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株式会社HRbase代表取締役の三田と申します。
「働くをカラフルに」をミッションに掲げる、随分とビジョナリーな会社を経営しています。業界では珍しい「理系×社労士」という立ち位置で、人事系のベンチャーが多い中、労務領域でサービス展開をしています。
かつては大阪大学の工学部(生物)で大腸菌を育てていましたが、現在は人や組織を育てるためのサービスをつくっているという異色の経歴です。
Wantedlyの記事をお読みということは、転職を検討されていらっしゃるのかも知れませんね。今日は「働くって何だろう」という普遍的なクエスチョンに対してと、「働く」の根幹を支えている労務管理という領域について少し書かせていただきます。
【お知らせ】=======
当インタビューは株式会社HRbaseのアカウントで運用しておりますが、この記事は旧社名の株式会社Flucleの時代に書かれたものです。記事内には「Flucle」という表記が随所に出てくるかと思いますが、そのときの臨場感をお感じください。
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労務の世界に入ったのは偶然
学生時代、社会人が口を揃えて「仕事がしんどい、面倒、意味があるのか」などとぼやくのを聞き、「その生き方は本当に幸せなのだろうか?」という疑問を持ちました。そのため就職活動では「働き方」に関係する企業を中心に探しました。
人事系を希望していたのですが、内定が出た会社が急に労務系事業を始め、その流れで社労士資格を取得することになり…大学院生のうちに社労士に合格して入社。気付くと、給与計算のアウトソーシングを担当していました。
私自身、そのときは法律にもバックオフィス業務のようなルーチン作業にも興味はまったくありませんでしたから、人生何が起きるか分かりません。
労務領域にはチャンスが転がっている
エンゲージメント関連や教育サービス、コーチング、キャリア系の人事ベンチャー企業は、やっぱりキラキラして見えますし、優秀なプレイヤーによって多くのサービスが生み出されています。
労務業界にも優秀な人は多くいますが、いわゆる「専門知識」「法律遵守」という方向の優秀さが目立ちます。労務管理とテクノロジーのシナジーは高いはずなのに、ITに苦手意識を持つ人が多いのです。
属人的な業務にまじめに取り組む方が多い反面、労務領域でテクノロジーを使ってサービス開発しているプレーヤーも、まだ少ない。
理系かつ社労士の自分にとって、この状況はチャンスです。労務管理の非効率で属人的な部分を仕組みで解決できれば、新しい価値が生まれるのではないかと考え、労務管理クラウドサービスの開発に着手しました。
労務業界はどんどん変わる
労務業界と一口にいっても幅広く、社会保険や給与計算、勤怠管理などの手続き系、コンプライアンス整備、労使トラブル対応、広くは人事制度までバリエーションが豊富で、それぞれ方法論は違うと考えています。
しかしどの領域でも、テクノロジーとの共存は避けて語れません。HRテックの市場規模は実際に拡大しており、2027年には労務管理クラウドの市場だけでも社労士の市場規模と同等の1000億に届く見込みです。
システムのUIはどんどん使いやすく進化し、ナビゲーションに従って運用すれば知識の少ない人でも労務管理ができるようになるでしょう。
さらに2023年6月現在、ChatGPTなどの生成AIによる労務相談の回答に向けたアクションが各所で始まっており、私たちも開発に着手しています。
ではどの部分が人間に残るのかというと、現場に合わせるための目利きの部分です。1から構築しなくても大抵のものは用意され、その整合性や根拠を最終的にジャッジしたり、責任を取るための意思決定にのみ、人がかかわるという世界がすぐにやってきます。仕事の概念自体が、大きく変化するといって過言ではないでしょう。
変化はリスクではない
変化はリスクでもありますが、一番面白い部分でもあります。
変化のない業界は、資本を持ってる人たちが勝つ世界。不確定要素がなければパワー勝負になりますよね。しかし労務業界は、先の見通しがまったく立たない転換期に突入しました。そこで通用するサービスとは?本当の意味での付加価値は?を突き詰めて考えることは、めちゃくちゃエキサイティングです。
感覚的な表現ですが、「人間がやるべきものに向かって走っている」ことを実感しています。古代ローマでは貴族たちは考えることや芸術に時間とお金を使い、作業は奴隷のものでした。2023年、奴隷がAIに変わったということです。とても素晴らしいことです。
ベンチャーの学びと試行錯誤
私たちは小さなベンチャー企業ですが、業界の変化の一部を担えるワクワク感をやりがいにしています。同じ志を持つ大企業の方々とつながり、新しい情報や未来について語り合う時間はとても貴重です。
