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[CEO Interview]日本郵政グループのDXを変革のタグボードとしてリードする

JPデジタル代表取締役CEO 飯田 恭久
日本郵政 常務執行役・グループCDO、日本郵便 常務執行役員 DX戦略担当、JPデジタル 代表取締役CEO
米国留学後、世界No.1のグローバル企業のジレット社、ウォルト・ディズニー社にて、日米を跨いでマーケティングに従事。 ダイソン社の代表取締役社長として、日本におけるダイソンのブランディングを確立。 楽天グループ株式会社の上級執行役員に就任。楽天USAの社長として、米国を拠点にインターネット業界での事業拡大の基盤作りに従事。2021年より現職。


飯田さんのこれまでのご経歴を教えてください。

私の人生には、3つの“奇跡”がありました。

子供の頃から野球を始め、高校は甲子園の常連校である日大三高に野球推薦で進学しました。毎日毎日120%野球漬けの日々で、2年次には西東京大会の決勝まで行きましたが、敗れてしまいます。結果的に3年間、甲子園に行くことは叶わず、キャッチャーとして肩を壊していた私はプロ選手への道を断念しました。

野球しかやってこなかった自分が野球以外の何ができるのかを模索し、辿り着いた結論がアメリカ留学だったのです。これが1つ目の奇跡です。ポートランド州立大学に入学したのですが、英語との相性が非常に良くて、短期間でメキメキ上達したのです。授業もレポートもディベートも英語でこなせるようになりました。

大学でマーケティングに出合い、「この世界でプロになる!」と決めました。そして1992年に卒業後、世界最大の一般消費財メーカーと出合います。世界150か国以上に展開しているカミソリのNo.1企業です。ボストン本社で世界中から集まってくる人材に囲まれ、マーケティング力を鍛えられました。

1999年に縁があって世界的なエンターテイメント企業に転じ、アメリカにある世界で最も有名なテーマパーク等へお客さまを誘致するマーケティングを手掛けます。この経験を通じて、お客さまにいかに楽しんでいただくか、多くを学びました。

2002年には、サイクロン式掃除機を世界で初めて開発・製造した英国発電気機器メーカーの日本法人の社長にスカウトされました。当時20名ぐらいの、日本では無名のいわばベンチャーで、社名が似ていた100円ショップと間違われたほどです。そんな存在を、誰もが知っているような憧れの家電ブランドにすることができ、非常に満足度の高い仕事ができました。

そんな、グローバルNo.1企業ばかりを経験してきた私は、2006年に偶然、インターネット関連サービスを中心に展開するほか、金融やモバイルサービスを提供する日本の大手企業の社長と出会います。これが2つ目の奇跡です。当時創業9年目の国内企業でしたが、その社長は「当社をグローバル企業にしたい。一緒にやりましょう!」と誘ってくれたのです。その志に惚れ込んで、二つ返事で合意しました。以来、アメリカにある同社のグループ企業のプレジデントなどを務め、2019年までアメリカで同社のグローバル戦略を担います。

この時まで、私は留学含め17年間アメリカで生活し、今でも3分の1はアメリカ人という意識が残っています。そんなグローバルな人間であれば、普通は次もグローバル企業に行くでしょう。ではなぜ、日本の中でも特にドメスティックな企業と言える日本郵政グループにジョインしたのか。これが3つ目の奇跡です。

コロナ禍でいろいろなことが変わる中、2021年3月に前職のグループと日本郵政グループが資本・業務提携を発表しました。その中に、デジタル化が遅れている日本郵政グループに前職のグループからDX人材を出すという条項があり、私に白羽の刃が立ったのです。

話を聞いた瞬間、この仕事をやりたいと思いました。なぜならば、日本の全国津々浦々に約2万4,000か所ある郵便局を変えるということは、全日本国民に影響を及ぼす仕事だからです。日本人は誰しも郵便局と関わりがあります。150年以上の歴史がある郵便局をデジタルの力でより使いやすくし、全ての国民に、より便利なユニバーサルサービスをお届けする。こんなに大きな影響を及ぼせる「大義」のある仕事はない、まさに奇跡的であると感じた次第です。


JPデジタルのビジョンについて教えてください。

JPデジタルは、スピード感をもってDXを進めるべく、私が日本郵政の社長に提言して設立しました。まずは、グループ各社からそれぞれの領域のスペシャリストを集めてスタートしています。

当社では、デジタルツールが配備された郵便局づくりや便利なアプリ開発、蓄積したデータの活用などももちろん行っていきますが、それらは手段であり、目的はお客さま、つまり全国民の体験価値いわゆるUXを徹底的に高めることです。

現在の郵便局は、良くも悪くも昔のまま。昔のままのほうがよいという方もいるかもしれませんが、デジタルネイティブな若い世代の方にとってはどうでしょうか。特に若い世代の方は、郵便局は入試の願書を出す、就職活動で書類を出すといった時にだけ足を運ぶような存在ではないかと思います。そんな郵便局を、デジタルの力でもっと身近に、もっと役立つ存在にする。郵便局には銀行や保険等のサービスも充実しています。あらゆる年代の人々のニーズに即し、生活に密着する存在に変える。そのために、デジタル人材をはじめ、様々なスペシャリストが活躍できる会社にしていきます。

いわば、JPデジタルは日本郵政グループという巨大な船を理想の未来に牽引していくタグボートのような位置づけです。


ビジョンの実現に向けて、社員にはどういったことを期待していますか?

社員に対しては、「想い」「志し」「挑み」「創り」「樂む」という5つを掲げたクレドを大切に考え、実践してほしいと思っています。
「想い」、全ては想うことから始まります。
「志し」、本気で未来を変えたいと思うことが大切です。
「挑み」、失敗しても構わないので、チャレンジしようということです。
「創り」、専門性を武器に、自らの力で創り上げる集団であるということです。
「樂む」、遊ぶというより、ワクワクして仕事を楽しむ。とても大事なことだと思っています。


これから一緒に働いていただける方へメッセージをお願いします。

この国の生活者にとても身近な郵便局が変わることは、とても大義のあることだと思っています。その大義を感じてくださる方と、一緒に働きたい。
私たちは、日本郵政グループのIT部門ではありません。単に、デジタルツールだけを導入する役割でもない。お客さまがもっと快適に、もっとうれしいと感じていただける、郵便局ならではの体験を描いていく。そのために局員の皆さんの働き方がどう変わるのかを考える。そうした全体の構想を描き、デジタルを「使って」実現していく会社です。
当たり前のように思われているサービス、ここまで国の生活に近いところにある郵便局が、ここまでやるのか、を示したい。

日本郵政グループは歴史のあるとても大きい組織なので、何かが一気に変わるということは少ないかもしれない。でも、これもできた、あれもできた、という小さな気づきと達成の積み重ねで、だんだんと変わっていく。そういう創造性と実行力を兼ね備えた組織になっていければと思っています。

私たちJ Pデジタルは、自らを「変革のタグボート」と定義しました。この大きな郵便局を牽引するタグボート。ある意味とてもチャレンジングなミッションを自らに課したと思っています。でもそれぐらいの気概で、「みらいの郵便局」を創り出していきたい。
そうした志を共にしてくださる方々と一緒に、楽しくチャレンジをしていきたいと思っています。


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