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事業開発の最前線で、生成AIの新たな可能性を探るPoeticsの未来図

株式会社Poetics 事業戦略部部長  吉田 祐輔
京都大学工学部卒業後、2007年よりモルガン・スタンレーの日本法人で株式アナリストとして約6年勤務。外資系PRエージェンシー、旅行領域のベンチャーを経て、2016年にウォンテッドリー株式会社に入社。経営企画・上場対応を担当し、東証マザーズ上場後の2017年に取締役CFOに就任。その後、2019年に製造業スタートアップのキャディに入社。製造サービス事業にてオペレーション構築や新規領域立ち上げ等に従事した後、米国にてSaaS事業のマーケティングおよびセールスオペレーションを統括。2024年よりPoeticsにて、事業開発の責任者としてエンプラ領域を中心とした顧客開拓、サクセス創出、サービス開発の推進を担う。


ーPoeticsでの役割を教えてください

現在は事業開発とコーポレートを担っています。これまでの経験をもとに事業をまたいでやらせてもらっていますが、走り出しということもあり事業開発に重きを置いています。具体的には、JamRollを中心としたPoeticsの各事業をどう進化させていくか、新しい領域にどう進出していくかを考えています。生成AIを活用していく中で、新たな成長機会や価値提供していける領域を探ったり、お客さまからフィードバックをいただいて、どういった方向性で伸ばしていくのかプロダクトチームに伝えながら一緒に進めています。財務や事業企画では、私が入社した時には既に基盤がありましたが、今後さらに事業の進捗に合わせて進化させていくために、投資家の方々とのコミュニケーションや予実管理などに取り組んでいます。

ーPoeticsに入社を決めた理由を教えてください

まず、選考プロセスから、共感を軸にしたコミュニケーションの心地よさを感じられたことです。前職でUSのSalesTechに触れていた経験もあり、中長期での事業の方向性や見えている景色をディスカッションさせてもらいました。商談で得られる一次情報を通じて、どういったペインを解決していけるのか、そのためにどういったプロダクトが必要なのか、JamRollが営業以外に領域を広げられる可能性に関するもので、私としてはすごくしっくりきたことも大きかったですね。単一の会話や商談だけを解析するのではなく、コミュニケーションの文脈を捉えていくことや、営業の標準化にとどまらず、プレイヤー個人の特性や顧客の個別の事情も踏まえた活動などを見据えているものでした。

ここでディスカッションされたことは1〜2年で上手くいくような話ではありません。中長期の目線で、何を大事にするか、どういう視点で物事を見るかが合っているなと感じました。はずむさんの今後の構想もおもしろいですし、生成AIはこれからも進化していくはずなので、自分達の持っているものをどう掛け算していくべきなのか考えて、まだ実現していないものを追い求めていく、その過程を楽しんでいきたいと思っています。

ー入社後の感想を教えてください

Poeticsは「共感で声を響かせる」をミッションにしています。この言葉だけ捉えると柔らかいコミュニケーションが重視されそうですが、Poeticsでは共感を「人々の歴史的な背景やその人特有の個別性に配慮する力」と定義しています。つまり、感情的な寄り添いだけではなく、各自が置かれている状況や事情を自ら伝え、また受け取りつつも、しっかりと対話していくことが必要です。その難しさに真摯に向き合おうとするメンバーばかりだと感じています。

       Poeticsのメンバーと、資金調達ファーストクローズのタイミングで慰労会

事業を見ると、プロダクトがお客さまから愛されているという実感がすごくあって、嬉しくなりますね。お客さまから「JamRollは一度使い出すと、もう手放せません」と言っていただいたり、別のお客さまにJamRollを勧めてくださったりということも少なくありません。

一方、事業も組織も良い意味でまだやれることがたくさんあると感じています。組織面では会社としての仕組みづくりやカルチャーの醸成などほとんどのことが白地です。意思を持って物事を進めようとする人を受け入れる余地がすごく大きいですね。JamRollの機能は現状シンプルですが、今後の拡張・磨き込み次第でこれまで埋もれていた顧客の声や案件の重要な文脈をピンポイントで可視化できたり、お客様の事業特性に合わせたアウトプットを生成する等、さまざまな価値が出せると信じています。それによって山の登り方も変わってくるのでワクワクしているところですし、貢献していきたいという気持ちが強いですね。


ーこれまで経験したスタートアップとPoeticsの違いは何でしょう?

