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2020年。今まさに日本の学校教育が大きく変わろうとしている。
そんな大きな変化が起ころうとしている中、プログラミングスクールやキャンプを運営しているライフイズテックは、学校外での取り組んできたメソッドを学校教育にも展開し始めた。
今回は学校外の企業でありながら学校教育と深く関わる仕事に挑戦している2人のメンバーに、なぜ今教育が大きく変わるのか、そしてこれからの教育に求められていることについて語ってもらった。
(取材および写真撮影はコロナウイルスによる外出自粛前の2月に行いました)
(ライター:@qris_)
<インタビューメンバー>
讃井 康智
ライフイズテック取締役。株式会社リンクアンドモチベーションに4年勤めたのち、東京大学大学院 教育学研究科へ進学し創造的な学びについて実践的研究をする中で創業前のライフイズテックと出会い、4人目の社員として入社。ライフイズテックでは、学校、自治体、法人とのコラボレーションを担当している。NewsPicksのプロピッカー(教育領域)も務める。
丸本 徳之
ライフイズテック執行役員 事業開発Div事業部長。株式会社リンクアンドモチベーション出身で、讃井とは先輩・後輩の間柄。高校生の頃から教育に関心があり、学校を建てる目標を持っていた。讃井から誘われ見学したライフイズテックのキャンプに感銘を受け、2015年に入社。キャンプなどのリアルサービス事業部長を務めたのち、2019年の10月からBtoBの事業開発を担当している。
<ファシリテーター>
内藤 誠人
ライフイズテックCompany Experience本部 本部長。株式会社ディー・エヌ・エーでの人事経験を活かし2017年にライフイズテック株式会社へ入社。主に人事として採用・組織開発を担当しつつ、事業開発やコーポレートブランディングも兼任している。2019年4月からは人事領域に集中し、「Company Experience(仲間に最高の体験を届ける)」を追求中。
2020年、教育に前代未聞級の変化が起こる
<内藤 誠人(以下 内藤)>2020年になって「プログラミング必修化元年」「GIGAスクール構想」といった教育の話題がますます盛り上がりを見せていますが、普段教育関係者や地方自治体の方々と一緒に仕事をしているおふたりは、教育に対して何か変化を感じることはありますか?
<讃井 康智(以下 讃井)>大きな変化を感じています。まずは日本の学校におけるICT環境が大きく変わろうとしていることです。子どもたち一人ひとりにパソコンを一台ずつ導入する方針「GIGAスクール構想」がたてられ、さらに2019年度の補正予算で2,300億円もの予算がつくと決まりました。つまり今までだったら「インターネットもパソコンもないから難しい」と思われていたことが学校でできるようになるので、教育が大きく変わるチャンスがきているんです。今までの教育では考えられない、前代未聞の事態が起こった感覚すらありますね。
<内藤>学校にICT環境が十分でなかったことは以前から分かっていたと思うんです。なぜ今このタイミングになって、予算が教育に使われるほどの動きが出てきたのでしょうか。
<讃井>今日本は、政府が「Society3.0(工業社会)」や「Society 4.0(情報社会)」を越えて、「Society5.0(※1)」を目指すと言っています。
(※1)Society5.0…IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータなどの先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会(参考:「Society 5.0」内閣府)
今や世の中のほとんどの人がインターネットにつながったパソコンやスマートフォンなどのデバイスを一人一台持ち、仕事やプライベートで使っています。しかし日本の教育現場におけるICT利用率は、OECDに参加している国の中で常に最下位。パソコンは3人に1台あるかないか。インターネットが接続されていないところもまだありますし、接続されていたとしても外部のクラウドサービスには接続できないこともめずらしくありません。こんなにも情報技術が生活のいたるところに普及しているにもかかわらず、日本の学校はまだその社会に追い付いていないんですよ。
<丸本 徳之(以下 丸本)>そもそもこれまでの学校現場におけるパソコンの導入がなぜ「3人に1台でいい」とされてきたのかどうか、明確に答えられる人はいないと思います。働いている人たちにとって一人一台デバイスを持つのは最低限のことですし、子どもたちも家に帰れば複数のデバイスを使いこなせる環境が整っているわけですから。ネットワークもパソコンも整備されていないことが前提のこれまでの学校は、逆にその環境が子どもたちの学びを制限してしまうという構造的な限界にあると思います。
