詰めると逆にこれは人じゃないとできないよねというところがどんどん見えてくるんですよ。この過程で、人と機械がお互いに足りない力を補い合って成長し合えるエンジンになっていくというのが今後の目指したい姿ですし、ディップのクリエイティブチームのミッションだと思っています。
清水:最後に、学生の皆さんに向けてメッセージをお願いいたします。
森田:就職活動の時期っていろいろな会社があって目移りすると思います。会社の体制や充実度ももちろん大事ですが、入社した後に楽しく仕事をして活躍している自分がイメージできる会社をぜひ選んでほしいなと思います。私たちが行っているのは求人広告を作る仕事なので、まず自分自身が楽しく仕事をしていないと良いクリエイティブは生み出せないですし、学生の皆さんにもそのような仕事と出会ってほしいと思います。