私たちの「Slack利用ガイドライン」を公開します!ガイドライン制定までのこぼれ話も
私たちSOMPO Digital Labは、海外グループ会社も含めたグループ全体のDX実現に向けて、既存事業の変革と新規事業の創出に取り組む、SOMPOの中でも比較的新しい組織です。
中でも「Sprintチーム」と呼ばれるデザイナーとエンジニアで組織された内製開発部隊では、SOMPOグループの種々の事業に関わる様々なプロダクト開発にチャレンジしています。
私たちは主にSlackを使ってコミュニケーションを取っているのですが、SOMPO Digital LabのSlack利用ガイドラインを制定し、メンバー全員がそのガイドラインに沿った運用をしています。
今回は、そんな私たちの「Slack利用ガイドライン」を公開したいと思います!具体的な利用ルールだけでなく、「どうしてこのようなガイドラインを作成することになったのか?」や「ガイドラインを制定して良かったと思うこと」など、ガイドライン制定に携わった社員の声もお伝えします。どうぞ最後までご覧ください!
ガイドライン制定のきっかけ
当時、部内では以下のような課題を抱えていたことから、利用ルールについて改めて見直し、ガイドラインを制定することとなりました。
- ワークスペースの利用方法が人によって異なっており、中でも閉じたコミュニケーションが頻繁に行われていた
- プロジェクトに関する連絡を個人間のDMでやりとりしているケースがあり、他のプロジェクトメンバーにも知っておいてもらいたい情報が、上手く伝達・共有されていなかった
- チャンネルの命名がバラバラで、連絡事項を書き込もうとした時に、どのチャンネルに書き込んだら良いか迷ってしまうことが多かった
これらの課題を踏まえ、実際のガイドラインでは「プロジェクトに関するやりとりは、そのプロジェクトのチャンネルを作り、その中でオープンにやりましょう」というルールを設けたり、命名規則も新たに制定し、「誰から見ても分かりやすい名前をつけましょう」という方針も定めました。
具体的な進め方
部内で上記のような課題に関する声が上がったのが2023年の4月なのですが、そこからSprintチームの3,4名のメンバーが中心となってガイドラインの草稿を作成しました。他のメンバーからのフィードバックなども適宜はさみながら、2023年の7月頃にガイドラインの方針が固まり、利用をスタートさせました。
部内には総勢約110名程度のメンバーがいますが、そのメンバー全員が利用するSlackのガイドライン制定やルール整備を、私たちSprintチームが中心となって担いました。
今回中心になって動いたメンバーには、前職でもSlackを活発に利用し、Slackを円滑に利用した経験がある人や、Slack自体はそこまで詳しくなくても、「こんな風にコミュニケーションをとると良くなるのでは?」といった意見や提案のある人たちが集まりました。エンジニアだけでなく、PMOやデザイナーのメンバーもいて、職種を問わずみんなで意見を出し合っていましたね。
特に議論になったところ
「プライベートチャンネルの利用はあまり望ましくないのではないか」という意見がありました。デジタル・データ戦略部ではもともと、「原則、プライベートチャンネルでやりとりをする」という決まりがありました。しかし、プライベートチャンネルは当然、そこに入っているメンバーしか内容を見ることができず、必要な人に必要な情報が届かないという懸念もありました。
また、オープンにした方が情報を自分から取りに行けますし、そのような環境や姿勢も結構重要かなと思います。そこで、インサイダー情報や機密情報を扱う場合だけ、引き続きプライベートチャンネルを作成してやりとりすることにしました。
その他には、DMの利用についても議論になりましたね。特に意識せずにSlackを運用していると、どうしてもプライベートな会話へ流れてしまいがちです。そのためDMが横行し、情報の参照性が著しく阻害されてしまう事態に陥りました。
これについては、「時にはパブリックな場では言いづらいことがあったり、みんなの前では発言しづらい人もいる」という意見もありましたが、そこはやはりパブリックにすることのメリットをよく理解していただいた上で、DMは原則禁止という方針を策定しました。
ガイドラインを制定した先の、目指すべきゴール
いまお伝えしたような背景の中で動き始めたので、「もっとコミュニケーションを取りやすくして、活発にコミュニケーションをとっていくこと」をゴールとしていました。
さらには、今すでに参加している人たちだけでなく、将来Sprintチームに参加する人や今後関わる人、誰でも活発にコミュニケーションが取れる体制を目指しています。
ここからは、実際のガイドラインの内容をお見せします!
