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森のような会社をつくる。人が循環していく働き方とは

愛媛県松野町目黒。人口270人の限界集落。四万十川の源流が流れるこの場所に、「森の国Valley」はあります。観光施設であり、暮らしの場であり、働く場所でもある。地域と関わりながら、事業と生活が重なり合う場所です。その中心にいるのが、代表の細羽さんです。コロナ禍をきっかけにこの地に移住し、自ら土を耕しながら、ここでの生活やここに住む人たちと向き合い続けてきました。話を聞いていると、私がこれまで感じていた社会に対するモヤモヤが、少しずつ言葉になっていくような感覚がありました。会社を「卒業」する「ここで働く人には、いずれ“卒業”してほしいと思っています」あまり聞きなれない表現で、最初はしっく...

食べることが、体験になる場所へ。森の国Valleyで「食」と向き合う仕事

森の国Valleyは、一言で説明しにくい場所です。宿であり、体験の場であり、地域とつながる拠点でもある。その中で「食」を担っているのが、あっこさんです。料理をつくるだけではなく、どう体験として届けるかを考え、実践する。その仕事の中身を聞いていくと、この場所の輪郭が見えてきます。「食材に近い場所で料理がしたい」と思ったもともとは東京で料理の仕事をしていたあっこさん。転機は、「食材との距離」でした。「東京では、業者さんが仕入れてくれた食材を使うのが当たり前で。季節が変わっても、使うものはあまり変わらなかったんです」味としては完成されている。でもどこか、物足りなさがあった。「もっと季節を感じな...

森のそばで生きることを、仕事にする。

森の国Valleyで、ゆきおさんが仕掛けていること愛媛県松野町、滑床渓谷のふもと。四万十川源流の目黒川沿いに、森の国Valleyがあります。宿泊施設としてゲストを迎えながら、それだけでは言い表しきれない拠点でもあります。森・農・食・医・育という5つの視点から、人と自然が調和する営みを育てていく場所です。今回お話を聞いたのは、“森”の領域を担いながら、水際のロッジの運営にも関わるゆきおさん。2024年春から、自然ガイドや森・川・海のつながりを体感できる企画づくりに携わってきました。宿の現場を支えながら、ツアーを企画し、森のあり方を考え、これからの暮らしや産業の形まで見据えている。いくつもの...

未来を変えたインターン。挑戦する勇気が道を開く。

なぜインターンにチャレンジをしようと思ったのか、教えていただきたいです。最初はインターンをしようと思っていなくて、就職活動をしないといけないという焦りから、結果的にインターンにチャレンジすることにしました。私は、履歴書やエントリーシートを書いて、スーツを着て…みたいな就職活動をすることに違和感を持っていて、苦手意識もありました。将来やりたいことに「農業」があって、農業に関わる仕事がしたいと思いました。でも農業だけをしたいわけではないので、農業+アルファに挑戦をしている企業を探しました。「農業」に興味があったのはなぜですか?今働いているアルバイト先が1番深く関わっています。自分が食べるもの...

大学休学、森の国へ。4ヶ月間のインターンが私に教えてくれたこと。

なぜインターンに参加しようと思ったのでしょうか?初めは、インスタグラムの広告でインターンの募集サイトを偶然見つけました。「森の中で暮らしながら」という言葉にとても惹かれて、そんなインターンがあるのだと、びっくりしました。その後、ホームページを調べると、記載されている様々な言葉が自分の価値観と重なっており、絶対行きたいという気持ちになりました。丁度その頃、地球の循環の中で生きたいという気持ちが高まっていましたが、それをどう実現するのか、自分らしく生きていく方法はあるのかと悩んでいました。ホームページの中に、「水のように気ままにはしゃぐ」という言葉があり、自分にぴったりかもしれないと直感で感...

