新型コロナウイルスによって、人々の消費行動が大きく変化した2020年。マイベストなりに考えると、消費行動の大きな変化は、mybestが提供している「選択体験」にも大きな変化を及ぼし始めていると言えます。
では、社会がそのような動きを見せる中で、mybestは人々の選択体験においてどのような立ち位置を目指し、今後どのようなサービスを展開していきたいと考えているのでしょうか。
今回は、代表の吉川さんにあらためて「mybestの未来」についてお伺いしました。
単なる「メディア」から、選択体験を支える「サービス」へ。このインタビューから皆様にマイベストの目指す未来像が伝わればうれしい限りです。
mybestは記事を発信する”メディア”ではなく、ユーザーの選択肢をマッチングさせる”サービス”である。
——まずは、御社のメイン事業である「mybest」について、概要をお伺いしたいです。
株式会社マイベストでは「mybest」というユーザーの選択体験に焦点を当てたサービスを運営しています。よく勘違いされることなんですけど、mybestは"メディア"ではなく"サービス"なんです。月間5,000万セッションという数字だけを見ればメディアかのように思われてしまうんですが、私たちが提供したいものは「世界中のユーザー」と「世界中の商品」をマッチングできるサービスです。
そのマッチングの精度を高めていくために、まずは商品側のデータベースを蓄積しています。そのデータベース作りの過程を、メディアとして皆さんにご覧になっていただいている、という状態です。もっと未来の話をすると、商品以外のありとあらゆるモノ・コトのマッチングが可能なサービス作りを目指しています。そのため、何度もお伝えしますが、mybestはメディアではなくサービスなんです。
以前執筆したサービス紹介記事です!詳細はこちらから!
——mybestとメディアには、どのような違いがあるのでしょうか?
最も大きな違いは、情報の発信者と受信者の関係性でしょう。従来のメディアは、情報の発信者(メディア側)がいいと思ったものをただ発信し、受信者(消費者)に行動を促すという一方向性の関係でした。しかし、mybestのようなサービスの場合、発信者と受信者が相互に情報を共有し合い、発信者は受信者にとって最適だと考えられる情報を発信する、双方向性の関係で成り立っています。
これは、リアルでの選択体験に非常によく似ています。実店舗で何かを買い物する際、一流の店員さんであれば消費者にヒアリングを行い、その消費者に最も適していると思われる商品を提案しますよね。これこそまさに双方向性の関係であり、mybestが目指していきたい姿なんです。
この「リアルでの選択体験をネット上に昇華させたい」という想いは、この1年間でより強く鮮明に描かれるようになり、これが実現されている状態こそ、mybestがPMF(Product Market Fitの略で、プロダクトやサービスが市場における「あるべき姿」になっている様子のこと)している状態だと言えます。
まあ、あくまでも私たちが追い求めていきたいのは、mybestがPMFしたその先なので、PMFは始まりにすぎないんですけどね。
PMFを達成するには、データベース整備とプロダクトの作り込みが必要不可欠である。
——もう少し具体的にPMFについてお伺いしたいです。mybestがPMFを実現している状態とは、どのようなものなのでしょうか?
正直なところ、「私の直感で決まる」というのが結論です。もちろん、PMFのために追っている指標はさまざまありますが、そのいずれもが数値に過ぎません。例えば、PMFのために重要視している指標には「2回目以降の訪問者のCVR」があり、「1回目でいい選択体験をしたから、再訪問し、さらに選択体験をしてくれた」という状態を表しています。
しかし、数値で測れることには限界があり、それら数値だけを追うことは本質的な消費者の選択体験を損ない兼ねません。そのため、さまざまな指標や数値を加味した上で、最終的に私の直感でPMF達成を判断するつもりです。
このPMF達成を年内に実現していることが、直近の目標です。
——mybestとしての方向性が見えてから今日に至るまでに、PMF達成のためにどのようなことに注力してきましたか?