経営者である私はもちろんですが、社員にも「ゼロからイチをつくり、業界を変えられる」というリアルタイムの熱狂を感じてほしいと思っています。
と書くと順風満帆に聞こえるかも知れませんが、これまで数年間、小さなサービスを立ち上げ、クローズし続けてきました。アイデアで終わったサービスも多くあります。
誰かのマネをすることは簡単です。単に「社労士事務所を大きくするための方法」ならいくつか思い浮かびますし、もう少し簡単かも知れません。しかし私たちは新しい価値を生み出したいのです。
ベンチャー企業とは「まだ世にないものを考えて売っていく集団」を指します。サービスを出してみて、こんなに売れないんだ…ここが市場に響くんだ…という学びと試行錯誤を繰り返す集団であるべきですし、私たちもそこから逃げずに取り組んでいきたいと考えています。
1on1で聞き続けていること
その上で社員に求めているのは、「自己管理ができること、意思を持って働けること」です。私たちの会社は働き方の自由度がかなり高いため、管理されたい / されないと働けない人は厳しいですね。
人間なので「ちょっとだるいな」というときはパフォーマンスが落ちて当然。そのとき適度に休憩しながら自己管理できる人もいるけど、とりあえずだらっと座っておけばいいか...という人もいるはずです。そういった人は管理しきれませんし、信頼もできないと考えています。
管理されずにパフォーマンスを上げるためには、「自分はこう働きたいという意思」が原動力となります。
私は社員との1on1で「何がやりたいのか」を毎回聞くのですが、これは社員にはプレッシャーらしいです笑 しかし一番大切な部分だと思っています。
「どうありたい」を語れる会社員は多くても、「何をやりたい」と明言できる会社員なんて10%もいないのです。社員には「また聞いてきた…」と思われても、ここがはっきりしていないと仕事を前向きに捉えられないのではないか、という意図です。
ベンチャーで働くという選択
ここまでお読みになって、ベンチャーっぽさを魅力に感じた方と、そうではない方がいらっしゃるはずです。
「ベンチャーで働く」ことへの意識は多種多様で、その人によってどこを魅力に感じるかは変わって当然です。答えはありませんが、私からは「得がたい経験ができるよ」とお伝えさせてください。
収入アップ、キャリアアップという単純な話だけではなく、ゼロから業界を変えたら、目の前の景色も変わった…という経験を得て、それを人生の思い出にできるということ自体も、価値ではないでしょうか。
お金を稼ぐだけならさまざまな方法がありますが、「働くをカラフルに」というミッションを掲げてチームで仕事をしている以上、社員には次の仕事に移る時にも糧となる経験をしてほしいですね。
私はなぜかロジカルでドライな人間に見られがちなのですが…人生が終わるときに「どう生きたか」を振り返り、幸せであることが重要だと考えている、割とロマンチックな人間でもあります。
働いた時間が価値にならない時代が来る
働く期間には「平均寿命マイナス15歳が定年」という通説もありますが、平均寿命が70歳だった時代と、人生100年時代では考え方を変えなくてはいけません。
今後はテクノロジーの進化で、「経験豊富」は絶対的ではなくなります。若くてパッとスキルを身に付けられる人が、瞬間的に重宝される可能性があります。
働く年数は伸びるのに、働いた時間で価値が出せなくなるのです。そうなると、今のコスパ、タイパを重要視するだけではなく、自分がミドル以上になったときの働き方を考えなければいけなくなります。
それらのギャップを埋めるため「リスキリング」という言葉も聞くようになりました。しかしリスキリングにはお金も、そして体力も必要です。
昨今は転職もかなりカジュアル化していますが、「今の仕事が嫌だから転職する」という軸ではなく、「この仕事を80歳まで続けたとき自分はどうなるか」という視点で後悔しない選択ができなければ、ミドル以上になって苦労するのではないでしょうか。
「どの会社に行こうか」の前に
労務管理は「働く人」がいる限り、なくなりません。汎用性の高い、だからこそレガシーな方法が残っている業界です。私たちはそこにテクノロジーでチャレンジをしています。
テクノロジーは今後どんどん進化します。既に、少しのお金があれば映画も音楽もマンガも手元のスマホで見れますし、好きな生き方を選択できる時代ですよね。もしあなたが「あくせく働かずに、映画を見ながらマイペースに生きていきたい」と決めたなら、それが正解です。多くの人が、自分の正解に合わせた働き方ができるようにすることも、私たちのミッションです。
転職活動は、自分の「働く」について考える貴重なタイミングです。「どの会社に行こうか」の手前で、自分が何をしたいか、どう働きたいかを考え、言語化してみることをおすすめします。その上で、私たちの会社に興味を持っていただけるのであれば、ぜひ一度お話をさせてください。一緒に「働くをカラフルに」というミッションを実現させましょう。