自分の役割において、特に事業開発では大きな違いを感じています。ビジネスサイドとプロダクトサイドが密にやり取りすることが多いのが特徴的ですね。前職までは管理サイドやビジネスサイドに集中することが多かったですが、今はプロダクトチームと密に連携しながら、どうアップデートさせていくか、かなり踏み込んでやらせてもらっています。フルリモートですがビジネス側と開発側の距離が近いのはPoeticsのおもしろいところだと思いますね。


ー事業開発を進めるにあたっては商談も行っていますが、これまで営業の経験もあったのでしょうか?また、プロダクト開発に関わるのも初めてですよね?

売上目標を持つことは常々あったものの、最前線の営業というより、営業と連携しながら顧客折衝していくプロジェクトマネジメント役がメインでした。前職のキャディでは営業組織が非常に強かったのですが、中小企業と大企業でどう営業活動を変えていくか、プロセスや考え方も含めて学びが大きく、一緒に取り組ませてもらった経験がPoeticsでも活きています。実際やってみると違うな、と当たり前のことを感じながら商談に挑んでいます。

また、プロダクト開発に直接関与する経験はありませんでしたが、前々職のWantedlyでは、エンジニアが主体となって、サービスをグロースハックしていくのを間近で見ることができました。その時々の狙いや考え方もオープンに共有されていましたし、私自身も新しいSaaSやWebツールを使うのが好きなので、その中で得た知識や感覚も活用しています。


ーPoeticsが取りくむ“科学と人文知をクロスオーバーさせる”生成AIの開発をどう捉えていますか?

今LLMで実現されているのは、認識された単語から次の単語が確率的に生成されて導かれていますよね。これは主語と述語や構文として考えられているわけではなく、単純な単語の羅列から意味のある文章が生成されて、AIのブレイクスルーが起きています。

完全に代表のはずむさんの受け売りですが、この概念や考え方は、哲学的には1960年代には既にあった話で、ようやくコンピューターサイエンスを使って実現されたのが最近です。この哲学の議論を踏襲すると、AIやこれからの技術の方向性を探る時の参考になってきます。そういう視点を持って事業や技術の育成を考えていくのが今は面白いですね。

例えば、アメリカのビックテックでは、組織に心理学や人文学のアカデミックな方もいて、事業予測やマーケティング、組織開発で示唆を与えるような、企業内での研究活動のような取り組みを行っている方もいます。文学と哲学がバックグラウンドであるはずむさんの構想やビジョンからいつも刺激を受けています。

ミッションである“共感で声を響かせる”ということが、とても良いなと思いつつ、当初は自分の中でその感覚を整理しきれていませんでしたが、相手の個別具体的な歴史やコンテキスト、社内で置かれている状況や裏ミッションに配慮して、双方のゴールを探っていく…営業で求められることそのものだなと、お客様と話していく中で腹落ちしていきました。

逆に、僕たちの定義する「共感」がお客様の現場で形成された状態とはどんなものだろう、それを生み出すためにどんな貢献ができるだろう、と考えると、普段とはまた違う角度で今後の事業・プロダクトの可能性に思い当たったりして、とてもワクワクしますね。

     カープファンの息子さんと。はずむさんやメンバーが連れていってくれた野球観戦


ーお客様と接して分かるJamRollの強みや選ばれている理由を教えてください。

JamRollの強みである日本語の認識精度と、使いやすいUIを高く評価いただいています。やろうと思えば、ただただ機能を増やすこともできますが、文脈をしっかり捉えて良い営業をしていただくために磨き上げた結果、使いやすさに繋がっていると思います。

