東京都
早期引退か生涯現役か スキル獲得で選択肢を増やす
人類かつてない寿命の伸びが私たちの生き方そのものを揺さぶり始めています。大きな選択肢は2つ。生涯現役か、金融資産などによる早期引退か。いずれの生き方を選ぶにしても、はっきりと備えなくてはいけません。それは今いる会社で働きながらでも可能です。65歳に向けた働き方は不満だらけ定年という言葉が有名無実化しつつあることを実感します。定年とは、会社に勤務している従業員が、決められた年齢で会社を去る仕組みです。多くの会社の定年年齢は60歳。2000年までは定年とともに公的年金を満額受け取ることもできました。ちなみに2000年で60歳ということは1940年生まれ。太平洋戦争が終わった時点で5歳以上の年...
人事評価は覆らない スタート時点の行動がカギ
一定のタイミングごとに上司に評価をされて、その結果昇給額や賞与額が決まる。その決定方法に理不尽な思いをした人も多いのではないでしょうか。たとえば5段階評価で、平均より下の評価が2回も続けば、何をする気にもなりません。周囲に愚痴を言っても「努力すればきっと変わるよ」「仕事の進め方を改善すればいいよ」と「助言」されるばかり。自分の気持ちとしては、評価をする上司がわかってくれていないとか、そもそも会社の評価の仕組みがおかしいだろうと考えているのにもかかわらず。では人事評価とどのようにつきあうことが正しいのでしょうか。それはそもそも、人事評価がなぜ存在しているのかを考えればシンプルに理解できます...
勘違いした「できそうな人」は、なぜ生まれるのか
仕事が「できそうな人」たちがたまにいます。話の筋道も何やら難しそうで、語尾はいつも断定口調。自信に満ち溢れた話し方ですが、少し上から目線なのが気になります。そして、よく話を聞いてみると、極端なそもそも論だったり、些末なことばかりだったりして、何を言いたいのかがよくわかりません。できると思っていたけれど、実は仕事ができない人たちなのでしょうか。その人ができる人なのか、できない人なのかは、実際により深く接してみないとわかりません。でも、そういう良くわからない状態の人にならないためにも、経験の積み方について理解しておきましょう。始まりはちょっとした成功からできる人もできそうな人も、自分に自信を...
一番肝心な仕事 あなたは部下に任せられますか
会社の中で出世することの本質とはなにか。出世の仕組みを設計する立場でいつも考え続けているその問いに対して、なるほど、と思えるひとつの答えをいただきました。それは社歴30年ほどの飲食店創業オーナーとお話ししていたときのことです。それは部下や後輩を持つビジネスパーソンなら誰でもすぐに実践できる答えでした。ただ、それができる人とできない人の間には、おおきな溝があるようです。最初はみんな繁盛店を経営していた30年ほど前、そのオーナーは若くして居酒屋を開きました。店はそこそこ順調だったものの、何年たっても同じ仕事の繰り返し。これでいいのだろうか、と考えた彼は、仲が良かった居酒屋オーナー仲間たちと集...
人事制度はゲームのルール よく知ることが出世の一歩
入社後の研修にはいろいろありますが、キャリアを決めるルールである人事制度についての詳細な研修を行う会社はほとんど聞きません。しかし、もしあなたがよりよいビジネスキャリアを歩みたいのなら、ぜひ自社のキャリアルールとしての人事制度をよく知るようにしてみましょう。人事制度こそが会社というゲームのルールだ会社で働く中で、何をすれば認められ、給与や賞与が増え、出世できるのかが記されたルールブックがあります。それがまさに人事制度です。しかし、意外なほど多くの方々が、人事制度のことをご存じではないようです。そして人事制度を理解しないまま「私の上司は好き嫌いで人を評価している」「会社は従業員のことを考え...
仕事を抱え込む人はご用心 定年間際の人事異動の意味
プレーイングマネジャーが9割ともいわれる日本企業の管理職ですが、役員に出世する人は、早々に部下に仕事を任せています。一方で、思い入れがあり、誰よりもうまくできるという自信のある仕事ほど、任せづらいのも事実です。しかしいつまでも仕事を抱え込んでしまうと、出世どころか、活躍の場を失うことになりかねません。「仕事を抱え込む人」ほど実質定年が早くなる後輩に任せるより、自分でやった方が早い。そう考えるのは当然です。それに、仕事を依頼した上司やお客さんのニーズにこたえるためにも、スキルが高く経験もある自分がやった方がよいのはまさにそのとおりです。さらにいえば、仕事を後輩に任せてしまうと、自分の首をし...
過去の評価引きずらない 成長する会社を見分ける条件
みんな横並びで評価されることと、やった人をちゃんと高く評価すること。どちらが社会人として働きやすい仕組みでしょう。そしてどちらの方が、出世しやすく成長しやすい基準でしょうか。会社の現場を統計的に見ていくと、意外な事実が見えてきます。90%が標準評価だった成果主義人事前の日本企業前回記事「9割B評価、基準あいまいでもOK 人事評価の不思議」で書いたように、社会人の評価は努力だけで決まるものではありません。そしてその時、その年度だけに影響するものでもありません。意外なほどにずっと後を引きずるものです。人事の仕組みでいえば、かつて3年程度は必ず影響がありました。出世させるための判断基準として、...
