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博報堂、アクセンチュア、そしてUNCHAINへ。CMO・原田が語る「ゲーミフィケーションこそ今必要とされるマーケティング」

株式会社UNCHAINでは、「世の中を"神ゲー"にして動かす」というミッションのもと、ゲーミフィケーションとマーケティングを掛け合わせたサービスを展開しています。今回、大手総合広告代理店の博報堂を経て、アクセンチュアでのコンサルティング経験を積み、現在UNCHAINのCMO(チーフマーケティングオフィサー)を務める原田 健司氏に、クリエイティブの世界との出会いから、UNCHAINで取り組む挑戦、そしてこれから目指す未来についてお話を伺いました。

原田 健司 株式会社UNCHAIN CMO・Creative Director
株式会社博報堂にて国内最大手ゲーム会社や外資映画会社など複数企業のマス・デジタル統合キャンペーンを担当。また、同社にてスタートアップ企業を設立しCOOに就任。博報堂退社後はアクセンチュア株式会社にて通信大手、行政クライアント等のブランディング・マーケティング戦略立案業務に従事。制作からメディアまで幅広い知見を持つオールラウンダー。
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J-POPオタクから広告代理店へ、「中毒」を原動力に歩んだキャリアの変遷

―博報堂で10年以上キャリアを積まれている原田さんですが、広告業界に進もうと思ったきっかけや経緯があれば教えてください。

広告業界を目指すきっかけは、小学生の頃からJ-POP中毒だったことが原体験にあります。小学3年生の頃に父親が買ったワープロを使って、生放送の『ミュージックステーション(音楽番組)』を見ながら表示される歌詞を書き起こして学校の友達に配るといった謎の活動が私の最初のマーケティング活動です(笑)その中で、日本語の持つ力や言葉の概念を理解して表現する面白さを意識し始めました。

大学では経済学部に進学し、その頃に当時センセーショナルな広告で世界中で話題となっていたベネトンの広告カメラマンが執筆した書籍『広告は私たちに微笑みかける死体』という本に出会いました。そこで広告という媒体が持つ「概念を可視化する力」に強く惹かれ、クリエイティブの世界に進むことを決意しました。当時から起業という選択肢もありましたが、まずは広告業界の第一線で経験を積みたいと考え、博報堂への入社を選びました。

―博報堂ではどのような経験を積まれたのでしょうか?

配属された関西支社では営業職としてスタートしましたが、関西にはクリエイティブ部門の人的リソースが少なく、クライアントニーズをより把握している自分がCMの企画なども手がけるようになっていきました。デザインを外部に発注し、一人代理店のように動きながらクライアントの課題に向き合う日々を過ごしていました。その経験が後のクリエイティブの基礎になっていったと感じています。

―その後2013年に博報堂より株式会社オールブルーという会社を立ち上げられますが、どのような経緯で立ち上げ、どういった事業を行っていたのでしょうか?

オールブルーの立ち上げのきっかけとなったのは当時、CDの売り上げが急激に下がっていく状況を目の当たりにしたことです。織田哲郎、ZARDなど、CDが飛ぶように売れていた時代の大衆的な楽曲が好きなJ-POPオタクとして、エンターテインメント業界に何か貢献できないかと思うようになりました。

そこで博報堂内の社内ベンチャー設立支援制度を活用して、「国境なき熱狂を作る」をコンセプトに、ボーダレスカルチャーメディアの構想を練り、JPOPカルチャーの多言語メディア 「Tokyo Girls’ Update」 を立ち上げました。そしてエンターテイメント業界とのつながりを活かし、アーティストやアニメコンテンツを活用した広告・PR案件も数多く手掛けていきました。例えば、ガールズグループをゲームCMの広告塔として起用し、ファンと一緒にポイントを競い合うキャンペーンを実施したり、当時はまだライブ配信プラットフォームが無かったので、Skypeを活用して海外ファンとのオンライントークをサブスクリプション形式で提供するなど、当時としては斬新な取り組みを汚れ役になりながらも貫いて、日本ならではの中毒性の高いカルチャー発信について模索していました。その根底には「夢中になれるものがあれば、言語は障壁にならない」という思いがありました。今でいう「推し活」を1つの経済圏として捉え、コミュニティ通貨として機能させる「TOKYOコイン」という独自の通貨システムを考案していました。今で言うところのWeb3やNFTに近い発想で、先進的なアイデアだったと感じています。

ーWeb3に親和性のある取り組みを10年以上前からされていたのですね。その後のキャリアを教えてください。

その後、デジタルメディアとのビジネスを進化させることをミッションとしたデジタル専門の博報堂系メディア会社のメディアプロデューサーを兼務し、LINEやYahoo! Japanとのメディアビジネス開発に携わった後、外資系のアクセンチュアグループへ転職をしました。アクセンチュアでの4年間は、広告業界とは全く異なるアプローチを学ぶ機会となりました。コンサル業界ではクライアントの企業価値をあげるために企業の仕組みを変え、企業価値を高め、参入障壁を構築することが重要となってきます。ブランディングを掛け合わせることで企業価値を飛躍的に高められることを、経営層との対話を通じて実感し、コンセプトをよりロジカルに表現することの重要性を学びました。