ここは一つの「レストラン」 生産者とつながる朝食を

「朝食に感動した」「期待以上のおいしさでした」――。広島県福山市、福山駅から徒歩3分ほどの場所にある「福山オリエンタルホテル」。宿泊予約サイトを見ると、朝食への高い評価がずらりと並ぶ。カラフルなサラダバーや旬の素材を使った惣菜、好みの具で楽しむおにぎり……。カウンターを彩る豊富なラインアップのメニューは、惣菜からデザートまで一貫して手作りにこだわっている。「ビジネスホテルじゃ考えられない朝食だよね、と言われると、そういえばここはビジネスホテルだった!って思い出すんです。私はここを一つのレストランだと思って働いています」と笑うのは、ホテル内で朝食を提供する「montrose」(モンローズ)...

「食」を通して伝えたい この町が秘める力

春になると、あちこちに自然に生えてくるヨモギ。木の下に転がるヤマモモ。「休みの日に見かけても、“あっ、見つけた!何かに使えるかも”って思っちゃうんですよね」井上美羽さんは、株式会社サン・クレアで業務委託の「食コーディネーター」として働いている。「ここで働くために、自分で決めた肩書です」。愛媛県北宇和郡松野町目黒で、「食」を通した地域の魅力発信に挑戦している。美羽さん(後列右)「答えは見えているのに」 東京でぶつかった壁昔から「食べること」が大好きで、学生時代にはフードロス問題に興味を持ってオランダ留学も経験した美羽さん。株式会社サン・クレアと出合う前は、屋上緑化を進める東京の企業でレスト...

心引かれた ここにある「未来のための」学び

「まだこっちに来て三カ月なんで、移住した実感がないんですよね。でもめっちゃいい環境です。みんなここに来たほうがいいですよ!」と笑う、坪井映二郎さん。2023年4月から、株式会社サン・クレアが運営するホテル「水際のロッジ」で働いている。ここで働くために、家族とともに兵庫県から愛媛県に移住した。古民家に暮らしながら、生活のすぐそばに自然がある毎日を楽しんでいる。転職目的ではなかった サン・クレアとの出会い株式会社サン・クレアに入社する前は、投資用不動産を扱う会社の営業部でマネージャーを務めていた坪井さん。平日は会社員として働く傍ら、友人たちと「合同会社あそび」を立ち上げ、週末にはキャンプ場の...

人と、地域と、つながりながら 私だけの行き先へ

「こんにちは、初めてのご利用ですか?」。木目が温かな雰囲気の店内から、明るい声が聞こえる。笑顔でお客さまに話しかけるのは、高山咲さん。2023年3月に出身地の愛媛県にUターンし、北宇和郡松野町の目黒集落で株式会社サン・クレアが運営する「森とパン」で働いている。一度は地元を離れ、憧れた東京へ高山さんは専門学校を卒業後、洋服の販売員として約1年間愛媛県内で働き、22才のときに上京した。「洋服がすごく好きだったので、東京が一番いろいろなことを吸収できるところかなって思っていたんです。田舎育ちだったので、単純に東京への憧れもありました」東京で働いていた頃の高山さん渋谷、代官山、横浜などで店頭に立...

私たちだからこそ挑める 「あめつちの心」を伝える使命(下)

<前の記事はこちら↓>企業はまるで土のよう 一人一人が秘めた力に期待「カンパニー」を成す人たちに、細羽さんがもう一つ求めているものがある。はっきりと答えられる、自分が果たしたい「使命」だ。誰にでもきっとある、好きなことや極めたいこと。変えていきたいものや、新たに作り出したいもの。強い思いを持って何かを追いかけ続ける人が秘める力に、細羽さんは期待している。「僕がスタッフをサポートするというのはおこがましいけれど、力が発揮できるような環境を整えたいと思っています。その人が本来十分なパフォーマンスを持っていることを前提に、余計なものが入らないようにする。僕は自然栽培で野菜やお米を作っていますが...