<内藤>GIGAスクール構想が教育現場の人たちに火を付け、かつ子どもたちを取り巻く環境の変化も教育が変わっていく流れを動かすきっかけになっているみたいですね。
<讃井>またICTの活用が「基礎学力を伸ばす側面」でも必要不可欠だと気付いたのもあると思います。極めつけはOECDが進める学習到達度調査(PISA)の直近の結果で、日本の子どもたちの「読解力」の順位が下がっていたこと。この事態に対し、デジタル読解力の低さが読解力全体の順位を下げる原因となっているかもしれないと指摘が入りました。近年のPISAでは「ネットのブログ記事を読んでどう思うか」といった問題で読解力が問われています。しかし日本の子どもたちは学校でそういう文章に触れる機会が少ないため、正答できていないのではないかと考えられているのです。
<内藤>これまでだったら「読解力=読書」だったところにネット上にある文章が含まれたことも、新しい教育への一歩のような気がしますね。
<讃井>そうですね。ただ教育が新しく変わっていこうとしている一方で、先生不足問題も浮き彫りになってきています。よく「先生になろうと思っている人が減ってきている」という話が出ていますが実際はそうではありません。どちらかというと退職教員が増えているのに対し志望者数にはそこまでの変化がなく、さらに少子化の影響も加わっているため、先生不足が続いている感じですね。小学校の先生だと、試験合格者の倍率が2倍をきっている都道府県もあるほどです。
学校教育に携わっている方々はこのような状況の中で教育の質を保っていかなければならないので、教員育成の在り方についても真剣に考え始めています。特に、危機感の強い地方の教育委員会の方々は人材不足や少子化・過疎化で学校がなくなりかけている問題も抱える中で、学校の存在意義について今一度向き合わなければ、新しい教育に対応できないだろうと危機感を持っているようです。
また日本の学習指導要領に大きな影響を与えているOECDが、2030年に向けて出した学習の枠組み「OECD Education 2030」の中でも学校には、子どもたちが個人やコミュニティ、地球のウェルビーイングの上に築かれる未来の社会を変えていくスキルを身につけられるように支える責務があると説かれています。つまり、一人ひとりが自分のやりたいことを見つけたり、可能性を広げたりする状況を学校でつくっていかなければならないという動きが、世界でも起ころうとしているんです。
<内藤>今の教育の大きな変化は、世界的な動きなんですね。
先生たちが感じる、変化する教育への希望と不安
<内藤>これまでも教育変革の機運は何度かあったかと思いますが、それらと比べて今回は明らかにちがう雰囲気がありますよね。
<讃井>これまでの学校教育の現場には、「そんなにいってもICTは必要ない」「集団指導がまだ続くでしょう?」という雰囲気がありました。しかし最近では、現場の先生たちが「教育にICTを活用していかなければ、将来子どもたちが働き始めた時に困るかもしれない」という危機感を持ち始めているように感じています。だからここ2年くらいで、ライフイズテックの先進的な取り組みにも「ぜひ学校で取り入れたい」と興味を持っていただけるようになりましたね。
またプログラミング教育も同じで、以前は無料体験会のご案内をしても「そんなことよりも、どうすればSNSを使わせないようにできるかについて話をしてほしい」みたいなこともありました。それが最近は「プログラミング教育で何をしたらいいのか分からないから、出張講座をお願いしたい」「ライフイズテックの教材を導入してみたい」と、新しい教育への風向きが変わっているのを感じています。GIGAスクール構想の影響もあってか、去年くらいから教育も変わっていかなければ、日本国内の他の自治体や世界から差をつけられて取り残されてしまうと、教育委員会の方や先生たちも考えているようです。
<丸本>なにより先生たちを新しい教育へと突き動かしているのは、子どもたちの好奇心なんです。子どもたちは学校の外で興味関心を持ったものを学校にも持ち込んできます。先生はそんな子どもの好奇心を伸ばしたいと考えているので、新しい教育を取り入れていかなければと考えているのではないでしょうか。
<内藤>話を聞いていると現場の先生や教育関係者の方は、教育が大きく変わっていこうとしている今の流れをポジティブに受け止めているような印象を受けました。
<讃井>ライフイズテックがこれまでにお会いしてきた方はすでに問題意識を持たれていたので、変わっていくことに対してワクワクしている印象です。これまでだと「変わっていかなければ」と声をあげること自体が学校現場におけるマイノリティだったので、ようやく実現したいと思っていた教育が認められる時代が来たと喜ばれていますね。
<内藤>「変わっていかなければ」と今の教育に課題感を持っていた人たちからすると、バックアップをしてくれる人がいなければ賛同も得られないと思っていたところに、国のGIGAスクール構想などの後ろ盾ができて、より多くの人を巻きこめるようになった感じでしょうか?
