知的戦闘力を高める 独学の技法 (日経ビジネス人文庫)
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人口1万人の過疎地、宮崎県都農町で株式会社イツノマを起業して4年半。今年から、同じ児湯郡の高鍋町のまちづくりにも関わり始めました。
歴史・実績の少ないぼくらにとって、新しい仕事や事業領域の変更があるたびに、会社の軸として、本当に自分たちがやるべきこと、できること、やりたいことを整理するのはとても大事なプロセス。
ぼくがいつも意識しているのは既存の事業の組み合わせ、掛け合わせ。
最近読んた山口周さんの本。
自己プロデュースという観点で組み合わせ、掛け合わせが大事であると書かれてものすごく共感したところ。
自分をプロデュースするということはつまり、他の人にはない組み合わせを選ぶ、ということです。
知的戦闘力を高める 独学の技法
自分を会社と置き換えれば、会社の軸を考えることにも通じますよね。
アメリカ発祥のロック×イギリスのモッズコスチューム→ビートルズ
デザイン×テクノロジー→アップル
安価な男性服の素材×超高級オートクチュール→シャネル
クラシックの作曲技術×ポップス→坂本龍一
知的戦闘力を高める 独学の技法
それぞれがトップクラスでなくても、組み合わせがユニークで価値があればよい、という一文に勇気をもらい。。
ぼくがいまやりたいことは、「まちづくり」と「教育」の掛け合わせ。
「まちづくり」単独でなにかとても秀でたものがあるわけではないし、「教育」なんてなおさらのこと素人の域は脱しません。
ただ、2つ同時に掛け合わせている会社はそんなにないんじゃないか、そこに活路を見いだしたい5年目です。
一つひとつの要素がトップレベルでなくてもよいとはいえ、それなりに強みがないとそもそも成り立たないもの。
ぼくの中では、20代で新潟県上越市に移住してショッピングモールの企画・開発・運営に携わったことが、地方のまちづくりのスタート。
それから約30年、立場や内容、深さ、広さは様々ながら、一貫してまちづくりには関わってきました。
都農町のまちづくりでまず取り組んだのが、まちの未来を町民と考えてつくったグランドデザイン。
町民ワークショップを20回、合計250名の町民の話を聞きながら、全世帯に「つの未来ブック」を配布。
グランドデザインで商店街を「さるきたくなる愉歩道」と言語化。その具現化のために、小学生たちと一緒に「花とみどりで商店街を元気に」をコンセプトに商店街の中央にある空き地で月1回「みちくさ市」を開催しました。
自主事業として取り組んできたのが、空き家活用。これまでに4件の空き家を再生し、自分たちの本社であるシェアオフィスや、多世代交流サロン、ホステルなど、継続的に運営できることありきで企画・デザインしてきました。
まちづくりに取り組みながら、切実に感じた課題が若者流出。
今年卒業した小学6年生が、10年後に一体何人が都農町に住んで働いているのだろうか?
いま28歳の学年は110人、都農町に住んで働いているのはわずか5人!
この問題意識が起点となって、自分がやるべきこと、できそうなこととして小中学校のキャリア教育・まちづくり教育に事業を展開しました。
教育との接点は、2004年ごろから立ち上げに携わったキッザニア。
当時、一般的にはあまり言われてなかった職業体験やキャリア教育。
この経験がきっかけで、ベンチャー経営者として教育でやるべきこと、できることがあると強く思いました。
その後、日本初のイエナプランスクールとなった大日向小学校、常石小学校の立ち上げや、教育ベンチャーのHLABさんとレジデンシャルカレッジ「SHIMOKITA COLLEGE」をつくりました。
都農町に移住して、より直接的に教育に関わりたいと思い、町内唯一の中学校の総合学習を各学年15時間担当させてもらうことになりました。
探究テーマは、ぼくらの強みが出せる「まちづくり」に設定。
町に対してぼくらがリアルに提案しているグランドデザインや商店街再生、空き家活用のプロジェクトを中学生と考えるカリキュラム「つの未来学」をつくりました。
4年目の今年は、昨年、中学生たちが提案した商店街活性イベントを実現させちゃおうよ!がコンセプト。
9/18に中学生主催の「みちくさ市」を開催します。
「つの未来学」でのアイデアが起点となり、都農町がゼロカーボンタウン宣言を表出、政策づくりは小中学生がやろう!と提案し選抜チームGreenHopeを結成しました。
毎年3月に都農町議会に木と花を植える政策を提言。
2年目は花とみどりで商店街を元気にする「みちくさ市」を中心に、町民にゼロカーボンを普及する予算として100万円を提案、可決!
昨年には、より日常的にまちづくりを考えたり提案できることを目指した中学生の地域クラブ「まちづくり部」を創部。
毎日、中学生6名がぼくらのオフィスに来て賑やかな放課後に。
小中学生が、フラットにリアルなまちづくりに参画し、実際に人を集めたり、お金を稼いでいく機会や場を増やすことがぼくらのミッションです。
掛け合わせ好きなぼくが、「まちづくり」「教育」にもうひとつ要素を加えているのが「観光」です。
地方の小さな町で、自分たちで仕事をつくれるようになれば、との想いでまちづくりと教育を掛け合わせていますが、現実的に仕事をつくっていくのは簡単ではありません。
一つの可能性として、観光があるのではないかと思ってます。
もちろん、観光地でもない都農町で観光をビジネスにしていくのは現時点では難しいことだと自覚してます。
ただし、新型コロナの影響もあってか、地方に移住したい人、地方のまちづくりに関心のある人が増えているという実感は日々感じています。
名所めぐりやグルメ目的ではなく、地域との交流や地域活性化のお手伝いを目的に、名もなき町に来る人もすごく多くはないけど一定数はいるのではないかと思い、2021年に「まちづくりホステル」をコンセプトに、自社で投資してHOSTEL ALAを開業しました。
ぼくの自宅やオフィスも兼ねたため、まちづくりのプロから学生まで、まちづくりに関心のある人たちの合宿所になればいいな、との思いでホステル運営しています。
合宿所に一番イメージが合う大学生の長期インターン生。
これまで累計20名ほどが、ホステルに寝泊まりしながら、ぼくらのまちづくり実務を一緒にやったり、まちづくり関連ゲストや地域の人たちとの交流などリアルな体験を満喫してもらってます。
東京の新渡戸文化高校や京都の日吉ケ丘高校や、東大地方創生コンソーシアムなど、高校生や大学生がスタディツアーで来てくれて、地元のまちづくり部中学生と交流するのはひとつの理想的な姿です。
記憶に新しいところでは、先週、京都市立日吉ケ丘高校が4年連続で都農町に。高校生18名と、都農町の中学生4名でまる一日、ワークショップを中心に一緒にすごし、町の人たちに地域課題解決案を提案したり。
スタディツアーは、会社としても大切な収益源として、増やしていきたいな、と思っています。
最後に、いま一番ワクワクしているプロジェクトは、高鍋町の観光創造です。
観光創造とぼくが勝手に言ってるだけなのですが、今年度からお手伝いをはじめた高鍋町観光協会のお仕事に、高鍋高校の高校生と東大地方創生コンソーシアムの学生でチームビルディングし、学生が主体的に企画を立てて観光拠点づくりやツアー造成をしていきたいと企んでいます。
行き当たりばったりは否めませんが、都農町では小中学生と、高鍋町では高校大学生と一緒に、いずれもこども・若者参画まちづくりを実現していくことが、まちづくり×教育×観光の交差点に立つイツノマらしい事業になっていくのはないかと考えています。