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渋谷ではたらく社員のリアル ~Voices of AD.AGENCY~
先進国では次々とインターネット広告費がテレビ広告費を上回り、日本でもインターネットがテレビに次ぐ第二の広告媒体になってきました。
当社インターネット広告事業の売上高は2,000億円※1を超え、国内トップシェアとなっており、市場を上回る勢いで増収、シェア拡大を続けています。
インターネット広告事業本部は、全社売上の約半分を占める広告事業を牽引する組織ですが、所属する社員数は全体の2割程度の約1,000名という生産性の高い組織であります。
渋谷ではたらく社員のリアル ~Voices of AD.AGENCY~連載第3回目となる今回は、当社インターネット広告事業本部の中でも特に生産性の高い社員のインタビューをお届けします。2005年に入社し、プレイヤーとしてもマネージャーとしても数々の表彰歴を持つ敏腕局長はどのように生産性を高めているのか?その秘密に迫ります。
”自分なりの仕事の「リズム」を見つける”
--山口さんは、社内でも生産性の高さに定評がありますが、普段どのようなことに気をつけて仕事をしてるんですか?
個人的に気をつけていることは大きく2点ありまして、1つは「自分流のリズムをつくる」こと、もう1つは「周りを巻き込む」ことですね。
1つ目の「自分流のリズムをつくること」は、たとえば広告系の人って夜が強い人が多いのですが、僕の場合は夜弱いので、22時を過ぎたあたりから、機動力が80%ぐらいになります(笑)
でも朝だと120%ぐらいなので22時以降に残って仕事するよりも、早く帰って朝早くから働いた方が生産性が上がります。
どの時間帯がパフォーマンスが高いかは人によりますが、うちの会社は個人の時間の使い方がかなり自由なので、そういった自分の特性を理解して自分なりの仕事のリズムを見つけていくことは重要だと思います。
入社したての頃や成果が出ていない時などは、周りの目が気になって早く帰ることが後ろめたく感じることもありましたし、仕事を依頼した相手が夜遅くまで対応してくれているのに自分が早く帰るのは気が引けることもありました。
でも、それで自分も遅くまで残って仕事するのは、結果的に自分もチームも生産性を下げている活動なので、イケてないと気付き、働き方を見直しました。
もう1つの「周りを巻き込む」ですが、周りを巻き込むことで、自分をボトルネックにしないよう気をつけています。
ある程度経験を積んでくると、自分の強みや弱みもはっきり分かってきます。そうすると弱みの仕事からはどうしても逃げやすくなりがちなんですよね(笑)。取り組んでも時間がかかりますし。
だけど、自分にとっては弱みの仕事でも他の人から見れば強みにあたることがあるので、
自分と強みが違う人を巻き込むようにしてます。その方が、自分がやるよりも遥かに生産性の高い仕事ができるので。
僕の場合は物事を論理的に考えて組み立てるようなことには自信がありますが、組織の活性化などはあまり得意ではありません。でも逆にそういったことに強い人を巻き込むと、やっぱり意見がどんどん出てきますし、自分も勉強できます。自分だけの幅で仕事してしまうと、狭い仕事しかできないですが、自分と違う強みを持った人を巻き込むことで仕事の幅が広がったと思います。
--「自分流のリズム」とありましたが、実際どのような流れで1日を過ごしていますか?タイムスケジュールを教えてください。
営業時間内はMTGかアポに出ていることが多く、一日の大半を何かしらの意思決定の時間に費やしていますね。
自分のタスクは営業時間外の朝や隙間時間に処理していますが、仕組み化できそうなものはどんどん仕組み化して、作業時間のベースを減らすようにしています。
大体いつも20時~21時ぐらいには退社しますが、もちろん僕が帰った後にタスクが発生することもあるので、そういったものは朝起きてから家を出るまでに対応しています。そうすることで9時に出社したときにはタスクが溜まっていない状態なので、考えることや新しい仕事に1時間ぐらい使えるようにしてますね。
”「何でも自分でやりたい!」から盗みのプロに”
--今のような生産性が高い働き方になるまでに、何か転機のようなものはあったのでしょうか?