<讃井>その通りです。これまで「まだ変わらなくて大丈夫」と思っていた教育関係者の中には、GIGAスクール構想が打ち出されてから、準備や勉強をしなければならないと意識し始めた人もいると思います。実際に各地の教育関係者に話を伺うと、ICTを導入しなければならないことは分かっているけれども、プログラミングを通してどのような教育をしていいけばいいのかという話もありますがそれ以前に今後導入するパソコンで何をすればいいのかという点から悩まれているようです。そのためプログラミング教材の導入だけでなく、ICT環境を含めた地域における教育の全体ビジョンの策定からご相談いただくことも増えています。
<丸本>ICT環境が学校現場にあたりまえのものとして整ってしまったら、何をしていけばいいか分からないと不安を感じている先生もいますし。
<内藤>どうしていいか分からないから、相談したいと?
<讃井>そうですね。教育現場には、パソコンやソフト、ネットワークのそれぞれの事業者から「自社製品を導入して」と営業がくるんですが、それ以前に現場で「どんな子を育てたいのか」「どんな教育をしたいのか」がはっきり見えていない場合が多くて判断ができない。そして、いざ育てたい子ども像や実現したい教育像を定めたとしても、選定するパソコンやソフト、ネットワークを総合的に相談できる窓口がないと、多くの教育関係者が悩んでいます。だからどのOS・デバイスでも使えるプログラミング教育のソフトウェアを取り扱っているライフイズテックに、ICTの環境整備についても相談をいただくことが増えているんです。
ライフイズテックはプログラミング教材販売だけを仕事にしているわけじゃないんですよ。21世紀型のICTを使った新しい教育全体をつくっていくために、その相談に乗ることも大切なことだと考えています。
<内藤>ライフイズテックが全体のビジョン策定から相談される存在になりえているのはなぜなのでしょうか?
<讃井>おそらくいろんな事業者とフラットな関係を築いているので、意見に公平性を感じてもらえているのではないでしょうか。
また「Society5.0」で21世紀に子どもたちがどのように育てばいいのか、教育関係者の皆さんも具体的なイメージがまだあまりない中で、ライフイズテックはこの10年の実績を通して、そのイメージをお話できることも大きいと思います。。実際に「席替え!楽!楽!」というiPhoneアプリをつくって身近な学校の課題解決をした中学生の話や、地域の課題を調べて解決するためのウェブサイトや映像、アプリ、デザインをした子たちの話を出すと、「こんなすごいことができるんだ」「こんな子を育てたい」「このためにICTを整えるならありだね」という声があがります。私達は自分のアイデアをITで形にして、半径50センチメートルの範囲から課題を解決する子たちを育てたいと思っています。その中で育った子どもたちのリアルな事例が、ライフイズテックへの関心・信頼につながっているのかなと思いますね。
<丸本>これまでライフイズテックで育ってきた子どもたちがいることで、育てたい子どもたちのイメージを具体的にお伝えできるんですね。
また21世紀型の教育について研究と実践をしてきた讃井自身の専門性と実績も、ライフイズテックならではの強みだと思っています。
「学ぶ」「教える」の価値観が変わるプログラム
<内藤>プログラミング教育全体のビジョンづくりの中にはもちろん、今回開発したライフイズテックの教材『Life is Tech ! Lesson』の提案も入っていると思います。その教材についても教えてください。
<丸本>『Life is Tech ! Lesson』は子どもたち一人ひとりに合わせた学びを実現できるオンライン教材です。子どもたちが自分自身の力で学習を組み立てていける教材なので、先生にプログラミングの知識や専門性は必要ありません。先生にとって一番の重労働であった教材づくりの必要もので、子どもの進捗を見ながらコミュニケーションを取ったり指導をしたり、授業そのものを楽しい時間にする取り組みに集中できるのもポイントです。またプログラミングを学んだ先に実際につくるものを設定している点も、この教材の特徴ですね。「スキルを身に着けるため」「テストで点を取るため」ではなく「つくりたいものをつくるため」にプログラミングを学ぶ、を大切に開発をしました。この教材を使えば、普段見ているウェブページや使っているアプリ、遊んでいるゲームを「実際に自分の手でつくれるんだ」という体験が届けられると思っています。
