1
/
5

All posts

創業1年目のIT会社が、外国人採用支援サービス『トモハタ』を公開するまで

先月、私たちは会社としてはじめての自社サービスを公開しました。公開ボタンを押す前の数日は、抜けている確認事項がまだあるのではないかと、何度も見返していました。名前は「トモハタ」。特定技能の制度を使って外国人を採用したい企業に向けた情報サイトです。主軸の事業はシステムエンジニアリングサービスで、これまで手がけてきたのは業務提携先のシステムばかりでした。企画からデータベース設計、公開後の運用まで自社で通しでやりきったのは、創業してはじめての経験になります。なぜ畑違いのHR領域でサービスを作ったのか、正直なところ最初は自分たちでも半信半疑でした。SESの仕事は目の前のクライアントに向き合う仕事...

通る人は、技術の話だけをしていなかった。創業1年目の経営者が見てきた案件面談の中身

「来週、面談があります」と伝えると、少し緊張した返事が返ってくることがあります。無理もないと思います。新しい案件に入る前の面談は、エンジニアにとって転職の面接に近い緊張感がある場だからです。株式会社Codenceの西野です。2025年9月に登記したばかりの、創業1年目の会社を経営しています。エンジニアがお客様の開発現場で働く事業をしているので、案件の面談には送り出す側として何度も立ち会ってきました。今日はその経験から、案件面談という場で実際に何が起きているのか、どんな人が通っているのかを書いてみます。これから面談を控えている方や、この働き方を検討している方の参考になればうれしいです。「面...

使えていたAIツールが、ある朝止まった。創業1年目の経営者が考える、現場の「地力」の話

先日、あるAI開発支援サービスが、公開からほんの数日で使えなくなった、という話が界隈で流れてきた。詳しい経緯は伏せるけれど、要は「昨日まで動いていた便利なツールが、今日は開けない」という状況が、実際に起きたらしい。理由は障害なのか、方針の変更なのか、外から見ているぶんにはよくわからない。ただ、使っていた人からすれば理由はどうでもよくて、目の前で手が止まったという事実だけが重い。それを見て、現場のエンジニアが少しざわついていた。「あれ前提で作業を組んでたのに」「今日中に出すつもりだったのに」。気持ちはよくわかる。私も一瞬、自分の手元に置き換えて考え込んでしまった。もし自分が毎日頼っている道...

「その案件、商流のどこにいますか?」創業1年目の経営者が、面談で必ず確かめる理由

転職の相談に乗っていると、案件の話になったときに、私はよくこう聞きます。「今受けているその案件、商流のどこにいますか」と。すぐ答えられる人は、実はそれほど多くありません。使っている技術や担当している機能はすらすら説明できても、自分がどの位置で働いているかは意識したことがない、という人が結構います。聞かれて初めて「そういえば、考えたことなかったです」と言う人も少なくない。でも、この「商流のどこにいるか」は、日々の働き方や、身につくものに、想像以上に効いてきます。同じ言語を書いていても、同じ年数を過ごしても、後から差になって表れる。今日はその話をさせてください。そもそも「商流」とは何かITの...

創業1年目の経営者が見た、2026年下半期に「求められるエンジニア」が変わってきた話

転職を考えているエンジニアと話していると、最近よく聞かれることがあります。「今って、まだ転職しやすい時期なんですか」。数字だけで答えるなら「売り手市場は続いています」で終わってしまうのですが、現場で案件や採用に向き合っている身からすると、それだと半分しか伝わらない気がしています。市場は確かに動いている。けれど、その動き方が去年までとは少し変わってきました。今日はその話を、できるだけ正直に書こうと思います。求人倍率の数字より、現場で感じている変化数字を一つだけ出します。ITエンジニアの新規求人倍率は、2026年4月時点でおよそ2.6倍でした。前年の同じ時期は3.0倍だったので、求人の勢いそ...