mybestがPMFを迎えるために必要だと考えているのは、マッチングの精度を高めるための「選択肢のデータベース」と、ユーザーと最適な選択肢をマッチングさせる「プロダクト」です。そして、これまでに取り組んできたことこそ「選択肢のデータベースの整備」と「プロダクトの作り込み」でした。
データベースの整備に関しては、ひたすらに改善を繰り返し、ノウハウを蓄積することでオペレーションにおける練度を上げたり、バリューに盛り込まれている誠実さ(自分たちのお金儲けのためではなく、ユーザーのためのサービス)をサービスの中でも担保できるように、広告部門と制作部門の間にファイアウォールを設けたり。
直近で言ったら、より良いデータベースを作るためにオフィスも移転しました。オフィスの中には家を完全に再現した部屋があったり、物品を保管するための倉庫があったりして、競合他社が模倣できないレベルでオペレーショナル・エクセレンスを実現しています。
プロダクトに関しては、最高な選択体験におけるUI/UXの追求を念頭において作り込んできました。試行錯誤のなかで、常にユーザー心理を繰り返し読み解き、選択体験に最も適したユーザーインターフェースを、常に検討している状態です。
また、私たちが競争優位性としているオペレーショナル・エクセレンスは、システムの面からも後押ししています。「いかに品質の高いデータベースを効率的に作成するのか」という課題に対して、エンジニアリングとデザインという2つのアプローチで解決を図っています。
これほどまでオペレーショナル・エクセレンスに重きを置いていることにも理由がありまして。日本は世界的自動車メーカーのトヨタを始め、"ものづくりの精神"という観点で世界に評価されています。その根幹にあるのがオペレーショナル・エクセレンスなんですよね。いいものを消費者へ届けるために、いかに無駄を無くして生産性を高め、質をあげていくのかという観点です。
これからマイベストが世界で闘うにあたり、日本人の国民性からなるこういったものづくりの精神は活かしていきたい。そんな想いから、マイベストではオペレーショナル・エクセレンスを突き詰めたいと考えているのです。
mybestはGAFAMに食い込む”生活インフラ”となる
——今後、PMFの実現に向けて行っていきたいことはなんでしょうか?
まずは、現在行っているデータベースの整備を進めていきます。マイベストが掲げる3つのバリューを、全員が体現しながら進めていければと思います。その次に進めていきたいのが、これまで着手できていなかった「ユーザー情報の取得」です。mybestを通じてユーザー情報を取得するのはもちろん、ZHDと資本提携を結んだことも大きな活路となりそうです。
検索媒体やコミュニケーションツールとして、日本における圧倒的な地位を確立しているZHDが持つユーザー情報は莫大なものであり、現在蓄積している選択肢のデータベースと合わさることで、mybestを利用するユーザーの選択体験は飛躍的に向上するでしょう。
最高のUIとマッチングのアルゴリズムによって、選択体験をWEB上で行えるようになれば。
そのときがPMFに限りなく近いのではないかと考えています。
——最後に、mybestというサービスが目指す「具体的な将来像」を教えてください。
生活の中で当たり前のように利用される「生活インフラ」になりたいですね。皆さんが想像しやすい例で言うと、GAFAMです。日々の生活の中でYouTubeを見ない日はないだろうし、Amazonが無くなったら生活ができなくなる人もきっといるはず。iPhoneが無くなったら連絡手段がなくなりますし、Instagramが見れなくなったらストレスに感じる人もいますよね。ビジネスにおいて、Microsoftのサービスは圧倒的な地位を確立しています。
これらのサービスの中にmybestが食い込んでいる状態を目指していきたいです。
ただし、その状態に辿り着くためには、マイベストのメンバーがバラバラに頑張っていても意味がない。それらバラバラのメンバーをまとめるためにバリューが必要で、バリューやmybestの未来に共感してくれる新たな仲間の存在が必須です。
ーー次回インタビューでは、mybestの将来像において「Zホールディングス」との資本業務提携がどのような意味を持つのか、お伺いできればと思います。
代表インタビュー第二弾はこちらよりご覧ください↓