操作性以外でJamRollが大事にしているのは、話のスピードや話者の割合など機械的に取れる要素というよりは、会話の実態や文脈を手軽に把握できることです。これはPoeticsのミッションでもある「共感」に通じますが、この考え方に共感していただくお客様ほど上手く活用していただいている印象です。


ー最近のJamRollの動きや変化で注目のトピックを教えてください

直近では、JamRoll Mobileがリリースされました。これは現在、事業統括部長の藤田さんがリードしているものです。コロナ禍を経て対面の商談が復活し、今はハイブリットの商談が定着しています。オンラインの商談だけデータが取れていても網羅性が低いので、モバイルで対面の商談もしっかり情報をとり、JamRollと同様に活用いただけたらと思っています。

また、窓口で販売するような接客も対面営業に入りますよね。このように対面商談がメインとなる領域もありますし、toBの商談を中心に活用いただいていたこれまでのJamRollの提供価値が、toCにも広がる可能性を感じています。

JamRollを通して取れる会話情報は、最も重要な一次情報だと思うんです。生成AIのおかげでゆらぎのある情報もどんどん扱いやすくなるはずなので、やれることは増えていく一方でしょう。今は営業領域に注力していますが、他の領域でも芽が出てくると思います。今後2〜3年の展開をまさに考えているんですが、ここでは話し切れないので、興味を持ってくださった方はぜひ話を聞きにきてほしいですね。

        吉田さんのオールバック vs Poetics 4番サードのオールバック #営業


ー今後、事業や組織をどのように成長させていきたいと考えていますか??

リソースのかけどころやアクセルの踏みどころがだいぶ見えてきました。まだ安定した確からしさはないですが、方向性は見えてきたので、ベストなところを見極めながら作っていく1→10のフェーズです。

資金調達も行い、組織としては採用に力を入れています。開発もビジネスサイドも、マンパワー的に足りていないところを強化すればしっかり伸ばしていける手応えがあり、お客さまにもより価値提供をしていける見通しは立っています。

かといって、ただ同じ工程で量産するような仕事ではなく、会社に足りないものをもたらしてくれる方が必要だと感じています。今のやり方が必ずしもベストだとは思っていないですし、これから合わなくなってくることはいくらでもあるはずです。そういった時に、新しい基盤や考え方を楽しめて、推進する人がフィットすると思いますね。Poeticsの行動指針でいうと、「偶然性を認めて走ろう」です。1→10のフェーズなので、見えてないけれど踏み込んでいかなければならないことや、予想しなかったことが起きることも多くあります。やりきることも大事ですが、それだったらこっちに行こうか、とか仮説が違っていることがわかったら軌道修正できる切り替えの早さも大事だと思っています。


ーこれからPoeticsやJamRollを通して成し遂げたいことを教えてください

これまで僕自身、営業を受ける側の経験もあるのですが、前職でアメリカにいる時にすごく気持ちの良い営業を体験したんです。準備がしっかりされていて、テンポの良いコミュニケーションで、こちらの考えていることやニーズを引き出しながら、気づきも与えてくれる。到底自分にはできそうもありませんでした。商談に立てども、買う側・売る側のやり取りってなかなか難しいことが多いですよね。売る側は緊張することもあるし、買う側も内心“そうじゃないんだよな"と感じることもある。そういう経験や無駄な時間は減らせると思うんです。逆にいうとマッチしない営業は減らせるとも思っています。

営業以外にも、コミュニケーションの断絶や前提が合わないことはたくさんありますし、分かり合えなさの正体や解消するヒントが得られれば、営業以外の領域にも展開できる可能性が高まります。ストレスの大きいコミュニケーションがよりハッピーなものとなる機会を増やしていけたら素敵だなと思いますね!


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