SES業界が抱える3つの構造的課題
課題1:多重下請け構造と中間マージンの問題
日本のIT業界では、エンドクライアントから直接案件を受注する元請けの下に、2次請け、3次請けと商流が重なることが一般的です。商流が一層増えるごとに中間マージンが発生し、エンジニアの手元に届く報酬は減っていく。
たとえば、エンドクライアントが月額100万円を支払っていても、3次請けのSES企業にいるエンジニアの手取りは40万円台ということも珍しくありません。エンジニアの技術力に見合った報酬が支払われない構造は、業界全体の信頼を損なっています。
Codenceでは、可能な限り1次請け・2次請けまでの案件に限定し、エンジニアへの還元率を高く維持する方針を取っています。商流の深い案件は、たとえ営業的にラクでも受けない。これは経営判断として簡単ではありませんが、エンジニアの信頼を得るためには不可欠だと考えています。
課題2:エンジニアのキャリアが「会社の都合」で決まる
多くのSES企業では、エンジニアの案件配置が「会社の営業都合」で決まります。「この案件が空いているからここに行って」──エンジニア本人のキャリアプランよりも、目先の売上が優先されるケースが後を絶ちません。
その結果、Javaを極めたいエンジニアがPHP案件に配属されたり、上流工程を経験したいのにテスト工程ばかりアサインされたりする。こうした「ミスマッチ」の積み重ねが、エンジニアのモチベーションを削り、最終的には離職につながります。
私たちCodenceでは、案件を選ぶ際にまずエンジニア本人の希望を聞くプロセスを必ず挟んでいます。複数の案件候補を提示し、本人と一緒にメリット・デメリットを検討する。「自分で選んだ」という納得感があれば、同じ案件でもモチベーションがまったく違うのです。
課題3:「SESだけ」で完結する事業モデルの限界
SES事業だけで経営する企業には、構造的な限界があります。エンジニアの稼働率が売上に直結するため、常にエンジニアを「案件に埋める」ことが最優先になる。待機期間は人件費だけがかかるコストセンターになるため、キャリアの方向性よりも「すぐに入れる案件」が優先される。
この構造を打破するには、SES以外の収益源が必要です。Codenceでは、SES事業に加えて受託開発事業を展開しています。SESで培った技術力を受託開発に活かし、受託開発で得た設計・提案力をSESの現場価値向上に還元する──この循環が、SES事業単体では実現できない成長環境を生み出しています。
「SESの正しい使い方」とは何か
ここまで課題を挙げてきましたが、私はSESという仕組み自体を否定するつもりはありません。むしろ、正しく使えばエンジニアにとって非常に有効なキャリア構築手段になると考えています。
SESの最大のメリットは、「多様な現場経験を短期間で積める」ことです。大手SIerに正社員として入ると、一つのプロジェクトに数年間張り付くことも珍しくない。一方、SESなら半年〜1年のスパンでさまざまなクライアント、業界、技術スタックを経験できる。
この「経験の幅」は、将来的に上流工程やマネジメントに進む際に大きなアドバンテージになります。多様な現場を知っているからこそ、「この業界ではこういうアプローチが有効」「このクライアントにはこういう提案が刺さる」という判断ができるようになる。
「SESの正しい使い方」とは、SESを「終着点」ではなく「成長の手段」として位置づけること。そして、その成長を支える仕組みを会社側が責任を持って設計することです。
Codenceが目指す「SESの次のかたち」
私たちが目指しているのは、「SES→受託開発→自社プロダクト」というキャリアパスを、一つの会社の中で実現できる環境です。
SESで技術力と現場力を蓄え、受託開発で設計・提案力を磨き、将来的には自社プロダクトの開発にも関われる──そんなキャリアの「段階設計」を、Codenceの中で提供したいと考えています。
SES業界を変えるのは簡単ではありません。しかし、一社ずつ「正しいSES」を実践する企業が増えていけば、業界全体の信頼も回復していくはずです。Codenceは、その先頭に立つ覚悟を持っています。
もしSES業界に不信感を抱きながらも、エンジニアとして成長したいという思いを持っているなら、ぜひ一度話を聞きに来てください。「SESの正しい使い方」を、一緒に実践しましょう。