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エンジニアドリブンで開発し続ける組織〜新規開発の繰り返しがチームを強くする〜

板敷 康洋

フリーランスのエンジニア、コンサルタントを経て2013年1月にサイバーエージェント中途入社。アメーバピグのサーバエンジニアを経て技術本部のマネージャーに。755、AWA、AbemaTVなどの負荷対策プロジェクトに携わった後、メディア事業の技術人事など組織づくりに注力。2017年秋から新規事業開発のエンジニアリングマネージャー。

エンジニアドリブンな組織における意思決定のありかた

新規開発局とはどういう組織ですか?

メディア管轄、特にAbemaTVに関連する新規プロダクトの開発を専門にする組織です。CATS ( Client Advanced Technology Studio ) がクライアントの専門技術集団、新規開発局がサーバーサイド、デザイン、デバッグを担い一緒に開発をしています。

組織としてのミッションはCATSと同じく、新規プロダクトの開発期間を早め、技術的なノウハウを蓄積し、かつ全社に技術を流通させることにあります。また、経験豊富なメンバーを集めそこに若手を交えることで、エンジニアの育成も担っています。

自分は、そういった新規プロダクトに関わるエンジニアリングマネージャーを担当しています。サーバエンジニアとしてはあまり手を動かしていません。

ー エンジニア組織として、新規開発局のいちばんの特徴はなんですか?

技術者のみで構成される組織のため、結果としてエンジニアドリブンでプロダクトを開発していることだと思います。

ー 板敷さんにとってのエンジニアドリブンとはなんですか?

プロダクトに関わる意思決定がトップダウンではなく、比較的エンジニア、デザイナー主体であることです。

2018年6月にリリースした「SUPERCHOICE」はビジネスモデル的にも類似したものがなく正解がない中、探り探りプロダクト開発をしていったのですが、リリースする機能の優先順位や機能実装、テキスト文言まで、エンジニアとデザイナーが決めていました。

そして現在開発中の新規サービスは、新規開発局とCATSあわせて30名ほどのチームですがビジネス職は3名で、それ以外はエンジニアとデザイナーです。今回の新規サービスの責任者がビジネスモデルとしてのキモを軸に見ていますが、プロダクトに関わる意思決定はエンジニアとデザイナーがハンドリングしています。

サーバサイドは、チームリーダーとして2018年新卒の江頭 宏亮くんが立っています。彼がサーバサイドのエンジニアリングすべてを見るとして、自分はそこ以外の組織面の全てを見ています。

リリースにむけて、必要な機能をリストアップして優先順位をつけてスケジュールを組んだり、技術的比重の高い分野の外部調整、人のアサインや採用、コスト面の管理など。泥臭いところでは組織運営に関わる雑務全般も含めて、プロジェクトを推進するのが自分の役割です。

サーバサイドでいうと技術面はテックリードである江頭くんが担い、組織面はマネージャである自分が担う感じです。



ー 技術面と組織面の担当がはっきり分かれている組織は事例としては珍しいかと思います

「リーダー = 技術と組織の全部をみる」となりがちですが、自分は組織面を巻きとっています。自分と江頭くんの間には上下関係はなく、ロール(役割)としてとらえています。

エンジニアとして技術力があるからといって、誰もが組織マネジメントもできるわけではないですし、逆も同様に人にはそれぞれ得手不得手があって当然です。世の中的によくある「エンジニアがリーダーになったら、技術以外の全てをまかされて疲弊する」ケースは、例えばコスト管理やピープルマネジメント、メンバーの人事評価をやる人がいないので、エンジニアリーダーがやらないと回らない場合だと思います。

ー 新卒がテックリードで、先輩やベテランがメンバーという構成には、どういう考えがあるのですか?

いくつか要因があるのですが、「SUPERCHOICE」の時は小久保 駿くん(2012年新卒)がテックリードを担当していました。新規サービスの開発に新規開発局が関わるにあたって、江頭くんをテックリードにすえ、小久保くんをサイドにつけました。つい直前までテックリードをやっていたメンバーを、次のテックリードの隣につけることで、抜擢された本人も安心してとりくめるからです。

ー 若手をただ抜擢するだけではなく、周りのフォローが必要ということですか?

若手を抜擢するというのはCAっぽいカルチャーです。ただ抜擢はしたけど、全てを任せて「あとはよろしく」では責任ばかりで成長機会になりません。やりやすさや成長速度という点でも年齢の近い先輩と一緒に仕事をすることはとても効果的だと感じています。

また「若手の抜擢」というと聞こえは良いですが、人材育成など中のことはユーザーにとっては直接関係ありません。会社としてチームとしてユーザーに良いものを届ける義務が我々にはあります。そのために若手の抜擢と育成もふくめ、ベストなチームを組成することができるのが新規開発局の特徴だと思います。



新規開発局でのサーバサイドエンジニアリングのおもしろさ

ー サーバサイドエンジニアを募集中とのことですが、新規開発局ならではのエンジニアリングのおもしろさはどこにありますか?

その時その時で、技術的に一番新しいことにチャレンジできること。かつ、自分たちでPDCAをまわせることです。

前のプロジェクトで採用して良かった技術はノウハウとして蓄積されるので流用できますし、イマイチだったものはすぐに変えることもできる。短期間で新規開発をやり続けることで、エンジニアとしてもチームとしても、大きく成長していることを実感しています。

ー 新規開発局ならではの成長実感とはなんでしょうか?

新規開発を繰り返すことで気づいたのは、チームの共通言語や共通体験の効用です。「SUPERCHOICE」や今回の新規サービスのような難易度の高いプロダクトのリリースを、数ヶ月という短期間で何度も何度も体験することで、エンジニアとしての技術力はもちろん、チーム全体で見た時のエンジニアリング力が飛躍的に高まっていきました。

ー チームが強くなるとはどういう状況でしょうか

同じチームで新規開発を短期間で繰り返すことで、チームメンバーが勝手知ったる仲になりました。具体的にはコミュニケーションロスが極力減るので、メンバーは開発に集中することができます。

こんな人が新規開発局のサーバサイドエンジニアに向いているかも

課題に対するソリューションが用意されていてそれに対して開発するよりも、ソリューションからゼロベースで考えるのが好きなエンジニアが向いているかと思います。

ー エンジニアにとってソリューションから考えるとは具体的にどんなことでしょうか。

例えば「新規のユーザーが流入してこない」といった課題があったとして「こういう機能が欲しいので、この納期で開発してください」だとエンジニアは納得感が得られなかったりします。

我々はよく「ソリューションじゃなくて課題をもってきてくれ」と言うのですが、データや数字に裏打ちされた施策を客観性をもってソリューションを一緒に考えていきたいエンジニアもいます。

そのためにはデータに裏打ちさせた施策を練るカルチャーだったり、数字やデータがメンバーに開示されている透明性が必要です。新規開発局が関わるプロダクトにはそういった透明性があるので、きちんと仮説を立てながらエンジニアドリブンでソリューションを考えられるのが特徴です。



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