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「思い切って、キャリアを諦める?」 男性育休取得者が語る、子育てと仕事(前編)

「お父さん、毎日お仕事お疲れ様、ありがとう」


そう、子どもやパートナーに言ってもらえるのは嬉しいものです。


でも、いまのお父さんが頑張っているのは仕事ばかりじゃありませんよね。育児は母の仕事だった時代は終わり、共働き世代の増加とともに、「共育て」があたりまえになってきています。


しかしそんな中でも、育児の最初の一歩である「父親の育児休業」は、まだまだハードルが高く、男性の育休取得率は過去最高を記録した2016年度でも3%ほど。


そんな状況を変えるべく、政府もいろいろな手を打っていますが、まだまだ有効打はありません。


パパママ育休プラスなど、男性育休を後押しする制度は整ってきています。それより大切なのは、組織の風土や、ひとりひとりのお父さんの気持ち。


特に、仕事に一生懸命な人ほど「育休を取ることでキャリアに影響があるのでは?」「長い期間仕事を休むということに負い目が……」と思ってしまいがち。


そこで今回は、男性の育休取得率100%であるフローレンスの、育休を取得したパパ社員の座談会の様子をお届けします。「いっそ、キャリアを諦めればいいんじゃないですかね?」なんてショッキングな発言も出てきますが、「育休を取る」に限らず「育児をする」ことの意味を、考え直すひとつの機会になれば幸いです。


育休、どうやって職場と調整した?


橋本(吉) まずは簡単に自己紹介と、みなさんがいつ育休を取ったのか、それからその経緯について教えてください。まずは僕から。今回の進行役の、働き方革命事業部の橋本です。2017年1月に第二子の男の子が生まれて、3ヶ月半育休を取りました。といっても育休期間も少し働いていて、半育休という感じでした。半育休って何?というのは、ブログを読んでいただければと……(笑)

森下 障害児保育園ヘレンマネージャーの森下です。僕が育休取ったのは2014年の3月なんで、もうだいぶ前ですね。ちょうどヘレン(障害児保育園ヘレン荻窪)の開園の半年くらい前ですね。第二子の男の子が生まれて、1ヶ月半取りました。

野口 働き方革命事業部で人事を担当している野口です。産育休を去年の10月から今年の4月まで取って、復帰したばかりです。こんなに早く戻ってくるとは自分でも思っていなかったんですけど、タイミングよく保育園に入れそうで、逆に1歳のときに入れなかったらどうしよう……というドキドキと戦えず(笑)、復帰した感じです。

橋本(吉) 今回は男性育休取得者の座談会なのですが、女性から見てどう?というのもあったほうがいいかなということで野口さんにも参加してもらうことにしました。よろしくお願いします。

山内 ヘレン荻窪で保育をしている山内です。僕は昨年、2016年10月に子どもが生まれて、1ヶ月半近く育休を取りました。子どもはまだ保育園に通っていなくて、家に妻と一緒にいます。男の子です。

橋本(英) おうち保育園なかの大和園で保育士をしている橋本です。育休中なんですが、取り立てほやほやです。5月の後半から、7月いっぱいまで、2ヶ月と1週間くらい取る予定です。今はとにかく、眠いですね。

野口 生まれたばかりですもんね。

橋本(英) はい、とにかく眠いです。まあ、覚悟していたとおりなので、予想以上でも以下でもないんですけど、これを、世の中の女性がひとりでやっていると思うと……ぞっとしますね。そういうケース多いじゃないですか。ほんとに。

橋本(吉) 今はどんな風に過ごしてるんですか? 家事育児の役割分担とか。


橋本(英) 出産直後なんで、役割分担はほとんどないです。妻には、おっぱいだけあげて、という感じです。休めるときに休んで、という感じで。僕自身は、ミルクを作ったり掃除したり洗濯したり、全部やってます。退院したのが2日前なので。大変ですね、本当に。赤ちゃんはすごくかわいいですけどね

橋本(吉) 本当に生まれた直後なのに、座談会に来ていただいてありがとうございます。ちなみに育休を取るに至った経緯はどんな感じですか?


橋本(英) 自然とそうなったというか。安定期に入るくらいに園長に話をして、「この辺りの時期に育休を取りたいんですけど」と。


橋本(吉) 職場からはどんなリアクションだったんですか?


橋本(英) 取ること自体は、全然ウェルカムでした。期間は、いろいろ調整して、2ヶ月くらいにします、ってとこに落ち着きました。本当はもう少し長く取りたかったという気持ちもあるんですけど……ただ、保育の現場で6月から育休ということになると、4月に入ってきた0歳児の子どもたちは僕の顔を忘れてしまうかも、というところもあって、あまり長い期間は現実的ではないなとも思ってはいました。といっても1ヶ月だと妻が大変だし……という感じで、2ヶ月というところかなと。


橋本(吉) そうか、子どもとの関係というのもありますもんね。山内さんはどうでした?


山内 妻の妊娠と育休の希望を園長に伝えたのは、けっこう早めの時期でした。そしたら「いいじゃん、育休とりなよ」って言ってくれて。他の皆さんには安定期に入ってから伝えました。僕自身、もともと子どもが生まれたら育休を取ろうというのは考えてて、妻とも話をしていたんですけど、育休自体はそんなに長く取るつもりはなくて。長く取りたい気持ちもあるけど、長く休めば休むほど収入が減るというのもあって、1ヶ月半くらいのつもりですというのを職場には伝えてました。


橋本(吉) たしかに、収入は気になりますね。


山内 それから、僕の場合は、里帰り出産だったんです。そこに、僕もお邪魔して。だから1ヶ月くらい、妻の実家で僕も一緒に生活して。


橋本(英) それはすごい。


山内 出産直後は、僕も病院に寝泊まりしていて。シャワーだけは男性は使えないので、妻の実家にいって、「ちょっとシャワー貸してください」って言って、終わったらまた病院に戻って……夜はナースステーションに子どもを預けたられたので、入院中は部屋で妻と一緒に過ごすというくらいだったんですけど、そういうのができたのはいい経験でした。


森下 すごいね。他にも男の人はいた?


山内 いや、見なかったですね。


野口 きっと周りの妊婦さんは「いいなあ、羨ましい」って思ってたと思います。


山内 それから自宅に帰って、妻と子どもと3人で過ごしました。1ヶ月半のつもりだったけど、少し延ばさせてもらって、結局2ヶ月弱くらいになりました。自宅の生活にも慣れないといけないなということで。


橋本(吉) 森下さんの育休を取ったきっかけは?


森下 それはもう、駒さん(代表駒崎)に言われたってのがありますね。駒さんが、うちの妻が妊娠してるってのを知って……なぜ知ったかというと、フローレンスのバーベキュー大会があって、そこで僕の妻と話して知って。

というか、僕はその前に報告をしてたんだけど、それはすっかり忘れてたみたいで(笑)。「森下さん、奥さん妊娠してるんじゃないですか!」って半ギレっぽい感じで言われて(笑)、「いつ育休取るの?」って言われて、「ああ、僕育休取るんだな」って(笑)。

ヘレンを立ち上げる数ヶ月前で忙しくて、育休を取ってもいいものか?というのはあったんだけど、駒さんがそういう風に言ってくれたので。

座談会はまだまだ続きます。後半は「育休が家族にもたらすもの」についてです!

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