わかりにくい給与額 みなし残業と標準賞与のカラクリ
会社を選ぶとき、給与の見方がわからない、という声を聞くことがあります。筆者の人事コンサルタントとしての30年近い経験をもとに、就職・転職を目指すあなたにとって有利な給与制度の見極め方をお教えしましょう。それは経営者向けには、給与制度をどう変えればよいかというヒントにもなるはずです。どの会社の条件がよいのかわかりづらい「求人票に示されている給与の意味がよくわからないんです」弊社で働くインターンからそんな声を聞くことがあります。弊社では、在籍しているインターンに対して他社での内定獲得を積極的に支援しています。そんな中で、求人票の見方、特に給与額のところがよくわからないという言葉を聞きました。...
独立も出世の選択肢 向いている人が持つ5つの性格
「いずれはフリーランスとして独立したい。そう思っていたらもう40歳間近になっていて、どうすればいいかわからなくなりました」最近、そんな悩みを打ち明けられました。イマドキの出世事情では、フリーランスとしての独立も出世の選択肢の一つです。では独立に向けて準備するキャリアは、普通のキャリアとはどう違うのでしょう。実際に私も40歳で独立していますが、独立して成功している人、いまひとつな人とを比べてみて、そのポイントを紹介してみたいと思います。人生100年時代の出世の選択肢には、独立もあるのですから。独立できないタイプの3つのポイント独立したいけれどできていない。あるいはどうすればよいかわからなく...
会社頼みでは身につかない 「つぶしの効く」スキル
与えられた分業の中に埋没するのではなく、ビジネス全体を見据える視点を持つ。そのためには経験だけに頼るのではなく、時に体系的に学びなおすことで自分自身の価値を高めていく。それが人生100年時代には重要です。ではより具体的に、どんなスキルや知識を持てば、自分自身の価値は高まるのでしょう。まず求められる「考え方」が変化している社内で出世を目指すには、人脈やコネが大事だ。そのためには上司を立てて、部下には権勢を張らなければいけない。そういわれていた時代には、働くということについての考え方はわかりやすいものでした。それは「御恩と奉公」。終身雇用と年功賃金、解雇規制という「御恩」に対して長時間労働や...
理想の企業に入っても挫折を感じてしまったら?
どんどん出世したい、と思っていても、最初に入った会社で挫折を感じることは珍しくありません。たとえば、学生時代に就職活動を頑張って良い会社に入り順風満帆。そう思っていたら、深刻な挫折を感じてしまうことがあります。今回はその中でも、希望していた企業に就職できたものの、そこで立ち止まってしまったケースを紹介します。ケース:一番手企業に入ったら順風満帆だと思っていた「大学が二番手私立だったから、せめて就職先は一番手にいきたい、と思って超大手を目指したんですよ。ある意味、コンプレックスだったのかもしれません。高校は地域一番校だったけれど、大学はそうじゃなかったんで。だから対策は必死でがんばりました...
社長の経歴からわかる あなたの会社の昇給パターン
人事の仕組みは結局のところ好き嫌いだと言われます。では、誰の好き嫌いなのか、というと、それはもちろん社長です。今いる会社で何を目指すべきか、あるいは転職先の会社で何を頑張ればよいのかを知りたければ、まず、社長の経歴を確認してみましょう。「昇給」を理解できない経営者は変なのか「平康(ひらやす)さん、昇給ってなんですか?」ある会社で人事改革の相談を受けている際に、社長に突然そう質問されました。一瞬、質問の意図がわからなかったので、「毎年の人事評価を踏まえて、翌年の月給を増やす仕組みのことを指すことが多いのですが、なにか疑問でも?」そうお答えしたところ、さらに不思議そうに問い直されました。「よ...
残業もなく成長もない 「ゆるブラック企業」増殖中?
「ゆるブラック企業」をご存じですか? ゆるくてブラックという不思議なキーワード。「残業はないが成長もない企業」だと言います。このキーワードが生まれてきた背景を踏まえ、私たちのキャリアのあり方を考えてみます。ゆるブラックという不思議なキーワード2021年末の日経ビジネスで「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」という連載が組まれました。その中で「ゆるブラック企業」について言及され、働きやすい会社だけれども、将来に希望が持てないことに対して不満を持っている様子が示されました。そもそも「ゆるブラック企業」というキーワードは、19年頃にネットで評判になったのち、国内最大級の社員口コミサイトを運営す...
滅私奉公でないと出世できない?正社員制度のワナ
現在、ワークライフバランスをとろうという掛け声がどんどん強くなっています。では長時間労働が是正されて、ワークとライフのバランスがとれるようになれば、私たちは豊かで安定していて安心できる生活を送れるようになるのでしょうか。変革は全ての人に対して良い結果をもたらすわけではありません。日本が世界有数の先進国であるにも関わらずワークライフバランスが十分でない背景には、歴史的な慣習と法律のしばりがあります。もし慣習が徹底して改善され、法制度も整備しなおされるとどうなるのかを考えてみましょう。ワークライフバランスの解消は決してやさしくない変革です。プライベートを犠牲にする働き方はなぜ生まれたのか多く...
目指すべきはどっち? 「企業戦士」か「高度人材」か
ビジネス社会で成長するためには、社会人としての経験を踏まえて再度学び直すことが効果的だといわれています。そのような教育をリカレント教育といい、そうして成長する人材を私は「高度人材」として定義しています。しかし出世を目指すだけであればあらためて学び直す必要はありません。会社のビジョンやミッションに深く共感し、社内で人脈を作り、専門性を高め、評価を高めていく出世です。これをあえて「企業戦士」と定義してみます。どちらの出世ルートも一長一短がありますが、あなたにとってはどちらが良い選択でしょうか。企業戦士とは企業と共存して安全・安心が担保されるキャリア新入社員として入った会社で定年まで過ごす。そ...