■チャンネル
・原則すべてのチャンネルはパブリックとする
・作成、参加および退出は自由
💡なぜプライベートチャンネルが良くないのか
自発的に情報を手に入れることや探すことが難しくなり、コミュニケーションロスが発生する。誰が何をしているのかが分かりにくくなり、連携ミスの原因となるなど、業務スピードの低下の原因となるから。
■命名ルール
・- (ハイフン)で連結する。_(アンダースコア)は使用しない
💡スラックはチャンネル作成時にスペースを打つとデフォルトで - になるから
💡なぜ命名ルールが必要なのか
・チャンネルの作成意図を分かりやすくするため
・チャンネルの検索をしやすくするため
・以下のようなプレフィックスがあります
・#announce:重要な社内通達、回覧、周知ように利用する
・#chat:趣味などの雑談に利用する
・#ext:Slack Connectによる外部とのコラボレーションに利用する
・#help:新規メンバー、他チームからの問合せに利用する
・#proj:各種案件や、何らかの取り組みなどに広く利用する
・#team:各チームに関連する業務内容を話し合う場として利用する
・#times:各個人のタイムラインに利用する
・#tmp:一時的な用途で利用する
・チャンネル名は基本的に英語で命名する
ただし、英語だけだとどうしても分かりづらい場合、末尾に日本語をつけることも可能
・チーム用チャンネルは、チーム外メンバーの参加を禁止するものではない
・もし命名に悩んだら、#p-slack-kaizenで相談
■プライベートチャンネル
・基本的にパブリックチャンネルの利用を前提とする
💡なぜパブリックチャンネル推奨なのか
・プロジェクトメンバー間の情報格差が生まれることを防ぐ
・コミュニケーションの活性化
・気になるチャンネルに気軽に参加して、情報を得られる
・インサイダー情報や不特定多数の目に触れない方が良い内容については、都度プライベートチャンネルを作成して連絡する
ダイレクトメッセージ
・個人間のDM、グループDMの双方について、原則として利用しない
💡なぜダイレクトメッセージが良くないのか
プライベートチャネルと同じデメリットがある。小さな相談事でも、DMで行うと「なぜその結果に至ったか」のコンテキストが全て欠如してしまうから。
アナリティクス
・アナリティクスの提示を通して、DMを控える空気感を作る
・あくまでもアナリティクスを活用して改善を促すだけで、監視はしない
・アナリティクスの定期周知(改善レポート)
・アナリティクスで、情報発信の割合を分析する
(例)プライベート割合が多すぎる、メッセージが多いのにチャンネル投稿が少なすぎるなど
通知
・@channelや@hereは、発言前にそれが必要かどうか熟慮する
・送信日時設定(予約投稿)も活用する
・夜や休日など、業務時間外の通知については、受ける側が調整する
Slackのデファクトスタンダードを探る
元々の特徴としては、みなさん少し秘密主義と言いますか、パブリックな場ではあまり発言したがらない印象がありました。あとはSlack上でも、メールのような挨拶文を添えた文章を書く人もいましたね。しかし、今回のガイドライン制定により、現状はだいぶ変わってきているかなと思います。
今回のガイドライン制定では、あえて使い方に特徴がない状態を目指しています。個人的には、コミュニケーションツールのデファクトスタンダードみたいなものがあると考えていて、「こう使うと便利」という一般解があると思っています。なので今回は、Slackのデファクトスタンダードをみんなで探るようなイメージでガイドラインを作りました。
ガイドラインを作成して良かったこと
ガイドラインを制定する前と比べて、とても活発なコミュニケーションが見られるようになったので、そこは良かったと感じています。以前はDMの数が多かったですが、プロジェクト関連の連絡事項は各プロジェクトのチャンネルに投稿してもらうことで、みんなが平等に情報を受け取れるようになりました。
また、チャンネル名も命名規則を決めたことで、各チャンネルの役割がパッと一目で分かるようになったことも、効率化されて嬉しい点ですね。
今後の課題
活発に発言している人が増えたものの、活発なやりとりに参加している人がまだ特定の人だけに偏ってしまっているのが現状です。バプリックでない場所でのコミュニケーションもある程度残っていると思うので、そのようなプロジェクト・人に対して、どうやってオープンな場所で発言してもらうかが課題だと考えています。
まとめ
今回はSprintチームのSlack利用ガイドラインの公開と、ガイドライン制定に携わった社員の声をお届けしました。
Sprintチームでは、日頃からオープンなコミュニケーションを大事にしていて、誰でも平等に情報へアクセスできる状態を維持していることが伝わったでしょうか?今回の記事から、プロジェクト以外でも、メンバーが主体的に活動している様子を感じ取っていただけたら嬉しいです。
そしてSprintチームでは現在、一緒に働く仲間を募集しております。
今回の記事を読んで、「プロジェクト以外の場面においても、能動的に改善する機会がある環境って良いな」「ガイドラインの内容や、コミュニケーションの在り方に共感できた!」と感じた方は、ぜひ下の「話を聞きたい」ボタンから、カジュアル面談に応募ください。
SOMPOホールディングスでは、今後もさまざまな社員やプロジェクトを紹介していきますので、次回もどうぞお楽しみに。