入社当時は何でも自分でやりたがる癖がついていました。
そんな時に、先輩から「とにかく盗んだ方がいい。盗んでいるうちに個性は勝手についてくる」と教えられたんです。
経験が浅いと自分が考えついたことを「発明した」みたいな感覚になりがちですが、大抵のケースは誰かが過去に同じようなことをやっていて、ショートカットできるものでした。
今も役員や社内外の先輩方との接点が多いので、ひたすら盗んでいます(笑)
うちの会社も専門領域がどんどん横に拡がっているので、色んなプロダクトのスタッフや、メディア企業の方などにお話を伺って、意思決定の参考にしています。
“「適切な目標設計」「緻密な戦略」「分かりやすさ」”
--山口さんは、普段局長としてマネジメントをされていますが、チームの生産性を高める上では、どのような工夫をされていますか?
チームで仕事するときは「周りをどう活かすか」がそのまま生産性に跳ね返ってくると考えています。
だからチームの時間の投資先を、できる限り成果が最大化される最短の道に向ける必要があります。
この投資先を決めるのがそのチームの責任者の役割なので、責任者は評価に値する「①目標を設計」し、それを達成する「②緻密な戦略」を描き、「③分かりやすく浸透させる」ことが求められます。
頑張っていない人やチームなんてうちの会社にはいませんが、成果の差が生まれるのは、ここの差だと自分は解釈しているので、「適切な目標設計」「緻密な戦略」「分かりやすさ」の3点を日々猛烈に意識しています。
「目標設計」は近すぎはもちろん、遠すぎても馬力が出ないので、適正なストレッチラインに置く必要があります。マーケットや事業の成長率を参考指標にしています。最後はどこまでやり遂げたいか?という意志で決めていますが(笑)
「分かりやすさ」は関係者全員が常に「今、何をやれば成果が最大化するのか?そのために重要なのは何なのか?」が明確だと、論点が絞られて生産性が高まります。分かりにくいと各々の解釈や尺度で色んなことに時間を使っちゃうので、ここはすごく意識しています。
例えば「●●シェア100%!」とか「新規開拓●億!」とか、ほぼワンフレーズのようなシンプルな打ち出しになります。裏にある戦略は緻密に設計しますが、あれこれ言っても残らないですし、絶対に外したくない道を皆で共通認識できればOKなので、全体ではワンフレーズが伝われば80点です。分かりやすさが大事だと思います。
“任せるor入る?権限委譲には線引きを”
--今、営業局長だけではなく、事業部横断の様々なプロジェクトも担当されていてものすごい業務量だと思うのですが、どうやってさばいているんですか?
兼務の仕事が増えてきた最初の頃は、受動的に巻き込まれるような感じでどんどん仕事が増えていったので、予測が効かず時間を消費していました。
ただ、これでは全部中途半端になると思って、自分の時間の投資先を強く意識するようになり、権限委譲の大切さを学ぶようになりました。
ある程度筋道が見えてきたら、できるだけ早く任せるようにしています。
そうして空けた時間で、新しい取り組みを考えることに時間が割けるようになりました。
ただ権限委譲する上でも工夫が必要で、タイミングや距離感を間違えると失敗して結局戻ってリカバリーに追われる羽目になってしまいます。だからある程度自分の中でのルールを設けるようにしています。
例えば案件1つとっても、この案件がどういう状態になれば自分が抜けるのかということを考えるようにしています。
メンバーとのコミュニケーションの密度なども緩急をつけています。例えば、期初は戦略をつくって指針を提示するタイミングなのでしっかりすり合わせる必要があります。そういったタイミングではメンバーとのコミュニケーションの時間を多くとります。
期中のモニタリングフェーズに入ると、みんなとコンセンサスがとれた状態で走っているので、あまり介入しません。
プロジェクトの進捗を見ながら、どういう状態になったら自分が介入するのかという線引きを自分の中に持っていることが重要だと思っています。
正確な判断ができるよう現場力を磨き続けることが重要なので、その点も日々強烈に意識しています。
今回のインタビューを通して、若手からマネジメント層までが使える様々なノウハウを紹介してもらうことができました。
引き続きVoices of AD.AGENCYでは、サイバーエージェントインターネット広告事業本部の様々な社員の経験や思いを公開していきます。
次回もご期待ください!
※1 2016年10月から2017年9月までの売上高合計