営業プロセスを型化することへの考察|高橋 新平
ourlyの髙橋新平(@shimpeit0820)です。社員持ち回りnoteリレーの第4弾は「営業プロセスを型化することへの考察」をテーマに記事を書きます。 前回はCEOの坂本さん(@sakamoto_ourly)が「初期プロダクト検討において、"良かった判断"と、"ちょっと後悔した判断"」について書いてくれました。 ...
https://note.com/fcshimpeit0820/n/n5e958644d00f
※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
ourlyの髙橋新平(@shimpeit0820)です。社員持ち回りnoteリレーの第4弾は「営業プロセスを型化することへの考察」をテーマに記事を書きます。
前回はCEOの坂本さん(@sakamoto_ourly)が「初期プロダクト検討において、"良かった判断"と、"ちょっと後悔した判断"」について書いてくれました。
ourlyはサービスリリース2年目に営業プロセスの型化(いわゆるセールスイネーブルメント)に取り組み導入社数を5倍に伸ばしました。
現在もその型化文化は残っていますが、改めて考察したいと思います。
世の中のセールスイネーブルメントの盛り上がりに際して、「提案書不要論」「THE MODELオワコン論」など色々と出てきているなと思いまして、元も子もないのですが
「マーケットとプロダクトによる」
というのが僕の考えなので、ourlyのマーケット特性、プロダクト特性から営業プロセスについて考えてみたいと思います。
前述の通り、ourlyは営業プロセスを型化した年に前年の5倍のペースで新規契約を増やすことに成功しました。型化する目的を改めて考えてみると
などなどかなと思っていまして、型化をどうやって進めたかみたいなところは下記のnoteに詳しいのでここでは割愛します。
ourlyはWEB社内報からスタートし、今ではプロフィールなどの機能も追加していますが、基本はインターナルコミュニケーション、社内広報領域で価値を提供するプロダクトです。
社内広報は古くは紙の社内報に始まり、現在ではWEBにすることで鮮度の高い情報を社内に配信したり、データ分析をすることで組織コンディションを把握したり、記事をストックすることで効果を半永久的に享受することができるようになっています。
これはイノベーター理論でも考えられると思うのですが、社内広報領域でWEBツールを活用してデータ分析をしながら組織開発、組織改善に活用していくという状況はまだまだイノベーター、アーリーアダプター層にしか届いていない印象です。
例えばセールスフォースなどであれば20年前の環境では僕らと同じようなマーケット環境だったと思いますが、今では営業にSFAやCRMを活用するのは当然になっています。
なので、我々がクライアントとともに成功事例を量産して市場啓蒙していくことが必要だと考えています。
上記のマーケットの成熟度に合わせて自社がその市場でどのようなポジションニング、影響力を持てているか?という点も考慮する必要があります。
ourlyはWEB社内報ツールというカテゴリでは最後発に参入をしていますが、各種メディア、展示会、クライアントからの情報などをもとにすると一定の市場での認知は取れていると感じております。
また、競合他社と比較して強いセールスプロセスとコンサルティングのサポートが実現できている側面もあるので、引き続き強化していきながら差異化を図っていきます。
ourlyは200社近い導入実績が現在はあり、2~3年前とは全く営業するうえでの難易度が変わりました。また、初期から導入いただいている複数の企業で組織開発、組織改善に対する象徴的な事例が出てきており、それらをもとに事例をコンテンツ化してマーケティングをより磨いていくフェーズと捉えています。
続いてourlyというプロダクトがどのような特性を持っているのか?という点も深堀りしていきたいと思います。
前述の通り、マーケットがまだ未成熟であるということも含めてなのですが”WEB社内報ツール””プロフィールツール”などを探している会社は多くありません。
実際にourlyを導入いただく会社の半数近くは社内報をもともとやっておらず、ourlyの導入とともにスタートという会社です。
WEB社内報は探していないが、エンゲージメント向上や離職改善などの課題を抱えている会社は無数にあり、その解決策としてourlyを提案するというのがよくあるパターンです。なので潜在的にourlyを必要としている組織、企業は無数にあるものの「解決策 = 社内広報 = ourly」とはなっていないことが多いです。