『次の現場、運ですよね』に、創業1年目の経営者が本気で答えてみた

御社に入ったら、どんな現場に行くんですか。転職を考えているエンジニアと話していると、ほとんどの人がこの質問をします。そして、もう少し正直な人はこう付け足します。配属って、結局は運ですよね、と。その気持ちはよくわかります。SESという働き方には「配属ガチャ」という言葉までついて回っていて、入ってみないとどんな現場かわからない、外れを引いたら数年そこで足踏みする、という話は実際にあります。私自身、エンジニアとして現場に出ていた頃に、近い感覚を持っていました。次の現場が決まるまで、自分では何も動かせない時間があるのは、けっこう落ち着かないものです。ただ、経営する側にまわってみて、見え方が変わり...

「この人に会ってみたい」と思うスキルシートは、何が違うのか。創業1年目の経営者の視点

先日、転職を考えているエンジニアの方とカジュアルに話していて、こんなことを聞かれました。「スキルシートって、ちゃんと読まれているんですか」。正直な質問だと思いました。何枚も書き直して、案件を並べて、スキルに丸をつけて。それでも反応がないと、誰も読んでいないんじゃないかと疑いたくなる。気持ちはよく分かります。私はいま採用する側にいて、いろいろな方のスキルシートに目を通します。その立場から言えるのは、読まれてはいる、ということです。ただ、書いた人が思っているほど隅々まで、丁寧には読まれていない。最初に目が止まる場所と、すっと流される場所が、はっきり分かれています。今日は、採用する側がスキルシ...

同じ開発でも、契約が違えば働き方は変わる。創業1年目の経営者が見た、準委任と請負の現場

先日、転職を考えているエンジニアの方と話していて、こんな言葉が出てきました。「前の現場、入ってみたら聞いてた話と違ったんです」。面談のときに説明された内容と、実際の働き方がずれていた、と言うのです。残業の指示が誰から飛んでくるのか、自分の仕事が何で評価されるのか、そのあたりが曖昧なまま現場に入ってしまった、と。話を聞きながら、私はその「ずれ」の多くが、契約の形を知らないまま働き始めたことから来ているように感じました。同じようにコードを書く仕事でも、どんな契約で現場に入っているかで、働き方も、責任の重さも、評価のされ方も変わります。ここを知っているかどうかで、会社選びの見え方はかなり変わる...

「出社の方が伸びる」は本当か?創業1年目の経営者が、リモートと出社の現場で見てきたこと

最近、Wantedlyのフィードで「フルリモートより、出社できる人の方がキャリアのチャンスをつかみやすい」という趣旨の記事をいくつか見かけました。転職を考えているエンジニアと話していても、「結局、出社した方が評価されるんですか」と聞かれることが増えています。出社回帰の流れがニュースでも取り上げられる中で、自分のキャリアにどう影響するのか、不安に感じている人が多いのだと思います。私はSESと受託開発を準備中の会社をやっていて、メンバーはリモート中心の現場にいることもあれば、客先に出社して働くこともあります。どちらの現場も近くで見てきました。その上で正直に言うと、「出社だから伸びる」「リモー...

経験年数より「任せられる範囲」。創業1年目の経営者が見る、2026年エンジニアの市場価値

転職を考えているエンジニアと話していると、よくこう聞かれる。「あと何年やれば、市場価値って上がりますか」。経験年数を物差しにして、自分の現在地を測ろうとしている。その気持ちはよくわかる。私もエンジニアだった頃、同じことを考えていた。あと3年、あと5年と数えて、年数が増えれば評価も自然と上がるはずだと思っていた。でも最近、その物差しが効きにくくなってきたと感じている。経営者として現場のエンジニアを見ていると、年数と評価が前ほど比例しなくなった。長くやっている人が、必ずしも一番頼られているわけではない。逆に、年数はそこそこなのに、現場で誰よりも信頼されている人もいる。今日は、2026年のいま...

