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こんにちは、LabBaseコミュニケーションデザイナーの小田切です。
前回は私たちLabBaseデザイナーが考える「良いデザインとは何か?」について、またその判断基準となるフィロソフィーを決めるために取り組んだワークを書いてきました。
今回はいよいよLabBaseデザインの世界観を守るためのフィロソフィーを具体のビジュアルイメージと合わせてご紹介します。
LabBaseのデザインを語り尽くす
社員デザイナーを中心に、外部の協力会社さんに所属するデザイナーの方、事業を推進するビジネスメンバーも含めてヒアリングから意見だし、議論など様々なフェーズで協力いただきました。
主に動いたのは、
コミュニケーションデザイナー:
LabBaseの守りたいブランドのスタイルやプロモーションでの見せ方、デザイン表現を担うコミュニケーションデザイナー
プロダクト(UI/UX)デザイナー:
LabBaseユーザーにどうサービスを使ってもらいたいか?理想を持ち、ユーザー体験を設計するプロダクトデザイナー
両者で集めてきた意見や考えを持ち寄り、議論を重ねてLabBaseのデザインフィロソフィを言葉にしていきました。
デザインフィロソフィー
LabBaseのデザインフィロソフィは「研究や技術の力が人のために活かされる場をデザインする」という言葉で表現されます。
そしてこのコンセプトを支える3つの要素をtri-gramとして定めました。
1つ目が「誠実な親しさ」
2つ目が「心地よいスマートさ」
3つ目は「力強くブースト」
「誠実な親しさ」
トライグラムの一角を成す「誠実な親しさ」について、作例イメージと合わせてご紹介します。
大学や国の機関などとの協業、また会社としての公式な発表などフォーマルさが求められる場所でのデザインスタイルにおけるテーマ。
研究や先端技術などのテーマ「先進さ」や「クールさ」を保ちつつ「信頼できる」印象を与えられるよう、白背景をベースに、余白は十分に取る、などのスタイルを採用します。
また広告など言葉の表現においても、幼く見えてしまう、安売り感が出てしまう言い回しは避けるように感嘆符「!」をあまり使用しないといった気をつけるポイントなども推奨しています。
「ここちよいスマートさ」
2つ目の「ここちよいスマートさ」について作例イメージと合わせてご紹介します。
3つのトライグライムの中でも、特にUIデザイン寄りのコンセプトです。サービスを利用するユーザーはLabBase以外にも日々Webや様々な媒体から非常に多くの情報を受け取り、選択を求められます。
そんな情報の混雑しがちな中でも、LabBaseはユーザーにとって適切なタイミングで必要な情報を簡潔にわかりやすく伝えてあげたい。そうしたUIデザイナーの思いと言葉に共感し、考えられた言葉です。
「力強くブースト」
3つ目の「力強くブースト」について作例イメージと合わせてご紹介します。
デザインの表現技術で言えば「ジャンプ率」が近いイメージですが、表面の見せ方だけでなく企画やキャッチコピーなどにも、メッセージとして「課題や悩みを抱えるユーザーの背中を押せるような力強いものでありたい」という意思を込めていきたいと想いがあります。
なぜなら、私たちLabBaseとユーザーやお客さまが出会う接点は、就職活動やキャリアの見直し、ビジネス上の成功など自分を変えるための一歩を踏み出す時が多く、そうした瞬間に背中を押せる。ユーザーの気持ちにブーストをかけられるデザインを表現していきたいという思いで、この言葉が選ばれました。
まだしっかり運用できてるとは言えない
デザインフィロソフィをそれぞれご紹介してきましたが、実はまだしっかり運用できてるとは言えません。
というのも、私自身がコミュニケーションデザイン以外に新規事業の立ち上げフェーズに関わることが多く、初期では最低限のブランドガイドラインは守りつつもデザインの世界観を表現というよりプロダクトUIのモック作成や検証スピードが上がることが優先されることが多いためです。(UXデザインの面白みを感じる状況はとても多いです...)
「LEAN思考を学びながらビジネスモデルの価値検証にチャレンジ」
もちろん、既存事業で制作されるデザインのフィードバックや新しいブランドを作るときの方針決めなどでは以下のようにフィロソフィの観点を見ながら判断していきます。
使い方としては、例に載せたバナーを見る際に3つのトライグラムのうち、すべてを満たしてる必要はなく幾つかの要素が入っておりその中での深度がどれぐらいか?などを施策やブランドの目的なども考慮しながら判断する基準にしています。
ですが、この基準を関係部署への理解のためにコミュニケーションをとる、評価をより体系化・システムにしていくなど多くのメンバーで運用していく動きは殆どできていません。
それでも続ける理由
正直に言って、フィロソフィやブランドを強くする試みは目に見えて利益と結びつきにくいため、他人に話せば重要とは思われるが優先度は上がりにくいです。(特にスタートアップでは)
それでもなぜ続けるのか?理由は誰かがやらないとブランドは強くならず形骸化していくからで、その必要性と責任感を最も感じるのがデザイナーだからです。
フィロソフィを決めようと考えた最大の目的はデザインが「視覚的にしか捉えられず主要メンバーの主観で決まってしまいがち」なものであり、デザインの評価を客観的なものにしにくくし、「デザインって大事そうだけど(良し悪しが分からないから)今ひとつ優先度を上げにくい」要因にしています。
誤解を恐れずに書くと、私自身そこまで会社から求められていないことをしてる感はあるのですが、たとえ自分一人でもブランド強くするために必要だと強く思っていることなので、歩みは止めず協力してもらえるメンバーも頼りながらしっかりと運用できる体制にしていきたいと考えています。