広告、マーケティング系のサービスや採用系のサービスだと分かりやすく、現時点でもお金を投資していることが多いです。
一方でマーケットが未成熟という点でも解説をしましたが、社内広報に定常的に予算をつけて実施している会社というのはほとんどありません。
なので営業時には新しく予算取りをしてもらうなどの上申や稟議のプロセスが必要なのが一般的です。
前述の予算取りされている領域とも関わるのですが、予算を取っている場合はその予算を年度中に使う必要性に迫られることが多いですが、社内コミュニケーションや社内報は”今なくても困らない”という商品の典型であり、問題解決の緊急度を上げるのが最後の最後まで難しいです。
ここまで、マーケット特性とプロダクト特性をもとにourlyのビジネスの現状について考察してきました。
マーケット特性とプロダクト特性を踏まえながら橋渡しをして、顧客に購入の意思決定をしてもらう、意思決定をサポートするのが営業の役割だと思っており、それらを踏まえてどのように営業(販売)するのかということについて書いていきたいと思います。
よく思うのですが自社のサービスの便益を正しく説明でき人ってそこまで多くないと思っています。
ourlyはデータ分析のできる社内報として市場に参入しました。そこからプロフィール機能を追加し、コンサルティングを強め、システムとコンサルティングの両方を通じて顧客の組織開発の支援をしています。
前述のとおり、常に潜在ニーズであるが、エンゲージメント向上というニーズが顕在化している会社は多くあり、このエンゲージメント向上に対する何かしらの打ち手を探している会社が多いのが現状です。
なので、組織の深い課題に対するヒアリングとディスカッションの能力が営業に必要であり、組織課題を特定した際にはourlyの機能やコンサルティングのサポートを通じてどのようにそれが解決されるか?というのをロジカルに提案しなければなりません。
また、実際の成功事例もありありとイメージできるようにプレゼンできる必要があります。
そういった意味では高いヒアリングスキル、コンサルティングスキル、セールススキルが求められることになります。
便益を十分に感じてもらったとして、いくつかの大きな購買ハードルがあり、それをすべて解消できないと購入の意思決定を引き出すことはできません。
① 運用コストが重い
社内報をWEB化すると一般的には紙よりも作成工数が1/3程度になることは既存のお客様とのやり取りの中でも判明しているのですが、やはり現状維持をしたいという欲求が社内報担当にあり、そこを解消する必要があります。
運用コストを感じさせない運用の提案などを事例を交えながらお伝えし、「私達でもできるかも!?」と思っていただくまで、とにかく粘り強く提案をすることが大事です。
② 費用対効果が見えない
我々のような商材でもやはり「費用対効果はどう考えるんでしょう?」みたいにお問い合わせをいただくことが多々あります。ourlyでは「この話題になったら正直ほぼ失注だと思ったほうが良い」と言われています。
もちろん算出させていただいたり、シミュレーションすることはあるものの間接的な算出しかできないためです。
なので、そもそも費用対効果の話になってしまうということは便益や価値を感じられていないということ。
ourlyではTHE MODEL型の組織構造になっており各接点ごとにお客様にそのタイミングでのベストな情報提供やディスカッションをすることになります。
その中で顧客の理想と課題を解像度高く知り、そこに対してオーダーメイドで提案をすることにしています。
一部では提案書不要論などもありますが、ここまでお話してきた通り、ourlyという商材は
というような面からもレベルの高いコンサルティングセールス、クライアントに寄り添ったオーダーメイド提案。などが現段階では求められます。
逆に、社内広報をWEBツールでデータ分析して予算を割いてやっていくということが当たり前の世界観をつくることができたらセールスプロセスは変わっていくかもしれません。
もしかすると一度型化して変えていないように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ずっと型を変え続けています。
ourlyのフェーズも導入社数や象徴的な事例が出てきたタイミングで“より良い売り方”を全員で定義しながら改善しています。
”型に完成はない”
そういうスタンスで日々メンバー全員でプロセスを強くすることに取り組んでいます。
最後までご覧いただきありがとうございました。ourlyに少しでも興味を持った方は、まずは人事とのカジュアル面談から。気軽にお話ししましょう!