経済とエンターテインメントの融合、ゲーミフィケーション価値創造への挑戦

―UNCHAINとの出会いについて教えてください。

UNCHAINの現CSO(チーフセールスオフィサー)である鶴岡と博報堂時代にアイドルオーディションの審査員を務めた際、レーベルの担当者を通じ出会ったのが最初のきっかけです。
その後、鶴岡が在籍していたDigital Entertainment Asset社にて、企業コンセプトのコピーライティングなどを手伝いはじめ、2021年にはマーケティング領域全般のサポートを行うようになりました。その後、戦略立案やコンサルティング、プロモーション動画制作など幅広い業務に携わる中で、現UNCHAINの代表であるウィンレイとも知り合いました。2022年10月にウィンレイが独立し、UNCHAINを立ち上げて半年経たないほどのタイミングで「マーケティングを手伝ってもらえないか」と連絡をもらい、関わりはじめました。その頃は経営に参画するとは思っていませんでしたが、当時のUNCHAINの仕事はWeb3領域のマーケティング案件が多く、その領域ならではのマーケティングができる人材は大手代理店にもフリーランスにもほとんどいない状況でした。その中でUNCHAINは先駆的な取り組みを行っており、進化したマーケティングの形を模索できる環境があると思っていました。これまでにも私はPR的なクリエイティブや番組制作など様々なことに挑戦してきましたが、新たにWeb3やNFTの世界に触れる中で、クリエイティブそのものに価値を持たせることができる可能性に気づきました。

―そこからUNCHAINへの転職を決意された最大のきっかけは何だったのでしょうか?

大きなきっかけは、40歳を迎えるにあたって自分に残されたチャレンジの時間について真剣に考えるようになったことですね。大企業では、大きなチャレンジをしようと思っても既存の方針に従わざるを得ず、自分に与えられた仕事の範囲でいかにインパクトを残すか、ということにチャレンジの幅が限られてしまいます。そうした状況と今後のチャレンジできる時間を比較した際に、これからの時間は自分が挑戦したいことを認め合える仲間とともに社会にインパクトを残したいと思うようになりました。

正式加入当時は独立も考えており、個人でやるか、UNCHAINでやるかという二択の選択肢がありましたが、UNCHAINを選んだ決め手は「全員が違う力を持っている集団」という点でした。さらにUNCHAINは、Web3を含めたサービス開発とマーケティングの両方の機能を持ち、「エンタメ・サービス開発ができる総合広告代理店」という独自のポジションをとることができます。そして、自身が産んだアイデアを形にする力が常に求められ、そのクオリティを突き詰められる環境があることに大きな可能性を感じました。「GIANT KILLING」というパーパスのもと、既成概念を塗り替えていくチャレンジ精神を持った仲間とともにクリエイティブを行えること嬉しく思います。

「大企業」という常識を超えて、変化の時代に見出す“らしさ”を残す働き方

―大企業出身者の視点から見て、UNCHAINのようなスタートアップの組織的な魅力は何だと感じていますか?

この20年で世の中は劇的に変化し、従来のマスコミはすでに「オールドメディア」と呼ばれるようになり、個人個人が必要なものや情報をカスタマイズできる時代になっています。私自身、10年前は博報堂に一生在籍するつもりでしたが、コロナ禍を経験し、子供が生まれてからは価値観が大きく変わりました。次世代の子どもたちが大人になるとき「大企業で働くのが良いという価値観は本当に生きているのだろうか?自分が60歳まで働くことを考えた時、20年後に日本に残る大企業型ビジネスは自動車産業以外にあるのだろうか」と考えるようになりました。そして、数十年後を見据えた時、大企業で働き続ける人生より、様々な業界とつながりを持ち、手を取り合える仲間がいる時間を多く持っている“個人”である方が充実した人生を送れるのではないかと考えるようになりました。スタートアップで自分の実力を試し、チャレンジする経験は、第一線から退いた後も、自分のやりたいことを仕事にできるスキルとして残るはずです。

もちろんスタートアップならではの慌ただしさはありますが、それに怖さは感じません。むしろ、スタートアップへの転職は大企業で疲弊するよりもずっと健全だと感じています。