「これ、何のために作ってるんだっけ」多重下請けの現場で感じた距離を、経営者になって縮めたい

エンジニアとして客先に常駐していたころ、ふとした瞬間に「これ、何のために作ってるんだっけ」と思うことが何度もありました。仕様書には、画面の項目とボタンの動きが細かく書いてある。その通りに実装すればテストは通るし、レビューも問題なく抜ける。でも、その機能が誰のどんな困りごとを解いているのか、私は知らないまま手を動かしていました。気になって聞いてみても、はっきりした答えは返ってきません。隣の席のリーダーも知らない。リーダーが確認している元請けの担当者も、本当の発注元から又聞きで指示を受けているだけ。たどっていくと、「なぜ作るのか」を本当に知っている人まで、何階層も離れていました。当時はそれが...

「合いそうな会社か」を面談で見極める。創業1年目の経営者が教える、エンジニアの逆質問

カジュアル面談の終盤、「何か質問はありますか」と聞かれて、当たり障りのないことだけ聞いて終わってしまう。そんな経験、ありませんか。私は採用する側として面談に出ることが多いのですが、逆質問の中身を見ていると、その人がどれだけ真剣に転職と向き合っているかが、けっこう伝わってきます。同時に、それは私自身が問われている時間でもあります。エンジニアからの質問に、こちらがどう答えるか。その答え方に、会社の素が出るからです。転職は、入ってみないと分からない部分が多い。求人票やスカウト文を何度読んでも、実際の現場の空気までは見えません。口コミサイトを見ても、書いた人の状況が自分と同じとは限らない。結局、...

「この現場、AIを使っていいですか?」創業1年目の経営者が見てきた、伸びる現場の分かれ目

先日、転職を考えているエンジニアの方とカジュアルに話していて、こんな質問をもらいました。「今の現場、AIを使っていいのか分からなくて。御社はどうですか?」一瞬、答えに詰まりました。私はてっきり、技術スタックや案件の話を聞かれると思っていたんです。でも、その人がいちばん知りたかったのは、コードの書き方ではありませんでした。自分がこれから毎日どんなふうに働けるのか、そこでした。よく聞いてみると、今の現場ではAIツールの利用がはっきり禁止されているわけではないそうです。けれど、誰も使っていると公言しない。使っていいのか悪いのかが分からないまま、なんとなく使わずにいる。その状態が一年近く続いてい...

Javaだけが正解じゃない。創業1年目の経営者が見る、C#/.NET市場の2026年

面談をしていると、Javaを長く書いてきた方から似た質問をよく受けます。「この先もJavaだけで食べていけますか」「次に何を覚えておくと安心ですか」。気持ちはよくわかります。私ももともとエンジニアだったので、自分の持っているスキルがこの先どう評価されるのかは、いつも頭の片隅にありました。技術の話というより、生活と地続きの不安なんだと思います。その流れで最近増えたのが、「C#って、今でも需要あるんですか」という質問です。なんとなく古い言語、というイメージを持っている人が多いみたいです。でも市場を見ていると、C#と.NETはむしろ静かに存在感を増しています。声高に話題になるタイプの技術ではな...

【AIと開発の現場】コードはAIが書ける。では『設計の意図』は、誰が残すのか

AIにお願いすれば、動くコードはすぐ出てくる。これは現場の実感として、もう当たり前になりました。設計の叩き台も、テストコードも、ちょっとしたバッチ処理も、聞けば形になって返ってくる。手を動かす時間は、ここ一年ではっきり短くなりました。エンジニアと話していても、「まずAIに投げてみる」が最初の一手になっている人が増えています。ただ、最近の現場で私が引っかかっているのは、速くなったこと自体ではありません。コードは速く書けるようになったのに、「なぜこの作りにしたのか」がチームに残りにくくなってきた。動くものはどんどん増えるのに、その理由だけが置いていかれる感覚があります。今日はその話を、創業し...