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やっている仕事は、社内のベクトルを同じ方向に向けること
谷本:鎌野さんが今どんな仕事をしているか教えてください。
鎌野:どんな仕事って、規定できないですね。毎日やらないといけないことも違うし。会社がいい方向に進めばいいなと思いながら毎日やっています。
他にも専門の人たちもいる中で、ベクトルが同じ方向に向けるようなアクセラレーター*みたいな感じですかね。
*アクセラレータ
ライトノベル「とある魔術の禁書目録」のキャラクター。周囲の力の向き(ベクトル)を操作する能力を持つ。
谷本:社会人経験としては今2年目でそういった考え方持っていたり、実践している人は少ないと思います。なぜそういうことをやるに至ったか伺えますか。
鎌野:目的が局所的じゃないのかもしれません。「これが出来るようになりたい」、「こういうことをしたい」、「このポジションでこれだけ数値の成果を出したい」といった、局所的なこだわりがないのかもしれないです。
破天荒→オタク→インターンへの道とビジネスの萌芽
谷本:なぜそういった思想に至ったのか鎌野さんの過去から遡っていこうと思います。小さい頃はどんな子供でしたか?
鎌野:小学生の頃は、相手の言っていることが絶対おかしいって思ったら殴るような子どもでした。
例えば、初めてドッチボールをしてキレる人に対して、「最初は出来なくて当たり前じゃん」ってキレて、ボールをぶつけていました。
あ、ドッチボールの全国大会に出て準優勝まで行ったんですよ。まあ僕はベンチだったんですけど笑
谷本:文面だけで今の話を読み取るとかなりヤバイやつですが、実際はかなり優しい鎌野くんですけどね笑 どうでもいいけど「ロッキンオンジャパン」のアーティストインタビューしてるみたい笑
ちなみにドッチボールを始めた理由は何ですか?
鎌野:単純に物理的に相手を殴るに近い行動だったからですね。
谷本:基本は「殴る」に紐付いてるんだな笑
鎌野:破天荒だったんで。だってサッカーやバスケは相手を引っ張ったり、押さえつけるとかはあるけど、単純に殴るとかあまりないじゃないですか。
でもドッチボールって破壊していいんですよ、相手の身体を。
谷本:破壊しちゃダメだけど笑 目的にしていたことは、相手を破壊することなの?
鎌野:破壊というよりも、自我と他我の範囲で、自我の方が大きいほうが気持ちいいかなって思って。
当時は子どもだったので、自我の範囲を広げるためには殴るしかないと思っていたんだと思います。
谷本:昔はそうだったということは、変わったきっかけがあったってことですよね。
鎌野:中学生くらいから勉強する様になって変わりましたね。普通に考えて人殴るより核ミサイル作る奴の方がパワーあるじゃないですか。
谷本:中高の時はどんな学生だったんですか。
鎌野:めっちゃオタクだったと思います。アニメやレコードとか。
あと、中高バスケ部で、MBAとかもめっちゃ見てましたね。バスケの「相手を侵略する」っていう動きが面白いんですよね。チームスポーツかつ、流動的で、ダイナミックな動きが見えるバスケが好きでした。
谷本:そういうオタクだった時代から東京に上京して、大学に入られたわけですけども。どんな大学生でした?
鎌野:斜に構えていた気がしますね。一つは海外留学をして、東京すごい小さいなと思ったこと。もう一つは大阪で育ったので、おもんないなら黙れやみたいな感覚からです。痛い学生みたいになってました。
谷本:その時の自分と今の自分変わったと思う?
鎌野:根本はあまり変わっていないと思います。ただそれを客観的に見れるようになっているような気がします。東京もいい街だし、東京にも面白い人はいるなぁと思えるようになりました。
谷本:そういえば、中学の時からビジネスみたいなことやっていたのよね
鎌野:小学生の時からですね。オタク趣味の一環でペンも収集していたんですが、インターネットを通じて国内外に販売していました。
売り上げは全部お金はお母さんに取られましたけどね。あんた持っててもろくな使い方しないでしょって。その後僕の学費になりました。
高校時代もバスケットシューズや楽器、レコードの転売をやっていました。こういう人結構多いですよね。ネットで転売していた人ってスタートアップに多くないですか?
谷本:ビジネスの基本だからね。安く仕入れて高く売るって。大学時代はどんな風に過ごしていましたか?
鎌野:2年生までバカな大学生をして、楽しかったですね。酔っぱらって友達に迷惑かけたりとか。
当時牛丼チェーンでアルバイトをしていたんですけど、3日目から夜勤ワンオペさせられるし色々と理不尽すぎて。
価値のある学生の時間を時給1000円のバイトじゃなく、もうちょっと将来につながることに時間を使おうと思って3年生からインターンを始めました。リクルート、サイバーエージェント、メルカリ、マガジンハウスに行きましたね。
谷本:それぞれインターンしてみていかがでしたか。
鎌野:組織って、大きくなればなるほど自分の影響範囲小さいなと感じました。
谷本:その後誘われて、別の会社の立ち上げに携わったんだよね。
鎌野:そうですね。自動車のメディア事業をやっていました。
当時で印象的なのは交通事故で死にかけた事ですね。試乗していたんですが、運転手のミスでトラックに追突されて死にかけましたね。
谷本:良く助かった!笑
鎌野:結構人生観変わりましたね。
臨死体験だったので、ほんと明日死ぬなと思うようになりました。仕事においても、単純に自我の範囲を広げるというより、自分の意識が残るようにしたいなと思って。
これ以外にも何度か事故に遭っていて、3,4度死にかけています。人生観はこういった経験から形成されているのかもしれないです。
↓北極海で死にかけた写真
臨死体験、そして自分の痕跡を残すため、O:へ。
谷本:大学卒業して、大手ベンチャー企業に入社した経緯をお聞かせください。
鎌野:インターンをして小さいところに辟易していたので、新卒採用でどこか大きい企業に入りたいと思っていました。
データサイエンス領域の仕事をやっていました。
単純なパネル分析やマッチングのロジックを考えたり。平準化しようという話があり、会社でSQLやPythonかける人をもっと増やすことをしていましたね。
谷本:どうでしたか。そういった仕事は。
鎌野:モダンな手段だなと感じました。
世の中が定量的に測れるようになったからこういう手法が出てくるというのは必然だと思っていて、そんな仰々しいものとは捉えていないです、だからモダンでいい手法だなと思いましたね。
谷本:そこから離れて、今O:という小さい会社に行こうと思ったのはなぜですか?