―UNCHAINが目指すゲーミフィケーションマーケティングについて教えてください。

遊びとマーケティングを有機的に結びつけ、体験を創造していくことが私たちの目指すゲーミフィケーションマーケティングです。そもそも、広告が人を動かすのではなく、人はそれぞれ自分の感情で動きます。昔は人の感情を動かすものは「メッセージ」でしたが、今はメディアが双方向になったので、「一緒に体験できることは何か」が重要な広告クリエイティブの要素になっています。UNCHAINは創業以来、Web3の領域で開発とマーケティングを展開してきましたが、一般的なゲームであれば“クリアして次のステージ”という設計で終わりますが、Web3の世界では、それが経済活動と直結しています。例えば、ゲーム内でレアアイテムを手に入れれば、それが現実の資産価値を持ちます。プレイヤーの行動が経済的な意味を持ち、それがまた新たな遊びを生む。この現実とゲームが混ざり合う体験をマーケティングに活かしていくことが私たちが提供したい価値です。

例えば最近手がけた『THE CHAIN HUNTERS』というWeb3ゲームのプロモーションではWACKのガールズグループ・GANG PARADEのメンバーがNFTとしてゲーム内に登場します。単にキャラクターを実装しただけではなく、「レアキャラが欲しい」という自然な欲求がゲームプレイのモチベーションとなり、それが実際の経済的価値とリンクします。この循環を作り出すことで、サービスへの継続的な関与を生み出しています。

これを実現するには、NFTの設計からガチャの仕組みづくり、そして”一緒に遊びたいと思わせるトリガー”の設計まで、Web3の技術的な知見が不可欠です。最後のインセンティブまで含めた一貫したマーケティング戦略を、すべて「体験」として提供する必要があります。

―そういった「遊び」の発想はどこから来るのでしょうか?

「どんなゲームなら面白いか」と考えることを意識して、そのアイデアを形にすることですね。例えばスケボーをやっていて「あの石を飛び越えた方が勝ち」といった遊びを即興で考えるようなことです。子ども時代に独自の遊びを開発する感覚に近いと思います。

私の経験でいうと、小学生時代に「プリティーボーイオセロクラブ」という同じ小学校の友達が20人くらい集まってオセロをするという謎の集まりを企画していて、当時は紙の文化なので毎回でっかい模造紙に表を書いて総当たり戦を開催し、歴代チャンピオンを決めて遊んでいました。ただオセロ盤を持ち寄って遊ぶだけでなく、チャンピオンが決まると次はもっと強くなろうとみんなが意識してどんどんレベルが上がっていくのが面白かったです。とにかくアイデアを形にし、「遊びの発明ならエジソン級」と自負して集団を面白がらせようとする意識が大切だと思っています。

―UNCHAINで今後最も実現したいことは何でしょうか?

一つは企業としての時価総額を上げること、もう一つは、社員一人一人の個人としての価値を高めていくことですね。自分の価値を上げる、「自価総額」をチームで意識しています。誰にマーケティングを頼んでも高いアウトプットが出せる集団が生まれる環境を整えていきます。

そして個人的には“世の一軍の皆様”へのアンチテーゼとして、従来の体育会系的な価値観では通用しない、人本来の多様な強さを持った組織にしていきたいです。ただ力比べで自分を強く見せられる人間が勝つのではなく、文化として根付くような仕組みを作れる人やアイデアを形にできる人こそが、本物の変革者であって欲しいと思っています。

UNCHAINには、異なる世界の人々が自然に混ざり合うカルチャーがあります。好きなことを好きでいられる。それをお互いに讃え合い、過剰に好きなものがある人こそを歓迎する文化があります。そんな"異世界人"たちが集まり、新しい常識や価値を生み出していくことが私たちの目指す未来です。

―CMOとしてどのような方と一緒に働きたいですか?

マーケターとして求めているのは「どんな些細なことでも良いけれど、アイデアを形にする執着心を持った人」です。必ずしも広告業界出身である必要はなく、大切なのは、脳内にあるものを具現化できる「作家性」と、考えながら走り続けられる「思考の持久力」を持っていること。私はこれを漢字を変えて「策家業」と呼んでます。例えば、大人になった今でも「信号が変わる瞬間に心の中で呪文を唱えている」ような人がいいです。そんな「策」を練り込むのが好きな人たちと一緒に、世の中全体をゲームのように夢中になれる場所にしていきたいです。

UNCHAINでは“遊び”の才能を広告の世界に持ち込み、エンタメとマーケを混ぜて考えられる人材を求めています。「中毒になるほど好きなものがあってよかった」と心から思える世界を作りたいですね。

ーありがとうございました!

UNCHAINでは現在、マーケターやプロデューサーを募集しています。少しでも興味を持っていただけましたら、Wantedlyの応募から「話を聞きにいきたい」を押していただくと、担当者よりご連絡をいたします。まずはオンライン顔合わせやオフィスにお越しいただき、気軽にお話しできれば嬉しいです。

応募職種一覧はこちら:https://www.wantedly.com/companies/company_1340219/projects


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