自分で会社を始めるきっかけにもなった前職時代での経験(詳しくはこちら)、
離職率40%の組織というのははっきり言って「崩壊」しています。
そこから2年の月日をかけて組織を正常化、
勝ち切れる組織にしたわけですが、
そもそも「なぜ組織が崩壊したのか?」を改めて振り返ってみると、
そこには強い組織をつくるために必要な要素が山ほどあることに気づきました。
今回はそんな気付きをシェアしたいと思います。
そもそも初めから崩壊は決まっていた!?
今振り返って思えば、一番の肝は「組織の成り立ち」だったと感じます。
会社に所属していれば、組織が変わることは当たり前のようにあります。
トップが変わるタイミングであれば、大きく変わることもあります。
それは誰でも理解できることです。
もちろんトップが変わることで、組織の空気が変わり、人が辞めてしまうという話は、
よく耳にする話ですが、私の場合は、「私がいた部署だけ」が高い離職率となったため、
シンプルにトップ交代がもたらしたものではないはずです。
では、何が問題だったのか。
それは「存在意義」の有無です。
本来、組織が変化するならば、そこには目的があるはずです。
期待値もあるはずです。
それがトップから語られ、そこに共感することで、
組織が一つの方向に向かって走る事が出来ます。
しかし残念ながらそれが不足していた。
働く現場からすると、「この指とまれ」の旗印がないままに、
走り始めなければならなかったわけです。
特に、様々な部署から、様々な価値観を持った人間が集まった組織、
それぞれの価値観を一つにしようとしてもめちゃくちゃハードルは高い。
そんなメンバーが一つになるには何が必要かと言えば、
自分たちがこの部署で成し遂げたいもの、成し遂げるべきもの
せめてそこだけはブレることなく一つであれば、まだ走れるはずです。
売上の目標は単なるノルマであり、一つになるための指針とはなりえません。
まさに目指すべきゴールがないままに、マラソンを走り始めた状態。
それは疲弊するに決まっていますね。
助走期間を持ち、実践すべき「WHY」の共感
会社は、個人の集合体であり、そしてチームの集合体です。
それぞれの組織において成熟度は全く違うもの。
だからこそ同じように進めると弊害が出てきてしまうのは言うまでもないことです。
長年連れ添ってきた相手には、「次あれやっといて」で通じる会話は、
出会ったばかりの相手に伝わることはありません。
私たちの部署はまさに後者の関係性でしたから、
助走期間が必要でした。
せめて第一Qの期間は、お互いの理解を深める時間に費やした方が、
組織としては強いものになったはずです。
そして深めるべきは「HOW」「WHAT」ではなく「WHY」の部分。
どんな戦略で攻めるべきか、
どうやって数字を積むべきか、
数字を積むために何をすべきか、
そんな話はあとでも全くいいものです。
TOPから語られることのなかった部署の存在意義を
ミドルマネジメント層でしっかりと共通認識化することが何より重要でした。
なぜこの組織はできたのか
なぜこの戦略で行うのか
それが理解できるまで徹底的に話をすること。
それさえできれば、あとは自走できるようになるはずです。
自走できない組織だったのではなく、
自走できない状態にさせてしまったというのが実際のところだったのでしょう。
一度転がり始めると止まらない悪循環
ゴールなきマラソンを走ると早々に脱落者が出ます。
1人の脱落者ならまだ良くても、それが続くともう止まりません。
1人、また1人と退職者が出ると、あるタイミングから一気に来ます。
いわゆる臨界点ですね。
コンサルティングを通じて、ご支援先の組織を変革していく中で
よくこの「臨界点」を意識していましたが、まさか自分のいる部署で、
しかも悪い方向でこの臨界点を体験するとは思いませんでした。
臨界点は体験するとわかるのですが、もう本当にその地点を超えた後からは、
理由なんて何もないのです。
まわりもそうだから、
なんか雰囲気良くないし、
他にやりたいことが(という理由をつけて)
この場所にいない理由を作り始めます。
まぁ冷静に考えれば、どんどん人が辞めていくところにいたいなんて思わないですよね、それは。
今となっては、臨界点を超えていた状態だったのがわかりますが、
当時はそんなことも考えることなく、一人一人と向き合い、説得を試みて、
何とか一緒に頑張ろう!
と伝えるわけですが、当然効果もなく、もう転げ落ちるところまで転げ落ち、
1年が終わりました。
組織を一つにするために必要な事
この経験を改めて振り返ってみると、組織変革時に気を付けるべきことが見えます。
①組織の目的を明確にすること
②期待値を醸成すること
③「WHY」の理解を最重要事項とすること
それがスタート時には特に必要。
その上に、戦略があり、コミュニケーションという手段を通じた育成が存在し、
数字という結果がついてくるのだと思います。
次回は、崩壊した組織を立て直すために何をやったのか、
私が行ってきたことをまとめたいと思います。
今回はこの辺で。