鎌野:このままだと自我が広がらないなと感じたっていうところで一貫している気がしますね。自分がこの世界にいた痕跡を多く残しておきたかった。
人間っぽさとジャック・ドーシーについて
谷本:現在O:ではいろいろ規定せずにやっているとのことでしたが、仕事をする上で、現段階で力を入れていること・意識していることはなんですか?
鎌野:平準化。
というのも僕ができることを自分だけができてもしょうがないと思って。
だからこそ自分ができるなと思ったことは、僕がやるべきではないと思うんですよね、全体最適を考えると。
一瞬一日のコストを考えたら、僕がやったほうが早いと思いますけど、一年のコストで考えたら、僕以外の人ができるようになった方がいいと思いますね。
それって、組織にとってもプラスだし、僕にとっても新しいことができるようになるしwin-winだと思います。
逆に自分以外の人の水準を分けて欲しいとも思いますね。
谷本:尊敬する人は誰ですか?
鎌野:ジャック・ドーシー(Twitterの創業者)ですね。
ジャックドーシーって可愛いんですよ。(笑)
本とか読んでて思いましたね。ツイッターの1日目って知ってますか?
ツイッター作った時代のジャックドーシーはブログの会社にいて、
「こんなんじゃだめだ。僕たちの意見や意識はちっちゃく、でなくて、もっと流動性を増すべきだ」みたいなこと言っていて。
結構やばいじゃないですか。あの時代にそんな考えの人がいたら。
そしてツイッターを作ったはいいのものの、当たり前ですけど1日目とかってユーザー全然集まらないじゃないですか。で、1ヶ月か2ヶ月の間ずっとユーザーが2人だったんですよ。
ジャックドーシーはそれを大きくするために毎日自分で使っていたけど、もう1人のユーザーは何もしていなくて、「誰だもう1人のユーザーは」ってなった時に、結局その1人はジャックドーシーのお母さんだったらしいんですよ。
ジャックドーシーのお母さんは、ジャックドーシーが毎日つぶやいているのをみて、夜ご飯のメニューを考えていたらしいです。笑
可愛くないですか。この話。笑
谷本:鎌野くん、昔「人間っぽくない人、嫌だ」って言ったの覚えてる?
鎌野:あー覚えていますね。
ツイッターはすごい人間っぽいんですよね。中に人間を感じますね。
O:のValueの1つ、「Oppose yourself(自問力)」が生まれた理由
谷本:うちのValueの一つである「Oppose yourself(自問力:自分に対して疑問を持てる力)」は鎌野くんの発案で決まったんですけど、なんで自問力が大事に思ったのか教えていただけますか。
鎌野:大学の時ってやたら旅行したがるやついるじゃないですか。まあ自分はお金がなかったのでいけませんでしたが。
日本にない刺激を求めていく彼らの気持ちもわからないでもないですが、別に俺が家でカップ麺食べながらその裏の縁に付いているゴミを見る気持ちも、海外旅行でグレートバリアリーフを見る気持ちに増して、良いものなんじゃないかとだんだん思ってきて。
でもそういったものって結局それを自分がどう捉えるかってところじゃないですか。
別にこのカップ麺の裏にグレートバリアリーフが広がっているなんて誰も思わないですけれど、僕にはそう思えたんですよね。こういうふうにゴミを止めているんだ、面白いなぁと思いましたね。
捉え方って大事だなって思ったのがきっかけですね。
谷本:この会社に足りない要素ってなんだと思いますか。
鎌野:んー愛。
なんで愛が必要かと言うと、僕は有機的なプロダクトが好きなので。
足りないわけではないんですが、最大限を目指したいというニュアンスが近いですね。
感情的で喜怒哀楽をちゃんと感じられるものが好きなんです。でも結局それってこの会社が作っているもので、この会社の子供みたいなだと思うんですよね。
この会社の子供がそういうプロダクトであるということは、親がそういうものである必要があるじゃないですか。
だからこそ僕はこのコミュニティに対して、もっと愛を付与したいなと思いますね。
O:に入る人へメッセージ
谷本:この会社に入ってくる人に向けてメッセージをお願いします。
鎌野:やっぱりここがあったかなかったがで何かが変わったんだって思えるようなコミュニティにしたいですよね。だからそういう風にしたいなって思ってる人に
「いつ死んでも大丈夫だと思える環境がここにある。」
と言いたいですね。