私たちだからこそ挑める 「あめつちの心」を伝える使命(上)

自然の循環のように、いつまでも続く強い「カンパニー」を目指して「この森にあそび、この森に学びて、あめつちの心に近づかむ」。愛媛県北宇和郡松野町には、こう刻まれた石碑が残されている。初代町長・岡田倉太郎氏が書き残した言葉だ。松野町は人口約3800人の、愛媛県で最も小さな町。ひとときも途切れることがない川の音。季節によってさまざまな表情を見せる緑。町土の約84%を森林が占める「森の国」には、人々の生活を包み込むような自然がある。コロナ禍で変化した人間社会のとらえ方株式会社サン・クレアのCEO・細羽雅之さんがこの町にやって来たのは、2019年のこと。松野町目黒集落にある「森の国ホテル」の再建を...

「ここだけの青」を探したい ホテル×農×ものづくり

愛媛県松山市から車で約2時間。市街地を抜けて山道を行くと、窓から温かな明かりがこぼれる建物が現れる。国立公園にも指定されている滑床渓谷に建つホテル、水際のロッジだ。朝は藍染め、昼からはホテルへ清水裕太さんは、このホテルで働きながらホテル近くの目黒の集落で藍染めを行っている。例えば春は朝起きたら蓼藍(たであい)の苗に水をやり、藍染めの準備をする。午後からは水際のロッジに出勤し、フロントに立つというのが1日のスケジュールだ。「藍染めは会社の仕事でもあり、自分がやりたいことでもあります」。ホテルで働きながら、この地域で叶えられる自分の「好き」を追い求めている。藍染めは「畑と服をつなぐもの」清水...

いつか分かる「おまもり」を君に この森でできること

国立公園にも指定されている、愛媛県北宇和郡松野町の滑床渓谷。この森で、2021年の夏から子どもを対象にした野外教育キャンプ「NAME CAMP(なめキャンプ)」が行われている。キャンプを設計するのは、前川真生子さん。株式会社サン・クレアが運営する水際のロッジでフロント業務に携わりながら、キャンプディレクターとして働いている。「楽しいだけではなくて、キャンプを通して自然の心地よさや怖さを感じてもらえるようなプログラムを設計しています。“いろいろな経験をしてもらう”というよりは、他の子どもたちや多様な人との共同生活を経て、子どもたちが自分自身のことを考えるきっかけになったらいいなと思っていま...

守るために変わる。ビジネスホテルから「街のコンシェルジュ」へ

コンパクトな客室に、必要最低限のアメニティ。チェックイン、チェックアウトはとにかくスムーズに。そんなビジネスホテルのイメージを、がらりと変えようとしている人たちがいる。愛媛県宇和島市にある宇和島オリエンタルホテルのゼネラルマネージャー・福島徹さんと支配人・松田優さんだ。福島さん(左)と松田さん(右)「ここでできること」に期待 入社のきっかけ福島さんは、宇和島オリエンタルホテルを運営する株式会社サン・クレアに2006年に入社。入社前は高校で進路相談員として働いていたが、同級生の父親が働いていた縁で宇和島オリエンタルホテルに勤め始めた。「もともとコミュニケーションはあまり得意ではなかったので...

【マネージャー インタビュー】既定路線から外れた その先で学んだこと 加古一之

加古一之(かこもとゆき)さんのプロフィール1988年生まれ。地元 岡山県の中高一貫進学校をほぼ教室で過ごさずに卒業後、一人暮らしに憧れ、10歳の時から続けていたスキーを極めるべく新潟県のスキー専門学校へ。アルペンスキー競技に没頭するが、故障により選手生命を絶たれる。それでもスキーに関わる仕事がしたくて、スキー場を保有する福井県の会員制リゾートホテルに就職し、配属されたホテル客室管理部門で5年間勤務するが、熱望するスキー場管理部門への移動が叶わず退職する。職探しの最中に出会った北海道での酪農の仕事に興味を持ち、就労体験に参加。任期終了のタイミングで改めて職探し再開。「もうホテル業には戻らな...