<讃井>僕らが話をする中学高校の教育関係者の皆さんは、2020年に「プログラミング的思考力」を育てるものとしてスタートする小学校のプログラミング教育を踏まえたうえでどんな教育をしていくべきなのか、悩まれています。というのも、小学校のプログラミング教育ではパソコンを使うことや、プログラミングを体験することは推奨されてはいますが、必須とはされていません。その代わりに既存教科の中でプログラミング的思考力を習得せよという方針だからです。一方で、プログラミングをやった方が子どもたちにとって良い学びになることは確かです。
そうすると、学校あるいは先生によってプログラミング教育の取り組み方にバラつきが出ます。取り組みが進む地域では、中学校でやろうと思っていた内容を小学校ですでに習っているようなことが起こり、ますます何をすればいいのか頭を抱えてしまうかもしれないのです。
そんな状態で先生が子どもたち一人ひとりに合わせた教材をつくるのはとても大変ですよね。だから専門知識がなくてもプログラミングの授業ができるような状態を全国に広げるために今、全国の教育関係者の方々のところを飛び回っています。
<内藤>全国を飛び回る中で教育現場の皆さんからは、どのような評価をもらっていますか?
<丸本>プログラミング必修化への対応力は評価していただけていると思っています。中学では2021年からプログラミング教育が必修化されるのですが、2020年から導入を決めていただいた学校もあります。
先生たちもプログラミングが必修化されるにあたり、自分たちでプログラミングを学ぼうとされています。どの言語を学ぶべきなのか、どんなことを教えるべきなのかという部分で悩まれているので、僕らはプログラミングの知識習得を目的とするのではなくあくまでも「自分のアイデアを形にする手段」として使うことの大切さをお伝えしています。実際につくりたいものを目標に置いたほうが、子どもたちの学びのモチベーションが上がって、結果プログラミングスキルも課題を解決する力も伸びる。だから好評なんです。
<内藤>実際にどれくらいの学校で導入が決まっているのでしょうか?
<丸本>2019年の年末にリリースしてからすでに、100校以上で導入を決めていただいています。そして今も問い合わせをたくさんいただいているところです。
また実際にサービスの本格始動は2020年の春からですが、2019年度に約10校でトライアルをしています。トライアルで教材を使った学校の子どもたちからは「プログラミングは難しいと思っていたけれども、自分にも簡単にできるんだ」という声があがっていました。ウェブサイト制作を通してアプリ開発にも関心を持ち、独学で制作に挑戦した子もいます。それから身につけたスキルを誰かのために活かしたいと、友達の部活や文化祭のホームページをつくってあげた子もいましたよ。
<内藤>先生の反応はいかがでしょう?
<丸本>先生からは「学ぶ」「教える」ことの価値観・概念が変わったという声もいただいています。先生の中にはこれまでの一斉指導の教育に違和感を持ち、個々にあった教育をしたいと思いつつもなかなか実現できないジレンマを抱えている方もいらっしゃいました。それがライフイズテックの教材を導入したことで、ずっと抱えていたモヤモヤが晴れたと言っていただけましたね。
さらに生徒一人ひとりが自分のペースで学びを進められるだけでなく、進みの早い子が他の子を教えたり、つまづいている子が進んでいる子に教えてと言ったりして、進捗の違いをクラスの子どもたちが許容しはじめたとも伺いました。子どもたちのこの姿を見た先生は、教室は子どもたち同士で学び合える場になるんだと実感したそうです。
<内藤>たったひとつの教材が、教育の価値観変えるなんて思いもしませんよね。
<丸本>STEAM教育やプログラミング教育などの21世紀型の新しい教育が今後入ってくると分かっていても、学び方が従来のままではうまくいかないかもしれません。だからライフイズテックの教材を通して「学び方も21世紀型に変えていかなければならない」と先生たちの口から聞けたのは、本当にうれしかったですね。
教育に関心がある人は今がチャンス!
<内藤>『Life is Tech ! Lesson』の導入校は増えていると思いますが、やはり営業の連絡を入れた時には構えられてしまうこともあったのではないかと思います。今は、学校も先生もウェルカムな姿勢で話を聞いてくれるのでしょうか?
<丸本>本当にウェルカムな感じで話を聞いてくださいますよ。ちょうど1年前くらいに苦戦していた自分へ今の状況をプレゼントしたいなと思うくらいには(笑)。
おそらくこういう状況をつくりだせた理由は、ライフイズテックの「教材を売って終わり」ではなく、実際に先生や子どもの声を聞いたり導入する学校に行ったりして「一緒に新しい教育をつくる大変さや喜びを分かち合う」教育現場との関わり方にあると思います。僕らにとって教材はあくまで学校教育に携わる方々と新しい教育をつくるためのツールだと考えているので、この教材の導入を見送られた学校や自治体にもプログラミング教育をする上での大切な考え方をお伝えしています。だから、導入するしないにかかわらず、「ありがとう」と多くの方に声をかけてもらえるようになりました。
<内藤>丸本さんはもちろん讃井さんも、教育現場の皆さんと一緒に新しい教育をつくるために全国を飛び回っていると思います。きっとそんなお二人だから、今している仕事の先に実現したい学校教育のイメージがあるのではないでしょうか。
<讃井>僕は2020年代の学習指導要領改訂に合わせた教育をするのではなく、2030年、2040年を見据えた新しい教育に今から取りかかりたいんですよ。
例えば子どもたちが教科書の順序通りにプログラミングのスキルを身につけたとします。しかしその授業で、子どもたちにクリエイティビティや今の世の中にある課題を発見して解決していく力がつくかと言われれば、とても難しいと思うんです。そこで「そんな学びは難しいから学校ではできないよね」と諦めてしまうのか、それとも今新しい教育に挑戦するのかで、2030年に実現したいと言っていた教育を2020年代に日本中の学校に届けられる可能性も出てくるのではないかと思っています。
またライフイズテックが側になくても、子どもたちが自分で自分の可能性を伸ばしていける授業を学校だけで実践できる、少なくともそのきっかけになるような教材を届けていきたいですね。
<丸本>僕は社会に出て本当にイキイキ楽しく活躍できる子を育てたいと思っています。社会に出て活躍する人材を育てるために教育があるのだとすれば、もっと社会との接触を増やしていきたいですね。今学校現場で社会とつながる機会と言えば社会科見学のようなインプット中心の体験だと思うんですが、プログラミングやICTの力を持つと社会に対してアウトプットができるようになります。つまり小学生から高校生までの間にも「自分の働きかけが世の中を変えるきっかけになるんだ」という体験を、学校教育でも届けられるようになるんです。
そのためには、教材提供はもちろんスキルアップを望む先生方へのトレーニングにも挑戦したいですね。それから学校と社会の架け橋になって、授業の中で社会の課題を解決するアプリをリリースするのが当たり前になるような学校教育を届けていけたらと思っています。それからライフイズテックの教材を使った学校や先生の「こんな授業をした」という情報が集まるコミュニティもつくりたいです。いいモデルを知るだけでなく、どの先生も新しい教育のモデルの発信者になれるような場所を提供していけたらと。
<内藤>新しい教育に追い風が吹いている今だからこそ、どんどんいろんなことに挑戦できそうですね!
<讃井>本当にそうだと思います。学校現場の先生方や教育委員会と一緒に力を合わせながら教育をいいものにしていくチャンスは、今なんです!大げさでなく、100年に一度のレベルのチャンスだと思いますよ。
<丸本>教育の世界には正解がありません。数十年後の社会や子どもをイメージしながらする仕事なので、僕は日々緊張も感じています。しかしそれ以上に、いろんな人と一緒に新しい教育をつくっていけるのが楽しいんですよ。
教育が社会を変えるのは確かです。その教育が変わろうとしている今この世界に飛び込めば、熱量をもって毎日を過ごせると思います。今の教育業界は、最高の課題解決フィールドなんですよ。
<讃井>もしこれまでの人生で「教育を変えたい」「教育に関心がある」と思った経験がある人は、今すぐ教育業界へ飛び込んで来てください。 極端な話、ライフイズテックじゃなくていいので(笑)! また、教育だけでなく社会をよくする仕事に挑戦したいと思っている人にとってもこの業界は、その気持ちを活かせるフィールドだと思います。ともに教育をより良いものへと変えていきましょう!
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